ウクライナ戦況

52日目に突入したウクライナでの戦い、ロシア軍がドネツ川の防衛ラインを突破

ルハーンシク州とドネツィク州の戦線に大きな変化はなくロシア軍は前進を阻まれ続けているが、ドネツ川の防衛ラインを突破されたイジューム方面はロシア軍が戦いを優勢に進めている。52日目に突入した戦況の詳細は以下の通りだ。

ドンバスを含むウクライナ東部戦線

ハルキウ州北部ではウクライナ軍がロシア軍からゾーロチウの奪還に成功、ルハーンシク州とドネツィク州の戦線に大きな変化はなく、ロシア軍が防衛ラインを突破しようとしてウクライナ軍に撃退される日々を繰り返している。

出典:GoogleMap 大まかなウクライナにおけるロシア軍の支配地域/管理人加工

問題は赤丸で囲ったハルキウ州南部のイジューム方面だ。

ロシア軍はウクライナ軍の防衛ライン=ドネツ川を完全に突破、ドネツ川南岸に強固な橋頭堡を築くことに成功しており、ウクライナ軍は辛うじてスラビャンスク方面へ向かうロシア軍の進路をSukha Kam’yankaとDovhen’keで食い止めている。

しかしスラビャンスクの背後にあるBarvinkoveまでは幹線道路上に町や集落がなく、平坦で広大な空間が広がっている=ロシアの戦術大隊にとって有利な戦場でウクライナ軍は戦わなければならない。

出典:GoogleMap 大まかなウクライナにおけるロシア軍の支配地域/管理人加工

ここを突破されるとドンバスに布陣するウクライナ軍統合部隊(正式には合同部隊作戦/Joint Forces Operation)の背後が脅かされるため、Barvinkove周辺でロシア軍を何としても足止めし、突出部を分断して殲滅したいところだろう。

マリウポリの戦い

管理人はマリウポリを防衛する第36独立海軍歩兵旅団(海兵隊)の拠点を勘違いしていたので、改めてアゾフ連隊への合流経緯を説明しておく。

出典:GoogleMap 大まかなウクライナにおけるロシア軍の支配地域/管理人加工

第36旅団はアゾフマッシュ工場を拠点に戦い今月に11日に「弾薬不足のためロシア軍への抵抗は今日が最後になるかもしれない」とFacebookに投稿、このとき工場一帯はロシア軍に包囲される寸前で司令官は包囲を突破して約90km離れたウクライナ軍支配領域に向かうことを決意、司令官に率いられ兵士は車輌30輌(戦車数輌と装甲車輌5輌を含む)に分乗して工場を出発、しかし直ぐに見つかり攻撃を受けて車輌が大破→兵士は散り散りになりロシア軍に殺されるか捕虜になってしまう。

司令官が去ったアゾフマッシュ工場には第36旅団の主力と負傷者、成り行きで原隊から逸れてしまった他部隊の兵士(第12作戦旅団やアゾフ連隊など)が残っており、アゾフ連隊の将校はマリウポリでの抵抗を継続するためアゾフスタル製鉄所への脱出を提案、第1独立大隊と第501大隊の指揮官に率いられた数百人の兵士は包囲される寸前の工場から製鉄所への移動に成功。

アゾフ連隊への合流を拒否して工場に残った兵士はロシア軍に降伏して捕虜になり、海軍歩兵所属の英国人兵士も捕虜になりプロパガンダ動画に出演させられている。

出典:GoogleMap 大まかなウクライナにおけるロシア軍の支配地域/管理人加工

アゾフマッシュ工場から脱出した第36旅団の一部とアゾフ連隊はマリウポリを防衛する戦いを継続しているが、もはや都市の防衛は風前の灯火で現地のロシア軍やカディロフツィも「17日に攻撃を一旦停止(午前6時~午後1時)するので降伏しろ」と呼びかけている。

今のところアゾフ連隊や第36旅団の生き残りが呼びかけに応じているというニュースはない。

ウクライナ南西部戦線

ムィコラーイウ州とヘルソン州での戦いは、どちらかと言うとウクライナ軍がロシア軍に押し返されている。

出典:GoogleMap 大まかなウクライナにおけるロシア軍の支配地域/管理人加工

ウクライナ軍が奪還したStanislavとOleksandrivkaは再びロシア軍に奪われており、これまで死守してきたSnihurivkaもロシア軍に取られてしまったが、ロシア軍はムィコラーイウ州への進軍よりヘルソン州の守りを固めることに重点を置いており、塹壕等による防衛ラインの構築を始めたらしい。

