ポーランドのカミシュ副首相兼国防相は3日「米国が中古ストライカーの無償譲渡を提案してきた」と認めたものの、この取引には幾つかのリスクがあるため最終決定までには時間がかかる見込みで、陸軍は国産装甲車を取得するまでの繋ぎとして中古ストライカーの取得を希望しているらしい。
参考:Do Wojska Polskiego mogą trafić amerykańskie używane odpowiedniki Rosomaków. Za darmo
参考:Polish army backs taking about 250 U.S. armored vehicles for a symbolic $1
参考:Dlaczego polscy generałowie chcą Strykery? [OPINIA]
参考:Poland says US offering 250 used Strykers for $1, with Warsaw prepared to accept
ポーランドがBMP-1からロソマクに移行するまでの繋ぎとして中古ストライカーを取得するかは確定していない
米国は欧州軍削減で生じる余剰装備の売却をポーランドに打診しているという噂が流れていたが、コシニャク・カミシュ副首相兼国防相は3日「米国がポーランドに中古ストライカーの無償譲渡(約250輌を1ドルで売却)を提案してきた」と認め、Polish Radioも「国防省は中古ストライカーの取得について前向きな勧告を行った」「国防省は中古ストライカーの取得に関する承認を待っている状態だ」と報じたが、この取引には幾つかのリスクがあるためポーランドが中古ストライカーを受け入れるかは未知数だ。

出典:U.S. Army photo by Markus Rauchenberger
主なリスクは「受け取る中古ストライカーの状態が不明」「この中古ストライカーを運用するためにはオーバーホールが必要」「これを米請負企業に委託すれば取得費用が高騰する」「ポーランドがストライカーを運用するためには1からインフラを整備する必要がある」「中古ストライカーの取得はポーランド企業が供給するロソマク生産に影響を及ぼす必要がある」などで、この辺りの要素を慎重に調査・検討するため最終結論を下すまでには時間がかかるだろう。
さらにポーランドのディフェンスメディア=Defence24は「なぜ将軍らは中古ストライカーを欲しがるのか?陸軍は徹底的な近代化と拡張のため大規模な装備調達を予定しているものの、戦車、自走砲、多連装ロケットシステムと比べて国産装甲車輌=ロソマクの調達ペースは非常に遅く、今後もBMP-1を使用せざるを得ないため中古ストライカーを欲しがっているのだ」と指摘。

出典:Polska Grupa Zbrojeniowa SA
“中古ストライカーの能力はロソマクよりも劣っており、これを導入してポーランドでの運用環境に適合させるには多額の費用が必要で、ポーランド防衛産業界も中古ストライカーの取得を自利益の脅威と捉えるだろう。しかし、中古ストライカーはBMP-1やトラックによる歩兵輸送よりも効果的な上、陸軍のニーズを短期間で満たすことができるほぼ唯一の選択肢だ。取得する中古ストライカーの寿命も短いため長期間運用されることはないし、ポーランド防衛産業界にとっても国産装甲車輌の生産に余裕が生まれる”
“但し、中古ストライカーの取得を政治的にみると異なる立場の利益を調整しなければならず、国防省も「中古ストライカーの取得は一時的な解決策であり、合意されている国産装甲車輌の調達計画に何の変更もない」と保証しなければならない。この計画は陸軍にとって魅力的な解決策になるかもしれないが、残念ながら「一時的な解決」は往々にして長期的な解決策に転じることがよくある”

出典:Photo by Tech. Sgt. Michael Holzworth
米ディフェンスメディアのBreaking Defenseも「1ドルという象徴的な取引は『負担なしで中古ストライカーが手に入る』という意味ではない」「ストライカーを初めて運用するポーランドはオーバーホール、アップグレード、訓練環境、インフラ整備への投資が必要になる」「この作業を米企業に委託すれば取得コストは跳ね上がるだろう」「防衛装備の国内生産を優先している現状で中古ストライカーの取得は産業界への影響が懸念される」と指摘し、ポーランドが中古ストライカーに関心を寄せる理由についてはDefence24と同じ見解だ。
ポーランドがBMP-1からロソマクに移行するまでの繋ぎとして中古ストライカーを取得するかどうかは謎だが、非常に興味深いのは「(1ドルでポーランドに売却される中古ストライカーは)ウクライナに持って行く予定になっている」と防衛装備の取引に全く詳しくない日本人YouTuberが言い出していることで、過度なウクライナ支持者の「何でもかんでもウクライナ支援に結びつけてしまう能力」には感服するしかない。

出典:Photo by Staff Sgt. Westin Warburton
ここまで来ると「情報戦の一環として意図的に認知戦を仕掛けているのでは?」と疑いたくなるが、何を発信するのも個人の自由なので尊重しなければならない。
因みに米国が余剰装備を無償提供するのは珍しいことではなく、ギリシャはM1117装甲警備車を1,200輌も無償譲渡されている。
関連記事:ポーランドが正式にボルスク歩兵戦闘車を発注、2029年までに111輌取得
関連記事:欧州最強の陸軍を目指すポーランド、1,400輌のボルスク購入契約に署名
※アイキャッチ画像の出典:U.S. Army Reserve photo by 1st Sgt. Michel Sauret





















