タイフーンを新規発注したドイツ、イタリア、スペインではプログラムへの継続的な投資を喜んでいるものの、最終組立てラインの維持が困難になっている英国の労働組合は「F-35を購入して再び米国を偉大にするのか」「それともタイフーンを購入して自国産業を支援するのか」と訴えた。
参考:Fears over defence industry skills as UK waits for new Typhoon orders
英国の最終組立てライン維持はBAEが主導する海外輸出の成果に依存して
英国、ドイツ、イタリア、スペインが共同開発したタイフーンは第5世代機と登場時期が重なったこと、冷戦終結後の国防予算削減の影響を受けたこと、海外入札でF-35Aと競合したため受注が伸び悩んでいたが、ドイツ、イタリア、スペインが2020年以降にTranche4を計107機発注、特にドイツは2025年にTranche5を20機発注すると約束し、開発国4ヶ国は第6世代機で実装する機能の一部を取り入れた能力強化=Long-Term Evolution開発に資金供給を開始した。
そのためドイツ、イタリア、スペインではタイフーンプログラムへの継続的な投資を喜んでいるものの、同機の製造に携わる英国人は「ドイツ、イタリア、スペインはTranche1を更新するためTranche4を発注したのに、政府はTranche1を更新するためF-35の購入するかもしれない。そうなればランカシャー州ウォートンの最終組立てラインが維持できなくなる」「F-35を購入して再び米国を偉大にするのか、それともタイフーンを購入して自国産業を支援するのか」と懸念を表明し、現地のアナリストも「タイフーンなしで戦闘機製造に必要な能力をGCAPまでどうやって維持するのか」と訴えた。
“英国以外の開発国はタイフーンの新規発注を約束しているが、我々がTranche3を最後に発注したのは2009年のことで、ユーロファイター・タイフーンコンソーシアムに参加するBAE、Airbus、Leonardoは構成部品の製造を分担しているものの、4ヶ国にある機体の最終組立てラインはそれぞれ「自国発注分」と「主導した海外輸出分」で維持されている。英国の最終組立てラインに残された仕事量はカタール向けの2機のみで、BAEが海外輸出を主導するサウジアラビアやカタールからの追加発注、トルコの新規導入はまだ契約に至っていない”
“同機の製造に携わる英国人労働者らは「政府が退役するTranche1を更新するためF-35を購入するかもしれない」と懸念しており、Unite the Union(英国とアイルランドの労働組合)の関係者らも「GCAPを推進する決定は歓迎すべきものだが、労働者は進行中の国防方針見直し結果や確定した海外輸出分がないことを懸念している。最終組立てラインに必要な技能を維持するためには『英国製を買うこと』が重要で、これは主権の行使における自由への投資だ」と訴え、政府に「F-35を購入して再び米国を偉大にしたいのか」「それともタイフーンを購入して自国産業を支援するのか」と質問を投げかけた”
“保守党のスノーデン議員も「ウォートンは北西部経済と防衛産業の中心だ」「私は政府にタイフーンの新規発注について問いただしたが、この計画が予算に含まれていないと判明した」と懸念を表明、現地のアナリストも「もう米国から購入する方が良いとは思わない」「タイフーンなしで戦闘機製造に必要な能力をGCAPまでどうやって維持するのか」と指摘した”
“Lockheed Martin側は「老朽化した第4世代はリスクが伴う高額な開発プログラムでしか能力をアップグレードできない」「第5世代のF-35は必要とされる殆どの能力をカバーしている」と反論し、英政府も「退役するまでタイフーンの能力を維持していく」「そのためのアップグレードについて今後もBAEと協力していく」と述べた”
