欧州関連

注目が高まる安価なドローン迎撃専用ミサイル、SAABもNimbrixを発表

ドローンを大量投入したウクライナとロシアの戦争を受けて短距離防空システム=SHORADのニーズが高まっているものの、MANPADSを使用したドローン迎撃は費用対効果が悪く、ドローン迎撃専用のミサイル開発に注目が集まる中、SAABはドローン迎撃に特化したNimbrixを発表した。

参考:Saab reveals new Counter-UAS missile Nimbrix
参考:Saab develops Nimbrix C-UAS missile

SAABは「Nimbrixには確実な目標破壊のためミサイルの複数発射を必要としないほどの信頼性がある」と言いたいのかもしれない

ドローンを大量投入したウクライナとロシアの戦争を受けて短距離防空システム=SHORADのニーズが高まっているものの、従来のSHORADは低空域を飛行する戦術機や巡航ミサイルへの対処を目的に開発されたため、機関砲よりも遠距離での迎撃をカバーする対空ミサイルにはスティンガーやミストラルといったMANPADSが流用されており、これを安価なドローン迎撃に使用すると費用対効果が悪く、次世代のSHORADにはドローン迎撃専用のミサイル採用が予定されている。

出典:Boevaya mashina/CC BY-SA 3.0 de

ドイツが500輌~600輌の調達を予定しているSkyranger搭載のボクサーにはDefendAir(射程約5km~6km)を9発も装填できるため、600輌全てにDefendAirをフル装填すればドローン迎撃用のミサイルを5,400発も配備できる計算だが、最近登場した中国のFK-3000は「ドローン迎撃用の小型ミサイルを最大96発も装填できる」と予想されており、米陸軍はドローン迎撃に特化した小型ミサイル=Coyoteの大量調達を始めている。

SAABも28日「ドローン迎撃に特化した小型ミサイル=Nimbrixを開発した」「アクティブシーカーの採用によって最大5km先の目標を迎撃できる」「さらにエアバーストモードを用いればドローン群を効果的に破壊できる」「潜在的な顧客との協議が進んでおり最初の納入は2026年を予定している」「Nimbrixは来月9日にロンドンで開幕するDSEIで展示する」と発表、Janesも「Nimbrixは全長1m、重量3kg未満、有効射程は2km~5km、アクティブシーカーとエアバーストモードに対応した弾頭を備えるドローン迎撃に特化した小型ミサイル」と報じている。

SAABはメディアを対象にしたオンラインブリーフィングで「Nimbrixは一撃必殺を目的に設計され、その費用対効果比は(ドローン迎撃において)極めて重要だ」と述べており、恐らく「Nimbrixには確実な目標破壊のためミサイルの複数発射を必要としないほどの信頼性(一撃必殺)がある」と言いたいのかもしれない。

来月9日にロンドンで開幕するDSEIでNimbrixに関する追加情報が出て来ると思われ、ドローン戦争への対応、SHORADに対するニーズの高まり、より遠距離でドローンの脅威を排除したいという願望と合わさり、国防当局者のNimbrixに対する関心は高いものになるだろう。

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※アイキャッチ画像の出典:SAAB

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コメント

  • コメント (30)

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    • p-tra
    • 2025年 8月 28日

    正直コスパがいいという部分はちょっと信じられない。
    DefendAirもそうだけどIRシーカーを積んだ対空ミサイルが
    小型ドローンと交換していいコストになる訳ないだろう。
    ドローン専用って謳ってもロケットがエアフレームである以上、
    電子機器は高Gに耐える軍用規格にするしかないし、そうなると
    ドローンより遥かに高価になるはず。
    小型ドローンを適切に補足できるIRシーカーだって普通に戦闘機
    捉えるより難しい面もある。
    尚更コストは上がるだろ。

    27
      • ののの
      • 2025年 8月 28日

      ラジコンクアッドコプターの迎撃用ミサイルじゃないですよ。あんな鳥みたいな小型目標を撃墜できるミサイルなんてアイアンドームを筆頭にC-RAM用の高価なミサイルしかないです。

      今回の15万ドルはするであろうシャヘドのような片道特攻自爆ドローンの迎撃用ミサイルでしょう。日本語でドローンを指し示す言葉が多すぎるせいで誤解する人がかなり増えてますよね。
      ドローンって手のひらサイズのクアッドコプターからTB-2みたいな無人攻撃機まで含みますから。

      30
        • T.T
        • 2025年 8月 28日

        いや、この度はその手の小型ドローンが対象ですよ。
        貼られている動画でもそうなってますし、先行するパンツィリSMD-Eでもそうです。
        48発とか96発といった搭載数と、最大射程と射高の割り切りはそういうことです。シャヘドタイプの巡航ミサイルタイプの迎撃には不足ですよ。

