ポーランドは巡航ミサイルによる対地攻撃能力を備えた潜水艦を3隻調達する予定で、この入札にはフランス、ドイツ、イタリア、スペイン、スウェーデン、韓国が8つの設計案を提案しており、カミシュ国防相は24日「数十時間以内に潜水艦を調達する国を発表する」と述べた。
参考:Szef MON: za kilkadziesiąt godzin decyzja ws. Orki
参考:Sądne dni dla Orki. Kto dostarczy polskie okręty podwodne?
Defence24の説明は「この設計案が有力だ」とは述べておらず「どれも一長一短だ」といった感じ
ポーランドの潜水艦調達=新オルカプロジェクトには「AIP機関による長距離作戦能力」「巡航ミサイルによる対地攻撃能力」「潜水艦の維持やサポートに不可欠な技術移転」などが要求され、ポーランドメディア=Rzeczpospolitaは2月「入札者との交渉は最終局面に差し掛かっている」「この交渉に残っているのはNaval Group、Navantia、現代重工、Hanwha Ocean、TKMS、SAAB、Fincantieriだ」「各提案に対する主な評価基準は潜水艦の性能、納期、プログラムに対する資金調達の方法などだ」「調達局はTKMS、SAAB、Fincantieriの提案に最も高い評価を与えた」と報じていた。

出典:TKMS
コシニャク・カミシュ副首相兼国防相も6月「年末までに海軍向けの新型潜水艦を3隻~4隻発注する予定だ」と表明、ポーランド国防省もDefense Newsの取材に「我々からの受注を獲得するため多くの国が競争しているが、調達局はドイツ、スウェーデン、イタリアの提案に最も高い評価を与えた。但し、政府レベルの協議が継続しているため他の提案が選択肢から消えた訳では無い。政府の決定を待って調達局は新型潜水艦取得に関する措置を講じる予定だ」と説明し、この結果を受けて現代重工とHanwha Oceanはポーランドへの提案を1本化することで合意。
Hanwha Oceanはワルシャワで記者会見を開き「新オルカプロジェクトへの新たな提案」を発表、この提案は「潜水艦導入の資金調達に関する包括的な国家主導の融資パッケージ(韓国政府が支援する金融支援と商業銀行からの融資を組み合わせたEUから独立した競争力のある資金調達モデル)」「潜水艦の維持やサポートに不可欠な3,000以上の技術移転」「海事産業発展に投資する1億ドルの基金設立」「OPV、USV、UUV、ミサイル艇の共同開発」などで構成され「この提案はポーランドに柔軟性、予測可能性、自国の海事能力開発における完全な主導権を提供するものだ」と説明している。

出典:Hanwha Aerospace Europe
もう各社の最終売り込みは終わっており、トゥスク政権は10月「2025年末までに海外パートナーの中から潜水艦供給企業を選択する決義」を採択し、トゥスク首相も「我々は沢山の潜水艦の中から選択でき、この計画への投資規模を考慮すれば契約は政府間レベルで締結され、潜水艦供給国とのより高度な政治的連携が期待できる」と述べていたが、カミシュ国防相は24日「新しい潜水艦調達に関する決定は軍が30年間待ち望んでいた計画の始まりだ」「数十時間以内に潜水艦を調達する国を発表する」「全ての大臣に関連文書を送付済みで今週中に決定が下される」と発表した。
ポーランドのディフェンスメディア=Defence24も「水曜日の閣議で潜水艦の調達国が決定され、金曜日に行われる海軍記念日の式典で調達国が発表される見込みだ」「ポーランドには6ヶ国7造船所から8種類(A26、KSS-III Batch2/HDS-2300/HDS-3300、S-80、Scorpene Evolved、212CD、U212NFS)の設計案が提案されている」と報じ、各設計案については以下のように説明している。

