ウクライナ戦況

ロシア軍がゾロテ周辺の入植地を制圧、米国もセベロドネツクからの撤退を確認

ロシア国防省は「包囲したゾロテ周辺の入植地を制圧した」と24日に発表、英SkyNewsは「米国防総省がセベロドネツクからのウクライナ軍撤退を確認した」と報じており、ルハーンシク州を巡る戦いの舞台はリシチャンシク周辺に移った。

参考:Южная группировка войск завершила освобождение Горского и Золотого в ЛНР
参考:В Минобороны США одобряют отход ВСУ из Северодонецка

ぜひウクライナ軍はルハーンシク州で支払った代償に見合う成果を南部戦線で実現してほしい

リシチャンシクの南東に位置するToshkivkaをロシア軍に奪われたことで防衛ラインが崩壊、パポスナ陥落後も保持していたゾロテ周辺の突出部の出口がロシア軍によって閉じられ、このポケット内には500人~2,500人のウクライナ軍兵士が取り残されていると噂があり、ロシア国防省は第24独立機械化旅団の第3大隊、第128山岳強襲旅団の第15大隊、第57独立自動車化歩兵旅団の第42大隊と砲兵部隊、第101領土防衛旅団の第70大隊、過激派グループ、外国人傭兵グループなど最大2,000人が残っていると主張している。

出典:GoogleMap 大まかなドンバスの状況/管理人加工

ロシア国防省はゾロテ市街を除く周辺の入植地を制圧したと24日に発表したがルハーンシク人民共和国軍は「最小の見積もりでも500人のウクライナ軍兵士が取り残されている」と述べており、ロシア国防省の見積もりとは開きがあるが、カディロフツィのTikTok部隊やロシアメディアはゾロテ周辺で投降したウクライナ軍兵士の動画を公開し始めたので、暫く様子を見ればゾロテからの撤退が上手くいったのかどうか見えてくるだろう。

複数のウクライナメディアやジャーナリストは「既にセベロドネツクにウクライナ軍は存在しない」と主張しているが、24日午後6時に行われたウクライナ軍参謀本部の戦況発表でも「セベロドネツクからの撤退」については触れおらず扱いに困っていたが、米国防総省の関係者が「セベロドネツクからウクライナ軍を連れ戻すことで防衛戦は容易になるだろう」と英SkyNewsに明かしているので今後は「ロシア軍がセベロドネツク地域全体の支配権を握った」ものと扱う。

出典:Генеральний штаб ЗСУ

因みにセベロドネツクを巡る戦いは地政学的な側面よりも政治的な意味合いが強く、ロシア側はルハーンシク州の中心地(ウクライナ側)を占領したとアピールしてくると思うが、戦局全体から見れば「政治的な意味」以上の損失はないのでセベロドネツク陥落=ウクライナの敗北と捉えるのは早計だろう。

そもそもロシア軍の第二段階作戦=ドンバス解放はルハーンシク州とドネツィク州の制圧が必要で、ウクライナ軍はドネツィク州の約45%を保持しているためロシア軍に出血を強いて疲弊させる余地はまだまだ残されており、マリウポリに近い地点(ドネツィク州)で沈黙を保っていたウクライナ軍の反撃を開始、3つの入植地を奪還してロシア軍を約7km押し戻している。

※米国が提供したHIMARSが既に使用されていることを示す動画

ヘルソン州の反撃とドネツィク州の反撃のどちらが本物なのかは不明だが、ザポリージャ州のトクマクを目指して反撃を開始しているとの噂もあるので、ぜひウクライナ軍はルハーンシク州で支払った代償に見合う成果を南部戦線で実現してほしいところだ。

追記:ロシア外務省と会談した北朝鮮の当局者は労働力の提供と引き換えに「ウクライナで鹵獲された西側製兵器」へのアクセスを要求しているとの報告(Pyongyang in talks with Moscow on access to Donbass)がある。

関連記事:ロシア軍、約2,000人のウクライナ軍兵士をゾロテ周辺で包囲か
関連記事:ウクライナ軍、セベロドネツクからリシチャンシクに撤退か?

