Dassaultのトラピエ最高経営責任者は「F-35に疑問を抱いた国へラファールを提供できる」と述べたが、Saabのヨハンソン最高経営責任者も「既にカナダと協議中でポルトガルとも連絡をとっている」と言及、特にカナダについては「以前のオファー内容を利用できる」と述べた。
参考:Saab busca cubrir con su caza Gripen el hueco en el mercado que están dejando los F35
まだ政治的状況は流動的だが、DassaultもSaabも空白が生じた戦闘機需要の獲得にアプローチを始めている
トランプ政権は他国の主権軽視するような発言や態度を連発し「米国は信頼できるパートナーなのか」という疑問が生じた結果、安全保障分野の後ろ盾を象徴する米国製システム=F-35への不信感が急速に広まり、ポルトガルでは確実視されていたF-35A導入が白紙化、カナダでもF-35A導入の見直しが濃厚で、デンマークでも導入決定に関与したラスムス・ヤルロフ国防委員長が「導入を後悔している」「F-35Aは安全保障上のリスクでしかない」「他の同盟国やパートナーは米国製システム導入を回避したほうが良い」と述べて衝撃をもたらした。

出典:Lockheed Martin
Dassaultのトラピエ最高経営責任者も「状況を注意深く観察している」「戦闘機購入は(購入国の安全保障に)長期的なコミットメントをすることだ」「我々はF-35を選んだ国が選択に疑問を抱いた場合、これまで通り政府の管理下でサービスを提供する用意がある」と述べ、F-35発注見直しを公言したカナダにラファールを提供する用意があることを示唆し、F-16後継機候補からF-35除外を示唆したポルトガルについても「ラファールを提供したい」と言及。
Saabも空白が生じた戦闘機需要を手に入れいるため動きだしており、スペインのディフェンスメディア=Infodefensaは16日「Saabはカナダとポルトガルにグリペンを販売する取り組みを開始している」「ヨハンソン最高経営責任者もグリペン導入の可能性についてカナダ当局と協議中で、同じ目的でポルトガルとも連絡をとっていると認めた」と報じ、まだ政治的状況は流動的だが、DassaultもSaabも空白が生じた戦闘機需要の獲得にアプローチを始めているのだろう。

出典:U.S. Air Force Photo by Senior Airman Brooke Wise
因みにSaabはカナダについて「以前のオファー内容は引き続き利用可能だ」と明言し、トラピエ氏もトランプ大統領が「いつか同盟国でなくなるかもしれないのでF-47を輸出するなら能力を引き下げる」と言及した直後「グリペンの海外顧客国はスウェーデン向けと同じ能力を受け取れる」と保証した。
関連記事:F-35からラファールへ、ダッソーがカナダやポルトガルへの戦闘機提供に言及
関連記事:デンマークがF-35A導入を後悔、米国製システムは安全保障上のリスクでしかない
関連記事:ドイツ外交評議会トップ、もはや米国は我々の敵対者で同盟国ではない
関連記事:カナダは米国ではなく欧州を選択、新たな共同防衛同盟について交渉中
関連記事:カナダのカーニー首相、米国に偏りすぎた安全保障や武器調達を多様化する
関連記事:カナダのF-35発注見直し、米国は信頼できないパートナーと証明される恐れ
関連記事:カナダがF-35A以外の選択肢を検討中、最有力は選定結果2位のグリペン
関連記事:ポルトガル国防相、トランプ政権の不確実性を理由にF-35A導入を否定
関連記事:米国を信頼できるか、米国製兵器が選択肢のデフォルトでなくなる可能性
※アイキャッチ画像の出典:SAAB
まあそのうちトランプ大統領は関税を下げて欲しければアメリカ製兵器を購入しろと要求しそう。
関税はあくまで圧力であって目的では無いですからね
取引に応じるのであれば米兵器の売り込み(押し付け)もしてくるでしょうね
いえ、それが関税が目的なんです。
減税の財源として関税を使うと言ってます。
非常に厄介なことに。
[関税収入への依存強めるトランプ政権、減税の財源で]