要するにドイツ、イタリア、スペインは最も確実な自国発注分で最終組立てラインの維持を支援しているが、英国の最終組立てライン維持はBAEが主導する海外輸出の成果に依存しており、最も有望視されているカタールの追加調達規模も12機しかなく、サウジアラビアの追加調達はGCAP参加の成否に左右されると噂され、トルコの新規導入は交渉が進んでいるものの契約締結までには相当な時間がかかるため、2025年前半までに最後の機体を組み立て終わるウォートン工場の救いにはならない。
Financial Timesは「ウォートンの最終組立てラインで働く従業員数は約50人だが、彼らのお陰で先進的な戦闘機を製造できる数少ない国であり続けられた。BAEは来年にカタール向けの機体を納入し終えたら、将来プロジェクトの研究開発を通じて最終組立てラインの作業をある程度維持するだろう」と報じ、一部の従業員は他のプロジェクトに配置転換される可能性を示唆した。
因みにBAEのサムルズベリー工場はタイフーンの前部胴体を製造しているため、ここの従業員はドイツ、イタリア、スペインからの新規発注(計127機)=恩恵に預かれるものの、この前部胴体はドイツのマンヒング、イタリアのカゼッレ、スペインのアルバセテにある最終組立てラインに送られるため、戦闘機組み立て技術をもつウォートンの従業員には仕事が回ってこない。
※今日で仕事納めだという方も多いと思います。今年も大変な年でしたが苦労さまでした。ここから年始年末モードに入るので更新が止まるかもしれませんが、酒を飲みながらダラダラと更新するかもしれません。
とにかく航空万能論GFを覗いてくれた全ての方に感謝を、そして良いお年を!
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※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air Force photo by William R. Lewis
管理人様今年度の更新お疲れ様でした
来年もよろしくお願いします
よいお年を
管理人様お疲れ様でした。今年も大変参考にさせていただきお世話になりました。
コービンの異端派労働党を追放した結果、保守党に労働者と産業を突っ込まれる始末…まあ保守党も長年この件で改善策を掲げながらも失策続きだったのですが。
というかタイフーンの新規発注が組み込まれてないというのは流石におかしいように思います。
数少ない産業とはいえ需要が今高止まりしてるのに、今売れてないからって即次が決まってない中でラインを空中分解の危機に晒すなんて。
売れないなら売れる営業をしろと…
間違えて返信になってしまいました…
大変お疲れ様でした。ウクライナ戦争の前線の様子を詳報してくれる大変貴重な日本語情報源でした。ありがとうございました。
どうか体調には気をつけて。来年も良質な記事が読めることを楽しみにしております。良いお年を
更新お疲れ様でした、ダラダラ更新も期待してますね〜
私はウクライナ戦況の興味から入り、兵器に関しては分からないながらも米国・欧州・中国関係等の記事にも目を通すようになりました。
管理人様の国際情勢やミリタリー関係への幅広い知見と客観的な戦況分析は日本語サイトとして唯一無二だと思います。殆どの大手マスコミ、マスメディア、個人サイト、YouTubeチャンネルの報道は偏向や誘導に溢れ、それらが大勢を占めている状況は、誤った分析や認識により人々が危険な道へ進みかねないと言う意味で国難だと思います。
戦争関係だとどちらか一方に肩入れしたくなり、2022、23年辺りの記事からは管理人様の心情も今よりはっきり伺えますが、たとえ心情側が不利でも客観的な視点で戦況を分析し記事を作る、これは相当の人格者で無ければ出来ない事だと思います。
また管理人様の書かれる文章は理路整然としており、私の様な兵器に詳しくない者でも飽きさせず読ませてしまう文才もあられます。
これらを提供して頂ける管理人様には大変感謝しております。ありがとうございます。
年始年末モードに入るとの事で記事が見られなくなるのは残念ですが、どうぞゆっくり過ごし良い元旦をお迎え下さい。
長文失礼致しました。
英国やイタリア的にはGCAPから日本を排除して、サウジアラビアを加入させた方がいいんじゃないかね?
