ドイツのメルツ首相は「このままではFCAS計画を続けられない」と主張して「ワークシェア比率を守れ」と要求、これまで沈黙を保ってきたスペインも「計画に33%出資するのであれば33%の利益を受け取らなければならない」と述べため両国の立場は一致している格好だ。
フランス政府は「Dassaultを支持して計画を中止するか」「Dassaultに決断を促して枠組みを維持するか」を決断すべき
仏Dassaultは将来戦闘航空システム(Future Combat Air System=FCAS)の有人戦闘機部分について「ワークシェア配分の3ヶ国合意」を無視して出資比率を超える主導権を要求、これに対してドイツとスペインは合意を守って出資比率に応じたワークシェア配分を守るよう要求しており、ドイツのメルツ首相もスペインのサンチェス首相と会談後「このままではフランスと共同でFCASプログラムを続けることはできない」と指摘。

出典:AIRBUS
独ディフェンスメディアのhartpunktは「ここ数週間、FCASプログラムが終焉に近づいている兆候が強まっている」「長年の確執を経て『Dassaultに対するこれ以上の譲歩には応じられない』とメルツ首相やAirbusは示唆している」「この問題に関する政治的解決策は年末までに見つける予定だったが、10月に予定されていた3ヶ国国防相会合は政治的混乱に直面しているフランスの都合で中止されてしまった」と指摘し、FCAS中止に備えたプランBの必要性を勧告。
仏メディアはFCASの危機的状況について立場は様々だが、それでも「自社機密を競合企業と共有したくないDassaultの言い分は理解できるものの、合意されたルールを破ればドイツやスペインが怒るのは当たり前で、単独で次世代戦闘機を開発すると言っても開発費用を誰が負担するのか」という論調は共通しており、これまで沈黙を保ってきたスペイン=Indraのデ・ロス・モソス最高経営責任者も3日「Indraと国防省はFCASに対する立場について完全に一致している」「計画に33%出資するのであれば33%の利益を受け取らなければならない」と述べたため、ドイツとスペインの立場は一致している格好だ。
🗣️José Vicente de los Mozos, CEO of @IndraCompany takes the floor and thanks @jmalbares for his introduction
🗣️”Its my honor to adress such a distinguished audience”
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— New Economy Forum (@NewEconomyForum) November 6, 2025
仏メディアのLe Mondeは「FCASは仏独協力を象徴した政治主導の計画に過ぎなかった。隣国は機密を守るため主導権を要求するDassaultを傲慢だと非難するが、この主張は技術的に正しく、ラファールの継続的な改良で積み重ねてきた技術を土台に単独開発を主張するのも理解できるが、その費用を一体誰が負担するのか?フランス単独で開発費用を負担すれば他の支出が犠牲になるのは目に見えている。この不運のプロジェクトはもっと早くに中止するか、防衛分野のトップリーダーに決断を迫るべきだった」と述べており、Dassaultの不満はドイツやスペインではなく自国政府に向けるべきものなのだろう。
フランスとドイツは「それぞれFCAS開発と次期戦車開発の主導権をもつ」という条件で合意していたものの、この主導権とは開発方針や枠組み全体を主導する立場のことで「重要技術の開発を独占してもよい」という意味ではなく、その証拠に次期戦車開発では同様の問題が観測されていない。

出典:Dassault Aviation
そのため対立の震源地は政治的合意を無視しようとするDassault側にあり、フランス政府は「Dassaultを支持して計画を中止するか」「Dassaultに決断を促して枠組みを維持するか」を決断すべきだろう。
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※アイキャッチ画像の出典:Dassault Aviation





















