欧州関連

A400Mを保有していないポーランド、NATOのA400M共同運用に参加

NATO加盟国のベルギー、クロアチア、フランス、ポーランド、スペイン、トルコ、英国はA400Mに関する多国間イニシアチブ=A400M共同運用を立ち上げ、A400Mを保有していないポーランドの参加は「ポーランドもA400Mを導入する」と分かりやすく示唆しているようなものだ。

参考:NATO Allies expand strategic airlift capacity
参考:NATO paves the way towards a Multinational A400M Fleet

参考:NATO stworzy flotę samolotów transportowych. Polska dołącza

ポーランドはA330MRTTとA400Mを導入する可能性が非常に高い

NATO加盟国のベルギー、チェコ、デンマーク、ドイツ、ルクセンブルク、オランダ、ノルウェー、スウェーデンはA330MRTTに関する多国間イニシアチブ(Multinational MRTT Fleet=MMF)を構成し、MMFに参加する国はA330MRTT×10機(12機増強予定)を共同運用することで運用・維持コストを分散することができ、これにフィンランドも加わったためMMF参加国は計9ヶ国に広がり、NATO加盟国のベルギー、クロアチア、フランス、ポーランド、スペイン、トルコ、英国は7日に開催されたNATO首脳会議の防衛産業フォーラムでMMFに類似した「A400Mに関する多国間イニシアチブ」を立ち上げた。

出典:Airbus

注目すべきはA400Mを保有していないポーランドの参加で、ポーランドのディフェンスメディア=Defence24も「ルッテ事務総長はNATO首脳会議でA400Mをベースとした輸送機部隊を配備すると発表した」「A400Mの選定は決して驚くべきことではない」「現在生産されている西側製輸送機としては最大重量を誇り、これに匹敵するのは川崎重工業のC-2だけだが、A400Mの生産ラインが維持されている状況において欧州がC-2を導入することは理にかなっていない」と報じ、ポーランド空軍が検討している重量タイプの輸送機導入に一定の示唆を与えている。

2025年12月にDefence24の取材に応じたポーランド空軍のパルフ大佐は「我々は軍用輸送機について軽量タイプにC-295、中量タイプにKC-390もしくはC-130J-30、重量タイプにA400Mを検討しており、C-17の生産ラインが2016年に閉鎖されたため重量タイプのA400Mに競合相手はいない」と説明。

出典:航空自衛隊

Defence24が「川崎重工のC-2という選択肢もあるが、ペイロードがやや小さく、やはり欧州から見てエキゾチック(防衛装備品として市場での実績が未知数)な機体だ」と指摘すると、ポーランド空軍のノワク少将も「それにC-2は日本でしか運用されていないのが問題だ。我々が装備を選定する際は常に維持・整備基盤(MRO)の確立、運用国の規模、そしてプラットフォームの将来的な近代化のポテンシャルといった要素を注視している」と指摘し、ポーランド空軍はまだ輸送機調達の資金を確保できていないが、A400Mの多国間イニシアチブへの参加は「ポーランドもA400Mを導入する」と分かりやすく示唆しているようなものだ。

ちなみにポーランドはNATO首脳会議中にA330MRTT(4機)調達を発表する可能性が高く、MMFにも参加してくるかもしれない。

関連記事:ポーランド空軍、輸送機の候補としてC-2をA400Mの競合と認めていない
関連記事:ポーランドがAirbus参加を模索、A330MRTTとA400Mを購入する可能性

 

※アイキャッチ画像の出典:Bundeswehr/Jane Schmidt

米ロッキードと独ラインメタルがATACMS共同生産に関する覚書に署名前のページ

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コメント

  • コメント (11)

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    • せい
    • 2026年 7月 08日

    C-2も空中給油機型、早期警戒機型、ドローン母機型位までファミリー化すれば売れるのかも
    それでも大多数の国からしたらC-2はデカ過ぎるか

    8
      • 他人事では無い
      • 2026年 7月 08日

      試供品として、無償レンタルするしか無い。

      7
      • nachteule
      • 2026年 7月 08日

       そんなバリエーションは本来の目的を十分に達成した上で作るべきで輸送能力に魅力が無ければファミリー化したとしても無駄でしょう。
       今となっては半端な性能で外国があえて採用するかは微妙でしょうね。これがフル装備の90式1両運べますだと話は変わった気はする。