金出させるだけならサウジのが金持ってるし、タイフーンまで買ってくれるとなると絶対にそのほうが良い
開発リスク低減のために、日本が確立済或いは進捗レベルの高い取り込みたい技術群もあるんですよ。例えばIHIのCMC技術とか、航空宇宙用C-FRP工技術とか、GaNパワー半導体技術とか。勿論提供可能な先端技術以外にも拠出可能な開発費の上限が英伊より高いだろうてのもありますがね。
共同開発における日英伊三国の権利と義務は同等と謳われている通り、当面は総合的にWin-Winの関係が成立してるんです。
「カネ」or「技術」がどっちもない日本だったらGCAP自体成立してないから。
夫婦関係wと同じで得意不得意があってお互い補完しあえる関係だから一緒にやろうという話。
例えばサウジにCNC工作機械製造や機械加工、工具・刃物製造技術なんて皆無。
製造業ってとにかく経験が重要だから。
モニターの前で3Dで戦闘機作れても実物の戦闘機を製造or見れる経験を積める方が遥かに良い。
ここまで話進めて日本側だって幾らかのお金を使っているんですから当然、排除するに足る理由があって賠償とか含めてなるべく穏便に終わらせられる見込みが立つならそうすれば良いでしょうね。
単にお金だけが理由でサウジを選ぶなら日本以上にお金を気前よく払って貰える保証が無いと成り立たないですし、金の為だけに切り捨てるなら信頼はガタ落ちだと思いますけどね。
というか勝手にそういうことができない様にGIGO設立条約結んでこの前発効した訳で。
いまだに排除とか撤退とか軽々しく言ってる方々はあのコンパクトな条約すらロクにチェックしてないミリしら勢か次期戦闘機を腐したいアンチ勢(国産原理主義者を含む)と見なしていいと思います。
最強の宇宙戦艦、ごめんなさい、スタートレックは守備範囲外なんです><
管理人様1年間お疲れさまです、様々な角度から勉強になりました。
欧州は、お金持ちはいいのですが、庶民が働くような製造業は国際競争力がなくなっていってますよね。
防衛産業は、公共事業のような性格もありますから、日本も上手に雇用を生み出して欲しいなと思っています。
今年1年ありがとうございました!
今年一年お疲れ様でした。
英国は名ばかりF-35カスタマーの犠牲者ですよね本当
管理人様今年も1年お疲れ様でした&ありがとうございました
英国は仰る通り、レベル1開発パートナー国という地位がはたして妥当な形でモノになっているのか疑問ですね
アメリカ製ミサイルの統合運用ですらTR3、ブロック4開発のグダグダで見通しすら立っていないのに、イギリスが自由に自国のミサイルを運用できるのはいつになるのやら
まあ戦闘機の主要構成要素のひとつである電子戦の領域にBAEが食い込んでいるというのはありますが、マジでそんくらいですね
へたするとノルウェーの方がよっぽどもってそうですしな。
イスラエル並みとは言わんがソースコードの追加とかさせてやれよ>LV1
最強の宇宙戦艦はSWのスーパー・スター・デストロイヤーことエグゼクター級スター・ドレッドノートだと固く信じて疑いませぬ
バイラル·ジンとか白色彗星帝国巨大戦艦も同クラスですよ。
デス・スターとかガンド・ロワとかボーグキューブは要塞のカテゴリーなんでしょうけど。
1年間お疲れ様でした
このサイトには本当に楽しませて頂きました
来年も楽しみにしております
良いお年を!
その他が一番多くて笑った
みなさんこだわりがあるようでw
管理人様、今年もありがとうございました。
年末に Deep State が活動を続けられるかというニュースもありましたが、Deep State と Rybar を綜合して状況を判断するこのサイトの方針は、信頼性の点でやはり群を抜いていると思います。
来年も、どうぞよろしくお願いいたします。
管理人様、大変参考になる情報を提供し続けていただき感謝しています。
また、コメント欄も価値ある内容を提供している方々が多数おられ、素晴らしい“場”になっていると感じています。多様な投稿がある中、場が荒れた際の管理人様の見せる度量や胆力もお見事というほかありません。
来年も変わらぬご活躍を期待しています。
1年お疲れでした
「宇宙戦艦」ってあるのに「エアーウルフ」ってw
それヘリコプターですから!
