ウクライナ戦況

ロシア軍が再びウクライナに大規模なミサイル攻撃、停電が広範囲で発生

ロシア軍が再びウクライナ全土に大規模なミサイル攻撃を開始、首都キーウを含む複数の都市でミサイルがインフラ設備に命中したため電力と水の供給が止まっており、15日の攻撃から復旧したばかりのインフラ整備が再び破壊された格好だ。

参考:Ракетная угроза. По Украине масштабная воздушная тревога, есть “прилеты”

恐らく1度の攻撃でここまで広範囲の停電が発生したのは初め

現地時間の昼過ぎにウクライナ全土(クリミアを除く)に空襲警報が発令され、ロシア軍のミサイルが首都キーウを含む複数の都市のインフラ設備を破壊、少なくともキーウ州、チェルニヒウ州、スームィ州、ジトーミル州、ポルタバ州、リヴィウ州、ヴォルィンシカ州、ハルキウ州、オデーサ州、ムィコラーイウ州、ザポリージャ州、ドニプロ州で停電が発生、さらにキーウ州の給水設備も破壊された州全域で断水状態が続いており、15日の攻撃から復旧したインフラ設備が再び破壊された格好だ。

出典:alerts.in.ua

恐らく1度の攻撃でここまで広範囲の停電が発生したのは初めてで、インフラ設備の復旧が追いついていないか、ロシア軍の攻撃精度が向上しているのか、防空システムの迎撃弾が不足しているのか、何らかの原因があると思われるが、現時点での報道を見る限り「ロシア軍が発射したミサイルの数」はそこまで多くない。

追記:キーウ州とリヴィウ州の全域で停電が発生、今回の攻撃で「死傷者が数十人発生している」と報じられている。

追記:キーウだけで30発のミサイルが飛来して内21発を撃墜したという報告があるが、この数字は公式発表ではない。

関連記事:破壊されるウクライナ経済、ロシア軍の攻撃で500万人が職を失う

 

※アイキャッチ画像の出典:Андрій Нєбитов

 

数字から見るウクライナ軍とロシア軍の戦い、11月17日以降の戦闘規模は縮小前のページ

今月15日に次ぐ規模、ロシア軍が70発の巡航ミサイルでウクライナを攻撃次のページ

関連記事

  1. ウクライナ戦況

    アウディーイウカの戦い、ロシア軍がステポヴェ周辺から線路沿いに撤退

    複数のロシア人ミルブロガーはアウディーイウカ方面について「ステポヴェ周…

  2. ウクライナ戦況

    ウクライナメディアもドニエプル川左岸の作戦を批判、作戦状況は絶望的

    ニューヨーク・タイムズ紙は「ドニエプル川左岸での作戦は自殺行為だ」と報…

  3. ウクライナ戦況

    ウクライナ、ロシア海軍はオデッサ上陸を断念して揚陸艦を引き上げた

    ウクライナ南部の都市オデッサの防衛当局者は10日、ロシア海軍はオデッサ…

  4. ウクライナ戦況

    ドイツが発表した防空ミサイルのウクライナ供与、安全上の問題が浮上

    ドイツは旧東ドイツから引き継いだ携帯式防空ミサイル「ストレラ2」×2,…

  5. ウクライナ戦況

    ウクライナ大統領、ロシアに戦争終結、安全保障、主権、領土の回復を要求

    ゼレンスキー大統領は17日、ロシアと和平交渉について「我々はロシアに戦…

  6. ウクライナ戦況

    南ドネツクの戦い、ウクライナ軍がウロジャイネの集落内に侵入

    南ドネツクで戦うウクライナ軍がウロジャイネに侵入して集落の一部に定着、…

コメント

    • yaki
    • 2022年 11月 24日

    ウクライナにS300があと何発残っているのか?

    7
    • もり
    • 2022年 11月 24日

    精度が上がってるもあるが迎撃弾の減少も深刻そうね
    冬場はお互い動きにくいが春まで待ったら果たしてロシアとウクライナ、どっちが損害大きくなってるだろうか?
    それ次第で一気に戦況が変わりそうだ

    15
      •  
      • 2022年 11月 24日

      ウクライナ戦役で時の人になった小泉氏が言うには全く逆らしいですよ。
      冬場は河川含め全面凍結するので重火器の展開が容易で、なおかつウクライナ・ロシア両軍共に冬季戦の心得があるので逆に厳冬期に攻勢が行われる可能性が高いと。
      仰っしゃられている春は秋と同じく地面が泥濘みドロドロになるので両軍睨み合いになりやすいみたいです。

      7
    • 58式素人
    • 2022年 11月 24日

    先日、ウクライナはC-RAMを求めていたけれど。
    C-RAM自体がまだ暫定の段階と思うので、
    渡すことができるものはそんなに無いのでしょうか。
    使う弾の種類も違うし。米国は現在20mmと思います。
    野戦部隊と補給体系が別の組織ならできるのでしょうか。
    M163対空自走砲とか、VADSとかでしょうか。
    渡す予定のHAWKも巡航ミサイルならば使えそうですね。
    そういえば、空自のVADSは昨年度で退役と聞いています。
    70門ほどと思いますが、これを米軍にスクラップで売却できないのでしょうか。

    3
    •  
    • 2022年 11月 24日

    自分のものにならないのならもう破壊しちゃえの精神な
    初期のウクライナはさっさと降伏するしロシアになるんだからインフラ設備攻撃するの止めとこ、大規模に破壊すると復旧費用デカいしって考え捨てたんだなぁ

    この規模のインフラ設備攻撃を開戦時にやってたら結果は全く違っただろうね

    4
    • けい2020
    • 2022年 11月 24日

    攻撃目標のインフラのポイントが減ったのが大きいと思われます

    電気なら多重の接続地点があって、そうそう停電しないですが、
    いままでの攻撃で多重化が破壊されて、最低限の復旧してるなら1箇所破壊されただけで広範囲に停電してしまいます

    ようは、ウクライナの現在のインフラは多重化バックアップが無くて、
    それぞれのインフラは1回線のみで運用されてると推定されます

    6
    • カンナミ
    • 2022年 11月 24日

    ロシアのミサイルが枯渇寸前と5月あたりから言っていた人たちは今どうしているんでしょうか?

    7
  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. 中国関連

    中国は3つの新型エンジン開発を完了、サプライチェーン問題を解決すれば量産開始
  2. 中国関連

    中国、量産中の052DL型駆逐艦が進水間近、055型駆逐艦7番艦が初期作戦能力を…
  3. 欧州関連

    トルコのBAYKAR、KızılelmaとAkinciによる編隊飛行を飛行を披露…
  4. 北米/南米関連

    カナダ海軍は最大12隻の新型潜水艦を調達したい、乗組員はどうするの?
  5. 欧州関連

    アルメニア首相、ナゴルノ・カラバフはアゼル領と認識しながら口を噤んだ
PAGE TOP