Bloomberg 2025年2月22日 2:52 JST
日本に関して言うならLAV後継の歩兵機動車とかスナイパーライフル、アンチマテリアルライフル、マッチグレード等各種弾薬、機関銃とか通信関連、ソナー、NASAMS、ボディアーマーとか自衛隊を強化出来るような物を購入するぐらいしていいんじゃないかな。国内産業が大事だからって劣った物を高く買う必要なんて無い。
アメリカは80年代に日本のF-2(国産案)やイスラエルのラビなど、西側諸国の戦闘機開発計画を潰しまくって米国製戦闘機の寡占体制を作り上げましたが、トランプ政権も似たようなことをやってくるかも知れませんね。
日本かGCAPに参加したのも、アメリカの横槍を防ぐ目的もあるでしょうし。
F-47ですが、輸出専用モデルはそれはそれで良い考えと思いますけど。
米国外に出せない技術満載で、ブラックボックスだらけより。
ライセンス生産可能でブラックボックス一切無し、改造可能、制限は転売禁止ぐらいなら、競争力はありそう。
今のボーイングが、モンキーモデルでも外国が欲しい!と言わせるだけの性能のF-47の原型機を出せるかどうかの心配をした方が現実的では。
現実的な製品としてはCCA母機としてイーグルIIを売りたい模様。
これから売り出す最新戦闘機をモンキーモデルなら売ってやるわ!ってビジネスマンとしておかしくないですか?
ある程度スペックがわかった後でモンキーモデルでも中露のステルス戦闘機より優位性があるよってなら理解できますが。
トランプって交渉の成功は置いといてやり方雑ですね。
これから売り出す最新戦闘機をモンキーモデルなら売ってやるわ!ってビジネスマンとしておかしくないですか?
ある程度スペックがわかった後でモンキーモデルでも中露のステルス戦闘機より優位性があるよってなら理解できますが。
トランプって交渉の成功は置いといてやり方雑ですね。
F-35Aの購入やオプションや追加を表明していた国がキャンセルするとトランプが安全保障面を軸に経済圧力をかけるでしょうね。
ラファールもグリペンも第6世代ジェット戦闘機が量産化できるまで、どこまで中身のアップデートが行えるかも重要な面かもね。
ラファールは最初から個々の機体を定期的にアップグレードさせる事で既存の機体が皆、最新版の性能を発揮できる前提の設計になってるからいいとして…
グリペンはその辺りどこまで配慮された設計になっているのだろう?
安全保障の面からして、カナダやデンマーク領のグリーンランドに武力行使・併合をちらつかせてるのがアメリカ(トランプ政権)なのに、経済紛争を仕掛けたら余計に買い手が遠のくだろう。
F-35に関しては現行生産のTR-3がいまだに戦闘出来ないし、脅威が迫る欧州からしてみれば高性能な訓練機よりも戦闘の出来る旧式機の方がまだマシなのかもしれない。
アップデートの話は何とも言えなくて最新型がその性能故に単価高騰して価格面でのメリットが薄れたのでどこまでやるかなとは思う。Fー16Vレベルまでガッツリやるのか電子戦装置やレーダー換装みたいな小規模に留めるのか。
F-35の「こういうのじゃないんだよ」感は強いのだけど、かといってラファール・グリペンNGの「こういうのでいいんだよ」感も薄い。F-16Vも高くなった。さすがにFA-50は不足。難しいね。
ラファール・グリペンNGも所詮は第4世代機やしね。
今の安心のF-16Vか、今から購入してもアップグレード改修で無人機関連の能力を持たせられる予定のラファールか
FA-50をえらぶのは予算なり政治なりで他を選ぶのが難しい国とかだろうし
いやまあ、最近言われる数は力というか、量も質というかそういう観点で選ぶ国もある、かも? 知らんけど…
KF-21の進捗次第ではそっちに転ぶ国も、この流れでは出てきそうな気もします。インドネシアはトルコと組んで、韓国とは手切れになりそうですので、実績と生産機数がなんとしても欲しいでしょうし。
エンジンがF-414なのと、どれだけ技術移転を許すのかがネックになりそうですが。
KF21も要求過多でコストかどこかにしわ寄せ来そうに思える。
KF-21(block1)に要求過多な部分ありましたっけ。
センサー系?
