セルビア大統領府は今年4月「フランス訪問中のブチッチ大統領がダッソーと協議してラファール購入で合意した」と発表していたが、ブチッチ大統領とマクロン大統領が今月29日に契約(総額27億ユーロ)に署名、セルビアは2029年までにラファール12機を受け取る予定だ。
参考:Serbia, France ink deal for 12 Rafale fighters
第4世代機に対する需要はF-35Aに押されているものの完全に無くなった訳では無い
クロアチアのプレンコビッチ首相は2021年5月「(ラファール導入を決めたことで)我が国に対する如何なる野心も退けることが可能になった」と発言、これに反応したセルビアのブチッチ大統領は「自分たちが強くなったと連中は錯覚しているが、もうすぐセルビアに何が到着するのかを知らない。我々は彼らが発表したものよりずっと早く手に入れるだろう」と述べ、テファノヴィッチ国防相も2021年12月「ラファール導入を大統領に提案した」と明かしていた。
Je garde un souvenir ému de ma visite il y a cinq ans en Serbie. Dans un monde où tout est en bascule, il est bon d’avoir des amis solides et des constances historiques. Nous les partageons. Bonheur sincère de revenir. https://t.co/AFGwdLMRm8
— Emmanuel Macron (@EmmanuelMacron) August 29, 2024
セルビア大統領府は今年4月「フランス訪問中のブチッチ大統領がダッソーと協議してラファール購入(恐らく12機)で合意した」「2ヶ月以内にマクロン大統領の立会のもとで契約に署名する」と発表、この決定は旧ソ連製のMiG-21やMiG-29から西側製戦闘機への移行を意味し、ロシアが提案していたSu-30SMを退けた格好とも言える。
セルビアとフランスは「2ヶ月以内」という予定を守ることが出来なかったものの、今月29日にブチッチ大統領とマクロン大統領が契約(総額27億ユーロ)に署名し、セルビアは2029年までに単座9機と複座3機を受け取る予定らしい。
Breaking Defenseは「第4世代機に対する戦闘機市場の厳しさは増すばかりだが、今回の契約は厳しい市場環境に対する勝利を意味する」と報じており、ラファール導入(フランス、クロアチア、エジプト、ギリシャ、インド、インドネシア、カタール、アラブ首長国連邦)にセルビアが加わったことで運用国は9ヶ国に拡大する。
因みにイスラエルはF-15EXのイスラエルバージョン=F-15IAを50機、恐らくF-15EXに準じたF-15I向けのアップグレードキットも25機分購入する見込みで、第4世代機に対する需要はF-35Aに押されているものの完全に無くなった訳では無い。
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※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air Force photo by Staff Sgt. Alexander Cook
セルビアもロシアから離れた。とか言われそうだけど、単純に今のロシアじゃ納期を守れないとか部品供給も滞るのが目に見えるからでしょう。
ラファールが到着したら旧型のミグとかをウクライナに供与する。とか言ったらセルビアも西側に参加したと言えますが。
さすがロシアから死の商人世界ランキングナンバー2の座を奪い取ったフランスというところでしょうか。
本当ならチェックメイトなんかを買っていた可能性もあったんでしょうね。
セルビア、NATO(フランス含む)による空爆=NATOのコソボ進駐もありましたが、時間が経ったということなのでしょうか。
セルビア=フランスともに、強かに立ち回っているということなのでしょうね。
ラファールはともかくF-15が未だ売れ続けてるってのが凄いとしか言いようがありません。
この調子だと10年後も生産されてたりして。
10年後もボーイング救済のためにアメリカが買ってそう。
東アジアなんかのステルス機が最低条件みたいな魔境じゃなきゃ、デカくてエンジンが強い戦闘機はまだまだ現役だろうね
Fー15はなんだかんだと戦闘機界のBー52になりそうな。
米軍向けのイーグルⅡは何やらトラブっていますが、今年のどこぞの兵器ショーでボーイングが持ち込んだF-15QA辺りは4.5世代機としては充実したウエポンキャリアーですし。
セルビアに10年以上住んでいたのですが、市民レベルでの反NATO感情は根強いものの、政府レベルでは既に2006年からNATOのPfPに加わっていますし、実際にNATOやNATO加盟国との共同演習も大小合わせて150回以上行っており、回数で言えばロシア軍との演習よりも多いんですよね。
プラチナ・ウルフ演習という、セルビア国内で米軍と共同開催する演習を毎年やってたりします。
国内の反NATO感情を考慮してセルビア政府はそのことを全く宣伝しませんし、一方でロシアやベラルーシとの共同演習は国営メディアが大々的に報じているので、印象としては圧倒的にロシアとの関係が強いように思われていますが、軍人同士の関係で言えば、一般にイメージされているほどロシア一辺倒というわけでもないと思います。
とはいえ、歴代セルビア政権は常に「軍事的中立」を掲げているので、セルビアのNATO加盟というのは、少なくとも当面の間はあり得ない話だと思いますが。
生の声はありがたいです。バルカンの国々は民政で食い違いが見られる国が少なくないですね。
細やかな情報ありがとうございます、勉強になります。
記事内容と関係ないコメントを投稿します。すみません。
「だいぶ溜まってんじゃんアゼルバイジャンWiki」という、コーカサス情勢を中心にした国際情勢についてまとめるWiki(最近はウクライナ情勢がメインになっている)において、このサイトが信頼性の低い情報源扱いされており、納得いかないのでこのサイトの中立公正さを伝え訂正に協力してくれる方を募集します。
そんなの放っておけばいいじゃん
そんなことしなくていいから(良心)
4.5世代機の中では一番人気かなラファール
やっぱおフランス様が結構ホイホイ売ってくれるのがデカいよね
管理人さん本人が「管理人が興味をそそられる話題優先の趣味運営」と明言してるのに、勝手に中立公正を押し付けるのはやめた方がよろしいかと。
フランスはオプションでロシア側のミサイルも使えたんでしたっけ?
タイはF-35購入を断られて、グリペン購入を決定したそうです。
身の丈には合っているとは思いますが…。
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