以上が侵攻開始から52日目の戦況で、着々とロシア軍はイジューム方面の突出部を大きくしており、マリウポリの戦いが終われば包囲に参加している約6,000名のロシア軍が北上してくるため「ドンバスを巡る戦い」は本格化してくるだろう。

追記:ロシア軍は他の管区から膨大な自走砲やMLRSをウクライナ方面に輸送しているのが確認されており、どんでもない火力をウクライナ東部に投入するつもりだ。

関連記事:ウクライナ軍の海軍歩兵所属する英国人兵士、マリウポリでロシア軍に降伏
関連記事:第36旅団はマリウポリ脱出、アゾフ連隊合流、製鉄所残留に3つに分裂?
関連記事:ドンバスを巡る戦い、ウクライナ軍の増援として第128山岳強襲旅団が到着

 

※アイキャッチ画像の出典:Служба безпеки України

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コメント

    • NHG
    • 2022年 4月 17日

    やっぱウクライナが優勢のまま押し返して終わりとはならないか
    まだ始まってない大攻勢に備えての戦略的撤退であってほしいところ

    46
    • や、やめろー
    • 2022年 4月 17日

    ヘルソン州と、ドンバス州で勝たないとウクライナ軍はきついか

    15
    • zerotester
    • 2022年 4月 17日

    イジュームを占領された時点でドネツ川は渡られていたので、劇的に何か変わったわけではないと思えます。ISWの発表している地図では突出部がここ1週間くらいでそれほど広がったようには見えないですね。
    ISWによれば、ウクライナ東部の地形はロシアの装甲部隊に向いてるとよく言われるが、道路以外はまだぬかるんでいるのでそう簡単には行かないだろうと。さらに市街地攻略ではいつものように失速するだろうし、ロシアが攻撃を劇的に成功させる可能性は下がっていると評価しています。
    ただ自走砲などの重装備が送られているというのは気になりますね。まだあったのかと。ウクライナ軍の補充も間に合うといいのですが。

    22
      • ダヴー
      • 2022年 4月 17日

      気になるのがイジュームのロシア軍への補給体制ですね。
      地図を見る限り、イジュームへの幹線道路はボロバを経由したものしか無いように見えます。
      ロシア領内のヴァルイキからボロバへ鉄道は繋がっているようですが、どうもこの鉄道は単線という話もあり、案外、補給に苦労しているのでは?などと思っています。

      8
        • zerotester
        • 2022年 4月 17日

        オスコル川沿いの線路ですね、これは単線なのか。
        ハルキウを取れてれば楽だったんでしょうが、取れてないですからね。

          • ダヴー
          • 2022年 4月 17日

          すみません、今確認したところオスコル川沿いの線路は単線ではなく複線でした。
          単線なのはルハンシクの方に延びている線路の方でした。

          こういったところはちゃんと確認しないといけませんね・・・。

          9
      • ああああ
      • 2022年 4月 18日

      イジューム南岸はスラビャンスク北西に布陣しているウクライナ砲兵の射程内にあって、
      橋頭保を確保したとは言い難いでしょう。
      ドネツ川のスラビャンスク北岸をウクライナ軍が保持できているので、
      イジュームに攻勢をかけるには物資、特に砲兵の弾薬を南岸に集積する必要があるかと思います。

      1
    • samo
    • 2022年 4月 17日

    >Barvinkoveまでは幹線道路上に町や集落がなく
    Barvinkoveの北東はグーグルアースなどでは畑ばかりで障害物が何もないように見えますが、じつはそこは台地になっており、ウクライナ軍は、その台地による稜線を利用した防衛線を構築しているかと思われます。
    付け加えると、Barvinkoveにはスリャビャンスクに向かう唯一の線路があり、ここを落とされると鉄道による補給路を失うため、補給が賄いきれず一気に不利に立たされることになりかねません。
    キーウが陥落しなかったのも、鉄道が生きていて、ロシア軍を上回る補給線を維持できていたことも大きかったでしょうから

    17
      • zerotester
      • 2022年 4月 17日

      ロシア軍の主な目標はスリャビャンスクのはずですが、そこへの補給を絶つ目的でBarvinkoveを狙ってるんですかね。でもBarvinkoveは前進を阻止するのに十分な大きさの集落だし、陥落したとしてもスリャビャンスクへの主要な連絡線が絶たれるわけではないとISWは書いてます。