        29
        • 伊怜
        • 2025年 8月 28日

        米軍ではクラス1〜5、NATOではクラスⅠ〜Ⅲ、ロシアではクラス1〜8というふうに、サイズ、速度(あるいは高度)等で分類されているね
        なぜかメディアでは省略されてしまうけど

        15
          • 伊怜
          • 2025年 8月 28日

          失礼、米軍の分類はグループ1〜5でした

          7
        • 名無し
        • 2025年 8月 28日

        なんで丁寧にワンクリックで見れる動画のリンクが貼ってあるのにそれも見ないで適当言えるのかこれが分からない
        それに付くグッド数といい、そりゃ日本人のドローン観もおかしなるわ

        28
      • nachteule
      • 2025年 8月 29日

       コスパが良いと言う部分を勘違いしていると思う。あくまで対UASとして使用出来るミサイルとしてはコスパが良いだけで安価なドローンの価格に対してコスパに優れるとか誰も言ってない。
       同じ価格のミサイルでも従来のIR誘導で複数発必要だった物が1発で済む、昔と比べて高価な15万ドルもするスティンガーより5万ドル安いとかになってもコスパは良いでしょう。そもそも撃墜する事が難しかったのが撃墜出来るようになるとかでもコスパは良いだろうし、ロシアみたいにインフラ攻撃されたりして高価な設備や装備を失わずに済む割合が増えるのであればトータルで見たらコスパは良いでしょう。

       IR誘導なんてどこにも書いてないのにIRと決めつけてアクティブシーカーの表記を無視しているのはどうなのか。低発熱の小型ドローン検知でパッシブなんて無いと思うし大抵のドローン対策用の検知は天候にも左右されにくいレーダーでしょう。

       アクティブレーダーシーカーの性能は遠距離でも検知したいのかサイズや出力で変る。こんな対UAS用のミサイルなんて目視で発見して搭載するシーカー任せのスタンドアロンで運用する訳では無く、別のセンサーで検知してそこに発射する物だろうから数キロの検知能力は不要で最悪100mの検知能力でも良いでしょう。コストを最大限活かすなら車載用のミリ波とかの流用とか有り得るかも知れない。

      6
    • 2025年 8月 28日

    結局はドローン対策の現時点で有効で確実な方法は警視庁のやっていたネットを持ったドローンで他のドローンを捕獲という単純な方法がコラテラルダメージもなく確実な方法なのかもしれない
    迎撃ミサイルやジャミングの人口密集地帯での周囲への影響を鑑みるに

    14
    • マトウ
    • 2025年 8月 28日

    ドローンといっても片手持ちできるような小型ドローンからプレデターのような大型のものもあるわけで。今のところそれら対象の装備を全てひっくるめて対ドローン兵器と呼んでいます。
    それぞれがどの範囲のドローンを対象にして開発されているのかを気にしてニュースを見て行く必要がありそうですね。

    10
      • T.T
      • 2025年 8月 28日

      元記事では小型UAV群と明記されているので、普通にFPVドローン対象ですね。

      15
        • 伊怜
        • 2025年 8月 29日

        FPVドローンと言ってもNATO準拠だとクラスⅠのマイクロ、ミニ、小型に跨るからなんとも
        映像を見る限りではマイクロではなく最低でもミニ、もしかしたら小型ぐらいのサイズ感には見える

        2
    • そら
    • 2025年 8月 28日

    小型対空ミサイルはやっぱ難しいのかな?
    アニメとかでロボットが手首とかから発射するくらいまで小型化するのはまだまだ先になるんやろうな
    海上なら小口径レールガンのがコスパいいのかね

      • ななし
      • 2025年 8月 28日

      小型のロケット弾に、レーザー誘導とかセミアクティブ・レーダー誘導を取り付けたモノがあったような。
      小型&安価にするなら、ミサイル側でなくプラットフォーム側に高価なセンサーを持たせるのが無難な気がします。

      6
    • 中村
    • 2025年 8月 28日

     対戦車ミサイルの価格に収まっていれば実用的と言えるのかな?、飛翔速度もそれくらいで十分だろう。

    3
    • elmoelmo
    • 2025年 8月 28日

    結局、小型ドローン迎撃はミニCIWSみたいな代物になるのではないでしょうか?

