欧州関連

欧州最強の陸軍を目指すポーランド、1,400輌のボルスク購入契約に署名

国営ポーランド・ラジオは「国防省とスタロヴァ・ヴォラ製鉄所が契約を締結する予定でボルスク歩兵戦闘車を1,000輌購入する」と報じていたが、ブラスザック国防相は28日に1,400輌のボルスク購入契約に署名した。

参考:Ministerstwo Obrony Narodowej 

ポーランドは1,400輌のボルスクとは別の歩兵戦闘車を調達することを示唆しているので非常に興味深い

米国と韓国から1,200輌以上の主力戦車を調達するポーランド陸軍は旧ソ連製の歩兵戦闘車の更新も予定しており、国営ポーランド・ラジオは「国防省とスタロヴァ・ヴォラ製鉄所が契約を締結する予定で、ボルスク歩兵戦闘車を1,000輌購入する」と報じていたが、ブラスザック国防相は28日に1,400輌のボルスク購入契約に署名した。

この契約に立ち会ったスタロヴァ・ヴォラ製鉄所(HSW)のセバスチャン・チュワレク最高経営責任者は「HSWにとってもPGZ(ポーランド国営軍需企業)にとっても今日は本当に特別な日で、我々は挑戦の準備が完全に整った。1,400輌ものボルスク発注はポーランド防衛産業界にとって最大のプロジェクトだ。ボルスクは全てのテストをパスしており量産車輌が登場すれば、多くの同盟国が羨む存在になると確信している」と述べている。

さらにブラスザック国防相は「ボルスクよりも重い車輌設計(歩兵戦闘車)を承認した。この製造もHSWに委託する予定だ」と明かしており、ボルスクを重装甲化した発展型を新たに開発するのか、これがZSSW-30を統合したRedbackのことを指しているのかは不明だが、ポーランドは1,400輌のボルスクとは別の歩兵戦闘車を調達することを示唆しているので非常に興味深い。

出典:Hanwha Defense

ポーランド陸軍は主力戦車と歩兵戦闘車の組み合わせとして「M1A2とRedback」「K2PLとボルスク」を検討していると噂されているので、ボルスクよりも重い歩兵戦闘車はM1A2との組み合わせが予想されるため、国産ベースで行くのか、Redbackの改良型で行くかに注目が集まる。

関連記事:ポーランド陸軍が国産のボルスク歩兵戦闘車を1,000輌調達、来週中に契約締結か
関連記事:Redbackのテストがポーランドで進行中、豪陸軍モデルとポーランド陸軍モデルを提案
関連記事:ブラスザック国防相、ポーランドは欧州最強の地上部隊を手に入れる

 

※アイキャッチ画像の出典:Ministerstwo Obrony Narodowej

ロシアがバフムート北地区の制圧を主張、同地区を闊歩する様子も公開前のページ

BAE Australia、武装可能な垂直離着陸対応の無人機「STRIX」を発表次のページ

関連記事

  1. 欧州関連

    次期戦闘機HXプログラムへの最終提案を受け取ったフィンランド、年内に調達機種を決定

    フィンランド国防軍は次期戦闘機HXプログラムへの入札期限だった4月30…

  2. 欧州関連

    ギリシャ空軍のミラージュ2000とトルコ空軍のF-16Cがエーゲ海上空で交戦

    ギリシャ空軍は5日、エーゲ海上空でギリシャ空軍の戦闘機ミラージュ200…

  3. 欧州関連

    27日目に突入したラチン回廊の封鎖、誰にも問題の出口が見つからない

    ナゴルノ・カラバフ地域(アルツァフ共和国)とアルメニアを陸路で結ぶラチ…

  4. 欧州関連

    クレミンナを巡る戦い、郊外に広がる森林地帯での戦闘は一進一退

    ウクライナ軍がリマン陥落後から約3ヶ月間も攻め続けているクレミンナ周辺…

  5. 欧州関連

    イタリア、2035年までに第6世代戦闘機「テンペスト」の開発へ約2,600億円を投資予定

    イタリアは導入予定のない第6世代戦闘機「テンペスト」の開発に20億ユー…

コメント

    • G
    • 2023年 2月 28日

    ふと思ったのですが購入費や維持費は予算増額でなんとかなるにしても、これを含めた数多くの兵器調達数に見合うだけの操縦者や整備員、整備所を用意する目途はあるのでしょうか
    人員の調達は金があっても相応の時間が必要ですし

    6
      • shkk
      • 2023年 2月 28日

      戦車や自走砲もいきなり全部生産されるわけじゃないから作られて順番に兵士を育てていくんでしょう

      「戦争を回避するには戦争の準備が必要、ポーランドが軍を14万人→30万人以上に増強すると発表」という2021年の記事を見ると入隊するとかなりの特典がもらえたりと増やす手段も練ってますしウクライナ戦争前からのプランなのである程度は予定通りなんじゃないでしょうかね

      18
    • 鼻毛
    • 2023年 3月 01日

    一枚目、プラモデルの箱絵に見えた

    9
    • あさり
    • 2023年 3月 01日

    流石にこれは資金が追いつくのでしょうか
    基金と単年度予算で賄えると計算なのでしょうが、インフレが止まらないこのご時世、最終的な支払額はかなり膨れ上がりそうです。

    6
      • paxai
      • 2023年 3月 02日

      個人的には正気の沙汰ではないと思ってる。
      ポーランドのインフレ率は17.2%と極度に高い水準で留まっている。
      この状態で更なる財政赤字拡大はもう国民が戦争の熱気にあてられて変になってるとしか・・・

      4
  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. 欧州関連

    BAYKAR、TB2に搭載可能なジェットエンジン駆動の徘徊型弾薬を発表
  2. 北米/南米関連

    カナダ海軍は最大12隻の新型潜水艦を調達したい、乗組員はどうするの?
  3. 中国関連

    中国は3つの新型エンジン開発を完了、サプライチェーン問題を解決すれば量産開始
  4. 軍事的雑学

    サプライズ過ぎた? 仏戦闘機ラファールが民間人を空中に射出した事故の真相
  5. 軍事的雑学

    4/28更新|西側諸国がウクライナに提供を約束した重装備のリスト
PAGE TOP