ウクライナ戦況

ロシア軍が2日連続でキーウを攻撃、電力設備などのインフラ破壊が狙い

ロシア軍が再び首都攻撃を開始、キーウ市内で爆発が確認され電力供給施設にShahed-136が3機飛来したと当局が発表しているが、ロシア軍の攻撃はウクライナ全土で行われている。

参考:В Киеве прогремели взрывы

電力設備などのインフラを集中的に継続攻撃するロシア軍、攻撃はウクライナの主要都市で発生

ロシア軍が2日連続で首都キーウへの攻撃を開始、まだ詳細は不明だがデスニャンスキー地区(ドニエプル川左岸)で爆発が確認されており、この地区にある電力供給施設にShahed-136が3機飛来したと当局が発表している。

18日未明にはムィコラーイウでも爆発(S-300による攻撃らしい)が発生して市内の電力供給が停止、ニーコポリでも砲撃で送電線が破壊され停電中、18日早朝にはドニプロ市内の電力供給施設を攻撃を受けて深刻な被害が発生(電気と水道が機能停止)していると報じられており、ハルキウでも爆発が2回発生して列車の運行が止まっているらしい。

まだロシア軍の攻撃は始まったばかりなので、どこまで被害が拡大するのか予測もつかないがロシア軍は電力設備などのインフラを集中的に攻撃しており、じわじわとウクライナ市民の生活を蝕んでいくつもりだ。

関連記事:キーウ中心部で4回目の爆発、インフラが破壊されたドニプロで緊急停電
関連記事:キーウ中心部で爆発が3回、ロシア軍が再びShahed-136で首都を攻撃
関連記事:ロシアがイランから弾道ミサイルを調達、ウクライナから明かりと暖房を奪う
関連記事:ロシア軍発射のミサイルとUAVの数が100発超え、ウクライナ軍が半数以上を迎撃

 

※アイキャッチ画像の出典:IMA Media 演習に登場したShahed-136

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コメント

    • ハナー
    • 2022年 10月 18日

    ゲリラ攻撃みたいに決定打にはならないけど、じわりじわりと効いてくるな。

    12
    • 名無し
    • 2022年 10月 18日

    対ロでどうどうと支援してんのイラン度胸あるな……。
    トランプのせいで色々おじゃんになったから米側じゃないのはわかってはいたが。

    23
    • 鹿の角
    • 2022年 10月 18日

    僅か1週間くらいですっかりイランの手下になったなロシアは。
    こう何度もイラン製兵器を使ってるともはやロシア軍は革命防衛隊から援助を受けるどこかの武装勢力の一つでしかなくなるな。

    25
    • 名無しさん
    • 2022年 10月 18日

    ロシア軍の戦果は武器を持たない一般市民と、民生インフラばかりですね
    もはや戦争でさえなく、単なる虐殺に見えます

    35
    • AAA
    • 2022年 10月 18日

    米国は、ウクライナの都市を攻撃する無人偵察機の開発でイランと協力している企業や国に対する制裁を導入する – 国務省代表ヴェダント・パテル

    イランのドローン製造に関わる者への制裁が効果を現すのを願う

    20
      • 2022年 10月 18日

      それをやると、半導体等の中国企業の制裁までいく気がするのだか、実現可能なのか?

      1
        • G
        • 2022年 10月 18日

        すでにバイデン政権は(今回の戦争を理由にはしていないものの)国防や武器輸出入制限の一環として、中国がアメリカの半導体技術へアクセスしにくくする措置を取り、同盟国にも追従するよう要請していますよ

        これにより半導体製造機器や原材料の中国への輸出制限はもちろん、中国メーカーへ出向していた在中アメリカ人半導体技師をアメリカ国内へ引き揚げさせるなど大きな動きがあり、これを発端にアメリカ・中国・韓国・日本・オーストラリアなど多国の半導体関連企業の時価総額が数十兆円ふきとんだという試算もあります

        8
      • Kenny
      • 2022年 10月 18日

      イランへの制裁は元々やれるだけやっているので、今回の措置で新しく指定するのがどこなのか、というのが問題

    • AH-X
    • 2022年 10月 18日

    この手のドローン攻撃って厄介なんだな。迎撃そのものは容易だが数来られると対処できない。大戦中のドイツのV1攻撃ってこんな感じだったんだろう。
    日本もやっぱり導入検討するべきだな。

    12
    • ダカール
    • 2022年 10月 18日

    殴り返せない=弱い
    って考え方本気で無理
    恨まれても何とも思わない精神が理解出来ない
    それがまかり通るのがどうにも許せん

    17
    • 2022年 10月 18日

    ヘイト稼ぐ事しかしないなロシア軍は。
    西側に移民した一般ロシア人が差別されたりして無いんやろか?

