スペインはイスラエルの軍事行動を強く批判しており、4月にイスラエル企業と締結した9mm弾契約を破棄、今月3日には「契約したイスラエル製対戦車ミサイルのライセンス取り消し手続きを開始した」と発表、現地メディアは「PULSのライセンスも取り消すかもしれない」と報じている。
参考:Qué opciones tiene Defensa para sustituir el misil antitanque israelí Spike LR2? El Javelin o el MMP, principales alternativas
参考:El surcoreano Chunmoo, el brasileño Astros o el estadounidense Himars, principales opciones al lanzacohetes PULS
参考:Spain reneges on $325m purchase of anti-tank missiles from Israel’s Rafael
スペインはイスラエル製多連装ロケットシステム=PULSのライセンスも取り消すかもしれない
スペインは欧州諸国の中で「ガザ地区に対するイスラエルの軍事行動」を最も強く批判している国の1つで、2023年以降にはイスラエルとの武器取引を禁止していたものの、現地メディアは公共調達プラットホームの契約締結情報に基づき「依然としてイスラエル企業の子会社を通じて武器購入が続いている」と指摘し、サンチェス政権は2024年末「問題の契約=9mmパラベラム弾×1,530万発の購入契約(660万ユーロ)を破棄する」と発表したものの実際には法的・財政的問題のため破棄されておらず、連立政権が崩壊する寸前まで騒動が大きくなってしまう。

出典:Natan Flayer/CC BY-SA 3.0
サンチェス政権は騒動を収めるため4月末「問題の契約を一方的に破棄する」と発表したが、スペイン国防省は3日「2023年末に契約したイスラエル製対戦車ミサイル=SPIKE-LR2×1,680発+ランチャー×168基(2.8億ユーロ相当)のライセンス取り消し手続きを開始した」と発表し、現地のディフェンスメディア=Infodefensaは「ライセンス取り消し手続きは対戦車ミサイルの更新計画中止を意味するものではない」「代替品の模索が始まっている」「ジャベリン、MMP、NLAWなどが代替品候補だ」と報じた。
さらにInfodefensaは「イスラエル製多連装ロケットシステム=PULSのライセンスも取り消すかもしれない」「そうなれば入札に参加していた韓国のChunmooとブラジルのAstrosII、米国のHIMARSやフランスが開発中の多連装ロケットシステムも代替品候補に上がるだろう」と報じたが、スペイン陸軍の多連装ロケットシステム調達は技術移転と現地生産が必要で「当時の検討候補からHIMARSは外れていた」と、フランスの多連装ロケットシステムについても「いつ実用化されるのか不明」と指摘している。

出典:Michał Derela/CC BY-SA 4.0 Chunmoo
つまりPULSのライセンスが取り消されるとChunmooとAstrosIIの一騎打ちになる可能性が高く、ChunmooはNATO加盟国のポーランドが導入しているため、恐らくAstrosIIの方が不利かもしれない。
追記:イスラエルメディアも「スペインが3.2億ドル相当の対戦車ミサイル契約を破棄した」「スペインメディアの報道についてラファエルは契約破棄を知らされていなかった」「4月の弾丸契約に続き2度目だ」と報じている。
関連記事:スペイン陸軍が調達を検討中のMLRS、イスラエル、韓国、ブラジルが競合
関連記事:欧州の多連装ロケットシステム調達、GMARS、EuroPULS、Chunmooが競合
※アイキャッチ画像の出典:Elbit Systems





















