ウクライナ戦況

駐米ロシア大使、クレムリンが戦争継続派と終結派に分裂していると漏らす

ロシアのアントノフ駐米大使はクレムリン内部にウクライナとの戦いを終わらせたい勢力の存在を示唆、自身は絶対に降伏しないと宣言して注目を集めている。

参考:Russian ambassador hints some Kremlin officials want war to end: reports

ウクライナ政府はプーチン大統領に対して「新しい現実へようこそ」と皮肉たっぷりの言葉を送っている

ロシアのアントノフ駐米大使は国営メディアに出演した中で「米国はロシアに戦いを停止させる条件として特別軍事作戦に基づく戦闘行為の停止、2月24日以前の状態に部隊を後退、ロシアが行った全ての行為を悔い改めることを密かに提示しており、クレムリン内部の一部の有力者が条件に応じたいと考えている」と明かし、自身は絶対に降伏しないと宣言して注目を集めている。

出典:Mil.ru / CC BY 4.0 アントノフ駐米大使

アントノフ駐米大使は「少なくともロシアの外交官達は決して屈服しない。我々は最高司令官が設定した全てのタスクが完璧に完了することを固く確信している。その確信がなければ仕事を行うのが困難だっただろう。我々は決して降伏も後退もしない」と強調しているが、大使の発言によってクレムリン内部が戦争継続派と戦争終結派の2つに分裂していることが浮き彫りなってしまった。

さらに元NATO司令官も「大使が降伏しないと語ったということはクレムリンが『降伏』を検討したという意味だ」と指摘しており、そもそもロシア国内では「特別軍事作戦は順調に進行していてウクライナ軍は大損害が被っている」ことになっているので「降伏」という言葉を口にする時点でロシアの苦境を認めているようなものだ。

露国営メディアも最近は「特別軍事作戦に疑問を抱く人々はロシアが何と戦っているのか理解する必要がある」などと国民の団結を訴える記事が目立ち、ウクライナとの戦いはNATOとの戦いにすり替わっている。

ウクライナのNATO加盟が容認できない=ウクライナをロシアの影響下に力ずくで引き戻すと力強く宣言して始めたプーチンの戦争は、逆に中立を維持してきたフィンランドとスウェーデンがNATOに加盟する事態を招いており、ウクライナ政府はプーチン大統領に対して「新しい現実へようこそ」と皮肉たっぷりの言葉を送っているのが面白い。

出典:Boris Johnson NATO加盟を目指すスウェーデンやフィンランドと安全保障協定を締結する英国

キーウ周辺に続きハルキウ周辺からのロシア軍撤退も始まっており、東部戦線には西側諸国が供給する重装備が届いて本格的な反攻が始まっている可能性が高く、動員した人々への訓練が着々と進むウクライナは「約100万人の兵士を動員する豪語しているので「戦勝記念日に戦争への移行=総動員に不可欠」を発表できなかったロシアに勝ち目は残っていないだろう。

ウクライナ国防省情報総局のキリロ・ブダノフ准将は「この戦争が8月中旬にターニングポイントを迎えて年内に終結するだろう」と明かしていたが、もしかするともっと早くに戦いが終わるかもしれない。

関連記事:ウクライナ国防省、この戦争のターニングポイントは8月で年内に終結する

 

