ポーランドと韓国は2022年7月「K2を1,000輌購入するための枠組み」で合意し、8月に一次契約(180輌分)を締結したが、現地生産分が含まれる二次契約の交渉が難航していたものの、コシニャク・カミシュ国防相は2日「K2の二次契約に関する交渉が完了して合意が成立した」と発表した。
参考:Wkrótce kolejna umowa wykonawcza na czołgi K2 wraz z wozami towarzyszącymi
参考:Slovakia Interested in K2PL. Deputy Prime Minister Confirms
参考:Polish MoD Reveals Details of K2PL MBT Contract
二次契約の価値は67億ドル=約9,600億円と予想され、二次契約分の最初の30輌は2026年中に引き渡される予定らしい
韓国は2022年以前からポーランドにK2を売り込んでいたものの、ウクライナ侵攻が勃発してT-72M/M1/M1R、PT-91、Leopard2A4、BMP-1、KRAB、Gvozdika、BM-21を吐き出し、ロシアの脅威も前例がないほど高まったため韓国との取引規模は空前の規模となり、両国は2022年7月にK2×1,000輌、K9×648輌、FA-50×48機、10月にK239 Chunmoo×288輌の購入に関する枠組みで合意したが、これは各武器システムの大まかな取引規模、取得スケジュール、オフセット内容で合意したという意味だ。

出典:Ministerstwo Obrony Narodowej
さらにFA-50を除く武器システムの調達は「輸入」と「現地生産」に分かれており、K2も輸入分180輌の調達を一次契約として締結し、現地生産分に相当する二次契約の交渉を進めていたものの、現地生産や技術移転に伴う現代ロテムとポーランド産業界の交渉(特に技術移転に関する法的な確認作業)に時間かかり、2023年に誕生したトゥスク政権も武器調達の直しを行い「K2契約の不備」を発見したため二次契約の締結が遅れていたが、コシニャク・カミシュ国防相は2日「K2の二次契約に関する交渉が完了して合意が成立した」「韓国の国防部長官が立ち会う形で契約への署名が行われる」と発表した。
二次契約で調達するK2は一次契約と同じ180輌でも輸入分は117輌で、残りの63輌は現地生産されるK2PLに切り替わり、トゥスク政権が「K2契約における前政権の不備」と指摘してきた「K2運用に必要な支援車輌×80輌の調達」も含まれているため、二次契約全体の調達規模はK2×117輌、K2PL×63輌、支援車輌(恐らく回収車輌のK2ARVや戦闘工兵車輌のK2CEVのこと)×80輌となる。
コシニャク・カミシュ国防相は「皆が数十ヶ月間待ち望んでいた素晴らしい日がやって来た。前政権が交渉した一次契約も、我々が交渉を引き継いだ二次契約でも戦車運用に欠かせない支援車輌の取得が一切考慮されていなかったが、今回成立した二次契約の合意には支援車輌の調達が含まれている。我々は直ぐにでも契約に署名する準備が出来ているが、パートナーの韓国に敬意を払うため、任命手続きが進められている新国防部長官の立ち会いの下で契約に署名したと考えている」と述べた。
さらに「私はNATO首脳会談でスロバキアのカリニャーク国防相とK2PL導入について協議した」「スロバキアはポーランドが調達するK2PLを選択肢に加えるため次期主力戦車の評価プロセスを中断している」「今回合意はスロバキアがK2PLを手に入れるための道を切り開くものになる」とも述べ、ポーランドのディフェンスメディア=Defence24は「契約への署名は7月21日以降になるだろう」「ポーランドは残りの640輌を追加発注することを計画している」「韓国と合意した枠組み以上の生産は輸出に回すことを意味する」と報じている。

追記:16 Dywizja Zmechanizowana
因みに二次契約の価値は67億ドル=約9,600億円と予想され、二次契約分の最初の30輌は2026年中に引き渡される予定らしい。
追記:Defence24はK2の評価について関係者の証言に基づき「特定のシーズに泥濘むベラルーシ方向の平坦な大地でもK2は問題なく対応できる」「油圧式サスペンションによる姿勢制御によって効果的な射撃が可能」「K2に搭載されたデジタルシステムも直感的に操作できる」「訓練用のシミュレーションシステムも内蔵されているため基地から離れることなく訓練が行える」「K2の強みは状況認識力と組み合わされた火力システム、毎分約10発の射撃速度を保証する自動装填装置、車内空間の適切なレイアウトによる快適な作業空間で空調システムも完備されている」と報じている。

追記:16 Dywizja Zmechanizowana
これは「K2が最も優れた戦車」と言っているのではなく「ポーランド軍の要件を十分満たした素晴らしい戦車」という意味だが、それでも開発に関与していない第三国から「ポジティブな評価」を受けているため、韓国はK2輸出における貴重な実績を獲得したと言えるだろう。
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※アイキャッチ画像の出典:16 Dywizja Zmechanizowana
10式も輸出してコスト下げれば、キドセンなんぞのスカスカ配備にならずに済んだのだろうか
10式の輸出仕様を開発することも出来るかも知れませんが、三菱重工業はもがみ型護衛艦の輸出が最優先のようです
フィリピンやベトナム辺りがオススメでしょうか?オフセットサービスが普通の時代なので、生産数増加での単価減少と特別融資とメンテナンスでの現地雇用で、相手国の実負担が1両辺り2億円位なら何とかなるかも?定数廃止とか、制式制度廃止とか、日本での変更(状況で変化する)も有りますし、ドローン等対応と爆発反応装甲をどうするか?ドローン迎撃用に30mmRWSの搭載とウクライナの戦車技術を取り入れて、NOZH ERA搭載しましたとか、話題性も欲しいデス
>相手国の実負担が1両辺り2億円位なら何とかなるかも?