      4
    • AAA
    • 2022年 4月 17日

    16日にアメリカから攻撃型兵器(榴弾砲、装甲車、ヘリ、カミカゼドローン)が届き始めたとのこと
    軍事支援物資が東部戦線まで送り込めるかが鍵
    とりあえずアメリカがポーランドまではとんでもない速さで送ってくれてるけど
    あの大量の物資にウクライナ国内の輸送力がどこまで耐えられるか

    33
      • 無無
      • 2022年 4月 17日

      ここでウクライナを敗けさせては今までの意味がなくなる、いよいよ西側が非公式かつ大規模な支援を始める段階と思うが
      NATOが直接の輸送を担う可能性

      18
        •  
        • 2022年 4月 17日

        西側はウクライナを勝たせるためではなくロシアに多大な出血を強いるためにウクライナを支援しています
        ウクライナも所詮は東側の国、西側の軍人が血を流すほどの価値は残念ながらありません

        4
          • 無無
          • 2022年 4月 17日

          そんなことまで心配しなくていいよ、
          東西の区分の根拠すら知らんけど
          そんなにプーチン支持ですか

          28
          • ミリオタの猫
          • 2022年 4月 17日

          欧米側がウクライナを支援する目的については同意しますが、もしもこの段階でウクライナを負けさせるとロシア側が変な自信を付けた上にウクライナへの軍事支援に対する報復目的でバルト三国やフィンランド・あるいはポーランドへ軍事攻撃を行う可能性が有ります。
          特にバルト三国とポーランドはNATO加盟国ですし、フィンランドもNATO加盟を検討中ですから「ウクライナで我が国の軍人が血を流す程の価値は無い」等と言ってNATOがウクライナへの直接介入を躊躇っていると、結局後になって「NATO加盟国の軍人全員がロシア相手に血を流す戦いが始まった」と言うオチに成りかねません。
          ウクライナ方面では本記事の追記でも書かれてある通り、ロシア軍は砲兵部隊を大量に集めてウクライナ軍を陣地毎吹き飛ばす可能性が有り、もしそうなったらウクライナ軍が総崩れになるリスクもあるので、個人的にはその時がNATO全面介入への分水嶺になるのではと思っています。

          37
          • 無無
          • 2022年 4月 18日

          マスコミ批判もしてたけど、要するにロシア信者の陰謀論の人でしょ
          いまはロシアフルボッコだもんな

          7
    • xcvg
    • 2022年 4月 17日

    ヘルソン~マリウポリの中間あたりで、ウクライナのパルチザンが活動を始めたみたいですね。
    ウクライナ蜂起軍が再誕したか……。

    35
    • がんばれ
    • 2022年 4月 17日

    線路や電車の橋って破壊するの難しいのかな?

    1
      • G
      • 2022年 4月 17日

      ロシア軍によるウクライナの輸送路破壊を目的とした線路や橋への攻撃は行われており、防衛や修繕は行ってはいるもののウクライナ軍の輸送能力は日々削られています

      6
    • STIH
    • 2022年 4月 17日

    ここにきてのロシア軍は流石陸軍大国というべき強さを発揮し始めたな。まだ兵器を持ってこれるのかよと。いかに序盤の戦略が酷かったのかがわかるし、むしろここからが本領発揮といったところか。雪解けのぬかるみがなくなるまでに、どのくらいウクライナが戦車・自走砲と航空戦力を用意できるかにかかってるが、平押しされたらウクライナは苦しいだろうな。
    S300・S400がいなけりゃ、まさにA-10の投入しどころなんだろうけど、そもそも制空権も取れないからキツイか。
    それにしてもこれ見てるとロシアにはまだまだ余力がありそうだし、下手すりゃフィンランドに喧嘩を売り始めるかもしれん。

    23
      • 伊怜
      • 2022年 4月 17日

      やはり司令官の存在が大きいのかな?ようやく「軍隊」らしさがでてきたという感じ。
      北部方面の攻撃も一見するとグダグダではあったものの、残された大量の地雷や動きそうで動かないベラルーシ軍の存在から、首都近郊部隊が離れられずジリ貧になりつつあるかも?