アイキャッチ画像の出典:Andrew Shiva / CC BY-SA 4.0

お知らせ:記事化に追いつかない話題のTwitter(@grandfleet_info)発信を再開しました。

ロシアの作戦は破綻、何れ目の前の事実を受け入れる瞬間がやってくる前のページ

ポーランド製MANPADSに注文が殺到、Grom-Mの生産量を3倍以上に増強次のページ

関連記事

  1. ウクライナ戦況

    バフムートの戦い、ロシア軍がベルヒフカ方向で1km以上も前進か

    シルスキー大将は「バフムート方面のロシア軍がより積極的になっている」と…

  2. ウクライナ戦況

    チェンバレン方式で平和は実現不可、戦争拡大を避けるにはウクライナ勝利が不可欠

    ラトビアのレヴィッツ大統領やパブリクス副首相は「ロシアはナチズムと同じ…

  3. ウクライナ戦況

    ロシア軍が仕掛けた空中の消耗戦、ミサイルの発射総数は7,400発

    ウクライナ空軍は「ロシア軍が発射したミサイルの総数は7,400発で約1…

  4. ウクライナ戦況

    ウクライナ軍、車輌通行が唯一可能だったノーバ・カホフカ水力発電所を攻撃

    ウクライナ軍は8日、ドニエプル川によって隔てられたヘルソン州の北岸地域…

  5. ウクライナ戦況

    ウクライナ保安庁がSEA BABYの新バージョンを公開、爆薬1トンを運搬可能

    ウクライナ保安庁は無人水上艇「SEA BABY」の新バージョンを6日に…

  6. ウクライナ戦況

    ウクライナメディア、犠牲ばかりで得られるものがなく兵士も士気が低下

    KYIV POST紙は22日「夏攻勢で達成した成果と支払った代償が釣り…

コメント

    • tofu
    • 2022年 5月 16日

    仮に開戦前のところまで国境を戻しても、ウクライナが止まるとは到底思えないんだよな…
    この戦争で受けたウクライナの人的・経済的損害について補償があればあるいは……

    逆に、ドンバスや最悪クリミアまで戦場になったらそれこそロシアも止まらないだろうし、憂鬱な話だわ

    25
      • samo
      • 2022年 5月 16日

      2月24日以前だと、ドンバスからは撤退しますよ。
      ただ、間違いなく親ロシア派の力は以前より落ちますね。地元住人からは相当な恨みを買っていることでしょうから
      ドンバス中心の親ロシア派住民から、大量のロシアへ逃れようとする住民がでるかも

      クリミアへは、欧米諸国が待ったをかけるかもですね…
      プーチンが失権したらクリミア返還の話に行くかもしれませんし

      32
        • tofu
        • 2022年 5月 16日

        紛らわしい書き方をして申し訳ないのだけど
        ここで言ってるのはド・ル人民共和国のことですね

        単語のチョイスを間違えました

        9
          • 匿名11号
          • 2022年 5月 16日

          当時、表向きにはロシア軍はいないことになっていたからなあ。裏目に出ましたか。

          2
      • STIH
      • 2022年 5月 16日

      ここで重要なのはアメリカは2014年以前まで戻すことまでは考えてなさそうということですよね。
      ウクライナがロシアを完全に屈服させることはできない以上、少なくともクリミアの奪還は難しそう。東部の独立地域は、ロシアが維持できなくなった所で奪還はできそうですが。
      あとは”悔い改める”の内容次第ですかね。

      25
        • 名無し
        • 2022年 5月 16日

        >あとは”悔い改める”の内容次第ですかね。

        まあ、普通に考えれば、「凍結資産はウクライナ供与」「追加の賠償金支払いはしない(ロシア内政対策)」くらいの柱ですかね。
        ウクライナには損しかないけど、ロシアがウクライナ領土から撤退しちゃったら、逆にロシア軍は降伏する必要が無くなるので、ウクライナ的には永遠にどうしようも無いし。
        (ウクライナがロシア領土に侵攻するとか言い出すと、アメリカは、それは面倒くさいから止めとけ、少なくとも俺達の供与武器をその用途に使うな、と手のひら返ししてくる気がしてます。)

        25
          • バーナーキング
          • 2022年 5月 16日

          そりゃ国境付近の基地や兵器をボコるくらいならともかく領土獲得目的でロシア領内まで侵攻したら報復であっても「力による現状変更」なんだからアメリカだけでなくNATO諸国も協力はしないし、供与武器の使用も許さないんじゃないのかね。
          クリミア「奪還」ならその辺はセーフだと思うけど、ぷーちんがぷっちんして使っちゃいけない物使っちゃいそうだしなぁ…。