ロマン兵器にはやはり支持が集まるものですぜ、ククク…
この一年、不透明なウクライナ情勢について参考になりました。
来年も足繁く通わせて頂きます。
英国さん…いい加減GCAP作りましょうや
タイフーンごときでF-35と張り合える訳ないだろ?英国航空業界がアメリカやフランスに張り合うにはアメリカに次いで第5世代以上の戦闘機作る以外にないですよ。日本とてそれを邪魔する気は毛頭ないのに、英国さんが寄り道ばかりしてどうするのか?
5時間前にNHKで日本が機体形状のデザインを担うという報道がされました。
日本のタイムスケジュールだと中身はともかく飛ばせる試験機体をつくらんと間に合わんわ。
GCAP開発事業は複数国による国際共同開発だけに最初が肝心なんで、なかなか本格スタートしないように見えるのは我慢しつつ今後を見守って下さい。
日英伊政府間協議の上で合意・締結した条約に基づき、事業実施機関であるGIGOが正式発足したのはつい先日のことです。来年には日英伊JV企業体が正式に設立されGIGOと契約することになります。
この間も準備作業は進められていますが、kittyさんが書かれている通り、日本が機体形状や構造、英国が電子システム、イタリアが機体制御それぞれを主導的に担当する方向で調整中と報じられました。来年度中の基本設計完了がタイムスケジュールだったはずですが、こちらは非公式ながら以前から調整・進行中と考えて良いでしょう。
(管理人さんへ)
管理人さんはトレッキーでしたか。
大学研究室の院生で防衛庁(当時)からの委託研究をしていたトレッキーがいまして、研究の合間に眺めているらしく、持ち込んでいた結構な量のスタートレック資料をニコニコしながら見せてくれたのを思い出しました。w
それから、先日その瞬間を目撃しましたが、コメント欄を無用に荒らすと判断される書き込みは速攻削除したりされてるんですね。
戦況地図の作成等々、今年一年お疲れ様でした。
中露空軍の動きを見ても、30年代には4.5世代機が一線張るのは厳しくなるでしょうし、いつまでも4.5世代機の需要に拘るより、未来を見るべきなのはロッキードの言う通り過ぎる…
国力が乏しいのに無理な背伸びをし膨大な金を突っ込んだ挙句にモノにならない(TSR2とか)とかモノになったことにしてしまう(F-35とか)というのもしょっぱい話なわけで。
中露相手にガチで戦争するというのはまじめな話にならないし(核の応酬を勝ち抜けるはずもなく。中国の戦略核ドクトリンは”米欧ら(数億人)を核で滅ぼした時、中国人はまだ億単位で生き残っている。それでもやるなら受けて立つぞ。撃てるもんなら撃ってみろ!”)、それ以外の南の国と戦うなら4.5世代機でもおそらく間に合う。
米国も思うように第6世代機の開発が進まないどころか、F-22も冴えないしF-35改良型はモノにならず首なし飛燕のように工場前に並んでる。
英米欧日らは自分を見つめ直し身の程をわきまえないとグローバルマジョリティに対抗どころか自滅の道だわな
どうやってこのミルブログに辿り着けたかは忘れたけど、此所に辿り着けたのは株で資産が増えた以外で今年で一番幸運な出来事だったかもしれない
それでGCAPですけど、中国の新型機開発のニュースと比較して何かもう先行き不安過ぎて……
イギリス人が一体何を考えているのか、自分にはサッパリ分からない
日本が機体デザインを担当することに決まったそうです。
これで対艦ミサイルを収納できるデザインになりそう。
リンク
ヨシッ、河森正治監修だなw
管理人様一年間お疲れ様でした、来年も記事楽しみにしております!
「生産ライン」というものを工場のベルトコンベア1本かなんかと混同してる人がいるのかなぁ?
