スウェーデンは2031年までに次世代戦闘機の調達方針を決定する見込みで、SAABは14日「次世代戦闘機の概念研究継続に関する契約を受注した」と発表、この契約には次世代戦闘機に提案されている技術の検証機開発と初飛行が含まれており、検証機の初飛行は2027年を予定している。
参考:Saab receives order from FMV for continued future fighter concept studies
参考:Saab Expands Future Combat Aircraft Development Studies
スウェーデンが次世代戦闘機の開発にどのような決断を下すのか注目される
スウェーデンと英国は2019年7月「両国の要求を満たす新しい概念の開発と戦闘機に関する共同研究を行うことで合意した」と発表したため「スウェーデンがテンペスト・プログラムに参加した」と大きく報じられたものの、実際には「SAABが独自にBAEと協力を行うという範囲での関与」に留まり、英伊日で構成された次世代戦闘機を開発するための枠組み=GCAPへの参加も見送った。

出典:BAE Systems
日本とスウェーデンが締結した防衛装備品・技術移転協定にはGCAP協力に関する内容が含まれていたため「最終的にスウェーデンがGCAPに合流するのでは?」という噂も流れたが、パリ航空ショーに参加したスウェーデン国防装備庁のラース・ヘルムリッヒ氏は「我々が次世代機を必要する時期は他国と異なる」「いち早く次世代機計画に着手したのはより良い状態で決定を下すためだ」と、ウィクマン空軍司令官も「我々が第6世代機について協力している意図は他国と異なる」「現時点での取り組みは『調達プログラム』ではなく『事実確認プログラム』だ」と言及。
スウェーデン関係者はマドリード会議でも「我々は1年前に英国やイタリアとの協力から手を引いた」「我々の調達方針が決まるのは2031年だ」「現在の選択肢は『独自開発』『共同開発』『完成品を購入』の3つだが何も決まっていない」「方針決定に必要な情報を提供するため次世代機のコンセプトを2023年から2025年までに、関連技術を2026年から2030年までに開発し、この中で運用分析、システムコンセプト、デモンストレーターなどに取り組み、デモンストレーターの開発計画は2026年開始を予定している」と説明し、調達方針を決めるための研究・開発を開始する予告。

出典:Saab
SAABも2024年3月「スウェーデン軍国防資材局から次世代戦闘機の概念研究を受注した」「これはシステム・オブ・システムの観点に立った有人及び無人ソリューションの概念研究、技術開発、実証実験が含まれ、SAABは軍、各研究機関、産業界のパートナーと緊密に協力していく」「我々はグリペンEとGlobalEyeを開発したため、次世代戦闘機システムのコンセプトを前進させる高度な技術とエンジニアリングのノウハウを持っている」と発表したが、仏独西の将来戦闘航空システム(Future Combat Air System=FCAS)が崩壊の危機に直面し、ドイツは特にスウェーデンの動向に注目している。
独ディフェンスメディアのhartpunktは今月11日「FCASプログラムが終焉に近づいている兆候が強まっている」「メルツ首相やAirbusはこれ以上の譲歩には応じられないと示唆している」「フランスの過剰要求に備えてプランBを策定して置くことが重要だ」と報じ、ドイツと防衛分野の協力が緊密になっているスウェーデンとの組み合わせに言及した。

出典:Saab
SAABはF123フリゲート艦のアップグレードに参加し、ドイツはタイフーン向け自己防御システムとしてSAABのArexisを選択、ピストリウス国防相も最近「ドイツはAWACSの取得を検討中でGlobalEyeは選択肢の1つだ」「控えめに言ってもGlobalEyeは最有力候補だ」と述べており、ドイツ空軍が計画している次世代戦闘機への移行時期も2040年代なので、スウェーデンの調達方針が決まる2031年まで待とおと思えば待てなくもない。
ドイツから熱い視線が注がれるスウェーデンのSAABは14日「次世代戦闘機の概念研究継続に関する契約を受注した」と発表し、この契約には次世代戦闘機に提案されている技術の検証機=デモンストレーターの開発作業と2027年の初飛行が含まれ、Aviation Weekも「スウェーデンは2030年に次世代戦闘機の開発を進めるべきかどうかを決定する」「SAABでの研究結果は戦闘機開発能力の維持し、2040年以降を見据えてグリペンに代わる次世代戦闘機を開発すべきかどうかを判断する上で役立つ」と報じている。

出典:Saab
現在の次世代戦闘機はビゲンやグリペンを開発した時代と異なり、有人戦闘機、これに随伴する無人戦闘機、ネットワークシステム、AI制御による自律性、情報の処理・統合能力など開発要素が多く、システム全体の開発費用も単独で負担するのは困難で、グリペンも商業的に成功したとは言いにくいため、スウェーデンが次世代戦闘機の開発にどのような決断を下すのか注目される。
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※アイキャッチ画像の出典:SAAB





