量産効果で多少はコストダウン出来るでしょうが、1両2億円というのは、いくら何でも無理だと思います。
材料費も賄えないのでは?
三菱は10年間の修理代でもう一台買える金額使わせる素敵なメーカー(FUSO)なので、その方向で後から回収しつつ、見た目は安く見せればOK。但し次は無い。オススメの方法は政府間無償軍事援助で車両は無償化して、その国仕様のオプション費用と消耗品代と納車費用は頂きます。とかでしょうね。それで、量産効果が出て価格が下がれば自国分の価格も下がりますし、他の欲しい国も買いに来るかもしれないですよ。普通に商売しても、売れませんよ。
99式戦車やT-90は2億円くらいらしいが、じゃあこいつらはどうやって元を取ってるんだ?
生産者の血涙
巡視船ですら値上がりしてると新聞で報道されるくらいだから、無理じゃない?
レポパルド2A8が注文を出してもいつ納入荒れるかわからない現状ですと、パーツ供給の問題も近国ポーランドから購入できますしオフセット契約を検討するような導入車両数でなければ、
予算に余裕のない東欧南部諸国からの購入もあるのかもしれませんね。
韓国は技術移転や現地生産もセットにしていることが多いのでその点が評価されているのではないでしょう
腰が軽くて羨ましいですね
韓国の電機産業・自動車産業は、最先端技術にこだわるより客が求める仕様や条件を優先して売れる物造りで発展してきたので、軍需産業も同じような考え方のような気がします
尚、科学分野でのノーベル賞受賞者がいないので、今後は基礎研究にも力を入れていくと思います
韓国の兵器輸出は本当に上手くやってるし評価に値する。
でも本当にこういう戦車自体が実戦的なのか?という疑問はあるな。
別にK2じゃなくても10式でもエイブラムスでもそうだけど、本当にこれらの戦車を
運用する側はFPVドローン等の脅威下で戦車を運用するビジョンがあるのか?
K2は状況認識に優れていて射撃が正確で装填も速いとある、でもその能力は戦車が戦車
と戦う際は重要だがドローンへの生存性に何か貢献するのか?
明らかに状況認識にも砲塔の旋回にも邪魔でしかないケージを張り巡らせるのが
一応”実戦的”な戦車の改造な訳だが…?
APSの対ドローン能力も実戦ではまだ証明されてないし。
戦車不要論ではないが明らかに従来の戦車の形態には何か不足があって、
新しいビジョン・コンセプトを要求されていると思う。
この局面で従来の考え方で作られた高性能戦車に投資するのは税金の無駄遣いになるリスクがあるだろう。
自衛隊のAAV7の時もそうですが、代わりのものが姿形も見えないのに古い意味がないと言って拒否する理由が分かりません。
そのご指摘の次世代のビジョンを持った戦車はいつ出来ていつ実戦配備されて数が揃うのですか?
現状考えられる戦車のドローン対策として、
・無人砲塔の採用による乗員の保護
・対ドローンセンサー(光学・高周波レーダー・電波傍受)及びジャマー
・RWSとAPSを対空仕様にする。
・ネットワーク化による間接射撃への対応
ドローンによる「空襲」の価格破壊によって、高価な重装甲車両の存在意義は再考されることとなる。
航空機の登場により戦艦が廃れ軽巡洋艦サイズの軍艦が主流になったように、ドローンの普及によって小型の装甲車に兵員を分散搭乗させ、火力支援は自爆ドローン若しくは重迫撃砲辺りが主流になるかもしれません。
K2がしょぼいという意味ではなくて、FPVドローン塗れに変わった現代戦場にそのまま適合できるのか?という問題は常について回るよね….
