欧州関連

Leonardo、2026年中にM-346から制御する2機の無人戦闘機を飛行させる

Leonardoのチンゴラーニ最高経営責任者は昨年「BaykarのKızılelmaがGCAPのウイングマン候補になるかもしれない」と述べていたが、12日「2026年中にM-346から制御する2機の無人戦闘機を飛行させる」と明かし、どうやら既存の航空機とKızılelmaとの協調能力を開発するらしい。

参考:Leonardo plans to fly uncrewed fighters alongside M-346 aircraft by mid-2026
参考:Italy’s Leonardo rides high on soaring global defense spending
参考:Leonardo to launch Michelangelo air defense dome test in Ukraine

Leonardoは潜在的な顧客が保有する有人戦闘機に「Kızılelmaとの有人・無人チーミング能力」を提供したいのだろう

トルコのBaykarはMALE UAV(中高度・長時間滞空型無人航空機)分野で目覚ましい成長を遂げ、小型のTB2はNATO加盟国を含む34ヶ国で、MQ-9に匹敵するAkinciも10ヶ国で採用され、強襲揚陸艦からの運用に対応したTB3やKızılelmaの開発が進んでいる。

出典:Leonardo

ただし、Baykarの輸出先の大半は中東、アフリカ、中央アジア、東南アジアに集中し、地理的に最も近い欧州諸国(ポーランド、ルーマニア、クロアチア、アルバニア、ウクライナ)の採用は限定的で、これを打開するためイタリアのPiaggio Aerospaceを2024年12月に買収、BaykarとLeonardoは2025年3月「無人機に対する欧州市場のニーズが高まっている」「今後10年間の無人機需要は1,000億ドルを超える」「この需要を取り込むため両社は50対50の合弁会社を設立する」と、2025年6月のパリ航空ショーで「無人航空機技術の開発に特化した合弁企業=LBA Systemsを設立する」と発表した。

両社は提携の意義についても「Leonardoがもつ認証取得や統合型マルチドメイン技術のノウハウ」と「Baykarがもつ無人機セグメントを網羅するポートフォリオ」を統合させることで「世界規模のビジネスチャンスを掴む上で大きな力になる」と説明し、Leonardoのロベルト・チンゴラーニ最高経営責任者は「BaykarのKızılelmaがGCAPのウイングマン候補になるかもしれない」「まだGCAPのウイングマンに対する要求要件が決まっていないためKızılelmaに売り込むアイデアは初期段階だ」と述べたことがある。

出典:Leonardo

チンゴラーニ最高経営責任者は12日の決算報告でも「M-346から制御する2機の無人戦闘機を飛行させる計画で、5月まで最初のデモンストレーションを行い、2026年半ばまでに公開する予定だ」「これは第6世代戦闘機が登場するまで大規模な投資が困難な顧客向けに『既存の航空機と組み合わせて運用できる補助的なシステムの提供」を目的としている」「この無人戦闘機はBaykarと共同で製造する予定だ」と明かしたが、その無人戦闘機が何なのかについては明言しなかった。

防衛市場の動向を報じるShephardは13日「LBA SystemsにおけるBaykarの役割は機体の設計・開発で、Leonardoは電子システムとペイロードを供給し、有人・無人チーミングの実装を担当する」と指摘し、M-346が有人・無人チーミングを行うのはKızılelmaだと予想している。

Kızılelmaの開発は順調に推移しており、2025年末までにKızılelma同士による自律的な編隊飛行、自律的な空中哨戒、空対空ミサイルによる目標の破壊、空対地兵器の投下に成功し、能力実証の進捗はBoeingとオーストラリアが開発を進めているMQ-28Aとほぼ同等か、一部の能力実証でMQ-28Aを上回っており、Baykarは「トルコ空軍が有人戦闘機で担ってきた哨戒任務やスクランブルは今後、Kızılelmaによって自律的に遂行される予定だ」と説明している。

Leonardoも「M-346とKızılelmaの組み合わせ」ではなく「既存の航空機と組み合わせて運用できる補助的なシステム」と述べているため、潜在的な顧客が保有する有人戦闘機に「Kızılelmaとの有人・無人チーミング能力」を提供したいのだろう。Baykarにとっても有人戦闘機との協調能力を手に入れれば、潜在的な顧客が多い「第4世代/第4.5世代向けの無人戦闘機」としてKızılelmaを提案できるようになり、この分野の輸出市場でMQ-28Aと競合するのはほぼ確実だ。

因みに、チンゴラーニ最高経営責任者は12日の決算報告で「2026年の業績は新規受注250億ユーロ、売上高210億ユーロに、2030年までに年間受注額が320億ユーロ、売上高が300億ユーロに達するだろう」と明かし、2025年11月に発表したミケランジェロ・ドームについても「既に20カ国が関心を示している」「このミケランジェロ・ドームは2035年までに210億ユーロの新規事業が見込まれている」「最初の構成要素はウクライナの友人向けに製造中だ」「最初の試験はウクライナで行われることになるだろう」とも述べている。

ミケランジェロ・ドームとは米陸軍が採用した次世代統合防空向けの指揮統制システム(IBCS)の欧州バージョンで、欧州諸国がバラバラに導入している防空資産(SAMP/T、パトリオット、David’s Sling、Arrow、NASAMS、IRIS-T、タイフーン、ラファール、グリペン、F-16、F-35、艦艇、各種レーダーなど)の断片化を解消してシームレスな共同運用を実現する、つまり「様々な防空資産を統合して1つの防空シールド=ミケランジェロ・ドームとしてセンサーとシューターを分離する」という意味だ。

関連記事:無人戦闘機分野で先行するオーストラリア、MQ-28Aに欧州製兵器を統合
関連記事:日豪が安全保障分野の関係を強化、空自がMQ-28Aのテストに参加
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関連記事:BaykarとLeonardoが提携、KızılelmaがGCAPのウイングマン候補に

 

※アイキャッチ画像の出典:Baykar

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コメント

  • コメント (5)

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    • せい
    • 2026年 3月 18日

    GCAPのアビオ担当のレオナルドとベイカーが組むんなら.KAANの開発にも影響してきそう
    m346とKızılelmaの連携がうまくいくんなら、GCAP用の練習機もm346になるのかな?

    5
    • 無印
    • 2026年 3月 18日

    M-346って空自の次期練習機の候補の一つですね
    この機体を採用、運用してる国は、自然とクズルエルマが使いやすくなるという事か

    空自はMQ-28Aに注目してたけど、クズルエルマも無視できない存在になるのだろうか

    7
    • バーナーキング
    • 2026年 3月 18日

    > Leonardoも「M-346とKızılelmaの組み合わせ」ではなく「既存の航空機と組み合わせて運用できる補助的なシステム」と述べている

    ですからね。
    単に自前の複座機だから開発・試験がし易いだけで、実際には各国が運用してる既存機に統合するのが前提でしょう。
    日本も戦闘機用統合火器管制とそのための僚機間秘匿データリンクの実証をF-2とT-4でやってますが、T-4で実運用するつもりはおそらくないでしょう。

    4
    • kitty
    • 2026年 3月 18日

    これ絶対日本にも売りに来る気満々だな。チンゴラーニ社長もコメントしてるけど。

    6
      • 戦車
      • 2026年 3月 18日

      日本の場合はアメリカ製のCCAと日本で現在開発中(三菱製の試作機が去年飛行している筈)の随伴機のチーミンもどうなるかですね。

      5

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