ドイツ議会はフランスと共同開発する次期主力戦車「Main Ground Combat System(MGCS)」プログラムに承認を与えたため、今年の4月から正式に始動することになった。
参考:Playing Catch Up: Germany Confirms Development of New Battle Tank to Match Russia’s T-14 Armata
欧州唯一の第4世代主力戦車開発を進める独仏の思惑は「欧州市場の独占」か?
独仏両国は共同で次期主力戦車「Main Ground Combat System(MGCS)」を開発することで合意しており、ドイツの「レオパルト2」やフランスの「ルクレール」の後継主力戦車として採用されるだけではなく、スペイン、イタリア、ポーランド(※1)などが興味を示しており、欧州の多くの国が採用する第4世代の主力戦車になる可能性が高いと言われているが、MGCSプログラムに欧州の国が多く参加するという意味ではない。

出典:Tiraden / CC BY-SA 4.0 パリ航空ショーで発表されたダッソーFCASのモックアップと随伴機の無人機
MGCS開発プログラムは独仏が開発を主導する第6世代戦闘機「Future Combat Air System(FCAS)」プログラムと密接な関係にあり、開発の主導権(仕様や要求性能の決定権)争い=開発遅延を防ぐためドイツは次期主力戦車の、フランスは第6世代戦闘機の開発主導権を持つことで合意済みなので、新たな国をプログラムに加えることには消極的なためだ。
補足:MGCSプログラムへの独仏企業関与割合はドイツのラインメタルが25%、クラウスマッファイが25%、フランスのネクスターが50%で合意済み
実際、第6世代戦闘機FCASへのスペイン合流は認められたがイタリア合流は拒否され、MGCSへの合流を希望していたポーランドも拒否されている。
さらに欧州で他に第4世代の主力戦車開発計画が存在しないため無理に多くの国で共同開発を行う意味がない=独仏両国でMGCSを完成させ生産を独占しても欧州には他に選択肢がないので売れるとでも思っているのだろうが、MGCSへの合流を拒否したポーランドは韓国が開発した第4世代主力戦車「K-2ブラックパンサー」を国内で生産する方針に転換したと噂されているが、まだ正式な決定は発表されていない。

出典:Simta / CC BY-SA 3.0 K-2ブラックパンサー(黒豹)
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このように独仏両国の思惑通りに進むかまだ未知数のMGCS開発プログラムだが、今年の2月にドイツ議会の予算委員会が同プログラムを進める決定を下したため、ようやく本格的な開発が4月から始まる。現段階で公表されている開発スケジュールは、2024年年までにプロトタイプが制作され開発した各種コンポーネントやシステムを統合して互換性をチェック、2028年までに初期型を少数生産して引き渡し独仏両国の軍で運用テストを実施、2035年までに完成した量産型の引き渡し2040年までに初期運用能力を獲得する予定だ。
軍での運用テストに使用する初期型開発までに要求されるコストは約15億ユーロ(約1,800億円)と見積もられており、大まかな仕様はドイルの主力戦車「レオパルト2 A7」の車体にフランスの主力戦車「ルクレール」の砲塔を組み合わせたものになると言われている。
ただドイツはMGCS開発プログラムとは別に主力戦車「レオパルト2」のアップグレード開発を継続して行くと言っており、MGCS開発プログラムで研究した技術をレオパルト2に反映していけばMGCSよりも先に第4世代並にアップグレードしたレオパルト2を手に入れることが可能だ。もしそうなればMGCSよりも先に他国へ輸出することも可能になるためMGCS開発プログラムの最大の敵はドイツ自身=レオパルト2かもしれない。
もう一つ考えられるのは、フランスは米国製兵器から欧州の防衛産業を守るため協調を主張しているのに、上記のように利益を独仏だけで独占しようとすれば反旗を翻す欧州の国が出てくる可能性もあり、そこを米国の防衛産業に突かれれば欧州の主力戦車需要を独占するという目論見が大きく外れるだろう。
果たして独仏の独善的なやり方で欧州全体が一枚岩になれるのか?管理人的には非常に怪しいと映っている。
※アイキャッチ画像の出典:Jörg Hüttenhölscher / stock.adobe.com レオパルト2 A6
この記事が定義する第4世代戦車が良く判らない。
韓国のK2を第4世代とするならA6以降のレオ2やルクレールも第4世代戦車だろ?