 

※アイキャッチ画像の出典:GoogleMap 大まかなドンバスの状況/管理人加工

ロシア軍、約2,000人のウクライナ軍兵士をゾロテ周辺で包囲か前のページ

ドイツ海軍、P-8A調達後もフランスと共同で進めるMAWS開発を維持次のページ

関連記事

  1. ウクライナ戦況

    キーフ周辺は21世紀の地獄、ナチズムにおける最悪の犯罪が欧州に戻って来た

    ロシア軍によるジェノサイド(大量虐殺)についてウクライナ大統領府のミハ…

  2. ウクライナ戦況

    チェコがウクライナに戦車、歩兵戦闘車、榴弾砲、MLRS、対空兵器を供給か

    チェコの国防当局者はロイターに対して「数週間前から地上戦闘用の重装備を…

  3. ウクライナ戦況

    バブムート方面でロシア軍が反撃、南ドネツク方面でウクライナ軍が前進

    ロシア軍によるバブムート方面の反撃でウクライナ軍は押し戻されてしまった…

  4. ウクライナ戦況

    ウクライナ東部の戦い、未だにロシア軍の成功を示す視覚的証拠はない

    クピャンスク方面で登場した視覚的証拠はロシア人達が主張する「前進」と矛…

  5. ウクライナ戦況

    エストニア軍諜報機関、現状でウクライナ軍が占領地を回復するのは困難

    ウクライナメディアの取材に応じたエストニア軍諜報機関のアンツ・キヴィセ…

  6. ウクライナ戦況

    ウクライナ外務省、ザルジニー英国大使の派遣にアグレマンを要請

    ウクライナ外務省は7日「大統領がザルジニー氏を英国大使の候補として承認…

コメント

    • バクー油田
    • 2022年 6月 25日

    でもこれでセベロドネツクに張り付いてたロシア主力がまた南に戻ってくるということよな
    南ではなくベラルーシ国境から出てきてキーウ目指すんかもしれんけど

    8
      • 名無し
      • 2022年 6月 25日

      ロシアはオデッサに来るに決まってるが、ロシア軍がオデッサとキエフ、両面狙いで迫ってくれば、どちらかに防衛兵力を集中させる必要に迫られて、
      「どうせオデッサ来るでしょ!」とキエフ方面のウクライナ防衛部隊を引き抜いてオデッサに回すと、ロシア軍が気が変わってキエフ攻めるという可能性は微レ存。

      2
      • md5w
      • 2022年 6月 25日

      ロシア軍はリシチャンシクに進撃しているので、ウクライナ南部には戻らないと思いますよ。

      10
        • 鳥刺
        • 2022年 6月 25日

        まずは行政区画ルハンシク州の領域完全占領が目標でしょうね。それが今一番早期に容易に得られそうな成果ですから。

        13
      • ドイム
      • 2022年 6月 25日

      まだルハンシクだけでドンパス全体とってないからそれはまだないかな。リシャにまだかなりの部隊いるなかで部隊もどしたら今の東部の支配地域維持できるかも怪しい。

      7
        • タイヤキ
        • 2022年 6月 26日

        セベロドネツク防衛はウクライナには政治上の理由しかなかったかもしれないが、ロシアの相当な弾薬と砲身消耗させて、セベロドネツク後方地域への攻撃への時間遅らせることが出来た点は、よかったと思う。
        ウクライナ戦争初期に入隊した人たちの訓練がやっと終わったいっていることは途中入隊した人たちの訓練はまだ続いているということだし、ロシアの猛攻には1ヶ月以上は耐えられないだろうからロシア消耗するまでは、ウクライナは遅滞戦術とるしかないからな。
        弾道ミサイルもロシア地域から近すぎて精密誘導弾なしでも東部ではかなり正確にウクライナ軍事拠点にあたるみたいですからね。

    • 名無しさん。
    • 2022年 6月 25日

    ゲームじゃ無いんだからホイホイ兵隊を移動させたりベラルーシから湧き出すなんてことは無いけどね
    ロシア軍の消耗も元々ひどかった上にさらに東部で消耗した兵隊を、また南部に移動ですか

    11
    •  
    • 2022年 6月 25日

    「ロシア軍よわよわwww」とは何だったのか。

    10
      • 無無
      • 2022年 6月 25日

      ハイテク戦争に対して古典的な物量戦争という、ある意味で非対称戦争に切り替えた成果と言って良いのでは。
      ざっくりしてるから突っ込まれそうだが、弾がないと戦争にならんのは現代でも変わらん