生産ラインには場所や設備やサプライチェーンと何より「人」が必要で、技術の継承だけじゃなくてその人達の生活まで込みで考えなきゃいけない。
「5年間今の仕事ないからちょっと休んでて。5年したらまた別の機種でお願いするから」なんて言われて「はいそうですか」といえる従業員はいないでしょう。
かと言って記事中にもある様に配置転換しようにも「生産」作業者を「研究開発」に回したところで本来の技能を十分に活かせるはずもなく企業にとっても当人達にとっても大きな損失になる。
だからこそ生産数の確保・継続とそのための輸出ってのが重要なんだけど、タイフーン増産やサウジとの交渉を「寄り道」だと仰る方々にはBAE(やMHI)やそこに連なるサプライチェーンの従業員の姿は見えてるんでしょうか。
次期戦闘機の成功を望んでるらしい人が「早よ作れ」とか「GCAP抜けて国産しろ」とかいうのも不思議。
共同開発にまつわるアレコレを爆速オンスケでこなしてる現状でこれ以上早くまともな「量産」開始が可能だと思うのか、今からほぼ国産してあと10年で全部品全工程問題なくあと配備にまで漕ぎつけられると思うのか、できたとして国内分90機なりF-15MJ更新の一部含めて100数十機の生産で第五世代以上機の開発費がペイすると思うのか(あるいは実績皆無な上に米独以上に政治的に面倒臭いと思われてるであろう日本のほぼ国産の戦闘機に輸出の可能性があると思うのか)。
これが7〜8年前なら2xDMUのどれかをベースにほぼ国産で「えいや」で作って困ったらLMかBAE、P&WかGEかRRに泣きついて、で(出来や権利面はさておき)多分2035年に間に合った可能性は高かったし、完成機はともかくその過程で生み出される国産技術や部品を輸出して(少なくともチームテンペストには共同開発の形で売れたでしょう)コストの何割かも回収できた可能性もあったけど、今から喧嘩別れする形でGCAPを抜けるならそれも難しいですから粛々とGCAPを推進するのが唯一にしてかなり理想に近いルートでしょう。
サウジの関与も両手を挙げて「どうぞGIGOにご参加ください」とは言えないものの生産機数的にはもちろん何より「輸出実績」としてメリットが大きいので完成品購入かノックダウン生産くらいまでならメリットが政治的デメリットより勝るし、少なくとも日本としてサウジに「『GCAPの声明を遵守しろ』と呼び掛ける」というゼスチャーは取れるし口先だけ承知して買うもの買って馬耳東風のサウジに遺憾砲を撃つとか、何なら日本製部品の供給を止めて英伊が代替品を供給する様な政治プロレスで体面を取り繕うことも可能でしょう。
「次期戦闘機に成功して欲しくない勢力」というのは陰謀論抜きに特定野党やメディア、九条ネギのお花畑さん達等々国内だけでも色々と存在し、ありとあらゆる手段で揚げ足を取ろうとして来てるしこれからもして来る訳で「それなりに知識のある人間の次期戦闘機に対するネガティブな意見」というのは彼らに大喜びで利用されます。
「共同開発は問題が多い。やはり国産でやるべきだ」という意見はサラッと「共同開発は問題が多い『ので次期戦闘機開発はやめるべき』」に改竄され「デルタかっこ悪い、ラムダに戻せ」は「デルタかっこ悪い『から次期戦闘機やめろ』」になる訳です。
もちろん「戦闘機肯定派なら現状の計画にネガティブなことは一切言うな」と言論統制する気はないし私にそんな権利もないですが、それなりの情報と知識と考察を重ねた上でならともかく、「軽々しく」「感情的に」「現実を無視して」ネガティブなことをいうのはやめて欲しいなぁ、というのが正直な想いではあります。特に国産至上主義系の方々。
従業員達のことも考えればこそ、もう今回の更新以降、需要が見込めなくなるタイフーンではなく、第5世代以上のGCAPに向けて技術の伝承を進めるべきだと考え、急ぐべきだと申しています。
確かにエイヤで機体を作れとは言わないが、GCAPに引き継ぐべき要素技術くらいは固めないと、何れ今の従業員は路頭に迷いますし、未来を担う従業員も育たない…
