欧州関連

サーブ、スウェーデン国防装備庁から次世代戦闘機に関する契約を受注

スウェーデンのサーブは1日、国防装備庁からグリペンの後継機=次世代戦闘機に関する契約を締結したと発表した。

参考:Saab Receives Order for Studies on Future Fighter Aircraft Development

サーブはテンペストプログラムで得た技術をベースにどのような次世代戦闘機を開発するのだろうか?

スウェーデンは次世代戦闘機や既存の戦闘機のアップグレードに必要な技術開発で英国と協力すると2019年に発表、英国が主導するテンペストプログラムにサーブが参加することで必要な技術の目指しており、2020年6月には「次世代戦闘機の開発を開始する」とフルトクヴィスト国防大臣が発言したためグリペンの後継機開発がスタートしたと見られていたが、サーブはスウェーデン国防装備庁と次世代戦闘機に関する契約を締結したと発表した。

出典:Saab Gripen E

サーブがスウェーデン国防装備庁から受注した2,500万ドルの契約は「次世代戦闘機に必要な能力開発に関するもので本格的開発の準備段階」と明かしているので、直ぐにグリペンの後継機開発が本格化する訳では無いが、スウェーデンはテンペスト調達ではなく「独自の次世代戦闘機」調達に向けて動いているのが鮮明になった格好だ。

因みにサーブはテンペストプログラムに参加するため英国に研究開発拠点を設けており、ここで吸収した結果を持ち帰りどのような次世代戦闘機(スウェーデンはグリペンの後継機について○世代という呼び方はしていない)を開発するのだろうか?

関連記事:グリペンの後継機開発へ、スウェーデンが次世代戦闘機の開発に着手

 

アイキャッチ画像の出典:Saab

お知らせ:記事化に追いつかない話題のTwitter(@grandfleet_info)発信を再開しました。

米国がHIMARS提供を正式発表、ドイツに続き英国もMLRS提供を表明前のページ

米空軍の次期戦闘機開発がEMD機開発段階に到達 IOC宣言は数年後次のページ

関連記事

  1. 欧州関連

    ウクライナ軍兵士、とっくの昔にドニエプル川左岸での主導権を失っている

    ニューヨーク・タイムズ紙とKyiv Independent紙はウクライ…

  2. 欧州関連

    イタリア外相、2ヶ月以内にウクライナでSAMP/Tの運用が始まると明かす

    フランスとイタリアはSAMP/Tのウクライナ移転で合意して迎撃弾Ast…

  3. 欧州関連

    ウクライナ議員、男性が個人的な理由で動員を拒否できる法案を提出

    ゼレンスキー大統領は動員に関連した不正を受けて「軍事委員の解任」を発表…

  4. 欧州関連

    フランス、攻撃型原潜ペルルのニコイチ修理が完了して母港へ向け出港したと発表

    フランス軍事省のグランジャン報道官は26日、火災で損傷したリュビ級原子…

  5. 欧州関連

    チェコ、資金を募って1万機のFPVドローンをウクライナに送る予定

    チェコのiROZHLASは18日「国内のNGOが1億チェコ・コルナを集…

  6. 欧州関連

    防衛装備品の調達を進めるポーランド、今度はMQ-9のリース契約締結を発表

    ポーランドは多連装ロケットシステム「天武」の調達に関する契約を19日に…

コメント

    • 成層圏
    • 2022年 6月 02日

    スウェーデンだったら単発のSTOL小型機になるんだろうな。
    日本も練習機兼攻撃機でそういうの欲しいね。テンペストプログラムからもらえないのかな?

    12
      • 幽霊
      • 2022年 6月 02日

      次世代戦闘機と新型練習機を同時開発する余力が日本にあるんでしょうか?

