欧州関連

ポーランド、2023年の国防関連支出は280億ドル規模で3%越えか

ポーランド政府は「2023年に288億ドル=約4.1兆円もの資金を国防関連に割り当てる計画だ」と明かし、GDPに占める国防関連支出の割合は3%ではなく「3%超え」になる見込みだ。

参考:Premier w Siedlcach: polski budżet zapewnia pieniądze na rozwój polskiej armii
参考:Polska się zbroi. Plan obejmuje największe wydatki na obronność w historii Polski

国防予算と基金への割当資金の合計は最大1,370億PLN=288億ドル以上になり、GDPに占める国防関連支出の割合は3%超えになる見込み

ポーランドはウクライナ侵攻発生前からロシアの脅威を危惧、昨年10月に時代遅れの国防法(防衛義務法)を廃止して新国防法(祖国の防衛に関する新法)を導入、今年5月に新法が発効して現行14万人(現役約10万人+領土防衛軍兵士約4万人)のポーランド軍を30万人(40万人まで拡張する可能性が浮上中)に拡張するため動き出し、矢継ぎ早に装備の大量調達に乗り出している。

出典:ポーランド国防相 祖国の防衛に関する新法について説明する安全保障委員会のカジンスキー議長とブラスザック国防相

この新国防法はGDP比2.2%だった国防予算を2023年に3.0%へ引き上げることを義務付けており、970億PLN=204億ドル以上の資金が2023年の国防予算に割り当てられる予定だ。

補足:2015年の国防予算は371億PLNで、2022年の国防予算は577億PLNだった。

さらにポーランド政府は軍を資金面でサポートするための基金を創設、ここから国防予算に300億PLN~400億PLN=63億ドル~84億ドルの資金が割り当てられる予定なので、国防予算と基金の資金の合計は最大1,370億PLN=288億ドルとなり、GDPに占める国防関連支出の割合は3%ではなく「3%超え(ここに基金の資金を含めて計算していいものなのかは不明)」になる見込みだ。

因みに基金の原資は軍が受け取る様々な収入(NATO演習が国内で行われる際に支払われる演習場の使用料など)、ポーランド国立銀行が運用する資金や債券の運用益などが充てられ、この基金の管理や運用も国立銀行が行い「通常の国防予算+基金+基金の運用益の3本立て」で拡張する軍を支えて行く予定で、ポーランドの与党PiSで党首を務めるカチンスキ氏は最終的に国防予算を5.0%まで引き上げたいと述べている。

追記:ポーランド国防省は韓国から導入するK9と別に48輌の自走砲KRABを7.9億ドルでスタロヴァ・ヴォラ製鉄所(HSW)に発注した。この契約には22輌の指揮車輌と12輌の弾薬補給車輌が含まれており、2025年~2027年までに引き渡される予定だ。

関連記事:軍隊は予算の無駄使いではない、ポーランドは国防予算をGDP比5.0%まで増額か
関連記事:韓国製戦車の欧州上陸が確定、ポーランドがK2とK9A1の本契約に署名
関連記事:ポーランド国防相、多連装ロケットシステム「天武」導入を韓国と協議中

 

※アイキャッチ画像の出典:Kancelaria Prezesa Rady Ministrów

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コメント

    • Ard
    • 2022年 9月 06日

    余りにも少ない国防支出を続ける自由主義諸国よ
    ポーランドに倣え!とくにわーくに!!

    12
    • hiroさん
    • 2022年 9月 06日

    まさかとは思うけど、リトアニアと連合してカリーニングラードを獲るつもりなのか?

    4
    • ななし
    • 2022年 9月 06日

    あとはドイツへの損害賠償請求もあるから4本立てだな。

    6
      • 水メロン
      • 2022年 9月 07日

      ドイツからポーランドへの賠償は、広大な面積の国土割譲で、既に完遂されていると思っている。

      ポーランド目線では、その分ソビエト側を大幅に喰われたので、増えた実感は無いんだろけれども。

      2
    • 2022年 9月 07日

    ドイツ連邦軍が何もしてないのに壊滅状態の今なら、取り立てるのもわけ無さそうやな!

    脱原発と再エネ推進主導しロシアに付け入られる隙作ったくせに、軍事支援ロクによこさないわ、未だ原発再稼働ぐずぐずしてるわで、ウ露戦争始まってからドイツ君世界のヘイト買うムーブ取り過ぎで、ポーランドボール君マジで今が復讐のチャンスでは。

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