          9
          • 名無しパン
          • 2022年 5月 16日

          外貨準備高は人民元除けば総額60兆円だからな。GDPが19兆円でしかないのだから過剰という主張はあり得る。なにより他国の国有資産を裁判も無しに賠償金に使えないしそんな判決を勝手に書いたところで管轄権の侵害だろう。あげく履行を求めるなんて国際法無視の韓国以外存在しない。
          外交交渉で賠償金問題が終わるまで差し押さえ代わりに凍結したままにするのが妥当なのでは。クリミアが占領されたままなら終わるとは思えないが。

          10
      • ネコ歩き
      • 2022年 5月 16日

      クリミアはロシアにとって戦略的核心となる要衝で、その領有権確保は最低ラインかと。
      失陥の可能性は戦術核使用を決断させるトリガーになるかもしれません。火種は残しますが開戦前の状況に戻すことで双方妥協という停戦案は現実的と思います。プラス戦後の安全保障体制での合意ですか。
      親ロシア諸国のロシア離れというような情勢変化が進めば可能性はありますが、この機会に一挙にと考えているだろうウクライナを説得するほうが案外難しいかもしれませんね。

      21
        • バクー油田
        • 2022年 5月 16日

        ウクライナの説得はその線では難しいでしょうね。
        侵攻されたウクライナ側の視点に立つと、ロシアの再侵攻の芽を潰すまでが戦争になりますから
        クリミア奪取して、今回の侵攻がロシアにとって「やり損」の状態で終わらないと、いずれ力を溜めてから再度侵攻されると考えます。
        「やり損」で終わると、再度侵攻を検討する際には、更にロシアが損する結果の懸念が入る為に抑制が効きますが、2月24日のラインで止まれば、「自分は損する事が無い何度もチャレンジし甲斐のある侵略」と解釈されますからウクライナ側としては何も片付いて平和が帰ってきていない状態です。
        クリミアに侵攻すれば戦術核を撃ってくるかもしれませんが、それを懸念するのは外野のNATO側であって、
        当人のウクライナ側からすればクリミア奪還程度で撃ってくるのであれば早晩再侵攻時にも撃ってくるやろう(どのみち撃ってくる)の認識になるのでクリミア侵攻の躊躇は無いでしょう。
        ただ、アメリカはクリミア奪還までがレンドリースの範囲と規定してたと思うのでそれであればNATOには既にロシアの戦術核を使うかもカードが効いていないという事でクリミア奪還まではNATOと合意済みかもしれません。

        56
      • ゆう
      • 2022年 5月 16日

      現在、ウクライナ側の停戦条件の一つは、2014年以前の状態に戻す(クリミア併合前)だったように記憶しています。
      これだけロシアに好き勝手やられて(ウクライナ国土のみ戦場となった)、ロシアの旗色が悪くなったから停戦、は飲めないと。
      クリミアがウクライナに戻ってこなくとも、クリミア大橋が破壊されたら、親ロ政権のクリミアはおしまいでしょう。ロシアからの補給も、国際社会からの援助も難しいでしょうし。

      4
    • や、やめろー
    • 2022年 5月 16日

    Welcome to a new reality!
    ようこそ!新しい世界へ!この世界でロシアは瀕死の重症です。(煽り

    19
      • 匿名
      • 2022年 5月 16日

      ウクライナさん、すっかり厨二に染まってしまって…😢

      7
        • 匿名
        • 2022年 5月 16日

        染まったというより、らしいと思います
        そしてウクライナではなく、スラブ民族らしいと思うのですが

        8
    • たまねぎ
    • 2022年 5月 16日

    戦争が早期終結してほしいのは山々だが、終わるシナリオが全く見えない。
    ウクライナが前線を2月の状態に押し戻して停戦協定を結ぶにしても双方失った犠牲につり合いがとれない。
    むしろロシア指導部がフィンランドやモルドバ侵攻して総動員体制に移行、NATO加入阻止を成果として勝利宣言を狙う、の方が可能性が高い気がする。

