ポーランドのブラスザック国防相は5日、国産RWSを統合した歩兵戦闘車「Rosomak IFV」を70輌調達すると発表して注目を集めている。
参考:Huta Stalowa Wola dostarczy wojsku nowoczesne systemy wieżowe zintegrowane z transporterami Rosomak
国産RWSを統合したRosomak IFVは敵が使用するあらゆる目標と交戦可能
ポーランドのスタロヴァ・ヴォラ製鉄所(HSW)とWBElectronicsが共同で開発した国産RWS「ZSSW-30」は30mm機関砲、7.62mm機関銃、SpikeLRを装填したダブルランチャー、スモーク・ディスチャージャー、各種光学センサーを搭載しており、ブラスザック国防相は「Rosomak/ロソマク(パトリアAMVのライセンス生産)にZSSW-30を統合したタイプを70輌調達する」と発表して注目を集めている。

出典:MariuszBłaszczak
今回の調達は飽くまで1次発注なので最終的にZSSW-30を搭載するRosomak IFVを幾つ調達するのか不明だが、ポーランド国防省は「Rosomak IFVは歩兵、装甲車両、空中標的など敵が使用するあらゆる目標と交戦可能で主力戦車と連携することもできる」と述べているのが興味深い。
ZSSW-30を採用したRosomak IFVはオート・メラーラ製のHITFIST30P採用モデルの後継になると思われるが、ポーランド軍はRosomakベースの車輌を計997輌(当初予定は690輌)を取得する計画だったので、今回の発注でRosomakの総発注数は1,000輌を突破することになる。

出典:MariuszBłaszczak
因みにポーランドは昨年10月に軍のサイズを14万人→30万人(40万人規模に達する可能性も浮上)に拡張することを決定、これに合わせて大規模な装備調達を進めている最中で、調達契約を締結したものから交渉中までのものを含めると以下の通りになる。
調達先 | 種類 | 数量 | ステータス | |
米国 | 戦闘機 | F-35A | 32機 | 契約済 |
UCAV | MQ-9 | 不明 | 交渉中 | |
主力戦車 | M1A2/SEPv3 | 250輌 | 契約済 | |
装甲車輌 | クーガー | 300輌 | 契約済 | |
防空システム | パトリオット | 8セット | 契約済 | |
MLRS | HIMARS | 20輌 | 契約済 | |
500輌 | 交渉中 | |||
防空レーダー | LTAMDS | 不明 | 交渉中 | |
英国 | 短距離防空システム | CAMM | 不明 | 契約済 |
空対地ミサイル | ブリムストーン(駆逐戦車向け) | 不明 | 交渉中 | |
フリゲート | アローヘッド140 | 3隻 | 契約済 | |
フランス | ISR | 偵察衛星 | 2基 | 交渉中 |
イタリア | 多用途ヘリ | AW149 | 36機 | 契約済 |
M-29の後継機 | M-346(FA-50と競合) | 不明 | 交渉中 | |
韓国 | 主力戦車 | K2 | 計500輌? | 交渉中 |
K2PL | 交渉中 | |||
歩兵戦闘車 | K21もしくはレッドバック | 不明 | 交渉中 | |
自走砲 | K9 | 不明 | 交渉中 | |
防空システム | 天弓2 | 不明 | 交渉中 | |
M-29の後継機 | FA-50(M-346と競合) | 不明 | 交渉中 | |
トルコ | UCAV | TB2 | 24機 | 契約済 |
国内調達 | 掃海艇 | コルモラン型 | 3隻 | 契約済 |
歩兵戦闘車 | ZSSW-30統合タイプのRosomak | 70輌 | 契約済 | |
駆逐戦車プログラム | 不明 | 不明 | 開発中 | |
砲兵システム | グラディウス | 契約済 |
追記:70基の国産RWS「ZSSW-30」を調達する費用は約1億5,000万ユーロ(約206億円)なので1基あたり約2.9億円となる。
追記:Rosomak基本バージョンの調達コストは500万ズウォティ/1.5億円、戦闘仕様のRosomak(HITFIST30Pを統合したIFVバージョン?)の調達コストは980万ズウォティ/2.9億円、近代化されたM1仕様への変更には174万ズウォティ/0.5億円の追加コストが必要になるらしい(情報が古いの現在の調達コストは上昇しているものと思われる)。
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※アイキャッチ画像の出典:MariuszBłaszczak
人件費や訓練費用も含め、どこからそんな大金湧いてくるんだ、、?