      34
      • R
      • 2022年 6月 25日

      よわよわだけど、無能な指揮官が死んで有能だけが生き残ってる。
      組織としては新陳代謝が終わったから、今居る指揮官も兵隊も初期より有能だと思うよ。

      死にまくって組織をリフレッシュさせるのはいつの時代も同じ。さすが赤軍

      12
        • hiroさん
        • 2022年 6月 25日

        ゲームじゃないんだけどね。
        戦死した将官が無能とは何処の情報ですか?
        ロシアが侵攻当初に投入した戦力に、訓練も不十分な徴収兵が含まれていたことは事実かも知れないが、精鋭を温存しておいて今投入するなんて戦争経済学で有り得ると思いますか?
        初期の敗戦からの学びと、おそらくロシア軍にとっての優位性を発揮できる環境を活用しているのでしょうね。
        ウクライナ軍がそれに対してどう対応できるか、できないかはこれからの展開ですよ。

        5
      •    
      • 2022年 6月 25日

      砲撃力に圧倒的な差がありながら進撃速度のクソ遅さ
      いつまで経っても制空権もとれず

      NATOとやったら鎧袖一触にされんじゃね?
      ていうくらいの数頼みの雑魚にしか見えん

      22
        • 名無し
        • 2022年 6月 25日

        NATO「やめてください。なんで旧ソ連内での内戦とかいう、無駄な戦争に巻き込まれなきゃならないんすか。」

        10
    • ぷーぷー
    • 2022年 6月 25日

    ロシアとしてはクリミアまでの分厚いベルトを構築したら及第点で欲張りセットでオデッサまで落とせたらラッキーくらいな感じだな
    ウクライナとしてはオデッサとニコライを保持したまま東部をどこまで残せるかだな、ドニエプルは欲しい

    12
      • 2022年 6月 25日

      そもそも東部2州だけで満足してれば西側も静観していただろうにね。
      欲出してキーウまで侵攻しちゃうからこの有様。

      14
    • AAA
    • 2022年 6月 25日

    ウクライナの体制転覆に失敗して
    ドンバスからオデッサにかけてのノヴォロシア地域獲得にすっぱり目標変えたので
    キエフをうかがうような素振り見せたとしてもウクライナ側の戦力を拘束するための陽動でしょうな

    4
      • md5w
      • 2022年 6月 25日

      ロシア軍精鋭の空挺軍がキーウの戦いで全滅し、
      空挺軍司令官が引責で解任されているので、
      肉だけじゃなくて骨まで切られた陽動作戦ですな。

      13
        • 伊怜
        • 2022年 6月 25日

        ホストーメリ空港で壊滅したと噂される第31独立親衛空挺旅団が東部で再投入されてるし、そもそもキーウ侵攻に空挺軍を全力投入したわけじゃないから、空挺軍全滅はさすがにメディアの誇張を真に受けすぎでは?

        15
        • NATTO
        • 2022年 6月 25日

        精鋭部隊の弱点は損害に弱い。
        訓練に時間やお金がかかるから損害の補充が大変。

        1
    • 折口
    • 2022年 6月 25日

    ウクライナが防戦一方に立たされているのは間違いないんでしょうけど、やっぱり開戦当初に比べると戦線の動きが停滞してますね。南部でも何もやってない訳では無いのでしょうし、ハルキウ方面では露の再度侵攻が噂されて実際に空爆も再開されたとか、停滞を打破する努力は見て取れますが…。

    「ロシアはあと10個でもセベロドネツクを堕とすことができるが、それは戦争の勝利に結びつかない」と言ったロシア人が居たそうです。東部の攻勢におけるロシアは砲兵集中から兵站構築まで実に上手く火力発揮をしていますが、これがいつまで続くのか(砲弾備蓄はソ連時代のものがあるので無尽蔵かもしれないが)あるいはこの先ずっとハルキウやドニプロまで隙間なく砲弾で耕し続ける戦いを続けねばならないのかという見通しを考えると、これは明るい話ではありません。その間にも弾除けに使われているド・ル共の親ロシア民兵の死傷者は積み上がっていますし、ロシア正規軍も無傷ではありません。この勝利はあくまで暫定的なものであり、どこかでより長期でのビクトリープランに復帰する戦術に転換していく可能性もありますが…