軽いのは良いれけども、対ドローンの監視や自らのドローンの操作のためには3人よりも4人乗りのほうが良いだろうし、冷戦期の消耗戦前提のレオ2やエイブラムスよりも軽量小型とは言え、ウクライナではロシア側は誘爆を防ぐために最小限の砲弾しか積んでいないらしく、冷戦期のような積んでいる砲弾を使い尽くすような長期戦も考えづらい。
20発程度しか砲弾を積まないならばその分さらに小型化したり乗員を追加できるし、対ドローン用のケージなり、APSなりをはじめから搭載する前提ならば、おそらく砲塔の設計は変わるだろうし、対ドローン、対UAVのステルス性を高めるために排気を冷却したり、間接照準での射撃精度向上、ドローンの搭載 etc…と求められることが無数にありそう。
ご指摘はごもっともだがそんなこと言ってられないくらい急いでいるのがポーランド。確かにいまのMBTはドローンに対して有効な防御ができてるとは言い難いかもしれないが、それでも有力な兵器だからロシアもウクライナも今だに戦車を使うし求める。ドクトリンの変化も大事だがそれがリーズナブルなものなのかはまた別問題。ポーランドにとってはとにかく急いで揃えられるものを揃えたいのだ。
ご指摘は非常によくわかるのですが、では戦車を全く調達しなくてよいかというとそれはそれで別の次元の話になるのでは
仮に相手の機甲戦力が何かしらの新しいFPVドローン対策を盛り込んできたら、同程度の機甲戦力が無いと止められなくなってしまうので
陸上自衛隊が所有する車両数を凌駕する台数を一国に輸出するなんて、韓国は凄い客を捕まえたもんだ。韓国は、笑いが止まらないだろうな。
これで、自国の分もコストが下がり、部品の品質も上がり、次世代への投資もできる。いいことづくめで羨ましいことだ。
国内外から国産化率(笑)という笑われながらもできるところから確実に国産化していったのがえらい。一部は韓国兵器というだけで馬鹿にする風潮はあるが、求めるものも持ってる技術も違うのだから自分の視点から見れば滑稽に見える時もあるだろう。とはいえ、兵員輸送車が結局輸入に落ち着いてしまうに至った顛末を考えれば日本としても韓国兵器産業は見習うべきところが確実にあるのだから、よそを笑う余裕があるのかほんとに考えないといけない。
むしろ、緊張緩和もかねて一部装備は共有した方がいいくらいだろう。もちろんドクトリンが根本的に違うのでほんの一部だが。
馬鹿にするとか見習うとか以前に領土問題を抱えた国と装備の共有とか普通の感覚ではあり得ないと思うけど
こういうところでも平和ボケが出てくるんかな
小競り合いすら起きてない領土紛争なんて目の前の脅威の前では…そして問題があるからこその緊張緩和だろう。どのみち協力しないと仲良く地図から消えるだけ。平和ボケも甚だしいと言わざるを得ない。
そもそもEUだけ見ても係争中の領土があっても共通の装備を持ってないわけではない(屁理屈)
日本を敵性国家と考える大統領が誕生し義務教育から反日を教育してるのに小手先の緊張緩和で協力出来ると考えるなんて、9条さえあれば戦争なんて起きないと同レベルの希望にしか見えませんがね
良くて良いように利用されるだけでしょう
相手の考えを無視した一方的な気持ちなんて恋愛同様良いように利用されて終わり
仲良くしないと地図から消えるなんてあっちは微塵も考えて居ないこと必死に言っても滑稽なだけですよ
そんなに褒めるんなら海外にサプライヤー作って日本になんて頼る気全くない戦略見習ったらどうですか?
歴史的経緯と圧倒的な国力差を考慮すれば、韓国からすると貴殿とは全く逆のベクトルで日本を危険視しているでしょう。貴殿の言い分にも多少は根拠あるのかもしれませんが、私からすれば鏡に向かって憎悪しているようにしか見えませんね
日本に原爆堕としてハッピーエンド!
みたいな映画造っちゃって、それが拍手喝采で今なの称えられる国だからなぁ
ちなみに、日本オワコン、経済も日本を超えた、とここ何年も主張してる
トルコギリシャなんてモロに問題を抱えてますが同じNATO内の軍事同盟でどちらも西側兵器ですからね。
なにか一つでも問題を抱えてると憎悪に染まり敵国認定して一切の協力を拒否するような極端な人はやはりいますね。
日本向けのK2の説明、某スマイルな動画サイトの大百科事典が一番中立で詳しく書かれてる疑惑がある
え、つまりWikipediaよりもニコ百の方が中立的で詳しいのかよ
ニコ百はアンサイクロペディア的な筆者のユーモアも交えていく場所でもあるのにそんなことある?