KF-21はとりあえず「完成しました!」と全世界に宣言してくれない事には予想すらできない感じが
>KF-21の進捗次第ではそっちに転ぶ国も、この流れでは出てきそうな気もします。
>エンジンがF-414なのと、どれだけ技術移転を許すのかがネックになりそうですが。
カナダにせよポルトガルにせよ、米国製兵器を導入する事に関して懸念が生じたから根茎の件なんですよね?
貴方のコメントでも取り上げたようにKF-21は米国製エンジンを採用していますから、KF-21では懸念は解消できそうにないと思います。
グリペンだと完全にはアメリカから離れられないので
より望ましいのは完全にフランスの管理下にあるラファールでしょうね
ラファールはNATOの中でも搭載兵器が独自で、ちょっと浮いているところが引っ掛かりそうですね。
一応、ダッソーに「この武器が使いたい」と依頼してお金を払えば、よほど変わったものでない限り対応してくれるはず
(輸出前提の機体なので、最初からそういう需要に対応できるように作られている)
>一応、ダッソーに「この武器が使いたい」と依頼してお金を払えば、よほど変わったものでない限り対応してくれるはず
どうでしょうね?
いまだにサイドワインダーすら対応していないらしいですから。
打つだけなら下位互換で打てるんじゃあね疑惑はある。>サイドワインダー
当然フルスペック運用は無理だろうけど。
システム上は対応可能になってますよ
ミラージュ2000に搭載されたそういうシステムをさらに改良したものですから
(実際ミラージュ2000は、購入国の要望で搭載兵器の種類が追加されたりしてる、
ただし契約の問題もあるのか悪魔度個々の国にのみで、ミラージュ2000共通の武装化にはなっていない)
ただ顧客からの要望があんまりないらしいんですよね
理由はよくわかりませんがおそらく、ラファールって米国製兵器でない機体を求める国が買う機体だったので、米国製武器が使えない事を問題視しなかったんでしょうね
実際トランプ政権になって、その懸念というか判断はある程度正しかったのでは?みたいな話になってきてるわけですし…
あと旧式のサイドワインダーは多分撃てるんじゃないかな
R550はサイドワインダーを基に開発したらしくて、下位互換的なミサイルなので
ダッソーの日頃の言動を見れば、仏の関わらない兵装の統合に消極的なのは間違いないし「必要ならやるけど統合費用は全額負担してね」と言われてポンと出せる国はあんまりないでしょう。
なので「NATOの中でも搭載兵器が独自で、ちょっと浮いている」のも「依頼してお金を払えば、よほど変わったものでない限り対応してくれる」のもどちらも間違ってはいないかと。
日本もいろいろと障害が無ければチャンスがあったのでしょうね。
・機体に使用する複合材料
・アビオニクス
・ミサイルなど搭載兵器
・エンジン
これらを自国で開発・製造する能力があるのですが・・・。
出来る出来ないはともかく、
がんばっても採算が取れるとれないかは企業としては重要なので
今の時点だと採算が取れるとは言い難いでしょうから及び腰になるのも仕方ないかと
ラファール、ユーロファイター、グリペン、どれにせよ長所も短所も第四世代なところという。敵防空圏の外から攻撃できる兵器も必要になるけど、目標としている2000kmの巡航ミサイルの開発はどうなることやら。
トルコがKAANを開発中だからギリシャはF−35の調達を継続するだろうが、KAANの配備が始まった頃に欧州諸国はラファール達の後継を開発開始しますとか、FCASの設計終わってませんとかは無い・・・無いよな?