    5
      • 774rr
      • 2022年 5月 16日

      ウクライナ一国との戦争でも泡吹いてるのにモルドバ ましてやフィンランドに侵攻なんて無さそう

      ウクライナ領からロシア軍が駆逐された後でロシアが一方的に特別軍事作戦の目的を完遂した!
      って発表して終わりだと思う

      52
      • ぺろリスト
      • 2022年 5月 16日

      フィンランドはイギリスが加入までの間安全保障条約を発したので難しいかと
      ただモルドバ侵攻はありえますね。ルートさえ確保できれば

      13
      • ワルシャワ条約機構
      • 2022年 5月 16日

      フィンランドに手を出す体力はないだろう。それにウクライナの様に侵攻する理由も無いし、そんなことをしたらロシアは国際社会で本当の無法者になってしまう。
      モルドバに関しても、沿ドニエストルは既に実効支配してる様なものだから無理に動かないのでは?

      9
    • zerotester
    • 2022年 5月 16日

    「2月24日以前の状態に部隊を後退」という条件ではウクライナは飲まないでしょうね。ドンバス地方からの撤退は最低条件でしょう。そうじゃないとロシアは占領地を割譲してロシアに組み入れてしまい、ロシアが利益を得たことになります。米国がそういう提案をしているというのは疑問があります。

    ロシアメディアは「これはNATOとの戦いだ!」「核戦争も辞さない!」と煽っているようですが、軍事費でNATOと20倍くらいの差があるのは分ってるだろうし、核戦争になったら報復されるのも分かってるだろうから、どこまで本気なのかなと思います。

    34
      • 四凶
      • 2022年 5月 16日

       核に関しては使用されたらどっちがダメージでかいかは有るだろうし、おせんとかかんがえれば

      • tofu
      • 2022年 5月 16日

      一つだけ確かなのは、ロシアの行動を予測するにあたっては意図や合理性を見ても仕方なくて
      ロシアの持つ能力と動きそのものから判断するしかないってことですね
      合理的にロシアの意図を解説した知露派の予想はここまで外れっぱなしですし

      いよいよロシアがこの先、核兵器使用の素振りを始めたらあとは秒読みでしょうし
      逆に何もなしにいきなりぶちかますことは(多分)無いはず、と信じたいところ

      35
        • zerotester
        • 2022年 5月 16日

        小泉さんが「プーチンはリスクを回避する行動もしている」と言っていました。キエフから撤退したのがそうだし、マリウポリも基本は兵糧攻めで無理攻めしない方針にしました。この戦争を始めたのは冒険だったけれど、1週間で勝てると信じていたのだし実際米国防省などもそう思っていました。意外と無茶はしていないのです。したがって「ブチ切れて核兵器を使う」ということは無いのではと思っています。

        11
      • 四凶
      • 2022年 5月 16日

       核に関しては使用されたらどっちがダメージでかいかは有るだろう。
       仮にNATO優位だとしてもロシアへの報復として汚染とか無視して相手が諦めるまで何度も使う事も有り得ないだろうし、エスカレーション考えたら一発使われたら同じ位の一発返す感じじゃないか。

      1
      • 名無し
      • 2022年 5月 16日

      そのうち、「アメリカが戦争を面倒くさくなってくる」場面も出てくると思っていて(例:ウクライナが米軍参戦をウザく要求しだす等)、
      戦争に飽きたときには、「2月24日」時点にロールバック妥結をアメリカが主張して、徹底抗戦希望のウクライナのハシゴを外すことは、有り得るんじゃないでしょうかね。
      口ではどう言っても、しょせんは「ソ連邦内の内戦」としてしか見てないでしょうから。

