欧州関連

ポーランド、国産の歩兵戦闘車と並行して韓国製Redbackのテストも開始

ポーランドのブラスザック国防相は機械化部隊に配備する歩兵戦闘車について「国産のBorsukと韓国製のRedbackをテストしている」と明かし、噂されていたRedback導入が現実味を帯びてきた。

参考:Mariusz Błaszczak

ここまで来ると噂されたRedbackとM-SAM BlockIIも導入するのではないかと思えてくる

ハンファディフェンスが海外輸出向けに開発したRedbackは防御力を重視する海外市場のニーズ(特に欧米)に照準を合わせており、STANAG4569(防弾・耐地雷能力に関するNATO規格)の最高規格「レベル6」を上回る防御力を備え、豪陸軍向けにはアクティブ防護システム「IronFist」やシースルー装甲の概念を実現して状況認識を拡張させる「IronVision」を統合、完全にデジタル化された戦闘管理システムはSTANAG4754(車輌向けアーキテクチャに関するNATO規格)と完全な互換性を備えている。

特にウクライナで対戦車兵器に対する装甲車輌の保護能力が注目されため欧州を中心にRedbackへの関心が高まっており、韓国製装備品を大量に導入するポーランドも例外ではない。

Defence24は陸軍関係者への取材に基づき「M1A2が配備される第18機械化師団向けにRedbackの導入が検討されている。K2やK2PLを装備する部隊には国産のBorsukが配備される予定だ。ハンファディフェンスはRedbackの現地生産や発展型の開発にも前向きで、ポーランド陸軍の要求要件に適合したRedbackの導入も選択肢の一つになる」と主張して「導入を検討しているRedbackが10月にポーランドで発表される」と9月末に報じていた。

これを追認する形でポーランドのブラスザック国防相は「最も優先順位が高いのは国産のBorsukで間もなくテストが開始される。これを補完するため韓国製のAS-21(Redbackのこと)もテストを開始したところだ」と述べており、噂されていたRedback導入が現実味を帯びてきた格好だ。

因みにポーランドが導入すると報じられたK2、K9、FA-50、天武は全て報道通り契約締結に漕ぎ着けており、ここまで来ると噂されたRedbackとM-SAM BlockIIも導入するのではないかと思えてくる。

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※アイキャッチ画像の出典:Mariusz Błaszczak

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コメント

    • vbhm
    • 2022年 10月 20日

    韓国はK2戦車とK9自走砲をもう納めたから頼りにしますわな。
    ドイツよ、見ているか。

    13
      • らら
      • 2022年 10月 21日

      納めてはいない。 契約だけだよ
      性能や納期などの契約を履行出来れば良いね

      長い目で見てりゃいろいろと見えてくるだろう 造船みたいにね

      2
        • vbhm
        • 2022年 10月 21日

        2022年輸出分のK2戦車(10両)とK9自走砲(24両)はもう出庫していますが。
        貴方の心配は杞憂に終わりそうですね。

        14
    • 名無しさん
    • 2022年 10月 20日

    なんというか、ポーランドの軍備拡張スピードが早すぎて心配になってくる。
    ロシア方面がもっときな臭くなったら、トルコ製装甲車とかも緊急輸入しそうなぐらいの勢いで拡張してるし。

    10
      • ホテルラウンジ
      • 2022年 10月 21日

      ポーランド、自国民にベラルーシ退避勧告 両国関係一段と悪化
      リンク
      なんか始まるんかな?
      まさか、ねえ

      2
    • 無印
    • 2022年 10月 20日

    「NATO最強陸軍に、俺はなる!」
    と言う絶対の意思を感じる

    13
    • かば
    • 2022年 10月 20日

    ロシアが占領地で何をやるのかをリアルタイムで見せつけられたら、有事の際に国境付近で侵攻軍を撃滅できる戦力を整備したくなるのは自然な反応なのだと思う。

    12
      • SSS
      • 2022年 10月 21日

      それが普通の反応だよな。
      なぜか全く響かない我が国、そして逆方向に突っ走る野党。安定の妄想の中に生きる某北海道のロシア派議員
      心配を通り越してただただあきれる。

      22
      • 2022年 10月 21日

      カチンの森事件とか、ロシアの本質は嫌と言うほど分かってるし。

      9
        • トーリスガーリン
        • 2022年 10月 21日

        我が国もシベリア抑留でひでぇ目にあった人はたくさんいたのにね
        原爆やら空襲のことは忘れないのにソ連が終戦間際にやらかしたことは綺麗さっぱり忘れたふりしてるんだから意味不明だわ