130mm以上の大口径砲を扱えるのが第4世代戦車と言われているね
大口径砲に換装可能な設計であるK2は第4世代戦車、考慮されていない10式は第3世代戦車と一般に認識されている
ちゃんと名前に「オッペケ」と書いとけよな。
いったいどこの「一般」が10式より設計の古い未完成品を第4世代と呼んでるって?
あと10式は試作時に135mm砲のテストもしていて初速2000m/sを記録してるが?
見得貼ってくだらない嘘ついてんじゃね~よw
>130mm以上の大口径砲を扱えるのが第4世代戦車と言われているね
>大口径砲に換装可能な設計であるK2は第4世代戦車、考慮されていない10式は第3世代戦車と一般に認識されている
アメリカ設計で素性の良かったK1戦車を120mm砲に換装してバランスを崩して駄戦車になってしまったK1A1戦車の轍を踏む訳ですね。
装弾数は減るわ命中精度は更に悪くなるわのK2A1戦車爆誕ですな。
> 135mm砲のテスト
これは砲単体でテストしただけで10式に載せて撃ったわけじゃない
10式の車重では135mm砲の反動を吸収出来ない
あなたの意見を参考にすると、新型砲の現物すら手元に無い国は
第四世代戦車開発のスタート地点にすら立てない事になりますが
枝主の意見を全否定するのですか?
そもそも陸自は国産第4世代戦車としか言ってないんだが。
要するに61式・74式・90式・10式で、10式が4番目という事。
EUもいつまでもつかな…
独仏2国ですら難航してるのにそれ以外の国を入れたら破綻する確率が高すぎるから、他国の参加拒否は当然だろうなぁ。
金かけて開発する必要が、ない。
ルクレールやレオ2の改良再生産で十分だろう。
これは、崩壊するな。
確か10式は開発費は400億程度だったと聞いたことがある、この程度のものを共同開発するって意味が分からん。・
自国開発なら10式のように好き勝手な性能を持たせられるのに。
イギリス離脱でEUの価値がゆらぎつつあるので
純軍事的な目的だけでなく独仏の団結をアピールする政治的な目的もあるのかもしれないなあ
それが海外で10式の評価が低い理由の一つだね
金をかけていないのに先進的な性能をもっているわけがない
訳がわからん
10式のシステムの先進性は他国の有象無象の屑鉄戦車を蹴散らすレベル
一番の理由は実戦経験がないことじゃないの?
普通に性能に関しては評価されてると思うが
執拗に10式の価値を落とそうと必死のようだが、アンタ何人だ?
じゃあお隣の20年未完成戦車にどんな目覚ましい実戦経験があるんだ?
砲もパワーパックも外して、ドンガラだけ売ってるような中途半端な戦車がね。。。
あんなもん10式の比較対象にもならん論外戦車だ。
「普通に性能に関しては評価されてると思うが」に対するコメントとしては不適切かと。
返信先を一段間違えているのでは?
ドイツには2つの戦車を同時に開発するだけのキャパがあるのでしょうか。
ひとつは従来品のアップグレードで、もう一つは分担開発ということですが、それはそれで大変な作業になりはしないでしょうか。
EUになり企業の統合も進んでいるので一つの企業で二つの開発なんてやってたら無駄以外のなにものでもないような気がします。
今々の独国。
政府が軍事・国防に無脳、能、悩。
なのでこの様なダブリ事業も平気なのでしょう。
多少の赤字は優秀な民間企業に(陰で違法を平然とこなしす点も優秀)御任せすれば済むのですから。
歴史が繰り返されるだけだと思うな。
完成したらチャレンジャー2を最後に主力戦車開発から撤退するイギリスも購入するのかな?
それともM1A3にするのかな?
一応注意しとくが試作135㎜は戦車に搭載してないよ砲だけの試験
搭載出来る弾数が減るから大口径化が正解とかならないとは思うが
自衛隊どころかルクレールもレオパルドも実戦経験ないし、
それとして、欧州らしくロシア相手を想定してか、あるいは対テロ用途なのか、どのコンセプトでまとめるのかが気になるとこ
トルコが導入した中古のレオ2A4が実戦経験しているよ。
側面から攻撃されて撃破されたレオ2の写真とか公開されている。
戦車は今更感があるよなぁ。
バージョンアップではない新規開発も時々は必要かもしれないが、コンセプト次第だね。
ドローン+対戦車ミサイルの大量投入に対抗出来ないなら、割り切ってどこか一部にぶっ飛んだコンセプトが欲しい。今までの正常進化だけを追求するなら大量絶滅もあるかもしれん。