      17
        • 無無
        • 2022年 5月 16日

        アメリカはこれを好機と捉えてますよ、直接血を流さずに大敵ロシアを弱らせられる、ロシアが崩壊しない程度まで弱らせてからウクライナへの支援を絞り始めるでしょう
        ウクライナも心意気はあれど、NATO支援無くては前に進めない

        18
          • samo
          • 2022年 5月 16日

          ロシアが弱くなれば、対中国に専念できるものね
          もっと上手く行けば、親西政権がロシアに誕生するかもしれない

          9
    • ななし
    • 2022年 5月 16日

    ウクライナとしても、西側から支援や装備供与してもらえてる今のタイミングは領土回復の絶好のタイミングだろうからね。これを逃す気はないんでしょう。

    32
    • 無駄な戦争
    • 2022年 5月 16日

    こんな無駄な戦争を続けても仕方ない。スラブ人同士で殺しあって儲かるのは西側の軍事産業。
    アメリカは旧ソビエトの構成国がどうなっても構わないんだろう。

    4
      • 成層圏
      • 2022年 5月 16日

      国連改革にとっては有意義かもしれませんがね。

      35
      • 無無
      • 2022年 5月 16日

      まことに正論正解
      この無駄な戦争をおっぱじめたプーチン氏に教えてあげてくれ、今すぐにね

      60
      • 2022年 5月 16日

      そうですねこんな無駄な戦争を始めたプーチンは腹を切って死ぬべきです

      47
        • 名無し
        • 2022年 5月 16日

        でも一方で、終戦条件が「プーチンが腹を切ることに依存している」以外の着地手段もあるといいですね。

        5
        • ブルーピーコック
        • 2022年 5月 16日

        取っ捕まった挙げ句、チャウシェスクみたいに殺されたなら面倒は無いんですけと、亡命するならさせてあげれば良いんじゃないでしょうか。
        手を下す必要が無いなら、何も相手に合わせて蛮族になる必要も無し(英国並感)

        亡命先で殺されたトロツキーという人も居ますけどね

        23
    • ロゴジン
    • 2022年 5月 16日

    アントノフ駐米ロシア大使はこの道30年のベテラン外交官だそうで、メディア向けの発言を追ってもプーチンの忠実なスピーカーとして勤勉に働いているようです。しかも国営放送での発言ですからクレムリンの内部で意見の相違が存在することを仄めかしたのはただの失言とは捉え難く、プーチンへの背信行為の牽制と今後の粛清を暗示しているのかもしれません。あるいは、外交官としての良心からルカシェンコ式の”うっかり”失言で西側に秋波を送った可能性もありますが……

    13
      • 匿名
      • 2022年 5月 16日

      或いは、ストレートに(アントノフ氏自身の生き残りを賭けた)プーチンへの忠臣アピールか…

      12
      • 無無
      • 2022年 5月 16日

      どこの国でも駐米大使は外交官のトップクラスで、のちの外務大臣候補のような人物が選ばれます、つまり大使の発言は、少なくともロシア外務省はこの戦争に懐疑的なんだと代弁している可能性高いです

      6
      • ネコ歩き
      • 2022年 5月 16日

      大使のコメントは、「政権内に今回の特別作戦の終り方について意見の相違があるが、我々外交官は政権の決定を信じ忠実に行動してきたし今後もそうする」と要約できそうに思います。
      深読みすれば、「どう決着しようと外交官に責任はない。政権の決定を代弁し交渉するだけだ。」とも取れます。
      単純に保身なのかも。そして保身を図るだけの事情があるかも。

      4
    • ナニガシ
    • 2022年 5月 16日

    大使、口が軽いなあ。
    ワザとか?