出典:Saab
“A26は建造遅延で実物がなく、対艦ミサイルや巡航ミサイルを統合する計画も情報がない。KSS-III Batch2は紛れなく最高の通常動力型潜水艦だがサイズが大きいのでバルト海よりも北海やバレンツ海での作戦に適している。輸出用に設計されたHDS-2300は買い手が見つかっておらず、HDS-3300は実質的に垂直発射装置を取り除いたKSS-III Batch1だ。S-80は非大気依存推進モジュールを搭載した実物がない”
“Scorpene Evolvedはリチウムイオン蓄電池を採用したScorpeneシリーズの最新バージョンで、採用国の多さをアピールしているものの欧州には採用国がなく、ポーランドと関係が深い採用国もいない。212CDは212Aに類似した点が多いものの基本的には全くの別設計だ。さらに船体サイズが拡張されているため212CDは212Aほどバルト海や浅海での作戦に適していない。U212NFSは提案された中で最もサイズが小さく、ベースの212Aはバルト海での運用を想定していたが、この設計の欠点は対艦ミサイルや巡航ミサイルが統合されていない点だ”

出典:Naval Group Scorpene Evolved
Defence24の説明は「この設計案が有力だ」とは述べておらず「どれも一長一短だ」といった感じで、誰が勝利するのか予想が難しいものの「最初の評価」が現在も維持されているなら212CD、A26、U212NFSの中から選ばれる可能性が高いものの、どれも実物がないため決定打がない。
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※アイキャッチ画像の出典:Fincantieri





