日本語版Wikipediaの中立性は疑わしいような…
英語版とニコ百なら圧倒的に英語版Wikipediaでしょうが
日本語版Wikipediaはちょっと…
英語版とニコ百なら言うまでもないです
読んで見れば分かりますけど、若干情報が古いものの明らかにガチの韓国軍マニアが書いてますねあれ
こんだけ陸戦兵器に需要があるなら日本も10式や16式にチャンスはあると思うんですけどね。
なんか企業と役所にやる気があるようには思えません。それじゃ100%先細りなんですが。
16式は同じような発想のストライカーの派生型もそんなに成功はしてないというのはともかくとして、共通車体のIFVも日本ですらポシャってるから売り込むのは大変そうな気はする。悪いものでもないのだろうが、性能以外の要素も含めて競合に勝る要素があまりないのではなかろうか?日本には地産地消というメリットがあるが…。
ストライカーMGSと16式は見た目が似てるだけで全くの別物
前者が装甲車に大砲を搭載した自走砲なら、後者は廉価版の戦車です
なお売れるか売れないかで言うと、性能を求めるならチェンタウロⅡ、コストを求めるならERC90がいるので無理でしょう
そもそも現段階で日本だけでもチェンタウロⅡより16式を調達してるわけですが
戦車は数作ってないのに、増産やら納品までどのくらい待てばいいんですかね…
MCVは他にも色々競合あるから(歩兵支援にとりあえず105mm撃てるだけでも良いと言うかもしれないし)、特別な価値を提供できるかかな
50tもない、現代版軽戦車レベルの10式なんて海外で売れる訳ないでしょ…
支援車輌は戦闘工兵車、回収戦車の他に架橋戦車も含まれるようです。
K2PL戦車は装甲が強化され戦闘重量60トンになり、ハードキルAPS、ドローンジャミングシステム、12.7ミリ機銃RCWSが搭載されます。
40年近く愛唱している「ポーランド懐古」という古い歌が思い浮かびます。“緩衝地帯”扱いされ盛衰を繰り返す大地の悲哀…(明治末の歌なのでロシア帝国への当て付けも隠っていたでしょうけど…)。ポーランドの必死さは実体と根拠の有るものですから、理解は出来ます。只、自国が強国として周辺の脅威になっていた時代もあった事、今“仮想敵”としているロシアと曲がりなりにも共存し平和を享受していた瞬間も確かにあった事、何より既に気付いている様子ではありますが、アメリカ合衆国(大英帝国も?)は同盟相手・支援者として100%信用出来無い事実も勘案して欲しいとも願っています。
韓国はすごい
もう完全に日本を超えている
ハイテク分野に続き、軍事産業でも圧倒される日が来るとは・・
軍事産業では圧倒されているけれど、ハイテク分野で圧倒はされていないよ。
確かにメモリ半導体や液晶パネルでは圧倒されているけれど、その他のハイテク製品では、日本がまだまだリードしているよ。
そういえば、2019年の輸出管理厳格化措置で半導体素材が韓国への輸出が厳格化された際に、韓国では大騒ぎして盛んに国産化に成功したと吹聴していたけれど、結局、いまでも日本製を使い続けているのはどういうわけだい?
製造業の1人辺りの付加価値、韓国が日本より高いですよ?確か輸出額に占めるハイテク製品の割合も韓国がもっと高いはず。
何をハイテクと定義するかにもよりますが、電池やEV関連も韓国が先を行ってます。今「先端分野」と言われる分野で、日本が韓国の先を行ってる産業は多くありません。
ハイテク分野と言われる先端技術産業とは、外務省では航空・宇宙、事務機器・電子計算機、電子機器、医薬品、医用・精密・光学機器と定義しています 。 この5つから細分化され、先端技術産業は多岐にわたります。
このうち、韓国が先を言っている分野は、電子機器の一部だけでしょう。それだけで「ハイテク分野は日本を越えた」と言われてもねぇ。w
K2PLの生産コストが輸入品よりやたら高いことが問題になってたはずだが、改善の見込みは立ったのかな?
(常時大量生産してる韓国とPT91だか作って以降生産らしい生産してないポーランド比べたらそりゃそうだろって感じだけど)
この記事によると輸出もすると意気込んでるようだけど割高ではこまるよな