欧州関連

ルーマニアがノルウェーから中古F-16取得を発表、1機あたりの導入コストは約18億円

ルーマニア国防省は空軍の航空戦力を近代化するためノルウェーから中古のF-16AMを32機取得すると議会に通知、現地メディアは取得費用の総額が4億5,400万ユーロ(VAT/付加価値税抜き)になると報じられる。

参考:România cumpără alte 32 de avioane F-16 second hand din Norvegia. Aparatele au peste 40 de ani vechime

アップグレード込みで1機あたり18.1億円という導入コストの安さを考えれば十分な能力だが、、、

冷戦終結後にNATOへ加盟したルーマニアは空軍が運用していたMiG-21のアップグレードをイスラエルのエルビット・システムズに発注、この改良によって同機は西側製の精密誘導兵器やイスラエル製の空対空ミサイルが統合されポルトガル空軍から中古F-16AMを導入後も30機前後が稼働状態にある。

出典:Cristian Ghe / CC BY 2.0 ルーマニア空軍のMiG-21

しかしアップグレードを施したMiG-21の機体寿命は限界に達しているためルーマニア国防省はノルウェー、ベルギー、デンマーク、オランダ、ポルトガル、ギリシャなどに中古F-16の売却を要請、各国が提示した条件の中で最もルーマニアに有利な提案だったノルウェーから3億5,400万ユーロで中古F-16AMを32機取得、1億ユーロの費用をかけて同機のアップグレードを行うと議会に通知した。

このアップグレードは現在注文が殺到しているF-16V仕様ではなく「F-16AM向けMLU(Mid-Life Update)の最新バージョン「M6XR」にアップグレードする」という意味なので、能力的にはF-16C/Dブロック40とブロック50の中間構成に相当するらしい。

出典:VictorCozmei / CC BY-SA 4.0

F-16V(ブロック70)と比較するとアップグレードを施したF-16AMの能力は控えめかもしれないが、短距離空対空ミサイルしか運用できないMiG-21と比較するとF-16AMはAIM-120Dを運用できるため制空任務の能力は格段に高まるはずで、アップグレード込みで1機あたり18.1億円という導入コストの安さを考えれば十分なコストパフォマンスと言える。

但しノルウェーから調達する中古F-16AMは運用開始から40年以上経過しているため、どれだけルーマニア空軍で働くことができるのかは未知数だ。

 

※アイキャッチ画像の出典:Radafaz / CC BY-SA 3.0

フィンランドが破格の条件でF-35A採用を発表、米国はイスラエル並な独自運用体制を容認前のページ

豪軍が導入して日が浅いNH90退役を決断、後継機としてUH-60M導入を発表次のページ

関連記事

  1. 欧州関連

    マリウポリの戦いは現在も継続中、ウクライナ軍は東部方面で反撃を宣言

    マリウポリで抵抗を続けるウクライナ軍に対してロシア軍による容赦ない攻撃…

  2. 欧州関連

    米国に続きNATOとウクライナが「ロシア軍撤退を確認できない」と発表

    NATOのストルテンベルグ事務総長は16日、我々が現場で目にしているの…

  3. 欧州関連

    ウクライナ危機、プーチン大統領は着々とウクライナ侵攻に向けて準備中

    米国もロシアも「NATOの東への拡大停止」について一歩も譲る気はなく、…

  4. 欧州関連

    海外からの受注が集中する仏製戦闘機、クロアチア空軍も次期戦闘機にラファールを選択

    クロアチア空軍はMiG-21の後継機としてラファールを選択したと報じら…

  5. 欧州関連

    ドンバスを巡る戦い、ウクライナ軍の増援として第128山岳強襲旅団が到着

    ウクライナ北部からのロシア軍撤退が完了、ルハーンシク州のセベロドネツク…

  6. 欧州関連

    英国防相、ウクライナへの戦闘機提供はポーランドの決断に懸かっている

    ウクライナにポーランドのMiG-29提供というアイデアはロシアやベラル…

コメント

    • 匿名
    • 2021年 12月 11日

    兵器のユーザーもジャンカーばかりになってきたか、いや前からかw

    2
    • 匿名
    • 2021年 12月 11日

    ルーマニアはモルドバを挟んでウクライナの南西に位置する国で、NATOの最東端の一つでかつてはソ連の衛星国だった。
    フィンランドといいルーマニアといい、このタイミングで旧ソ連の庭だった現西側陣営の国で兵器更新が一斉に動き出すのはロシアを煽ってるように見えても仕方ないな。実態はロシアが強硬手段に出たからこそ危機意識が醸成されてロシアに接する国々に軍事的な一体感が出てしまったというところなんだろうけど。北風と太陽だな。

    11
      • 匿名
      • 2021年 12月 11日

      少なくとも残っているMig-21の大半は75年までに納入された機体の筈、つまりF-16初飛行時には配備された機体が大半、ロシアに配慮して先延ばしするのはな。すでにF-16運用していての第二弾だし、それをしてロシアを刺激するかってのはどうかとも思うが。

      アップグレードしたF-16がセヴァストポリを脅かすとか言いがかり付けるか、将来的にAIM-120Dでロシア軍機が狙われるからとか言うなら何もできんぞ。

      6
    • 匿名
    • 2021年 12月 11日

    しかし、F-16って綺麗なデザインだなぁ
    どの角度から見てもかっこいい

    13
      • 匿名
      • 2021年 12月 11日

      スバルの昔の社長だったかな?
      美しい物は性能がいい。

      8
        • 匿名
        • 2021年 12月 12日

        例外もあって。

        F-14A/Bは駄作機だった訳で。
        後期生産型で面目躍如したけど。

        あの機体はめっちゃかっこいいのに。

        2
          • 匿名
          • 2021年 12月 12日

          トムキャットの初期問題って、機体自体の問題ではなく、確かエンジンですよね?