色々な利害関係があるわけですが、非常に興味深い話しですね。
選択肢が複数あり、時間的な余裕があり・議論の余裕を作っている事は、前向きな事だと解釈しています。
調べてみますとポーランド軍総参謀長のヴィースワフ・ククワ氏はウクライナへ放出した旧式なBMP-1の不足分を早く埋めたいが為に車両の状態を確認後導入したいようですね。
ポーランド軍と定期的に演習しているドイツ駐留第二アメリカ騎兵連隊の車両を通じで性能を理解しているようです。
ポーランドは派手な契約で既に軍事大国扱いされてるけど、現状はウクライナにかなりの物資供与をして潤沢に装備があるわけじゃないもんな
戦車にしろ装甲車にしろ、新規生産には時間が掛かり契約したからと言って、ゲームのように瞬時に戦力化できるわけじゃない
政治的意図もあるだろうが、現場の軍人としても取りあえず物が欲しいんだろうね
もう欧州諸国もウクライナ支援から自国の武装強化に移行してるよ…
ただこれは欧米や日本、あるいは向こう側のロシア、中国もそうだけど、戦前から予算も出ている装甲車の開発配備と今回の戦争で明白化したドローンの猛威とをどうやって折り合いを付けるんだろう。計画通りにドローンに無力な装甲戦力を量産してドローン配備を二の次にするのか?ドローン配備を最優先した上で対ドローン戦を見据えた装甲戦力の開発に着手するのか?
>戦車、自走砲、多連装ロケットシステムと比べて国産装甲車輌=ロソマクの調達ペースは非常に遅く
この戦車と自走砲ってK2やK9の事でしょうか?
これらに比べて遅いって言われたら、韓国が早すぎとしか言いようがないような…
そんな事言ってもアフガニスタン戦争時でも100両はあるしロマソクシリーズが800両は確実に導入されているから7万人超の軍隊で規模的にある程度は充足していると思うんだけどな。結局優先順位の話で充足した装備より時間が掛かりそうな装備を優先した結果のような気がする。K2とK239は期間で言うと100両をはるかに超えていたりそれにせまる勢いでハイペースだとは思うがK9(クラブ)はそれ程ではない感じだと思う。
迫撃砲、榴弾砲、多連装ロケット砲、各種車載ミサイルはまだしも、輸送車、戦車、歩兵戦闘車、偵察車両などは配備計画を根底から覆す逆風が吹いてるし、多少性能が高くてもそんなのが今更意味あんのかと言われてしまえば何ともなところがありそう。自衛隊でも同じ24式でも自走迫撃砲はこのままGOサインだろうけど、歩兵戦闘車は10式、16式、パトリア共々再検討待ちじゃないかな。
そもそも陸自に、戦車も装甲車も再検討するほどの数も無かったので、今の配備計画がやっとこさ最低ラインなのでは
特科はもっと増やして欲しいですが
日本人YouTuberを最大限擁護するなら、仮にポーランドが中古ストライカーを繋ぎとして導入した後国産装甲車と入れ替え終わった後にまだウクライナ戦争が続いていたらウクライナに提供する可能性があるかもしれない。
YouTuberが何らかの根拠をもってウクライナ供与と主張しているかは別として、ポーランドに整備能力が無くても、200輌供与を受けて実戦使用中のウクライナにはあるわけだから、整備して両国に折半するという発想はあってもおかしくはないかと。
そもそもの疑問だが、ウクライナ陸軍としてこれ以上旧式装甲車が要るの?
ドローンが飛び交う前線では装甲車なんて使いようないし、そこまで兵隊運ぶためならトラックやランクルで良い。それに今のヤラレぶりを見るに、優先して調達すべきは砲弾とドローンとまともな通信機器だろと思うんだがな。
それは戦訓が入っていないから・・。見聞きしてるけど実体験していないので肉になっていないのではないかと。
優先して調達すべきは砲弾とドローンとまともな通信機器だろと思うんだがな。
それを人員とともに安全に運ぶために装甲車は必要なのでは?
非装甲車だと一発くらったらドカーンであり、ドローンみたいに使い捨てにできる価格、許容できる範囲の人的被害に収まるでしょうか?
それを屁とも思わないロシアの消耗戦に付き合ったらどうなるか、ナチスドイツと今のウクライナを見たら分かるでしょう。
戦場の変化に対応するための性能に達してないとしても、例え僅かでもトラックより装甲車の方が生存率が上がるんなら、現場の人間は欲しいだろうね
開発が有事に間に合わずトラックで前線送りされるよりはマシだろう
僅かでも〜と言うけれども、ロディンスケ〜ポクロウシクみたいに敵側ドローンと会敵するのが必至な環境では少しの装甲では何も好転しないし、寧ろ荷室から逃げられない分、オープンなピックアップより危険なんじゃないのか?
ピックアップより本当に多少でもマシなら、こういう輸送とかにもっと投入されて、ウクライナから正式に要望が来るだろう。日本にいて現場の実情なんて分かりっこないのに、「現場」からの要望を想像するのは奇妙だ