    16
    • 鳥刺
    • 2022年 6月 25日

    >米国防総省の関係者が
    >「セベロドネツクからウクライナ軍を連れ戻すことで防衛戦は容易になるだろう」
    プロの白面鬼(参謀)の見方ならそうなりますね。予備隊が捻出できますから。
    リシチャンシク・ポケット内の戦線では、各拠点のウクライナ軍の消耗も激しく予備隊も少ない状況なんで、突破されると脆弱な状態にあるのは変わってはいませんが…

    >ウクライナ軍の反撃
    ぱっと見ドネツクは攻撃的な側衛を兼ねた助攻、本命はトクマクって形の方が作戦としてそれっぽいですが、現状でウクライナ側が動員・維持できる攻撃兵力には量・質ともにかなり制約があるので、成果目標を地歩の10~30km押し下げレベルの限定的なものとすれば、主攻助攻・釣りと真の意図の関係は逆になりますかね。

    >TikTok部隊
    アレは、比較的安全な地域に出現するんですよねえ(笑)
    掃討が速く進む→残留兵力が少なかった、だと良いんですが、さて?

    4
    • 金 国鎮
    • 2022年 6月 25日

    追記が問題だね。
    民間人の労働者を越えて戦局次第では兵士の派遣も呼び起こす。
    北では労働者も兵士も人間ではない。
    ロシアは労働者も兵士も人間である。

    6
      • EijiK
      • 2022年 6月 25日

      北朝鮮としては200万人いる陸軍の1%、2万人ほど送って見返りにロシアから食糧と石油と武器をもらえれば願ったり叶ったりですからね。

      ロシアから見ても、北朝鮮軍は旧ソ連装備のメンテナンスや維持管理のノウハウを持っているし、とりあえず最初のうちは規律も取れていて管理もしやすい。
      アメリカが民間軍事会社を使うのと同じ感覚で、後方輸送や武器のメンテや修理をやらせるのに重宝するかも知れません。
      ただ、そうなるともう完全に冷戦構造の再来で、日本としては北朝鮮制裁が完全に骨抜きになり、さらに問題解決が遠のきます。
      つくづく、この戦争は日本にメリットが何も無いですね。

      5
        • 無無
        • 2022年 6月 25日

        戦争で消耗しつつあるロシアの弱体化がメリットでないとでも?
        仮にロシアがウクライナを制しても、これから破壊されたインフラを再整備して反抗的な市民を統治するのにどれだけの手間がかかるやら、ウクライナを抱えるとロシアにはむしろダメージが拡がる
        いつも目先の利益しか見えない人がロシアの肩持ってるの笑う

        14
          • 名無し
          • 2022年 6月 25日

          ロシアを経済制裁を継続して抜け道を塞いでいき経済・工業力を弱体化させ兵器の生産・開発能力を奪っていく
          中国のジュニアパートナーとして政治経済的な対立構造を強化してもらい中国を孤立化させる外交的お荷物になってもらう
          インドに関して、生産・開発能力を奪っていくことによりロシアからの兵器の輸入が望めなくなり、ロシアの中国への属国化により外交的にロシアに頼ることができないようにし対中包囲網を強化

          理想的なシナリオとしてはこんなもんだと思います

          7
      • NATTO
      • 2022年 6月 25日

      北朝鮮もちゃんとウクライナに武器、弾薬を売ってそう。
      そのうちハングル入りのロシア規格の兵器がウクライナ側から出てくると思う。
      あとAKMとかは韓国でも製造、輸出してる。

      1
        • hiroさん
        • 2022年 6月 25日

        憶測だけのコメントって···。

        2
    • ナイトアウル
    • 2022年 6月 25日

    >戦局全体から見れば「政治的な意味」以上の損失はない
     そんな認識をウクライナ上層部が持っているとしたら何と言うか、セベロドネツクの為に犠牲になったウクライナ人と兵器の数々が哀れよな。これで国内や外国に対して大きくプラスであったならマリウポリのように考える事も出来る。そうでないなら、そこまでして犠牲を払うべき価値はあったのかは考える必要あると思う。

     政治要因とセベロドネツク奪還する方が負担が大きいから頑張っていた筈で、最後のギリギリにならないと撤退の判断出来ないのは可笑しくないかな。後退した方がウクライナに有利でロシアに不利な方向に働くのは目に見えていたのにもっと早くに決断出来なかったのか。