日本は、欧米=EUの圧力に負けずに、ガザ戦争に距離を置いておいてよかったですね。
EU欧州諸国はイスラエルに連帯を表明、ガザ攻撃の支援もしたわけですから、冷たい目で見られても仕方ないなと。
スペインの動きは興味深いわけですが、EU諸国全体に波及するのか見守りたいと思います。
スペイン強気だなぁ
ユダヤロビーを使った攻撃やモサドの秘密作戦とか怖くないんかな?
ただでさえスペインは前大戦時はフランコ政権でナチスドイツと仲良しでしたから、その過去を理由に反ユダヤ主義政府認定されそう。
レコンキスタ直後のスペイン異端審問の時点で・・・
まぁ食料配給所に民間人誘い出して銃撃砲撃で三桁虐殺とかやってる事南米のマフィアもびっくりだからなぁ
それが正義面し続けないと気が済まない世界の先進国から支持される訳無いわけで
イスラエルの所業を中国ロシアがやったら向こう半世紀はネチネチ言われるレベルなんだわ
まあ最終的にはアメリカがイスラエルを擁護して西側諸国にアメリカ軍の撤退や追加関税などでイスラエルを擁護するように圧力をかけるでしょう。
アメリカはイスラエルロビーの毒が頭に回りすぎていて、残念ながらもう助からないと思っています。
ガザに向かう環境活動家グレタ・トゥーンベリの船の撃沈を仄めかす様な投稿をする上院議員が何人も居るのですから、彼らにとってイスラエルは絶対善であり、その行動を批判する者はすべて敵と認識しているのでしょう。
地域の安定というか混乱具合に評価は左右されるからね
WW2後も何度も軍事衝突してる歴史がある中東と、欧州や極東といった比較的安定してる地域での軍事行動とが同じ評価というわけにはいかない
中南米のマフィア「ウチだったら証拠を残さないように苛性ソーダで『シチュー』作るけど?」
NHKが流してるTVEのニュースでもガザ情勢にかなり批判的だからスペインはEUの中では特にイスラエルに厳しいイメージがあるな
ドイツのZDFはもちろんイギリスのBBCにもある微妙な腰の引け方がない
購入の選定するにあたって性能とかコストパフォーマンスとかを考えてベストだとしたんだろうになぁ。
まあ政治家のワイロやバックマージンで決まったのかもしれないけど(笑)
しかしながら、ライセンス生産が予定されていたのであれば自国の企業にも影響が及ぶだろうに、イデオロギー優先でそういうの無視しているのはどうなんだろうねぇ?と首をひねるばかり。
ついでに「一方的な契約破棄」なので当然違約金その他が発生するはずですが、その辺りの無駄な予算もどうするんだろうなぁ?
まさか「悪魔のイスラエルに対してそのようなカネを支払う必要性は無い」とかバカな事は言い出さないと信じたい所です。
民間人虐殺以前に
イスラエル製装備が信用できますかね?
えげつない仕掛けやバックドアが仕込まれてそうですもんね
まあそれは一応これまで各国で採用された実績がありますし…
ポケベルと言う実績が上書きされたので…
これ記事のスペイン人のコメントが面白い
『高い金と長い時間掛けて今更政治的決定で翻すとかふざけてるのか?イスラエル製より高価で性能の低い武器買う気か』って感じで、反対派が多いみたい
日本で例えるなら『国産ミサイル案も代替案も無いけど、トランプが嫌いだからトマホークとJASSM-ER買うのやめまーす!』って感じか。まあキレるのも分からんでもないな……
速報。先程ウクライナSBUが先日の飛行場攻撃のドローンカメラ映像を公開しました。
A-50×2機のレドーム上にタッチダウンしてますね。爆破もできていたら全損は免れないかと。
違約金発生な案件?
これで「制裁」になるレベルなんですからイスラエルの虐殺は西側諸国としてはやはりOKなんでしょうねぇ。
要するにそういう事でしょう。
良い虐殺と悪い虐殺があるだけです。
これで「制裁」になるレベルというがここまで進んでいた調達を破棄するって相当なもんだぞ
西側諸国と一纏めにしているがスペインと英独ではやはり温度差がある
イスラエルという国は建国当初から血にまみれている。ナクバを引き起こしバビロン捕囚さながらの状態にし相次ぐ戦争と先制攻撃を引き起こし目的の為なら北欧でもドンパチをする。何かあれば直ぐに殺害しようとする。イスラエルは国として若すぎるせいで他国が大昔に終わった全能感に苛まれてるんかな?
珍しく行動が伴ってますね
良い事です