ドイツは2026年12月までに830億ユーロ相当=約14.4兆円の防衛装備調達契約を締結する見込みで、POLITICO Europeは23日「この契約締結で米防衛産業に割り当てられた資金はたったの8%だ」「ドイツの再軍備計画は欧州の防衛産業に圧倒的な利益をもたらす」と報じた。
参考:Germany’s €80B rearmament plan sidelines US weapons
ドイツの数字はトランプ大統領の予想と異なることを物語っている
メルツ政権は6月24日「今後5年間で総額6,490億ユーロ=約109兆円を国防費として支出する法案」を、7月30日「2026年~2029年までの年間国防費を最大1,620億ユーロ=27.7兆円に増額する中期財政計画」を承認し、ドイツはNATO首脳会談で合意された「2035年」ではなく「2029年」までに防衛分野への投資=GDP比3.5%達成が確実になり、この資金の使い道に大きな関心が集まっている。

出典:Bundeswehr/Stefan Petersen
先月提出された2026年度予算案によれば、防衛装備品の調達費用だけで223億ユーロ=約3.8兆円も計上しているが、通常予算とは別枠のドイツ軍特別防衛基金からも資金供給が継続されるため、2026年度の調達資金は478億ユーロ=約8.2兆円、2026年から2041年まで計4,002億ユーロ=約69兆円もの資金(通常予算と基金の合計)を防衛装備品の調達に投資することができ、トランプ大統領は欧州諸国の中でも豊富な資金をもつドイツの投資が米防衛産業に向かうことを期待していた。
米国は2020年~2024年までにドイツ向けの対外有償軍事援助として170億ドル以上、特に2023年には139億ドル分を承認し、ポーランドや日本と並んで米国システムの主要輸出先に浮上していたが、POLITICO Europeは23日「ドイツは今後1年間で830億ユーロ相当=約14.4兆円の契約締結(154件)を準備中で、その資金の大半は欧州の防衛産業に投資され、米防衛産業に割り当てられた資金はたったの8%だ」「これは米国製システムの購入継続に圧力をかけてきたトランプ大統領にとって打撃になるだろう」と報じているのが興味深い。

出典:Lockheed Martin
ドイツはパトリオットシステムと迎撃弾の取得に約51億ユーロ、P-8Aで使用する魚雷の取得に1.5億ユーロを割り当ており、AMRAAM、ESSM、無線機などの調達資金まで含めると、米防衛産業に割り当てられた資金は68億ユーロで、POLITICO Europeも「トランプ大統領はEUと貿易協定を締結した後『欧州が数千億ドル相当の米国製システムを購入する』と豪語していたが、欧州の国防支出はブリュッセルではなく各国政府が独自に決定し、ドイツの数字はトランプ大統領の予想と異なることを物語っている」と指摘している。
逆にTKMSが設計するF-127フリゲート調達に260億ユーロ、Airbus/BAE/Leonardoが製造するタイフーンT5調達に40億ユーロ、KNDSが製造するボクサー調達に34億ユーロ、調達機種が不明な装輪式装甲車輌の調達に38億ユーロ、防空システム関連に16億ユーロ以上、F-123フリゲートのアップグレードに17億ユーロ、タイフーンT2/T3のレーダー換装に19億ユーロなどの投資が予定されており、ドイツが進める再軍備計画は欧州の防衛産業に圧倒的な利益をもたらす見込みだ。

出典:Bundeswehr
因みに「2026年度予算案に計上された防衛装備品の調達費用」と「今後1年間に予定されている契約締結額」が異なるのは資金供給が複数年に分散されるためだ。
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※アイキャッチ画像の出典:Bundeswehr/Jana Neumann




