一番ありそうなのは、有人機は自力でCCAは他国から導入、でしょうか
グリペンの頃から機体開発のハードルは凄く上がってますけど
ドイツの片思いが凄いけど、肝心のスウェーデンはどう思っているのかが全然わからないですね…
お金はちゃんと払ってくれそうだから開発能力を残すにはドイツと組むのはいいと思う
上手くいったら今後もドイツスウェーデンでかっちり決まりそうだし
お金以上に口を出すのは間違いないだろうから上手くいく未来が全く想像できない
スウェーデンがダンマリなのも関わるなと内心思ってるんじゃないかね?
スウェーデンの方針を完全に無視しているドイツメディアの一方的なラブコール
傲慢というか立場をわきまえていないというか、どこと組んでも揉める未来しか見えない
それはいいとしてスウェーデン空軍の規模だと第6世代機単独開発はコストが見合わない
ネットワーク・随伴無人機・センサー類まで含めるとどう考えてもイギリスというかBAEとの協力が前提な気がするけど、GCAPの片手間で余力があるかどうか
スウェーデンが方針決めるのが2031年ですがらGCAPは順調ならどんなに遅くとも試作機の初飛行は済んでるはずなので一山超えてはいるでしょうしおそらく求められるのはSaabメインで開発する「支援」とGCAPの開発成果(エンジンとかセンサー)の転用くらいでしょうから十分可能なんじゃないでしょうか。
逆にその時点で余裕がない(=GCAPの方が初飛行まで行ってないとか飛びはしたけど大問題抱えてるとか)なら支援先も他を当たるでしょう。
スウェーデンや他のスカンジナビア諸国の伝統的なドクトリンを考えると、CCAと地上システムだけで有人戦闘機のハブを持たない自立型の無人迎撃戦闘システムみたいなものが出てくる可能性もあるのかなと思ったり。第六世代機体はコンセプト段階で既に大型化が既定路線ですし、西欧の国が単独で作れないと言っているのに伍するものをスウェーデン単独ないし北ヨーロッパの地域パートナーとで作れる訳はないと思います。攻勢作戦や大規模な洋上航空戦を考慮に入れないなら無人機は地上から制御すればいい訳ですからね。
NATO加盟した関係で有人機もいるけど、そっちは輸入かね?
グリペンEは2060年まで運用する前提で新規調達も行われていますし、おそらく今回検証される技術を用いた近代化改修も行われるでしょう。
他のNATO国で最近導入/発注/改修されてるラファールやユーロファイター、F-16V辺りだって少なくとも2050年辺りまでは運用されるはずですので別に問題はないかと。
スウェーデンとしては他国の第6世代概念を検証してから進みたい、と考えていると思われますが2027年に検証機を初飛行、というスケジュールは随分早いように見えます。
検証機は必要な概念を検証するにとどまり、実際の生産機は検証結果をもとに新規設計かもしれないですね。
スウェーデン、エンジンをどこから調達するんでしょうね。
最新でない既存エンジン、F414やEJ200、M-88やF100やF110辺りならスウェーデンなら問題なく調達できるかと。
それ以上のF135やXA10xとかが欲しいとなるとハードルが上がりますが、テンペストからは抜けても日英に根回しはしてる訳でGCAP用のエンジンは視野に入っているでしょう。
独MTUやRR(DE)がEJ260相当品(またはそれ以上)を完成させる、あるいはGKNと共同開発する、というのが可能ならドイツにとっては数少ないアピールポイントになるかもしれません(可能ならね
saabの新型はいつも楽しみ
何だかんだ痒いところに手が届く機体が出来そう
再来年には実証機飛ばすって、かなり早いペースだな。GCAPとほぼ同時くらいじゃないか?
GCAPからは完全に縁がなくなってたんだ
たしかGCAPスタート後なのにテンペスト計画に参加みたいな話で「ん?」となった記憶はあるが
27年に実証機飛ばすのに、今更ドイツと交渉するのもおかしいし、事実上のドイツと組まない宣言とみなして良いのでは?
日本が実証機飛ばして、英米に共同開発持ちかけたように、瑞も実証機飛ばしたら、英米仏何れかとの交渉に入ると思うし、もうドイツの出る幕はないんじゃ?
ドイツは一旦有人機への野心は捨てて、無人機分野に注力した方が良いんじゃないか?ただでさえ米国の勢いに押されてるんだし…
次世代戦闘機に提案されている技術の検証機は「次世代戦闘機のプロトタイプ」ではなく「次世代戦闘機に提案されている技術の検証機」なので、戦闘機の形状である必要性もなく、グリペンやビジネスジェットに提案されている技術を搭載して検証するかもしれません。
そして現在の取り組みは次世代戦闘機の調達プログラムではなく事実確認プログラム、実証機ではなく検証機なので、スウェーデンの次期戦闘機については何も決まっていないというのが現在位置です。
イタリアみたいに採用しないけど、設計には日英と対等に関わるし、情報も持っていくとか、スウェーデンみたいに設計に参加しないが、情報だけは貰うとかも歓迎しているのがユーロファイター→テンペスト→GCAPの大きな進歩だと思う。イギリス航空業界もいろいろ苦労してるんだなと。
スウェーデンは第六世代機の必要技術がほぼ確立された頃に参入することで、開発リスクとコストを低減させるつもりなのかと思うのですが、先行開発国のなかで一番リスクの高いドイツと組むメリットってあまり無いんじゃなかろうか
第六世代、ウィングマン的無人機との協調や、無人機による機能拡張とかになるので第六世代に要求される物を全部載せする必要がないかと。
戦闘機を含めたシステムとしての開発だから、日英の開発したものに相乗りとか一部採用でも良いかも知れない。
ウィングマン的高級無人機の開発で有人、無人の両用化とかも有るかも。
グリペンの5.5世代化と第六世代の周辺機器的な。
小国だと第六世代のエコシステム丸ごとは厳しいだろうし