景気のいい話ですわ…
陸自も次期装輪装甲車はAMVにしちゃおうよ
潜在能力はポーランドが証明済みだよ
所で無人砲塔は大きさに関係なく「RWS」って呼ぶ物なんでしょうか?
次期装輪装甲車(三菱案・パトリアAMV)の結果が出るのは来年3月までにはらしいから、9か月ぐらいゆっくりしていってね!
(装軌装甲共通車のサンプルが今年度には納入されるらしいから、こっちの方が楽しみ派より)
日本も今開発中の89式FVの後継である新型装甲戦闘車の提案とか売り込みとか積極的にやれよ頼むから!もう本当に頼むから!
どうせ売れねぇから無駄なことしたくないだとか、そういうのはいいから!
こういった陸上兵器等の大型案件の商談の場の空気を味わうだとか経験積みに来ましただとか、コネを作りに来ましただとかそういうのでも全然OKだから!いけよ!人事を尽くして天命を待つ位の気概を持てよ!
まずは国民が兵器開発、兵器売買に積極的な政治家を選んでからだね。
89FVの後継装備は白紙化され進行中の具体計画は現在ありませんよ。
機甲師団の保持は31大綱でも示されているところですが、本格的本土侵攻の蓋然性が極めて低いという情勢判断に鑑み、残念ながら効率的予算配分の観点から優先順位が低いのが現状です。
陸戦重装備で海外移転できそうなのは現状19式装輪自走155mm榴弾砲ぐらいですかねえ。移転三原則が改定されれば、陸自採用の成否に係わらずMAVベース戦闘車両移転の道が開かれるかもしれませんが。
無理だよ、89式の砲塔流用とかの話出ている時点でやる気は感じない。どうせ売れないからじゃ無くて、そもそも海外に売れるような性能じゃ無いってのがね。
ハイブリッドだとか10式のパワーパック同等とか大口径主砲積みますとか何かしら売りになるようなコンセプトあるの?ただ装軌車両が欲しいだけの考えとしか思えない。
混乱していて答えにたどり着けないから、詳しい人がいたらおしえてほしいが、
Rosomak APCと呼ばれているのが、パトリアAMVの車体にZSSW-30砲塔を乗せた装輪装甲車両で、
BORSUK IFVと呼ばれる車両が、渡河能力を持った装軌車両(K9自走砲のシャーシがベースらしい。そういわれると外見上、転輪・起動輪・履帯に名残が見える)であってるよね?
APCだけで1000両以上とかどえらく発注するじゃん
この上、BORSUK IFVとK-21(もしくはAS-21、砲塔はZSSW-30に換装を検討)するとか、戦車なども併せて金遣いがすごい
だいたい自己解決した。
RosomakはパトリアAMVのポーランドでの名前で、2000年代初期からポーランド軍に納入されている。
今契約前にも997両(生産済み)の発注を行っており、今回ZSSW-30を搭載した70両の発注を行ったのが今回の記事の内容だった。
記事の内容をよく読めば全部書いてあったが、ボルスクのイメージに惑わされたわ
ひとつ疑問なのですが。
写真を見ると、前に立つ兵士の身長と比べて、
RSWを除いた車体高は、装軌型は2.5m、装輪型で3.0m位かな。
背が高すぎるのではないだろうか。
装輪型の方は、戦場で125mm戦車砲の良い的に思えます。
ロマソクIFVは元になったパトリアAMVの値を参照すると全高2.30m(車体だけ)ということがわかるだろう(ちなみに西側の代表的戦車であるレオパルト2A7の全高は3.03m)
そもそも、この手の車両が兵士達を前線にデリバリーする際に、その場に敵戦車がいることが想定されるので、味方部隊の戦車が支援をしているのではないか。
画像で比較すると、装輪型は装軌型より概略20cm程度車体高があるてところでは。
前に並ぶ乗員をスケール代りにすると感覚的に勘違いし易い。右端の乗員は2m近くありそうですが他は小柄でしょう。
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