        どうでもいいけど「ノルマ」ってロシア語らしいね、英語系の外来語だと思ってたわ
        シベリア抑留時にノルマノルマと言われて作業していた人たちが帰国してからも使ってたら定着したらしい
        本来はネガティブな意味での仕事量ではない筈が日本に伝わってきた経緯が経緯なのでネガティブイメージな単語(強制的に課される仕事量)みたいになっちゃったんだと

        20
    • 月虹
    • 2022年 10月 21日

    中東ではイランやシーア派武装組織が使用するミサイルやドローンに対抗する為にアラブ首長国連邦(UAE)が防空システム増強を始めたのを皮切りに周辺の中東諸国(イラク、サウジアラビア、オマーン、エジプト)も防空システムの導入に向けて行動を起こすことに繋がりました。現在、ウクライナはロシア軍からのミサイル・自爆ドローンによる攻撃を受けて民間のインフラ施設が多大な被害を被っており、戦訓から都市や重要目標を保護する防空システムの導入を検討する国は今後は増えると思われます。

    韓国の開発したKM-SAM BlockⅡは西側の防空システムとしては異色でロシアのS-400の技術を基に開発され、最大射程は40㎞、高度20㎞までの目標を迎撃可能でパトリオットなど他国の防空システムに劣らない性能を持っています。韓国は現地生産や技術開示に積極的で実際、欧米からの制裁で西側兵器を導入しにくいサウジアラビア(UAE)が導入した他にエジプトも関心を示している様です。ポーランドは中距離防空システムとしてアメリカからパトリオットを導入しましたが高額な為に4セットに留まっており、国境を接するベラルーシやロシアの飛び地で弾道ミサイルを配備しているカリーニングラードからのミサイル攻撃に対応する為にKM-SAMにも興味を示していると思います。

    2
    • アクアス
    • 2022年 10月 21日

    ポーランドは、ウクライナが最終的に敗北すると考えてるんだろうか?

      • きっど
      • 2022年 10月 21日

      軍事とは、基本最悪を考慮して動くべきですから、当然それをも考慮してはいるのかと
      どちらかというと、場合によっては西側に雪崩れ込みそうな気配を感じますが……

      2
      • 2022年 10月 21日

      ウクライナがロシアを追い出して勝利してもロシアが解体もしくは政権崩壊しない場合に、西側に侵攻するよりもポーランドが予防戦争としてロシア侵攻するかも。

      ポーランドには過去の経緯から侵攻の動機は十分にある。
      ロシアは過去に幾度も他国にやってることだから同情も起こらない。
      自爆型ドローンを大量に買いんでモスクワやサンクトペテルブルクのインフラ施設に打ち込んだり絨毯爆撃したりしたりして。

      その時初めてロシア人が、シリア人やウクライナ人の気持ちが想像できる人間に進化できそう。

      1
    • BMP
    • 2022年 10月 21日

    ここは国産で統一した方がいいと思うけどなぁ。
    韓国産ばかり買わずポーランド国内産業を重視してあげて。
    それに整備とか訓練の観点からも同じ車種に統一していたほうがいい。

    1
      • けい2020
      • 2022年 10月 21日

      これも購入というより、ポーランド国内で生産が前提のやつ
      必要な技術は移転、部品までポーランド生産、ポーランド生産のはポーランドが輸出可能って感じ

      韓国が導入してるK21とすでに別物になってるから、K21輸入ってわけにもいかないし

      4
    • 似非市民
    • 2022年 10月 21日

     ポーランドが、歩兵戦闘車に国産のBorsukがあるのに、ほぼ確実に兵站が混乱することになるRedbackとの二車種併用に持って行こうとする利点がどこにあるのかがわからへん。

    > M1A2が配備される第18機械化師団向けにRedbackの導入が検討されている。K2やK2PLを装備する部隊には国産のBorsukが配備される予定だ。

     しかも、この組み合わせである。 

     眩暈がするような他機種運用を目論むポーランド陸軍なんやけど、歩兵戦闘車くらいは競合テストを行なって一車種を量産運用するのがベストやと思うんやけどねえ。
     戦車・自走砲・多連装ロケットに歩兵戦闘車まで2機種同時購入になるとしたら、流石に何かが狂ってるとしか言いようがないわ。

     

    1
      • 通りすがり
      • 2022年 10月 21日

      世界には武器供給を複数に分散させるほうが役に立つと考えるが国が沢山ありまして、、、日本のように依存を米国1本に絞る国の方が珍しいんですよ。

      日本のやり方と違うから狂ってると決めつけるのは視野が狭すぎる。

      8
      • hiroさん
      • 2022年 10月 21日

      一種類に限定すると、何か問題が発生して運用停止とかなった場合は、丸腰になる可能性もありますからね。
      日本だって正面装備は多種運用をしているわけですからね。

      3
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