デカい船には文句言って、コンパクトな船にはVLSやらAIPが無いとか好き放題のワガママにしか思えない。
バルト海を主作戦海域とするのか、北海やバレンツ海にするのか、ポーランド海軍自体の意思統一はどうなっているんでしょうか。
水深が浅く、潜水艦の活動できる範囲が狭いバルト海では、大きな船体は被探知性の観点からも、機動性の観点からも極めて不利です。作戦期間を短く設定し、乗員の居住性や真水・食料など生活必需品向けのスペースを切り詰めても多寡が知れており、要求されている複数種類の武器の搭載は、出来たとしてもまともな打撃力の確保は困難でしょう。
ポーランド沿岸に留まって、報復兵器として使用するのであればある程度の大型の船体もあるでしょうが、ただそれだけのために高価な潜水艦を建造・維持するのは無駄でしょう。
要は、どのような戦略に基づき、潜水艦の役割をどのように位置付けるのかでしょう。ポーランド海軍には、現状では外洋での作戦能力は不足しているし、1〜2隻の通常潜水艦が外洋で活動することに戦略的価値があるとも思えません。むしろ、特殊部隊などの潜入のプラットフォームとしての使用や、バルト海におけるロシア海軍艦艇の行動を制約することのほうに価値がある様に思いますけどね。
完全無人潜水艦が難しいなら、30人くらいで運用する自動化を突き詰めた潜水艦とかできないのかなあ。
意思決定要員と、どうしても人手の必要な作業員だけ載せるとか。
大型タンカーなんか乗員30人以下ですし、ノストロモ号とか巨大宇宙船も6名+1人造人間+1エイリアンくらいだった。
トルコのレイス級潜水艦とかどうですか?
潜水艦は、水中にいるのでダメコン要員を削減できないでしょうから、省力化はどこまで可能なのか。
水上艦もだけど非装甲の現代艦に人力のダメコンって必要?
兵器の攻撃力が上がり過ぎて喰らったら基本試合終了なんだから、避難しやすい設備だけ備えてれば良くない?
潜水艦の場合は味方のDSRVが到着するまではなんとか気密を維持する必要がありそうだけど事故ならともかく戦時に助かるのかな。
この候補に乗員30人くらいの艦が幾つも挙がってるだろ
A26、S-80は、なるほど30人程度になっていましたね。
既存艦は少なくともせいぜい50人くらいだろうという思い込みをしていました。
我が国の潜水艦は、乗員が今の水準だと相当多いのだな。
甲標的が二人乗りなんだから、色々割り切ればきっと行ける。
作戦行動半径は1~2日、ダメコンや居住環境への配慮は無し、艇長・操舵員・水測員だけ乗せて頑張らせるのだ。
陸軍国の潜水部隊事情……
マニアック過ぎてもう面白い
「ポーランドにおける海軍の歴史」とかいうテーマは面白そうだと思った
ポーランドって基本陸軍国家のイメージが強すぎて海軍の運用とかはどうなってるのか考えた事無かったですね。
ポーランドが求める様な潜水艦ってどんな感じなんですかね?
以前の記事で
必須要件はAIP機関の搭載、高度な自動化機能、特殊部隊の収用スペース、魚雷、対艦ミサイル、対地ミサイル、ハードキルとソフトキルで構成された対魚雷防衛システム、対空ミサイルと水中発射式無人航空機の運用能力」「リチウムイオン電池の採用も重視している」
とてんこ盛り
すまんギリシア潜水艦やった。
ポーランドは
ギリシアよりましな要件やね
ポーランドって、未だに、機甲師団に騎兵突撃するイメージが消えないのはゲーム脳。
>ポーランドが求める様な潜水艦
なんか無い物ねだりを見てると「イ401」(伊401ではない)みたいなの夢想していそう。
メ、メンタルモデルは、誰ですか?
(大変に見てみたい。)
ソ連潜水艦、ジュリエット型のコード名で呼ばれるプロジェクト651巡航ミサイル潜水艦K-68
なんとなく、これ欲しがっていそう。小型核動力プラント方式AIPの試作らしい‥1965年就役、1985年に小型核動力プラント方式AIPの取り付けを行い‥小型核動力プラント方式のAIP潜水艦は、本艦のみらしい。
>フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、スウェーデン、韓国
この面子で造船業世界シェア2位の韓国選ばない理由ってあるの?
この面子では、潜水艦製造は最も後発なので実績が十分でないとか、でしょうか。
相手が求める船を作れるかどうか(技術の問題ではなく、相手の受け取り方の問題)
船の性能以外のファクター
地政学、政治的つながり、人種論etc
あと、造船のシャアが高い=潜水艦の建造能力が高い にはならないからなぁ
それいったら、造船のシェア低いけど、大型原潜作ってる国は何なの?って話になるし
誤字大すぎて泣ける
1位が圧倒的すぎて2位以下がどんぐりの背比べなんですが
コンテナ船やバラ積み船の世界シェアは潜水艦建造の技術力とは全く関係がないので的外れ
韓国は、ドイツで建造された209型(1285t)が1993年に就役してから、28年かけて2021年に3800tの島山安昌浩が就役しています。この28年もかけて建造技術の蓄積を進めてきたわけで、これも基盤となる造船能力があればでしょう。造船能力が低い・無い国が潜水艦を作れるとは思えないので、あながちまったく関係ないとは言い切れないのでは。
>韓国政府が支援する金融支援と商業銀行からの融資を組み合わせた
これ、大丈夫かなぁ?
今の韓国…おそらく輸出入銀行のことだろうけど、商業銀行にもそんなに巨額の(外貨)融資をする余力がどこまであるのか
ウォン建て? それとも来年度以降の話だからまた別ってことなのかな?
まさか、「決まってから考える」の類とか…?
小型かつ各種ミサイル搭載を考えるなら、それこそ無人潜とかを検討に入れたほうが良いのでは?オーストラリア曰く短期間で出来るらしいし、後日無人潜との共同能力を取得することを前提に小型潜水艦を購入するとか
ポーランドは有人潜水艦いるのけ?
バルト海なんて狭い海域ならUUVで十分では?
ポーランドにダンツィヒ以外に海に面したとこ有りましたっけ。
海軍自体要らないのでは?
韓国さんが、ポーランドに向けて、今年退役する209型チャン・ポゴを譲渡、なんてニュースが飛び込んできました。
そんなロートルで大丈夫か?
というか、そこまでして受注取りに行きたいのか。