     

    12
      • md5w
      • 2022年 6月 25日

      ウクライナ側は「国土防衛」の御旗があるだけまだマシでは。
      一番哀れなのは、縁もゆかりもなく「政治的な意味」しかない土地で死傷したロシア側。

      12
      • 名無しさん
      • 2022年 6月 25日

      ウクライナ人は郷土意識が強いから、簡単には土地を放棄したがらない。
      上層部が簡単に撤退するといえば、現地の支持は得られなくなるんじゃないかな。

      当初の計画ではロシアはウクライナの東半分を包囲する予定で侵攻しました。
      作戦を変更するたびに包囲網は小さくなり、最終的には人口10万人の町を包囲して終わり。
      ロシアの損害とリターンはほとんど釣り合っていないでしょう。

      6
        • ダヴー
        • 2022年 6月 25日

        政治的な意味というものの影響は案外バカにできないですよね。
        セベロドネツクの消耗戦でウクライナ軍の士気の低下があるといっても、では、ほぼ無抵抗でセベロドネツク一帯を放棄した場合は、政権に対する信頼が低下して今以上の士気の低下を招いたかもしれないですし。

        11
        • WSO
        • 2022年 6月 25日

        その「当初の計画」がどこまで信憑性があるのか無いのかは存じませんが、ロシア自身が考える「損害とリターン」のバランス解釈は我々にはちょっと判断付きかねるのではないでしょうか。

        仮に、ロシアが考える開戦当初の最善はウクライナ傀儡政権樹立、次点が「東半分」領有なりドニエプル北岸~東岸領域領有として、もしも最小かつ絶対の利益ラインがドンバス二州完全確保とクリミア半島及びその水源地である南部領域の確保(+欲を言えば南岸完全確保でウクライナを海無し国化)…とすればロシアの得たい最低ラインはほぼほぼ確保されている・悪くない推移ではないかと危惧します。

        むろんいつどのような停戦になるかは不明ですのでロシア軍がウクライナ領土から完全駆逐されての一段落という未来もあるとは思います、しかし上記の最低ライン以上にある意味余剰の領土や捕虜を獲得し、なおかつ資源・食料で世界全体を動揺させる事で両国の一時停戦にまでもっていく事が出来れば、それらを交換カードにして最低ラインの確保は現実としてあり得るのではないでしょうか?

        確かに今現在の状況だけを見ればロシア軍大損害、なのでしょう。しかしロシアの国家安全保障上の数十年スパンで見た時にドンバス二州とクリミア半島及び対岸領域の強奪はリターンとしては上々の評価といえないでしょうか?

        5
      • TKT
      • 2022年 6月 26日

      セヴェロドネツクは、ロシアがネオナチ過激派部隊と呼ぶ国家親衛隊、アイダル大隊にとってはまさに本拠地の総本山であり、アゾト化学肥料工場は私設軍隊を編成した地方財閥、軍閥の重要な資金源だ。

      もともとプーチンは特別軍事作戦の作戦目的を、地方軍閥と化した地方財閥が編成し、国家親衛隊に編入されたネオナチ過激派の私設軍隊の壊滅としていて、リシチャンスクのスヴォボダ大隊も同じような作戦目標だろう。

      ウクライナは中央権力、中央の軍事力の弱い、地方財閥、地方軍閥の政治力、軍事力の強い国家であり、戦略的な意味も各地方、各地区ごとに分けて考える必要がある。ドンバス戦争自体が、キーウの中央政府による統制が効かない地方軍閥が勝手にやっているものとされていた。

      セルヒー・ハイダイがウクライナ国防省や、ウクライナ軍参謀本部とほとんど関係なく、勝手に戦況報告を続けているのもそういうことかもしれない。

      過去のドンバス戦争が、キーウの統制下にない地方財閥、地方軍閥を中心に行われていたものだったとすると、セヴェロドネツクや、リシチャンスクの陥落は、決定的な意味を持つことになるのかもしれない。

      3
    • 2022年 6月 25日

    意味の無い拠点で何万人も死んだ事になる
    ウクライナ軍の損耗はロシア以上で、
    そのような状態で反転攻勢に持っていけるのか

    そもそも…
    4月ロシア士気崩壊からの勝利は?
    5月ロシア兵站枯渇戦費枯渇からの勝利は?
    6月支援兵器で大反攻からの勝利は?