    停戦ぐらいじゃ経済制裁は終わらないだろう。
    味方の国は中国でさえ消極的。
    損切りしかないんだが。

    11
    • ブルーピーコック
    • 2022年 5月 16日

    1.どこまで時計の針を巻き戻すのか
    2.停戦か終戦か
    3.NATOとEUへの加盟の可否
    4.ロシア系住民や親露派ウクライナ人への対応
    5.補償

    ざっと思いつくロシアとの交渉の争点はこんな感じかなあ。クリミア半島の係争地化は避けられないし、コソボやクルド、ナゴルノ・カラバフのような面倒な状況に陥ったらNATO加盟に影響与えそう。交渉の内容と欧米の介入如何によってはウクライナに煮え湯を飲ませることになって、反欧米の火が燃え上がるかも。

    10
    • K(大文字)
    • 2022年 5月 16日

    ウクライナ側も3ヶ月近く戦い続け莫大な犠牲を出し、しかもロシア軍占領地域での戦争犯罪が次々と明るみに出ている状況で、このロシア大使が言っている停戦条件は飲まないでしょう。
    しかしアメリカからのオファーという話、本当なんですかね。
    確かに米・欧ともロシアが暴発しない範囲で落とし所を探ってはいるでしょうが、この条件では幾らなんでも…ウクライナの納得どころか、反感を買いそうなものですが。
    戦後処理としてはロシアの弱体化とウクライナの西側への確実な取り込みが必要なのだから、慎重に進めて欲しいですね。

    19
      • 名無し
      • 2022年 5月 16日

      >ウクライナの納得どころか、反感を買いそうなものですが。

      ゲスい話ですが、ロシアじゃなくて、「アメリカ・イギリスが言い出した条件なら」、ウクライナ政府は呑む以外の選択肢無いんじゃないですかね。
      むしろ、その内容でお前が国内世論を説得しろ、とまで言われそう。

      8
      • 鳥刺
      • 2022年 5月 16日

      まあ、「非公式の提案」に関する「外交官のリーク」ですからねえ。
      しかもロシアの外交官の(笑)。

      取り敢えず、意味があるのは、
      ドネツク・ルガンスクの2月23日以前に奪取していた部分とクリミアは
      俺の物だって主張と、プーチンへの個人的な忠誠の表明じゃないですかね?
      米ウに対する離間工作の一環かもしれませんし(笑)。

      アメリカ政権内の政策議論の中で「2月23日線で穏便に」に行きたがるグループが
      いるかもしれないというのはいかにもありそうなネタですが、
      じゃあその線での収拾でアメリカ政府が一致して政策化するかというと…

      そもそもロシアは現時点で南部占領地全部放棄を呑めるとも思われないので
      この「交渉(笑)」、どの道出口無いです。

      残念な事ですが、どちらかの継戦能力の限界が来るまではどうにも。

      3
    • general
    • 2022年 5月 16日

    非戦闘員含めて甚大な犠牲を払って勝利したにもかかわらず西側が「2/24時点の勢力図に戻そうね^^」なんて戦後処理したら
    ウクライナ国内には強烈な不満が生まれるだろうな
    第1次世界大戦後のイタリアみたいに「骨抜きにされた勝利」神話が囁かれる事態になりかねない

    12
      • 無能
      • 2022年 5月 16日

      プーチンの処罰もままならなければ過激派テロ組織が誕生するでしょうね。

      逆にプーチンを失脚させても、後継体制が弱いと第2のプーチンが出てきて過激化(外に敵を作って団結させる)しかねないし、どこで着地させたらいいのやら

      5
      • ロシアの敵イコールナチなんやろ、奴ら的には。
      • 2022年 5月 16日

      ブチャやマリウポリの状況を見て、ロシアに占領されたらどうなるかが明確にウクライナ人民に理解されてる以上、ゼレンスキー大統領も政府も停戦するから旧領土は一旦諦めますとは言えんだろ。
      国民含め虐殺やレイプ、拷問を黙認するのかと言われてしまうわ。