サウジもF-15系統もタイフーンも使ってる口だからアメリカの態度(特にトランプ)次第ではF-35に飛び付きかねません。実機の無さは特にF-35相手には厳しいです。
かといって中継ぎ機種をもう一機開発する訳にもいかんでしょう。
タイフーンにGCAPの技術や部品を適用して能力向上と単体試験を並行して行う、なんて事が出来ればいいけど伊はともかく独西がいい顔をするかどうか。
CAPTORの混沌っぷりを見る限りアビオの載せ替えくらいは割と勝手にやれるのかもしれませんが、さすがに主翼や機体に日本の複合材一体成形技術をがっつり適用して改修した上でその技術は独西には内緒、なんてのはおそらく許されんでしょう。
あるいはテンペスト実証機を数作ってテストベッドにする手も無くはないですが、戦力化不可能な実証機は予算の足りない英政府にとってはそれこそ「寄り道」でしょう。
となればGCAPの試作が始まるまでは戦力化なり輸出が可能なタイフーンの追加生産でしのぐのが現実解じゃないでしょうか。
タイフーンは無理でも、イタリアの高等練習機など自由に使える機体は他にもあるかと思います。
また散々4.5世代機を下げてきて何ですが、F-35とF-16Vのように第5世代以上の機体と共通性がある前提なら、4.5世代機にも活躍の機会はあるのでアビオニクス、レーダー、エンジンはタイフーンで、機体本体は高等練習機で実証を進めるなど、やり様はまだあるのでは?
そうですね。そうした工夫の余地はあるでしょう。
ただそれようやく機体の役割分担がほぼ決まり、エンジンやアビオの分担はまだこれから、というこの段階で大急ぎで必要か、とも思う訳です。
既存機ベースの実証機なら程度や内容にもよるけど2〜5年も掛ければ十分可能でしょうから、少なくとも戦闘機の主要部品の分担が一通り、できればそれぞれの基本設計が固まってからでいいんじゃないかと。
例えば「タイフーンFTB」を作るにしてもエンジンはいじるのかレーダーはどうすんだ、という話を先にしなければ作るに作れないでしょう(例えばその場合おそらく開発リソース的にエンジンはテンペスト実証機用のEJ200改を流用すると思うけど、その際タイフーン側に小規模ながら改修が必要になる可能性は高いでしょう)。
他に何も作るものがないのがないから現行のタイフーンを余分に作れと言うのが労組の訴えですし、そんなことをするくらいなら今後のGCAPとの共通化を見越した再設計をするか、その実証機でも作った方がマシでは?
>今後のGCAPとの共通化を見越した再設計
それやるにしてもGCAP側の少なくとも機体の基本設計、その他各部の外部設計までは固まる必要があり、短くてもあと2〜3年は難しいと思う訳です。
さすがに第六世代戦闘機に遺憾砲搭載はないんじゃないかなー()
日本だけガンポッド方式にするとかw
遺憾砲は地対地で射程は無限遠ですので(なお威力
>タイフーンなしで戦闘機製造に必要な能力をGCAPまでどうやって維持するのか
これ、我が邦はどうなってるんでしょうかね。
F-2製造終了後とかT-4練習機の製造ライン?とか…。
潜水艦のように作り続ける体制を陸と空にも欲しいです。
それができてないから撤退企業が後を絶たず「君シカオラン」とかいうブラック臭丸出しの対症療法を打ち出すはめになってるんじゃないかと…
需給関係で最低限の採算性が成立しないと生産ラインとび関連雇用の維持は難しいです。US-2が好例ですかね。
維持したいが国内需要だけでは採算性を割るなら、輸出需要に活路を見出すか、割り切って輸入で賄うしかありません。やたら制約の多い中で防衛装備品海外移転の道筋をつけようと苦心している所以です。なので、秘匿性も理由ですが、需給体制の採算性が安定的に成立している潜水艦の海外移転については熱意が低い。
他部門での収益が大部を占める大企業MHIだからこそ、GCAPの開発にも注力できる余力があるわけです。同社の防衛装備部門は年間受注額5,000億円弱程度で推移してきましたが、2027年頃には1兆円規模になると見込まれ、必要な設備投資を行っていくとHPにあります。
T-4後継はどうなるんですかねー?
