ウクライナ戦況

東部戦線のロシア軍がバフムート郊外に到達、ウクライナ軍と交戦中

ロシア軍が前進を阻んできたポクロブスケの制圧に成功、遂にバフムート郊外でウクライナ軍(第58独立自動車化歩兵旅団)との直接戦闘が始まっており、東部戦線でロシア軍の前進を抑えきれていない格好だ。

ドネツィク周辺でもウクライナ軍の防衛ラインを破るためロシア軍が激しい攻撃を仕掛けている

バフムートへの侵攻を阻み続けてきたポクロブスケが陥落、ロシア軍は遂にバフムートに繋がる拠点を抑え前進を続けており、ウクライナ軍の第58独立自動車化歩兵旅団がバフムート郊外でロシア軍の前進を阻むため激しい抵抗を続けている。

出典:GoogleMap 大まかなドンバス地域の状況/管理人加工(クリックで拡大可能)

Sivers’kにもロシア軍が迫っており、ルハンスキーを制圧したロシア軍もウクライナ軍が後退したセミーヒルジャに前進して集落の約半分を制圧、ウクライナ軍は大まかに「ロシア軍を撃退し続けている」と主張しているがロシア軍の前進を抑えきれていない格好だ。

まだ専用の戦況マップが用意できていないが、ドネツィク周辺でもウクライナ軍の防衛ラインを破るためロシア軍が激しい攻撃を仕掛けており、アウディーイウカ、ピスキー、マルインカで厳しい戦いが続いている。

出典:public domain カエサル6×6

特にピスキーを防衛するウクライナ軍部隊には82mmと120mmの迫撃砲が1門づつしかなく、ロシア軍は郊外の防衛ラインを突破して街に侵入して始めており、ウクライナ軍兵士はピスキーのことを「挽き肉地獄だ」と表現して「大砲の支援」を訴えている。

関連記事:ゼレンスキー大統領が米支援に謝意、HIMARSは正義という言葉と同義

 

※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ

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コメント

    • ミスチル
    • 2022年 8月 04日

    ウクライナ頑張れ!!

    21
    • ミスチル
    • 2022年 8月 04日

    • 成層圏
    • 2022年 8月 04日

    やはりゼレンスキー大統領が言う通り、火砲が絶対的に足りてないんだね。
    南部は何とか盛り返せても、東部まではまだまだ兵器(と兵士も)の支援が必要ですね。

    24
    •  
    • 2022年 8月 04日

    いい加減、atacmsを供与してやれば良いのに。
    どうせ東部も弾薬山積みだろ。

    18
    • 鳥刺
    • 2022年 8月 04日

    バフムート南方は、発電所~ルハンスケの放棄後の次の抵抗が数km後方のセミーヒルジャ、Vershyna~ザイツェペは進出を阻止してる進行なんで、遅滞行動で戦線は保持されてる形かと。ゾロテでもリシチャンシクでもぎりぎりで上手く足抜け出来ましたが、今回は増援も間に合っている格好。本格的な抵抗線はバフムート東縁~M03線になりますかね。以後都市攻防で停滞するのもこの戦争のパターンですが、さて? ピスキーは注視ですね。

    現状、ロシア軍の戦闘活動は「軍管区毎に目標として割り当てられた州の、行政区画としての領域の占領」になっている観。

    10
    • トブルク
    • 2022年 8月 04日

    リシチャンシク攻略から1ヶ月の間、ドネツク州制圧に向けてロシア軍は攻撃準備を進めてたんでしょうね。
    今回の攻勢がドネツク州完全制圧を目標とする満を持しての大攻勢なのか、限定した範囲での小攻勢なのかはわかりませんが、攻撃に出るたびにロシア軍は人的資源の補充が絶望的になっていくと思われます。
    ウクライナ軍にとってピンチではありますが、戦争全体で見ればロシア軍を消耗させ、戦局を徐々に転換していく好機なので、なんとか耐えてほしいですね。

    19
    • すえすえ
    • 2022年 8月 04日

    ウクライナは東部戦線はひたすら遅滞戦術あるのみ

    ロケット砲とかがもっとあれば東部にも回せるんだがないものねだりだな仕方ない

    3
    • minerva
    • 2022年 8月 04日

    ウクライナ軍はヘルソン攻勢のためにドンバス戦線で必要な榴弾砲を南部にまわしてしまったという話が出ています
    政府は防衛ライン維持もおぼつかない状況でヘルソン奪還を急ぎすぎているのではないでしょうか