そもそも自己中の権化の独仏が共同開発しようとすること自体に無理がある。
貴重な時間とこれ以上独仏の遺恨が拡大しない内に別れるべき。
フランスと独+スペインはそれぞれ独自開発したらいい。
間違っても独仏は日英伊に接近しないで欲しい。
震源地はDassaultといってもここまで彼等が暴れられるのはフランス政府の内諾なり意を受けてでしょ。
じゃないと1企業が政府の国際的な取り決めに公然と反旗を翻すことになるから、逆にフランス政府の軍事産業へのグリップのなさを露呈することになる。
多分、過去数年で思っていた以上にラファールがたくさん売れて、インド向けに100機以上追加で売れる可能性があるで(加えてギリシャや台湾が購入する可能性があるらしい)、それで単独での開発費の目処がたってしまっているのでは。
ついでに、売り先も。
一企業が3カ国合意を破壊する風景には驚きですが、それを掣肘出来ないフランス政府にも唖然とします。
このままだとDassaultがFCASから脱走しちゃいますね。
フランス政府はユーロファイターの頃から同様のスタンスですよ、むしろ清々しいまでに一貫してるとまで言えます。
結局は自国産業を優先するんじゃないかな。
とはいえ、開発費用がね〜、フランスだけで作れるなんてエ、フカスなよ。
FCASが崩壊すれば、政府の責任問題に発展しかねないので、仏政府としては協力範囲を縮小してでも計画を続けたいのではないでしょうか。フランスは現ルコルニュ政権がいつ崩壊してもおかしくない状況なのでDassaultの暴発は政権崩壊、下院総選挙と2027年の大統領選での争点化を狙った政治的発言なのではないかと。
本邦は前政権の時に首相が口出しかけたんで三国協力を堅守したGCAP担当はよくやったと思うよ…
あらゆる分野で自分は詳しいと思ってる中途半端なオタクが一番の害悪だと思ってます。
それはそう
でもわざわざ言いに来るのはオタクの良くないところですかね
フランス政府の機能不全でダッソーを静止できなくなったのが原因だろうし、独西側単独で実証機は作れない現実は変わらない。ダッソーが仏政府の介入なしに計画に帰ってくるとしたら、自分達単独での開発が無理な場合だけ。逆に可能そうならマクロン政権を転覆してでも我を通すんじゃないか?
結局独西はフランス政府の機能回復を待つほかないんじゃないかな。
そもそもFCASは有人機+無人機の統合システムなんだから、独西側としてももう少し上手くやる方法はあるだろうに。
フランスは、ラファールの能力を拡張するといううたい文句で専用無人機を作ってる(計画中)から、先行者としてFCASで主導権を握りたいと思う気持ちもわかっちゃたり(そしてドイツやスペインが危機感を持つのも)
2024.10.13「Rafaleと無人機の組み合わせ、スペインはフランスの動きに警戒感」航空万能論GF
>証拠に次期戦車開発では同様の問題が観測されていない
そもそも戦車と航空機では土俵が違うのでは?両国とも主力戦車を作っており売れ筋で変化が早いのはドイツのレオ2だし、フランスのルクレールがレオ2に対して突出して優れていると言える物は無いと個人的には思う。そこにフランスが傲慢になるような余地は無い。
それに10年も前に独仏企業が合併したKNDSが欧州主力戦車を作るのだから同じ企業内で尚更そんな問題は発生し難いでしょう。
正直これに関しては自分はドイツ側もめちゃくちゃやってると思うんだよな…
技術流出の話は一旦置いておいて、もともと初期段階の合意は戦車をドイツが、戦闘機をフランスが主導で開発を行うって話だったのが
それをフランス:ドイツで50:50まで押し戻されて
さらにフランス:ドイツ:スペインで33:33:33までゴールラインをずらされてきた経緯があるから
後半部分だけを切り取ってダッソーを一方的に震源地扱いするのもどうかとは思う
ワークシェア配分でゴールラインをずらされたときから始まってるでしょこの話
概ね同意なんだけど、仏&ダッソーにも50:50、33:33:33を少なくとも一度受け入れたという非はあると思うんですよね。
主導権をがっちり握りたいなら戦車とバーターの口約束なんかより5%でいいから出資比率を増やしておく方が圧倒的に説得力があるかと。
フランス政府の機能不全と同時に湧き出したのを見るに、フランス政府がダッソーと独西政府の調整を怠ったが原因ではないかと。
今回のトリガーの一つはそれでしょうが問題の根本はそこじゃないでしょう。
調整以前にダッソーと独西の描く絵図面の乖離が大き過ぎるのが問題でその主要因は「仏・ダッソー主導なのに資金比率は対等」でしょう。
ユーロファイターの輸出問題とかで度々輪を乱してたドイツが言っても説得力がなぁw
共同開発あるある。二人三脚より一人で走る方が絶対に速い
GCAPのドイツとスペインへの販売について、日英伊で合意できる条件を詰めておいた方がいいかもしれませんね。
販売できれば利益が大きいのは確かですから、オフセット要求や現地生産要求について妥協できる範囲を先取りして話し合っておかないと、英国がドイツと勝手な合意を形成して既成事実化してしまうかもしれませんから。
さすがに、日伊と相談無しに英だけで独との合意は無いと思います
やる場合英国/伊の現地製造委託分だけだろうしな
数千機生産されてドイツで400機分の胴体生産しようか、ってF-35と違って、
日英で200機、どんなに売れても数百機のGCAPの生産工場を英伊に加えてドイツに作ってもペイしないんじゃないかなぁ。
ユーロファイターでは共同開発国として技術的にも経済的にも美味しいところを担当できただろうけどGCAPの顧客ではそれも望み薄だし。
独がGCAPを欧州標準機として猛セールス掛けて仏のラファール後継機を蹴散らして1000機以上売り上げれば話は変わってくるかもしらんけど、それでもようやくペイするかどうかというレベルでは。
現実的なところで
ドイツとスペイン分の約250手に入れば御の字でしょうね。>ドイツが製造する場合
製造分担比率が50%ぐらいあればギリギリペイするんじゃあないですかね?
スペインが自国導入分のオフセットを全部ドイツにぶん投げる計算になってませんか、それ。
サークルクラッシャーかな?
GCAPの登載兵器統合のニュースの後にこっちのニュース読むと、どんな顔していいんだかわからなくなる。
GCAPは先の話を心配してる(つまり現状は心配事が無い、ように見える)のに、F-CASは現状足踏み、その足下が崩壊しつつある、そんな感じに見えます。
まあ、「知ってた」以上のものではないのは皆さんおっしゃる通りですが。