グリペンはランニングコストが安くちょうどいい機体だと思うので輸出成功してほしい。
制空戦闘機は、航空優勢を確保するために、最高級の戦闘機を使って打ち勝つという概念でしたね。
対ロシアを見据えれば、ステルス機が必要と言われてきたわけですが…
ラファールどころか、グリペンでさえ充分なのであれば、第4世代戦闘機以降であれば何でもいいくらいの軽い話しでしたね。
「犠牲者出るのはなるだけ、いや選挙対策もあるし絶対避けよう」の時代から、最初から「犠牲も消耗も当たり前、というか前提にしとけ」の総力戦覚悟の時代に移りつつあることで、求められる前提が大分下がってきてるのもあるのかもしれませんね
たしかに仰る通りですね。
(当たり前の話しでもあるのですが)軍事面で、犠牲を前提にできるのであれば、いろいろ変わってきたのかもしれませんね。
そんな欧州やらカナダがF35要らねぇ要らねぇ言うなら日本がタダで貰ってやるよって優しく言ってあげたい
傷心の欧州人に勉強料だと思って諦めろって諭してあげたい
日本への納入遅れ気味なのでカナダが使わないならこっちに回して欲しいぞ
ねえよ
何でわざわざホワイトハウスの暴君にへりくだらなきゃならねえんだ
数十年運用する戦闘機でさえ、同盟国であるはずの欧加が米国を”信用できない”と、本気でそう言うなら、戦闘機どころかNATO自体がもはや信用できなくなってくる。
客観的に言えば、欧加も日本も別の集団安保を検討すべきということになる。でも現実ではそこまでは行ってない。
トランプの極端な政策が、今後数十年持続する米国の方針になるって本気で思える?俺は思わない。
米国製切りをはじめ西側はトランプ政権に圧力をかけるし、主要メディアは反トランプ一色。内外から強力な排除圧力がかかってなお数十年思想が持続するほどの文脈になるような背景事情が彼の国には存在しない。間違ったピエロがめぐり合わせ悪く間違ったポストに収まったに過ぎない。
逆説的な話、各国がF-35を切るからこそ、F-35にはまだチャンスがある、ということになると思う。
実はトランプ政権の志向する安全保障政策はバイデン政権時代に策定された「国家防衛戦略(NDS 2022)」に即したものなのですが、やり方が性急で強引で反則的で、各国の大きな反発を買っているだけです。
トランプ政権にとっては保守的価値観が主導する「偉大なアメリカ」に回帰することが第一で、そのための貿易赤字解消であり国内産業の活性化であり資源確保であり財政再建であり直接支配圏の拡大なのではないかと。関税圧力をテコに一挙の解決を目指す手法や特定の人権を無視する姿勢には賛成できませんが。
NDS 2022 では通常戦力に関して「一つの主要戦争に勝利/もう一つを抑止」する能力を維持することを目指しています。例えば中国と非核戦争状態になるならば同時にロシアを抑止可能な通常戦力を持つということですが、米一国では拡大抑止維持が困難なのが現状です。そこで必要になるのが同盟国や同志国の軍事力強化というわけです。
安保ただ乗り論は極端な言い回しと思いますが、欧州も日本も NDS 2022 を分析し理解を示している結果が可能なだけの軍備増強政策なわけで、国益に大きく反しない限り米国と安全保障を共有する大方針は今後も変わらないと思います。
導入が確定的な欧州諸国のF-35数は約400機に及ぶので(現在の稼働率がどうかは別として)これ以上増強しなくともステルス戦闘機の対ロシア戦力として当面は十分という見方があるかもしれません。
防衛装備のアメリカ依存度を下げることと(英仏が核を保有していてもなお)安全保障のアメリカ依存度を下げることは同義ではないと思います。
実際に起こるかは別として、近未来にNATO対ロシア有事の場合。
NATO空軍は(戦域別でしょうが)統一運用されるのかな?。
統一運用ならば、戦闘機/攻撃機は第5世代機である方が良いでしょうが、
必ずしも、全数が第5世代機でなくても、それは許容範囲では?。
第5世代機でも、ビーストモードの場合はステルス性は無いですから。
制空戦を制した後は、一定数の第5世代機がAWACSの代理も兼ねて、
第4世代機の編隊をサポートする形でも良さそうな?。
(単座のF35にAWACSの代理が務まるかは疑問ですが。たとえ、AIが進歩しても。)
であれば、非ステルス機を計画的に導入するのもありかな?、と思ったり。
結局、トルコのクズルエルマの様な機体が最終的に生き残る気がする。
空中でも海でも高価値兵器は、どんどん苦しくなるかも。