    4
      • class
      • 2022年 10月 18日

      差別というより、
      「貴方はこの戦争をどう思ってます?」
      みたいな質問はされるでしょうね

      2
    • ゼンハイザー
    • 2022年 10月 18日

    直接国民に攻撃するものと同義の正にテロ行為
    テロ支援国どころかテロ国家
    国連で改めてロシアに対し安保理で一般的権利停止を採決し
    その次に国連からの追放をするべき

    当然ロシアは実質的紛争当事国として拒否権無し

    そして中国は拒否するのでしょう

    そこで、中国からの支援物資を確認出来た場合には拒否権無効と条件付ければ良いと思う

    何にせよまずはウクライナに対しての軍事行動即時停止
    クリミア半島に対して改めて帰属を明らかにし
    ウクライナと各国への賠償をするべき

    6
    • 無印
    • 2022年 10月 18日

    イランはウクライナに何か恨みでもあるの?

    7
    • ぽち
    • 2022年 10月 18日

    制裁は必要で、いずれ効果あるでしょうけれど
    今、必要なのは防空でしょう・・・これ以上の被災はマジにヤバい(ついに断水も)
    これから冬です。一日も早く! 
    ウクライナ軍もインフラ防衛に人員を振り向けますように

    10
    • 航空太郎
    • 2022年 10月 18日

    バトル・オブ・ブリテンにおけるV1飛行爆弾(以降、V1)ロンドン攻撃みたいですよね。
    あちらは首都ロンドンが主なターゲットだったこともあり、阻害気球に対空砲、迎撃機の24時間体制で迎撃率98%とかまで行きましたが、戦後の調査で「V1攻撃の費用対効果は割に合う」だったそうです。

    今回使用しているイラン製のShahed-136(以降S136)も速度も遅く(V1=600km/h、S136=185km/h)、小型で爆弾搭載量も少ない(V1=850kg、S136=75kg)が長射程(V1=250km、S136=2500km)で安価、無線妨害を受けない自立飛行ができる(※V1も慣性誘導のみで無線妨害は受けない)、飛行高度も低空(V1は10000mと巡行時は低空を飛ばない。指定距離を飛行するとエンジンカットして墜落してくる。S136は40~4000m、レーダー回避のためかなり低く飛んでる映像多数)といった具合で、V1に似ているところは多いけど、廉価版巡航ミサイルといった特徴も併せ持つ感じです。

    攻撃に晒される範囲があまりに広く、先進国でも迎撃体制を全土に備えたら破算してしまうでしょう。酷い嫌がらせ攻撃です。

    あの時も連合軍はV1発射基地を叩く以外に、爆撃を止めることはできませんでした。ウクライナ製の自爆ドローンなら、国産だから海外からの指図は受けずに済むと思いますが、ロシア本土への反撃前に、市民を狙うテロ国家の非道許すまじ、との合意を支援国家群から取り付けておく必要があり、政治的には高度な駆け引きが必要と思います。

    ですが、ゼレンスキー大統領ならこれまでの実績からいって、合意を取り付けるでしょう。量産体制が整うまでは臥薪嘗胆、歯痒い話です。

    S136の性能的にはハマスロケットと大差がないので、イスラエルも支援に乗り出したことから、アイアンビーム(アイアンドームのレーザー版)の先行配備とかはあるかな、と思います。

    12
      • らっしー
      • 2022年 10月 18日

      その、度々聞かれる様になった発射基地を叩くですが、
      トップ画像の様にトラックから発射される場合、上手く捉えられるか心配ですね…。
      実際どうでしょう?

      まぁHIMARSの標的捕捉を考えれば、
      十分射点を捉える情報網はありますかね。

      1
        • 航空太郎
        • 2022年 10月 18日

        V1は発射するのに地上基地や、空中発射の場合、航空基地が必要だったのと射程が短いので、発射基地を叩く作戦が採りやすかったんですよね。

        それに比べると、Shahed-136の場合、軽く小さいのでトラックや、1機だけならピックアップトラック程度からでも射出できるでしょう。HIMARSと同じで、発射車両を叩くのは残念ながら現実的ではありません。HIMARSも現状なら70kmとかまで近づいてきますが、hahed-136の射程は2,500km。探索エリアが広過ぎです。それとhahed-136の飛行速度は135km/hと自動車並みに遅く、レーダー反応も鳥レベルなので、もし、ルックダウンレーダーを持つ早期警戒機をベラルーシ、ロシア国境沿いに飛ばして監視できたとしても、発見するのは困難と思います。

        なので、Shahed-136において元を断つ作戦は、入りを防ぐ、つまり、イランからの輸入経路を断ち切ることになろうかと思います。
        船舶、航空機の経路を遮断、港湾施設、航空施設を叩いて機能不全に陥らせる、といった具合です。
        備蓄しているであろうロシア国内拠点にハラスメント攻撃を仕掛けて混乱させるのも手でしょう。
        ロシアがポンコツで自前生産能力が著しく低下しているからこそ、そういった形で締め上げる策も取れます。