ドイツは従来型の重厚長大兵器や、対ドローン兵器の話題は出てくるけど、ドローンを使う側の方の兵器はどうなっているのかな。
いいぞもっとやれ。特に米製兵器が少ないのが最高だ
アメリカ軍需産業はその生産力の大半を対中様の海空装備の生産に割くべきであって、欧州が求める重厚長大な地上兵器は欧州に作らせるべきだ
代わりに日本がアメリカに注文します。まずはパトリオットのシーカー生産量を10倍に引き上げるところからお願いします。
パトリオットのシーカーは西側喫緊の問題だと思うから政治主導で何とかしてほしいところ。
一番はシーカーのラ国だけど。
株屋は儲かったかもしれないけどインフラ整備もあるしいつ使い物になるかわからんな
西側経済を動かしている連中が嘘つきなのは否定しませんが、中露は「今そこにある脅威」以外の何者でも無いのでは……ここで意見を述べている方の大半は「ウクライナの次」を頭の片隅に置いていると思ってます。
アメリカが戦争で栄養を取る国家って、冷戦時代の左翼みたいな発想だなぁ
戦争が儲かると思ってそう 現代で戦争で儲けた国があったらそれを教えてくれよって言いたい
精神的勝利も利益に入るかもしれないから(震え声)
武器輸出がしたくてしたくてたまらない奴は多数見掛けるけどね
戦争が儲かる理論でウクライナ支援を正当化していたのはバイデンなんだよね
当時ワシントン・ポストにバイデンの支援は国内の失業対策になっているという擁護記事まで書かせている
色々ツッコミたいんですが、一応、今の戦争で一番儲かってるのは北朝鮮です。企業としては冷戦が儲かると言われるので、新冷戦が継続するとしたらSpaceXやAndurilのような右よりのテック企業に警戒する気持ちはわかりますし、民主主義的な監視は必要です。一方でソ連は国自体が軍産複合体とか言われてまして、そういうのが蘇るのは論外です。
環境破壊や異常気象というと、おっしゃるような構造が局地的な公害をもたらしたことは多いですが、それが悪いことで繰り返すべきでないという規範くらいはできました。地球温暖化は人類の経済活動全体が主因なので、また別の、より厄介な問題でしょう。
あんなもん絶滅してくれた方がいいから…
本来の意味の左派は存在してほしいが、冷戦時代の遺物、反自衛隊の左翼は駄目だ
原資が税金な訳ですから中産階級以下から高所得層に利益の付け替えをしているに過ぎないと思います。
とにかくこの話の早すぎる軍拡は明らかに総額ありきです。有権者が疑問を持ったり待ったをかける前に次々と話を前倒しにしているのは、軍事的要件を前提にしているとは思えません。
だからこんな風に整備された軍隊が役に立つのかはかなり疑問です。
役に立つとしてもおかしな方向でだと思いますね。
二つの論点をごっちゃにしてるよね?
現行のドイツの税制が低所得者から収奪してるだけだ、
という主張が正しいとして、それが何に消費されるかは二次的な問題に過ぎない。
ドイツも先進国なので軍事費より医療費の方がずっと多いのだが
あなたの論法で言えばドイツの医療は全く役に立ってないのかな。
何に消費されるかは二次的な問題というのとは異なります。
本当に対ロシアなりを睨んでいるのなら、まず何が必要で、それがどのようなものであるべきかという議論からスタートするべきだと思います。
それの叩き台になるのは現在のウクライナでの戦いとかになるでしょうが。
しかし、今ドイツがやっている軍拡は、最初から何処が契約を勝ち取るかがほぼ決まっている、言わば決め打ちされた契約ばかりです。何処にお金を流すかをまず決めてから理屈をつけているようにしか俺には思えません。
だから、動かすお金ありきだと言っているのです。これが医療費の場合だと、それぞれの病気や患者の状態などによって治療方針や投薬が変更されます。何処の会社の薬を使うかありき、では少なくとも無い。病気や症状は患者ごとに違いますから。
西側諸国は、ロシアは経済的にはもう終わりだとか言いつつ、片方でロシアの脅威を煽っている。ロシアに対する評価は伸び縮みします。そして、この巨額すぎる軍事投資は額の割にはあまりにも拙速です。これがおかしいと思うのは変なのでしょうか? ドイツは医療制度についてもこんな感じで決めているのならばあなたの言う通りかもしれませんが。
ドイツにおける軍事費の増大はメルツの公約破りで可能になったということは改めて言明しておきたい
で、そのメルツに現在進行系で弾圧されているAfDが
「ウクライナ難民は3/4が働かずに生活保護で暮らしている」ことを明かして問題になっていますね
これ、ウクライナでの早期和平と難民帰国の道を探るのが政治の常道だと誰が見てもわかる状況ですが……
(実際アメリカ=トランプはその方向性で動いているし、何ならドイツ国民の支持もAfDに集まっている)
さて、このツケは一体いつ誰がどのような形で負担することになるのでしょうね
ニコニコ大百科の航空万能論GFの掲示板で「兵器メインの記事にすらカスみたいな親露コメントが湧いてきてるのマジでなんとかしてくれ」というコメントがあったがマジでなんとかならんのか?
ドイツも、中産階級育成のための減税などに、自国のために使った方が本当はいいんですけどね。
ドイツ財政は、世界有数の余裕があるわけですから、特に問題ないんだろうなと。
アメリカはアメリカで同盟国連中と自己完結的な供給体制創って行く積りだから、そもそも最初からドイツの金なんざアテにしてないだろ
寧ろ軍拡したドイツが、手に負えない程強大化する事の方を警戒してると思う
あとは自分が立てた目標通りの行動をやり切れるかどうか
ドイツ人の願望達成能力の高さから言えば成し遂げられるだろうけど、多分その時は色んなものを犠牲にしてると思う
NATOの目的は「アメリカを引き込み、ロシア(ソ連)を締め出し、ドイツを抑える」であったのに、1番が出来なくなった結果、2番を達成するために、3番が疎かにになるのはなんだか、皮肉だなと。
NATOを組みEUも組んでる欧州で、ドイツが欧州に牙を向くことは無いと思いますが、ロシアの脅威が無くなったらどうなるんでしょう。また軍縮に戻るかな。それとも…
FCASの破綻も案外フランスがドイツの軍拡にリスクを感じているからだったりして
肥大化した非効率な官僚機構と化したEUはかつてのソ連のように分解する可能性があるし
第6世代機が主力になる40年代50年代のドイツがフランスに対して牙を剥かない保証はない
ロシアへの歪な制裁もEU内部で葛藤を深める要因だよね
アメリカから高額で資源を買うのは受け入れられてもハンガリーやスロバキアから買うのは我慢ならない
そう考える国は多いでしょ
FCASに繋がるかは分かりませんが、ドイツに対する脅威はどこかで感じてる可能性はありますね。特にフランスは。
当事国ではないので、感情は分かりませんが、どうせ高い金出すならアメリカから買っとけばアメリカに恩を売れるという実益もあるとは思います。
今度はドイツの目覚めかぁ
ドイツはまた欧州の盟主として甦るんかな