T-7Aになったらノックダウンで一部国内製造というか50%以上製造できたら多分奇跡だろうしね。
後一応F-35の組み立てもしてるからね?>日本
ホークあたりの治具があるんならそっち再生産してろよで割と終わる話ではある。
だいぶ老朽化でガタが来ているはずだし更新にちょうど良いだろうしね。
ドイツのせいでサウジアラビアへの輸出にストップをかけられて交渉している間に、GCAPにサウジがコミットメントを求めてとタイフーン購入とGCAPへの参加が政治的に色々あるのでしょうね。
サウジが加わることで輸出に関して某国がドイツと同じことをしないようにする対策とかは今回のタイトルとは別問題でしょうが頭に浮かんでしまう・・・
管理人様、今年も本当にお疲れさまでした。この情報ブログは、デマと扇動、無知による分断、貧困と欲望による金権化が同時進行し、混乱が深まるネット社会と現実社会にあって、まさしく数少ない知性の砦と言えると思います。私は特に、下記のような管理人様の情報解析手法に感銘を受けました。
①「DEEPSTATE」と「RYBER」というウクライナ側、ロシア側それぞれの戦況ウォッチャーの情報を両方比較し、一致していない点をグレーゾーンと判定、一致している点を確度の高い戦況図として解釈するというシンプルでありながら合理性、客観性に優れた手法。
②文章より視覚的証拠(特に位置情報)を重視する。攻勢側も防御側も「自分がどこで戦闘を行っているか」という情報は粉飾が難しいため、極めて確度が高い戦況情報になる。
③「心情的にウクライナ寄り」としながらも、政治的には中立な記事や論調を維持する。ロシア、ウクライナそれぞれの非を客観的に論じる。(個人サイトなので中立性に気を遣う必要すらないのにも関わらず、高潔な精神だと思います)
④読者のコメントの潮流に忖度しない。(ロシア寄り、ウクライナ寄り、反西側、反露中いずれにも与しない)
残念なことに、このような知性に溢れたサイトは、極めて希少性の高いものになってしまいました。ぜひとも、来年も無理のない範囲で続けていただきたいです。
ウォートンでF-35の組み立てすればええんとちゃう?小牧南工場みたく。
管理人さん、来年も引き続きよろしくお願いします。
F-35のワークシェアの取り決めに反する上に、よりによってイタリアのカーメリのFACOの仕事を奪う事になるのでは。
トルコの代わりにドイツのラインメタルが参入したり、フィンランドがイスラエル並みの独自運用にOK出されたりしている現状、イギリスの方針と政治的駆け引き次第かなとは思います。
まあ外野の門外漢の戯言なのでご容赦を。
フィンランドは自国分のMRO&UだけでFACOの仕事は奪ってないし英国は現状そのフィンランドより確定導入機数少ないんですよね。
てかそのフィンランドの件が「欧州のF-35のMRO&U需要がカーメリから溢れたら次は英国」という前提を崩して英国がますますへそ曲げた感もあるので(個人の感想です)「F-35をドーンと(当初予定数フルに)導入してその組み立てで喰ったらええがな」とは多分ならない気がします。
管理人さん、今年もお疲れ様でした。
色んな情報ゆっくり休んでください。
今年も色々あってお腹いっぱいですが、来年もどうなるか…ドキドキと言うかちょっと不安っていうか。
色んな情報【を見ることが出来て感謝します。】が抜けてたorz