          5
      • 匿名
      • 2021年 12月 11日

      分かります!
      実はありふれて嫌いでしたが…あれこれ調べてるうちに好きになってました!笑
      1970年代にはこのデザインが登場してた訳ですから〜当時はSFから現れたくらいの衝撃だったのではないでしょうか!?
      因みに、私が一番好きな機体は、UAE専用のデザートファルコン(E/F)です!

      6
        • 匿名
        • 2021年 12月 12日

        たしかに性能的にはF-16E/FやF-16Vが最強になるのでしょうが、見た目的には後付けされたドーサルスパインやCFT(真正面から見ると特に)が個人的には美しさを損ねているのではないかと思ってしまいます。
        もちろん当初の機体はそりゃあもう惚れ惚れするほど美しい流線型のブレンデッドウィングボディであることは言うまでもありません。

        因みに私が一番好きな機体は、ミサイルに爆弾に増槽に航法&照準ポッド等フル装備モリモリマッチョのF-15Eストライクイーグルです。
        ステルス性を除けばいまだにこの機体が最強で最高だと思っています。
        まあ最強で最高の機体は人それぞれですよね。
        仲良くやっていきましょう。

        5
    • 匿名
    • 2021年 12月 11日

    前の記事の続きですね
    ノルウェーは本当に外交上手ですなぁ

    2
      • 匿名
      • 2021年 12月 11日

      (お兄さん、パッと見ではノルウェーの他記事は見当たらねえから、たぶんフィンランドと勘違いしてますぜ)ヒソヒソ

      17
    • 匿名
    • 2021年 12月 11日

    F-2が退役したら買ってくれる国無いかな
    無理か

    1
      • 匿名
      • 2021年 12月 11日

      売却可能だったとしても、補修パーツがねぇ

      6
      • 匿名
      • 2021年 12月 12日

      アメリカ製部品が多数だからまずはアメリカ様にお伺いだね

    • 匿名
    • 2021年 12月 11日

    赤いインテークカバーを見るとちょっと反応してしまう

    9
      • 匿名
      • 2021年 12月 11日

      確かに「あの最新のF-35 を離陸直後に落とした」実績のある赤いカバーと言われれば、そんな気持ちになるのは解る。

      8
    • 匿名
    • 2021年 12月 11日

    北欧食ごっちゃにするのは分かるが

    ノルウェー→金持ちの国(石油も天然ガスも出るため)、冬季オリンピック最強の国。

    スウェーデン→北欧一の大国、移民に苦労してる国、グリペンの国

    フィンランド→特殊な国
     周辺国がインドヨーロッパ語族なのに対し、フィンランドはウラル語族だから

    3
      • 匿名
      • 2021年 12月 11日

      忘れがちな北欧の国
      アイスランド→アメリカがデンマークから無理やり切り離したいきさつがあるのに、ロシアマネーが入り込んで経済が乱高下
      欧州有事の際には米軍の補給基地となるポイントなんで、ロシアも目をつけてる

      3
    • 匿名
    • 2021年 12月 11日

    地図を見直したらルーマニアってセバストポリ(クリミア半島)が目の前なのね。万が一の時の即戦力にはなるだろうけど、型落ち機だと不安だろうなあ

    1
    • 匿名
    • 2021年 12月 11日

    主翼交換しても20億ぐらいですむだろうし割とありだろうな

    • 匿名
    • 2021年 12月 11日

    予算の無い国もやりくりしないと
    対話だけで平和が保てるだの主張するお花畑さんは現実の国際社会にはいないよね

    5
    • 匿名
    • 2021年 12月 12日

    黒海のロシア艦隊への牽制に旧型だけどF-16A用のペンギン対艦ミサイルも売ってもらえると面白いのですが

    2
  1. この記事へのトラックバックはありません。

ポチって応援してくれると頑張れます!

にほんブログ村 その他趣味ブログ ミリタリーへ

最近の記事

関連コンテンツ

  1. 欧州関連

    再掲載|英海軍の闇、原潜用原子炉の欠陥と退役済み原潜の処分費用
  2. 欧州関連

    再掲載|導入自体が間違い?タイフーンを導入したオーストリアの後悔
  3. 軍事的雑学

    サプライズ過ぎた? 仏戦闘機ラファールが民間人を空中に射出した事故の真相
  4. 日本関連

    海外メディアも注目、横浜で護衛艦「いずも」の空母化工事が始まる
  5. 日本関連

    着実にレベルアップを果たす日本の対潜哨戒機P-1、2020年度から「能力向上型」…
PAGE TOP