      7
    • 2022年 5月 16日

    アメリカのウクライナレンドリース法がクリミア以前の状態まで戻るまでは無制限に援助し続けるって条件が付いてるし
    アメリカとしてはクリミア回収までは許容してるのでは?
    ウクライナの兵力的にクリミアまで奪還できるかは微妙だけど
    クリミアまで行くと今度は侵攻側になりかねない

    16
      • h4
      • 2022年 5月 16日

      西側としてはクリミア併合は違法(基本的に両国政府の合意が必要で、軍事的占領下での住民投票は国連監視団による正常履行が必要という認識)なので、少なくとも建前の上ではウクライナがクリミアに進駐することに文句は言えない立場。フランスあたりが余計な介入しそうな気もするが。

      ウクライナ軍はクリミアへの圧力としてケルチ海峡大橋大橋を攻撃できると言ってるが、確かにベルジャンシクまで取り返すとトーチカ弾道ミサイルがケルチ海峡大橋まで届く。ただ弾道弾の命中精度と、高々500kgのHE弾頭で橋を破壊できるかはわからない。なんか方法があるのかは知らんけど。

      13
      • 匿名
      • 2022年 5月 19日

      クリミア取り返せなかった場合はロシアに制裁続ける口実になるし、
      取り返せたらプーチンは国民に「なんの成果も得られませんでした!!」と説明しないといけなくなる。

      上から目線で3日で終わる特別軍事作戦とか喧伝して侵略してボロ負けの壊滅状態で帰ってくるとか、
      プロパガンダで隠蔽できるレベルを超えてる気がする。
      敗北を認めても賠償問題とか戦争犯罪とかあるから制裁解除してもらえる保障ないし、
      少なくともこの先50年は世界の嫌われ者。
      プーチン完全に詰んでる。

    • 2022年 5月 16日

    本文中に出てくるIllia Ponomarenko氏(キエフ・インディペンデントの記者)が「ロシア軍はハリコフ近郊から撤退しながらウクライナ軍に降伏しろと言ってる。意味わからん」みたいなツィートしてて笑った

    15
      • ブルーピーコック
      • 2022年 5月 16日

      ロシアでは撤退が攻勢になるんでしょう

      8
        • ひげ
        • 2022年 5月 16日

        池乃めだか師匠の芸を体得してらっしゃる。
        もしくは阿Qさんの精神勝利法を会得されてらっしゃる。

        3
    • 折口
    • 2022年 5月 16日

    「後に背後の一突きと呼ばれるようになる一連の事件の始まりである…」なんて屋良有作さんのナレーションが聞こえてきそうな情勢ですね。

    2
    • L
    • 2022年 5月 16日

    このチャンスを逃すと西側の援助的にも士気的にも二度と奪還できないだろうし、今の戦争で奪還出来なかったらまたロシアのウクライナ侵攻の橋頭堡に使われるわけだから、ウクライナにとってはクリミアは取り返す一手だろうね
    っていうかクリミア取り返さずして停戦してもロシアの経済制裁が解除されるとは思えないので、ロシアのためにも取り返してあげるべきだなガハハ

    12
    • Hihi
    • 2022年 5月 16日

    銀色の軍服って初めて見たけれど、ロシアの外交官は軍隊式の制服もあるのかしら?

    3
    • あばばばば
    • 2022年 5月 16日

    ウクライナが終戦交渉の際に、ロシアに賠償金支払いを領土割譲で物納できますと伝えれば、ロシアはそれを呑まざる負えないのでは?
    ウクライナはウクライナで、割譲した土地を転売する形で租借の返済額を減額する交渉も立てられるのではないだろうか。
    (何も考えてない考え)

    1
    • AAA
    • 2022年 5月 16日

    アメリカ政府がそんなぬるい条件提示するかね
    アメリカの若者の血を一滴も流すことなくロシアを「侵略者を倒せ」の大義のもとにぶっ叩けるなんて1世紀に一度の大チャンスなのに
    ロシア側が面子保ちたいからウクライナではなくアメリカの調停を受けたから仕方なく飲んだだけみたいな方向に持っていこうとしてるだけでは?