    16
    • おわふ
    • 2022年 6月 25日

    そろそろ西側はレッドラインを示すべきでは?
    例えばドニエプル-ザポリージャのラインを越えてキエフ側を攻撃した場合は直接参戦すると警告するなど。
    実際に参戦するかは別として、線引が必要では?
    後は実際にポーランドなどに部隊配備を増やして圧力をかける。

    今、参戦は賛成しかねますが、態度は示すべきかと。
    残念ですがクリミア半島、親ロシア地域の奪還は無理筋になってきたかも。

    8
    • APFS
    • 2022年 6月 25日

    ロシアは少数精鋭で気温が上がる前に決着をつけるつもりだったのを戦力で圧倒して蹂躙する戦略に切り替えたし、近年アメリカの介入した戦争は何年も続くグダグダになってしまったし、アゼルバイジャンとかの中小国はともかく、大国にコンパクトでスマートな戦争は幻想だったのか。

    8
    • もへもへ
    • 2022年 6月 25日

    どんな形で終わるにしろ、ウクライナ戦後どうするつもりなんだろう。
    荒れ果てた国土と莫大な戦費と死傷者を出して戦争終わった時、ロシアの通常戦力は大きく消耗して当面動けなくなるだろうからある意味西側にとってのウクライナの利用価値はなくなる。

    そうなったときどうやって戦後復興するんだろうか。
    西側が気前よく援助してくれるとも思えないし、むしろ今までの支援の見返りを要求されるだろうし、ロシアは多分賠償金とか払わないし。

    6
      • マロリー
      • 2022年 6月 26日

      いや、小麦よ。再三言われてるけど、戦争が長引けば長引くほど、世界的な飢饉へのリスクが高まる。というが、もうなりつつある。さすがに先進国で餓死する人間は殆どいないだろうが、小麦製品の高騰は避けられない。 

      100円の菓子パンが300円になったら買うか? マクドのセットが1500円になったら?ラーメン1杯2000円になったら?
      誰も買わないし、企業もさすがにそこまでの値上げを出来ない…というか、それをやる前につぶれる。そして個人経営の飲食店は当然ほぼ全滅する。 そうなれば大量の失業者が出る。 

      失業者は放っておくと心が壊れて、最終的には負の感情を外に向ける犯罪者になるか、負の感情を内に向ける自殺をするかのどちらか。どっちに転んでも国家の損失。飲食業が崩壊すれば、それに従事してる。何百万人の人間が路頭に迷って、救済されなければ、このどちらかの破滅が待ってる。 こんなのが失業者の大量放置は国家が傾く。 これは日本だけじゃない、世界レベルでこうなる。既にコロナで大量失業なのに、ウクライナ危機のダブルパンチはマジで世界危機。

      復興するなら、とにかく、農業生産とオデッサの海上交易の回復。 とにかく食い物だ。現生人類はあまりにも小麦製品に依存しすぎてる。食べ物を生産と輸送する能力が復興の急務だ。ウクライナだけの問題じゃない、全世界レベルに不味い状況。

      7
    • りにあ
    • 2022年 6月 26日

    メルカトル図法を補正したロシアの実際の広さ(世界最大には変わりないが)とGDPからして、べらぼうに強い国には思えないですがね。また、西で過リーニングラード、東に知床遊覧船のご遺体引き渡し問題発生しましたね。西洋人はタイタニックの影響からか、海難事故には関心高いかもしれず国後島のロシア人もすぐにKAZU1の漂流者とわかったらしいです。

    1
  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. 軍事的雑学

    4/28更新|西側諸国がウクライナに提供を約束した重装備のリスト
  2. 北米/南米関連

    カナダ海軍は最大12隻の新型潜水艦を調達したい、乗組員はどうするの?
  3. 軍事的雑学

    サプライズ過ぎた? 仏戦闘機ラファールが民間人を空中に射出した事故の真相
  4. 欧州関連

    オーストリア空軍、お荷物状態だったタイフーンへのアップグレードを検討
  5. 日本関連

    防衛装備庁、日英が共同で進めていた新型空対空ミサイルの研究終了を発表
PAGE TOP