    1
    • 理想はこの翼では届かない
    • 2025年 8月 28日

    本当にござるかぁ?って感じの主張ですね
    現状ではFPVドローンなどの小型ドローンの朝低コストに対して、アクティブシーカー積んだ小型ミサイルが対抗できるほど低コストには作れてませんから

    9
      • エッジAIアシスト
      • 2025年 8月 29日

      FPVドローン+エッジAIのアシストがあれば、可能かも。
      コプタータイプよりも、プロペラ飛行機型のドローンの方が、速度があり、現実的かな。
      ただし安上がりにはならないな・・・。撃墜コスト>敵ドローンコストは避けられないか。

      どちらにしろ、中国のコスト競争力が圧倒的なような気がするが・・・・

    • paxai
    • 2025年 8月 28日

    中華製96連装対ドローンミサイルの連続発射とかちょっと気になる。もうアーマードコアの世界やん。

    10
      • 足柄
      • 2025年 8月 28日

      大豊かファーロンが作ってそう

      7
    • ras
    • 2025年 8月 28日

    ロシアのも小型ミサイル50基弱だったか搭載の混載ミサイルオンリー対空特化に改装されましたし結局ドローン対策はミサイルが一番なんですかね

    2
    • Authentic
    • 2025年 8月 28日

    FPVドローンから受け持つやつならもう少しVADSっぽい方が良くない?
    これでもまだちょっと高価だよね

    1
      • 中村
      • 2025年 8月 29日

       クアッドコプターや高アスペクト比のUAVが高度4000mから急降下爆撃してくるとは思えないので、まずはIFVの機関砲の仰角を60度前後まで上げるのはどうだろうか?

       レーザー測距を使えばエアバーストも可能だろうし、その手の信管は対地射撃でも無駄ではない。

       かなり高度なドローンでも飛行性能は複葉機程度なんだから、既存のFCSでも対応できそうに思える。

      4
    • 航空太郎
    • 2025年 8月 29日

    誘導、起爆タイミング指示を含めて全部車載側機器が担い、飛んでいく小型ミサイルは誘導レーザーレンジ内に入るように方向を修正、指示があったらその瞬間起爆するくらいに、徹底して何も機能を搭載してない感じにすれば、確かに MANPADSの10%程度の価格まで小型ミサイルの値段を下げることはできる気がします。
    どうせ相手は遅いのだし、まっすぐ飛んで行って誘導車両側が合図をしたら起爆、破片を撒き散らして撃墜、で十分ですから。
    高額なシーカーや制御コンピュータなんて載せる必要がありません。
    となると視線が通っている相手しか撃てない、相手を見つけて誘導するのは車両側のFCSの性能次第と割り切る感じになりますけど、動画を見たり、言ってる性能から推測すると、そういった程度の割り切った設計なのでしょう。

    5
    • レプタリアン
    • 2025年 8月 29日

    やはり投石
    安価なドローン迎撃手段として投石を推奨する
    弾は無尽蔵だし、命中率は練習量に比例していくらでも伸ばせる
    極めれば球界からのスカウトもワンチャン有り得る

    9
      • かず
      • 2025年 8月 29日

      バッティングセンターのボールに投石を当てられる腕があれば可能でしょうか

      3
    • あろは
    • 2025年 8月 29日

    今までのシステムよりは安価というだけでどちらにしても迎撃ミサイル側の方がコスト高い構造は変えられないですよね。
    AIが進化したら迎撃用の使い捨てではない小型UAVが作られ防空戦闘機のように運用などもされるかも。

    3
    •  
    • 2025年 8月 29日

    ドローンのクラスの名前をBeetleとか Birdとか Raptorとか Planeとか、字面でおおよそのサイズ感がわかる名称を使って欲しいよね

    1
    • LSgt
    • 2025年 8月 29日

    以前某ヨーロッパのミサイル大手会社が「電気式ミサイル(仮)」の研究試作を大学に依頼していたから、ある程度ニーズは予測されていただろうね。

    電気式=プロペラ+モーター使用の想定なんだけど、やはりコスト面を意識してその名の通りの依頼内容だった。でも既存のクアッドコプター系ドローンの数倍の速度性能•上昇力が求められていた。

    ただ、約8年前の当時は速く飛んだとしてもセンサーや情報処理能力の問題があった。今なら安価なIRセンサーや、画像認識でのターゲティングが期待できるレベルに成長している。

    • ダイヤ
    • 2025年 8月 30日

    野球のピッチャーがキャッチャーに投げ込むボールに、別のボールを当てろって話ですものね。圧倒的にピッチャーより難しい。すなわちコストが高くなる。
    野球的発想だとボールを止めるにはフェンスやネットを使うわけだけど、際限なくフェンスを高くする事はできないし、どうしても防衛側は不利で厳しい。

    • ルイ16世
    • 2025年 9月 01日

    ドローンにショットガン装備させるとかどうですかね?
    弱点の射程の短さもこっちも高速で飛んで接近出来るなら克服出来そうですが(ゲーム的発想ですけど)
    重要拠点や高価値目標の5km以内になったらミサイル、普段は防空ドローンのハイローミックスにでもしないと安いと言ってもすぐ枯渇しそう

    1

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