        今回と同程度の攻撃を少なくとも6回程度は耐えるしかない、というのは苦々しい事態ですが、ロシアには自爆ドローンを量産するだけの能力がないことも露呈してきました。今は我慢の時です。

        2
          • らっしー
          • 2022年 10月 18日

          なるほど成る程、やはり納品妨害が最適解ですか…。
          噂のウクライナ新兵器も射程一千キロだそうですが、
          仮に届く範囲からの攻撃でも、到着時には逃げられてますよね。

          多分支援の防空システムも新兵器の数が揃うのも、
          その六回を受け切った後になるでしょうし、
          しかしその後は通用しなくなるから、やり逃げのつもりで撃って来てるのか。

          これはもうインフラは半壊することを前提にして、
          即時復旧が可能な支援パッケージを用意して吠え面かかせてやれると良いですね。
          耐える間は如何に犠牲者を出さない様に出来るかどうかが課題か…。

          1
    • 2022年 10月 18日

    ここで話題になる日本のウクライナ支援ですが、エネルギーインフラ復旧支援するそうです。
    ここまで長かった。
    リンク

    11
      • 2022年 10月 18日

      おー、割と早かったなあ。
      これに上乗せした防衛装備移転三原則改定して武器支援してもらえないかなぁ。

      2
    • タイヤキ
    • 2022年 10月 18日

    ロシアのドローン攻撃はウクライナ全土を狙っての飽和攻撃しています。
    イランが渡すとする2400機のドローンとロシアが元々購入済みの300機がほとんど渡されてイランのドローンは性能は悪いので二割は上手くいかないの考えると一回の攻撃にイランのドローン300機ほど使い、同規模の攻撃はあと6回ほどしかできないだろうのはウクライナには救いですかね。
    イランの生産力だと月百機も生産できなさそうだからイランの国防考えたらそれ以上の追加はないでしょうからね。

    5
    • らっしー
    • 2022年 10月 18日

    ふと、思ったけど、こいつを落とすのにそんなに火力は要らんのだから、
    農薬散布用の自家用機とかのドアから自動小銃持った兵士に、
    上を取った形で撃ち下ろす感じで撃墜出来んかな。

    田舎の上空に滞空して、例の通報アプリの情報を元に予想される攻撃ルートに急行、
    低速機同士で速度を合わせてドローンの前上方から撃ち下ろせば、
    簡単安全に始末出来そうな…?

      • 航空太郎
      • 2022年 10月 19日

      自動小銃が届く距離まで接近できれば、自爆ドローンに周辺警戒能力や自動回避機能なんてのは無さそうなので、撃ち落とせるでしょう。防弾機能なんてのもないから当たれば破壊は容易です。

      ただ、相手は低空飛行していて、小さく、ステルス性も高いのでレーダーに映りませんし、農薬散布機とかだとそもそも自前のレーダーも持ってません。かなりピンポイントに位置情報(高度やコース)を貰えて、農薬散布機側も自機の位置を同程度に把握できないと、目視圏内に接近するのも大変そうです。

      なので、通報アプリの情報をリアルタイムに収集、更新しつつ、同時に多数、多方面から飛んでくるであろう状況に対して、適切に多数の迎撃小型機を混乱なく誘導できる空中管制機(かそれに類するシステム)が必要でしょう。
      あと、迎撃用小型機もGPSナビ、暗視装置類の追加とかないと夜間の低空飛行とかは、操縦手からすれば悪夢かと。

      自爆ドローンも航続距離2,500kmとかあるとなると、目的地までまっすぐ飛んでくるとも限りません。

      やらないよりはマシと思いますが、農薬散布機は足が遅いので迎撃ポイントまで飛んでいくのにも時間がかかるのと、目視確認しかできないので、思ったよりは成果はでないかと。

      ウクライナの国土が農薬散布機からすると広過ぎるんですよね。農薬散布機って航続距離300kmとかなんで、帰りを考えると半径100km程度しかカバーできず、1機に複数の自爆ドローンを処置させるのも厳しいでしょう。飛べる時間もあまり長くなく、空中給油なんてのも勿論できません。増槽を付けてって機能もないし……。

      2
        • らっしー
        • 2022年 10月 19日

        うーぬ、農薬散布機ってそんなスペックだったんですね。
        まぁ、用途を考えればそんなものなのでしょうか。

        取り敢えず遅くても却って失速せずに、ゆっくり狙えるかなと思ったのですが。
        都市周辺とか発電所や浄水場周辺とか限定で飛び回れば、
        周辺の小型機総動員でローテーションで何とかカバー…出来ないかなぁ…。

        自家用セスナ機とかならもっと速いフットワークや滞空時間があるかもですが、
        そっちはもっと数は少ないでしょうね。

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