    6
      • 名無し
      • 2022年 5月 16日

      アメリカ的には、ロシアにダメージは与えたいけど、プーチンの「死なばもろとも」を食らうメリットが皆無なので、
      自国の安全保障が脅かされる可能性を「ゼロ」(=1ミクロンたりとも脅かされてはいけない)の範囲に調整したい筈なんですよね。
      しかも、ウクライナは他人だから、ウクライナがババ引いてもアメリカは痛くも痒くもないので、
      最後は、ウクライナ側もそれなりに煮え湯を呑まされる「ロシアにソコソコ寛大で、確実に履行できる」妥結をアメリカは要求すると思いますね。

      1
      • たけやぶやけた
      • 2022年 5月 16日

      ロシア国内を揺さぶるための二枚舌ではないでしょうか。

      1
    • h4
    • 2022年 5月 16日

    「ロシアが行った全ての行為を悔い改めること」
    ここが重要よなあ。「お前らのやった戦争犯罪はナチと同じだと国家公認で認めて反戦教育しろ」と言っても感情的な逡巡でロシアの指導者・国民ともにかなり苦しみそうではある。元祖ナチも破滅するまで戦ってやっと認めたわけだしな。

    モスクワを攻めることはできないという条件が付いた中で、「戦争を仕掛けるのは損」ということを飲ませるのにどれだけのことが必要であろうか。

    6
    • 鳥刺
    • 2022年 5月 16日

    >ロシアの外交官達は決して屈服しない。~
    >~その確信がなければ仕事を行うのが困難だっただろう。
    でしょうね。日替わりで矛盾するでまかせの代弁者として振る舞うのは
    すごいストレスだと思います。全く同情しませんが。

    >「特別軍事作戦に疑問を抱く人々はロシアが何と戦っているのか理解する必要がある」
    人々が、真の敵はクレムリンにありという真実に気が付いちゃったらどうするんです?

    3
    • 名無し2
    • 2022年 5月 16日

    ロシアにとってクリミアが譲れない一線で攻め込まれたら核使うかもとは何度も聞かされましたが、8年前までウクライナ領だったクリミアを核で心中する覚悟で守るなんて今となってはちょっと非現実的に聞こえますね

    4
    • けい2020
    • 2022年 5月 16日

    ロシア国内へウクライナが侵攻しないと思ってる人は多そうですが、
    ウクライナからロシアに連行された、ウクライナ国民が多数居るわけで見捨てないなら
    ロシアへの特別軍事作戦は避けられないのでは?

    ナチ化したロシアに連行された自国民の殺戮を防ぐという、大義名分が強すぎるので
    軍事侵攻しなくても、制裁を徹底してロシアが崩壊するまで辞めれないのでは

    3
    • 匿名
    • 2022年 5月 17日

    >「戦勝記念日に戦争への移行=総動員に不可欠」を発表できなかったロシア

    ロシア国内は法的に平日扱い、
    戦地派遣を拒否するには、平日と同じ退職処理すれば可能とのことで、
    その手の相談を弁護士にする人も多いみたいですね。

    1
  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. 欧州関連

    BAYKAR、TB2に搭載可能なジェットエンジン駆動の徘徊型弾薬を発表
  2. 中国関連

    中国は3つの新型エンジン開発を完了、サプライチェーン問題を解決すれば量産開始
  3. 北米/南米関連

    カナダ海軍は最大12隻の新型潜水艦を調達したい、乗組員はどうするの?
  4. 米国関連

    米海軍の2023年調達コスト、MQ-25Aは1.7億ドル、アーレイ・バーク級は1…
  5. 米国関連

    米陸軍の2023年調達コスト、AMPVは1,080万ドル、MPFは1,250万ド…
PAGE TOP