       パトリオットが運べて航続距離と速度が劇的では無いにしろA400Mより上ではあるとかC-2でなければいけない条件の国がどれほどあるか。
       戦術と戦略の中間ぐらいのせいで戦術だと大き過ぎる、戦略だと小さ過ぎて半端な感じが否めない。C-1から見れば大した進歩だが。

      4
      • 名無し
      • 2026年 7月 08日

      C-2でできてA400Mでできないことが少ないし、普及してる方買うだろそりゃ
      高速巡航だって世の輸送機は普通に飛んでるんだから、空自の手続き部門がポンコツなだけ…

      4
        • SB
        • 2026年 7月 09日

        何か勘違いがあるようだけど、そりゃ空域管制が許可すればC-130だろうがA-400MだろうがAn-2だろうが大半の航空機は空路を飛行できるよ

        問題は1機がちんたら飛んでたら邪魔だし危ないから、こういう遅い軍用輸送機は高高度(燃費が良い高度)を飛んじゃダメ、最短経路でなく迂回して飛べ、高速機が離着陸中だから空くまで待ってろって特別扱いされるの

        C-2の巡航速度はM0.81でこれは民間ジェット機と同じ巡航速度だから、「民間機と一緒に高速道路(同じ空路)を飛んでいいよ」となるわけ
        A400Mも民間機より巡航速度がM0.1程度遅いから、大西洋横断みたいな国際空路だとあまり問題にならないけど、混雑空路だと「ちょっと待ってろ」となりやすい

        6
      • YF
      • 2026年 7月 08日

      C-2は旅客機と同じ高度を同じ速度で飛べて航続距離も長い。つまり旅客機ベースの軍用機に転用しやすいですよね。現在は電子情報収集機と電子戦機ですが将来的に早期警戒管制機、給油機等の派生型の可能性もあると思います。
      国産機は自由にカスタマイズ出来るのが利点ですね。最近はそれで揉めるケース多いですから。

      ラピットドラゴンに似たようなシステムを国産で開発するのもありだと思います。25式地対艦ミサイル(空発型)もセットにすれば買い手が見つかるかも(妄想)

      2
        • nachteule
        • 2026年 7月 08日

         旅客機ベースの軍用機に転用しやすいのは違うと思います。旅客機ベースにするのは専用機を作ったとしても既存旅客機以上の性能向上が見込めない、旅客機ベースで十分な機体が作れるのが1番の理由です。民間機を軍事転用するに辺りキャパを満たしているからベース機にしますは説得力がある。

         突き詰めるなら軍用に改造する機体に必要な能力を付与する十分なキャパがあるなら軍民とかの機体の素性なんてどうでも良いんですよ。旅客機と同じ機体性能を持つ軍用機だから早期警戒機や給油機に出来るでは無く、その機体がベース機体として最適か否かだけの話。ロシアの早期警戒機A-50が輸送機ベースなのは適当な機体が無かったから消去法でそうなっただけです。

         C-2ベースにして早期警戒機作るメリットは価格や性能よりはC-2を運用し続ける限りは部品のサポートが続くのみです、民間機のライン閉鎖で部品供給に困窮しているE-3とはそこが違う。それ以外は絶対的な機数が少ない事での高コスト体制にならざるを得ないし。高価だろうがE-7導入した方が安く付いたり性能が上の可能性すらありえる話でC-2のバリエーション増やすなら本当にメリットがあるかどうかで判断すべきだと思います。

        3
          • のー
          • 2026年 7月 09日

          ロシアの場合は、不整地での運用も考えてじゃないですかね?
          軍用機は滑走路も短くて住みます。
          戦闘機も全般的にその方向性のようですし。
          素人の勝手な想像になってしまいますが、既存の空港へはミサイルの着弾が避けられない現在
          貴重な機体は簡単に避難できるように、輸送機ベースの方が良いんじゃないかなと思ってたりします。

          1
    • リンゴ
    • 2026年 7月 08日

    >我々が装備を選定する際は常に維持・整備基盤(MRO)の確立、運用国の規模、そしてプラットフォームの将来的な近代化のポテンシャルといった要素を注視している
    なるほど、これが軍需産業式お祈りメールってやつか

    5
    • さめ
    • 2026年 7月 08日

    C-2のペイロードがA400よりも少ないという話、たまに聞くけど眉唾だと思ってる

    2
      • 負け惜しみは誰だ
      • 2026年 7月 08日

      その根拠は?

      1

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