      7
        • 成層圏
        • 2022年 6月 02日

        同時開発できないから、もうらわけ。
        ちょっとだけ(カスタマイズ程度の)共同研究か、ノックダウン生産で。
        テンペストの方が後々いじりやすそうだしね。

        12
        • ネコ歩き
        • 2022年 6月 03日

        航空機メーカーオールジャパン体制下のF-X開発中にその余力や予算があるかは大いに疑問ですね。
        一方で、米空軍計画中のFTTのような低運用コストの戦術訓練機をF-2B代替として導入するのはあっても良いのかなと妄想したりします。
        一定レベル以上のステルス性を有し、スクランブルやアグレッサー任務に十分対応可能な性能があり、戦闘機定数外で比較的低コストに調達できれば尚良し、とか。

        1
      • 匿名
      • 2022年 6月 02日

      練習機兼用の小型攻撃機が対中国戦で役に立つんなら欲しいですね

      11
      • や、やめろー
      • 2022年 6月 02日

      テンペストプログラムに練習機があったかどうか。アメリカのt7じゃないかな。t4の後継は。f3は短距離陸できるようになるんだろうか。

      7
        • バーナーキング
        • 2022年 6月 03日

        「練習機」として導入できるなら日本に足りない「数」を補う手駒として価値はあると思うけどな。
        STOL性維持してれば有事の際に滑走路長足りない空港で運用できるのも利点だし。

        とはいえ練習機の実機枠には1機でも多くF-3をねじ込んで欲しいとも思うけど。

        1
      • 名無し三等兵
      • 2022年 6月 02日

      単発小型機路線を継承するのであればF-3と組み合わせる無人戦闘機の
      ベース機としても良いかもしれませんね。

      5
      • 匿名希望
      • 2022年 6月 02日

      NATOに参加するから大型になりそうってのはあったな

      • samo
      • 2022年 6月 02日

      もともとが大型機であるテンペストの規模縮小型なんだろうなって思いますね。
      そうなるかどうかはわからないけれど、単発、小型による低コスト化を目指すんじゃないかなと。

      現物がない中であれだけど、こう聞くだけなら、中小国にはかなり魅力的な戦闘機に見えそうな。
      海外輸出機としては、かなり本命になりえる可能性をもった戦闘機なのでは

      1
    • そら
    • 2022年 6月 02日

    スウェーデンはアメリカやロシアといった大国の戦闘機開発とは違うワクワクがあるな。
    おそらく小型の取り回しのいい機体になるとは思うが、しかし楽しみだ。

    17
    • 南極1号
    • 2022年 6月 02日

    「スウェーデンの国力では無理だ」に一票。
    グリペンの頃と時代が違うから、開発費もお高くなっていそう。

    4
      • 無無
      • 2022年 6月 02日

      実質OEMだろう
      サーブのラベルだけ張りつけたテンペスト
      名門の名前だけは残したいだろう

      2
        • 南極1号
        • 2022年 6月 02日

        サーブはボルボのように中国資本になるわけにはいかないので・・

        2
      • ネコ歩き
      • 2022年 6月 03日

      グリッペンの要素技術やコンポーネントを流用し独自のインテグレーションができる参加条件なわけで、第5世代以降戦闘機を独自開発する負担と比べれば遥かに安上がりで低リスクかと。

    • t.corwell
    • 2022年 6月 02日

    過去にフリューグシステーム2020という次世代ステルス機のコンセプトを大学と共同研究していたのでそれをベースにテンペスト計画から得られた技術を融合していく形になるのでしょうか
    リンク

    6
    • 58式素人
    • 2022年 6月 03日

    大いに期待できそうですね。
    素人の勝手な考えですが、前にも書きましたが、本邦有事が近づいた時に、
    英国経由で急速に入手できると良いなと思います。
    きっと、扱い易く、運用経費の低い、良いものと思います。
    必要な技術を入手するために英国に近づいたと思いますが、
    本邦も有用な技術を提供できるのではないでしょうか。主に素材技術などで。
    英国経由で関係を深めておいた方が良いかと想像します。

    1
  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. 欧州関連

    BAYKAR、TB2に搭載可能なジェットエンジン駆動の徘徊型弾薬を発表
  2. 米国関連

    米陸軍の2023年調達コスト、AMPVは1,080万ドル、MPFは1,250万ド…
  3. 中国関連

    中国、量産中の052DL型駆逐艦が進水間近、055型駆逐艦7番艦が初期作戦能力を…
  4. 欧州関連

    トルコのBAYKAR、KızılelmaとAkinciによる編隊飛行を飛行を披露…
  5. 日本関連

    防衛装備庁、日英が共同で進めていた新型空対空ミサイルの研究終了を発表
PAGE TOP