装甲がなんの役にも立たないわけ無いわな
対ドローン戦でトラックのがマシな場面があったとしても、他は?
ドローン所か歩兵火器にもなんの防御もない車で前線には行きたくないな
まあそういう想像の話をしたくないってんなら、英語でもロシア語でも学んで現地の人とやり取りしてくれ
現場は装甲車に多額の費用をかけて生産してる国防省を批判して軍用のATVやオートバイやSUVを大量生産しろと言ってますよ。
視界が遮られドローンの音も聞こえない装甲車は鉄の棺桶でしかないく将軍達を喜ばすためのパレード用の玩具だと。
興味あるんでどこの現場がなんの記事で語ったのか教えて下さい
ウクライナ国土の前線で注意しなければならないのがドローン攻撃だけって話になるのか?
装甲車が要らないと言うなら明確なデータでも出すべきでしょう?どんな攻撃であっても装甲車に乗車している兵士の死者が一番多く鉄の棺桶であるなら疑いようのない話。無装甲レベルのトラックやランクル程度で運ばれる兵士が気の毒ですけどね、装甲上げれば良いというなら走破性は落ちある程度走りやすい地形しか進めなくて、それだってリスクでしょう。命を守る為に長距離を歩くのは仕方ないとか普通に士気は落ちますよ、可能な限り安全に前線近くまで送る方法を考える方が先でしょう。
それに装甲車使いようがないとは言うが当たれば一撃で終わる確率や致命的なダメージを受ける率はどうなのか、それば非装甲の車両と比較してどうなのかは比較検討すべきでしょう。貴方が言っている事は、普通に戦闘するならボディアーマーを付けていても顔面に当たったりすれば終わりだし強力な弾を受ければ貫通するから無くて良い軍服だけで十分みたいな話だと思いますが、それがまかり通る物なのか。
現状最も安全な前進する方法は明確でしょう。少人数で隠密に塹壕から塹壕、廃屋から廃屋へ前進する。歩兵の柔軟性を最大限に活かす他ありません。現にロシア人はそうやって前進していますが士気が落ちてるようには見えませんよ。
それに明白なデータではないのかもしれませんが、両軍ともに装甲車による行動を前線で行わなくなっていますよ。ロシアに装甲車の備蓄がないから、ウクライナに与えた装甲車が全部破壊されたからか、損失の多さに両軍が使わなくなったから観測できなくなったのでは?
まぁ少なくとも装甲車であればトラックやピックアップよりかはドローン攻撃を受けた際の生存率は上がるでしょう。戦訓にならってタワシみたいにケーブル等をつければなおのこと。
そこまで持っていくのに多額の費用が必要なのは、まぁ、うん······
トランプのおやびんが状態の良いストライカーを無償譲渡する訳がない!
って事で大規模なオーバーホールが必要な酷い状態に一票を入れたい。
おやびんがタダで武器を渡すのはイスラエル様だけですわよ。
まあストライカーは色々と中途半端な駄作とは言わないまでも微妙な車両なんで、ただで引き取ってくれるならそれに越したことは無いと思いますよ
昔のイスラエルなら喜んで頂いて、自国のリソースで運用どころか魔改造してた案件かも。
良い意味にとらえるなら自国の新規生産でなんとかなりますわー、という事なので良かったねとしか言えないのかな。
ロソマクの調達って、政治家がどうにか出来るレベルの話なんかな?
現状生産が追いつかないかつ、目先の危機に備える必要があるのなら、オーバーホールが必要かもしれなくても現物を求めるのは理解できる
下手に工場増やしても、需要がなくなったときが怖いからな
意味がわからないのは、ウクライナ軍ですらストライカーみたいな装輪は不要と言ってるのに、何故ストライカーを送ろうという議論が出てくるのか?
ドローンに対して従来型装甲車の無力は明らかで、だからこそ米軍改革でもドローンの優先順位が上がって旧来の装甲車の調達は三の次になった。今回の提案も米軍としても要らないし、ポーランドとしてもロマソクに投資する意義が揺らいでるから、安値で供与する話が出てるのでは?
ウクライナ軍がストライカーは不要だと言った記事はあるの?
ストライカーのような装輪装甲車はウクライナの土地に合わないから欲しくないとは言っていたはず
装軌か装輪かという違いですかね?
歩兵戦闘車にしろ戦車にしろ装甲車の類はウクライナ人の歩兵も日本人義勇兵も現場にいる人間が必要だと証言しているので、現場を知らない外部の人間が装甲車自体が不要かのように語るのはどうかと
ただ、国産品との兼ね合いで中古の走行車両を取得するのに悩める、ってのはある意味贅沢かもしれない
ストライカーも一気に余剰装備になっちゃった。
出てきた時はハイテク装甲車だったのに。
イラクやアフガニスタンでIEDに散々やられたから?
2005年くらいから800両くらいは作ってるらしいんだが、それで置き換えが進まないってどんだけBMP1あるねん