    5
      •     
      • 2022年 8月 04日

      ウクライナ側は東部で戦線整理は織り込み済みだろう
      しかしただでくれてやる必要もないので遅滞戦闘で削っていると
      なんでもかんでも死守するって思考なのかと

      2
      • 霞ヶ浦
      • 2022年 8月 04日

      戦略的にヘルソンを優先するのはまぁ理解できる
      その分攻略に失敗した時のダメージはでかいが

      5
      • paxai
      • 2022年 8月 04日

      これに関してはロシアの計略に乗せられてる感じがするんだよなあ。
      ヘルソンでウクライナ主力を引き受けてる間に東部のアウディーイフカ要塞を制圧する。ってな感じの・・・

      6
        • ぱんぱーす
        • 2022年 8月 05日

        HIMARSの活躍は想定外かもしれませんが、東部が主戦場の2ヶ月間ずっとロ軍はヘルソンの防御陣地構築を進めていましたしね
        簡単には奪われない自信があるんだと思います
        とは言え、ウクライナ側も選択肢は多くない状況ですし悩ましい……

        5
    • にらそば
    • 2022年 8月 04日

    「ウクライナへの装備品等の提供について 令和4年8月4日 防衛省」
    リンク

    民生車両と小型ドローンを提供するそうです。

    4
    • TKT
    • 2022年 8月 04日

    これはもうただただ単純に、ハイマースの威力はゼロではないにせよ、非常に限定的で宣伝されるほどではなく、その他の戦車、榴弾砲、迫撃砲などは圧倒的にロシア軍よりも少なく、それ以前に砲弾がなく、ポーランドのT-72A戦車がちゃんと供与されているかもよくわからないが、ドイツやスペインではレオパルト戦車の供与を巡って混乱が続き、ウクライナの検察や、情報部SBUにはロシア軍に協力するのがたくさんいて、ドニエプル川に架かる橋にはいくつか穴があいたが、ヘルソン州のロシア軍には渡し船で補給が行われ、ドニエプル川の西岸を守るロシア軍は増強され、さらにドネツク州でもロシア軍の攻勢が行われ、交通の要所であるバフム―トは制圧されそうということではないだろうか?

    要約するとウクライナ軍が圧倒的に不利で劣勢ということだ。

    ピスキーだとかを守るウクライナ軍が120mm迫撃砲、82mm迫撃砲、各1門づつという話は、ちょっと前の70年前の日本製60mm迫撃砲弾を支給されているという話と重なる話で、要するに全く重火器が不足しているということだろう。ニュージーランドの105mm榴弾砲の話もそうだ。

    少数のハイマースでロシア軍の後方を精密砲撃できるのはいいとして、ウクライナ軍の前方を砲撃する兵器が全く不足しているということだ。はるかかなたにあるロシア軍の弾薬庫を精密砲撃できても、目の前に迫ったロシア兵を撃つことができない。

    16
      • ツッコミ
      • 2022年 8月 05日

      「単純に」から全く単純じゃない文章の大渋滞が始まってわろた

      2
      • だめだこりゃ
      • 2022年 8月 05日

      はっきり言ってもうウクライナおよび西側は負けていますね。
      HIMARSの戦果強調とかは、旧日本軍末期の様相と全く同じ。
      事実ウクライナは全く領土を取り返せず、ロシアは少しずつ領土をもぎ取っている。
      西側諸国は既に青息吐息で、アメリカは内乱の兆しあり。
      ロシア軍は未だピンピンしているし、核だって持ってる。中国も裏で積極的な支援をしており、経済制裁のダメージは西側とロシアのその他民族だけで、肝心のモスカーリには全く効いていない。
      これからは中国ロシアの時代か…

      5
    • タイヤキ
    • 2022年 8月 04日

    ロシアの初期の攻撃が東部には利いているだよな。
    ウクライナはロシアの初期の攻撃により、戦闘機はパイロット含めて全滅状態だから、東部では圧倒的に航空劣勢な上に東部ではロシアとの距離がほとんどないために、東部に大量の榴弾砲は、空爆されて破壊されるだけだし、ハイマースは東部では使いづらい。

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