      13
    • 黒丸
    • 2022年 4月 17日

    ドニエプル川がウクライナ側の補給線のネックですね。
    ここで補給路が集約されてしまうので防空資源が必要になる。
    橋を増設しようにも、通常の川幅レベルじゃないので簡単じゃない。
    黒海沿岸の造船所から人や資材を運んで、川沿いの都市で桟橋と渡河船舶を作るしかないような気がする。

    • うし
    • 2022年 4月 17日

    河を背にして戦うロシア軍、大変っすねw

    3
    • aab
    • 2022年 4月 17日

    マリウポリの玉砕でも降伏でもウクライナ軍の士気は上がるような気がする
    ロシア軍も結構な数死んだでしょうね
    相当でかい街だけど6000人でどうやって包囲したんだろう? 住民も10万人ぐらいまだ残ってるみたいですし
    紛れ込んで逃げれないものなのかな・・・

    7
    • perorin
    • 2022年 4月 17日

    ドローンで着弾観測やってるソ連軍に大規模砲撃されたら塹壕なんか全部潰されそうな気がする。
    どうやって生き残るんかね、、

    2
    •  
    • 2022年 4月 17日

    メディアのニュースがいかに偏ってるか分かるな

    8
      • zerotester
      • 2022年 4月 17日

      「ロシア軍は当初思われていたより弱かった。ウクライナ軍は善戦している。でもロシア軍のほうがまだ戦力は多い」というのは大方の一致した見方だと思います。問題はロシア軍が今後どれくらいやれるのかということです。「東部に戦力を集めているし、ロシア軍にとって得意な地形なのでここから本領発揮する」という意見から、「ロシア軍は目に見える数字以上に大きく損傷しており、士気も低いので東部でも勝てると思えない」という意見まで幅があります。どれが本当なのかはまだ誰にも分らないのでしょう。

      51
      • くらうん
      • 2022年 4月 17日

      メディアの言っていることを疑うことと、メディアが言っていることは全てウソだと思うことは別なんですよ。
      Qアノンはじめ陰謀論に堕ちた人たちの最初の入り口はだいたいそこ。

      27
      • 無無
      • 2022年 4月 18日

      まず、否定も批判も認めないロシア政府にいいなさい
      歪んでるのはどっちだよ

      7
    • ミリオタの猫
    • 2022年 4月 17日

    ここ一週間程、東部方面を始めとする地上戦の状況がハッキリしないなあと思っていたら、やはりロシア側が態勢を立て直して来ましたか。
    司令官をちゃんと立てて兵力面の優位を生かせばロシア軍のペースで戦えるはずで、逆を言えば初動の斬首作戦とキーウ攻略戦がいかにいい加減だったかと言う証拠なんですが、流石のプーチンもここから先は軍人達に任せるのでしょう。
    そこで注目なのが、追記の方でロシア軍が大量の砲兵部隊をウクライナ方面へ展開させていると書かれてあった事。
    恐らくソ連軍時代からの伝統である「戦場の神・砲兵」の集中攻撃でウクライナ軍を陣地毎粉砕してから機甲部隊で東部を制圧、更に可能なら一気にキーウを衝く気でしょう。
    もしもこれがツボにハマればウクライナ軍は崩壊してロシア軍が大逆転を果たし、NATOが本格介入する以外にウクライナを救う手段は無くなります(迫真)。

    13
      • K(大文字)
      • 2022年 4月 17日

      東部攻勢を成功させればロシアにはまだ逆転の目はありますよね。
      ただ、ロシアの作戦遂行にとってネックになるのがタイムリミットが存在すること。それも、政治的理由によるタイムリミット。
      ドンバス“解放”に転進…もとい目標変更したのが先月の下旬。
      そこから1ヶ月そこそこで部隊の再配置・再編成に補給や新たな行動計画の策定まで「まともに」出来るかと言ったら、今のロシア軍にはなかなか厳しいものがありそうな。
      まぁウクライナにも時間が無いのは同じことですし、北部からどれだけ戦力を抽出するか・南部戦況の動向など変数は大きいですが、ロシア軍が東部で地の利を得てペースを取り戻せるかと言うと、そう上手く行かないような気がします。

      10
    • 南蛮一の知恵者朶思大王
    • 2022年 4月 18日

    イリィチ冶金工場最後の戦いの経緯を見るに、ISWの4/14の報告では工場のかなり北で海兵隊が捕虜になっていますので、管理人さんのいう車輛30両で北方に突破を計った部隊は、最初から陽動だった可能性がありますね。この局面に及んで機動力は不要で、戦闘力を保った部隊がアゾフスターリ製鉄所に血路を開くための犠牲であったと。あと、ロシア側の報道を信用するならば、投降した部隊の内約150人がその場で病院に搬送されたそうで、プロパガンダ映像に使える体力のある捕虜は30人程度しか写せなかったあたり、文字通り矢付き刀折れた戦いの壮絶さが想像されます。

    リンク

    あと、イリィチとアゾフスターリでウクライナの鉄鋼生産の4割を占めていたというデータもあります。いまさらながら失われたものの大きさにもって瞑すべしです。長文失礼しました。

    リンク

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