トルコはS-400問題の解決に向けて米国と「クレタモデル」をベースにした交渉を始めると発表した。
参考:Turkey to open ‘Crete model’ negotiations for use of S-400
これ以上意地になってCAATSAを振り回せば米国自身が自滅するだけかもしれない
トルコのアカル国防相は9日、米国との2ヶ国間関係に深刻な亀裂を生じさせているロシア製防空システム「S-400」について「クレタ島に配備されているS-300をモデルにした交渉を始める」を明かした。
このクレタモデルと呼ばれる理論はギリシャがキプロスに配備するため購入したロシア製防空システム「S-300(※)」のことを指しており、当初ギリシャはロシアから購入したS-300をキプロス南部に配備する予定だったがトルコの反対に直面してキプロス配備を断念、最終的に東地中海上のクレタ島にS-300を配備して運用中で同システムはソ連崩壊後にNATOに加盟した旧東欧諸国(ブルガリアやスロバキアなど)でも多数使用されている。
補足:ギリシャは1996年に発生したカルダック事件の結果、ギリシャとトルコの両国に武器を供給していた米国の方針(供給量においてトルコの方が優遇されているとギリシャは判断)に不満を抱いていたギリシャはロシアからS-300を導入を決断してキプロス共和国がS-300を導入したものの、トルコ側に猛反対と西側諸国の批判に直面して最終的にギリシャがキプロス共和国からS-300を買い取る形でキプロス島からの撤去に応じたが同システムはギリシャ領のクレタ島に配備されている。
さらにギリシャはロシアから近距離防空システム「トール」や「オサー」などを購入してNATOを構成するギリシャ軍の防空システムの統合されているので「ロシア製防空システムとNATOのシステムには互換性がない」という米国の主張するは誤りだとトルコ側は批判しており、ギリシャのクレタモデルを引き合いに出してバイデン政権にトルコのS-400保有を認めさせるという意味だ。
恐らくクレタモデルを盾に米国から譲歩を引き出してS-400保有を認めさせたとしても、ロシアの防衛産業企業から1,500万ドル以上の取引を行った国や組織に対して制裁を加える「敵対者に対する制裁措置法(CAATSA)」から逃れるのは不可能と思われるが、トルコは米国がパトリオットの販売を拒否したためロシアからS-400を導入することになったと主張(※)して「CAATSA制裁自体が不当だ」と訴えている。
補足:トルコは武器の国産化方針を打ち出しているため海外から調達する装備品には技術移転や国内での製造を要求することが多く、オバマ政権時代に交渉が始まったパトリオット導入でもトルコは技術移転や国内での共同生産を要求したが拒否され、その代わりに技術移転や国内での共同生産を容認したロシアからS-400を導入することにした。
要するにトルコがパトリオットの導入条件に挙げた技術移転や国内での共同生産を拒否するのは米国の自由だが、トルコの条件を満たしたS-400導入に制裁を課してトルコの条件を満たさないパトリオットの導入を強制するのは米国のエゴだと言いたいのだろう。
果たしてトルコが提案するクレタモデルに米国が乗ってくるのかは不明だが、トルコは米国の懸念を払拭するためS-400をNATOのネットワークに接続することなく独立して運用すると主張しているため、これ以上意地になってCAATSAを振り回せば米国自身がインドのS-400導入問題で自滅するかもしれない。
どうしても米国がロシアのS-400を排除したいのならトルコにが要求しているパトリオットの技術移転や国内での共同生産を認めるしかないだろう。
関連記事:インド、S-400導入中止を要求する米国の圧力に屈することはない
※アイキャッチ画像の出典:Минобороны МО / CC BY 4.0
もう大国のジャイアニズは通用せんということですなあ
こんな提案通るはずがありません。トルコもそれぐらいはわかっていると思います。S-400撤収の代わりにパトリオットの技術移転や国内での共同生産って全然見合っていません。
今に至るまでにトルコが見せた親ロシアの行動や地域大国への野心を考えれば、これ以上トルコに富や技術を渡すのは危険だと西側の国は理解したでしょう。これは徐々に締め上げられる首にいよいよトルコが音を上げ始めたと見るのが正しいと思います。
交渉で何を要求するかはトルコの自由で、それに応じるか拒否するかは米国の自由なんだから問題ないでしょ。それよりも自国以外から防空システムを購入するのが許せず制裁を実施する米国の方が問題だよ。
アメリカが正義でトルコが悪という見方に根拠はなく、大国に小国は屈しないとならない理由も特に無い
現状の日本としては同盟国のアメリカ寄りなのは当然だが、長期的、大局的に見た場合に、別に今のトルコの有り様を否定する必要も無い
トルコがNATO加盟国でないのなら、おっしゃる通りだと思いますが、あいにくトルコは創設直後からのメンバーです。
実質的にアメリカがNATO諸国の防衛義務を負う片務条約である以上、加盟国がアメリカの意図に従うのはやむを得ません。
日米安保条約と北太平洋条約の条文を比較すれば、日本以上にトルコはアメリカと強い軍事同盟関係にあると言えます。
「日本としては同盟国のアメリカ寄りなのは当然」なら、日本と同等以上の態度がトルコに求められても仕方ないでしょう。
NATOは米国の所有物ではないし、日本みたいな米国への揺るぎない忠誠を示す国なんて欧州には存在しないよ。
NATO諸国が安全保障をアメリカに依存しているおり、アメリカが脱退すればNATOが崩壊する以上、アメリカが加盟諸国を統率するのは仕方ありません。
イラン革命や天安門事件後にけっこうな独自外交を行ってきた日本が、欧州諸国以上に「揺るぎない忠誠」を示してきたのかどうかは疑問です。
日本の視点からだけではなく欧州の視点で物事を捉えないと、その完成された思考の外側にあるものが永遠に見えないわな。
S-400を導入するインドにはF-35は売らないんだから米国も筋は通してますよね。
F-21…
エルドアンは駄目な方へ駄目な方へ進んでいくのね。今までは地政学上の利点で何とか取り繕ってきたけど、米国にもNATOにもロシアにも睨まれて、そろそろ限界かもしれんね。
クーデター以降、側近をイエスマンで固めてまともに意見出来る人いなさそうだな
オバマが潰すのに失敗し、その後にトランプが甘やかしたツケ(※アメリカ目線)
まあCAATSAが欠陥だらけの法律なのは確か。
逆手に取って日本の影響力を強化するという方法が考えられますよ、イスラエルのはアメリカが関与している様ですので独自(トルコとインドと共同開発)に開発してしまうのも手です、するとアメリカも方針転換するかもしれません。
C-RAMからABMまでラインナップするのです。
参考
3 Israel Anti Missile Defence System Probably Never Sold To Other Countries
リンク
Iron Dome
リンク
解りにくいですけどC-RAMです、迎撃成功率90パーセントらしい、バルカン砲のは60から70パーセントらしい。
日本に技術移転を求めてくるかも・・・・。
断っているか。
中サムの?
それにしてもロシアはあんまり気にせんで売りまくるわなぁ
技術員という面目で武官は張り付くのだろうけど
ロシアも兵器と天然資源を除いたら他に売るもん無いしね
西側陣営の離間&撹乱に利用しているだけで、用済みになったらポイ捨てでしょ
米国はとりあえず、CAATSAをどうにかしてくれ。
自国だけではなく同盟国にも影響が出ていることをもっとよく考えて欲しいなぁ。
バイデン大統領は同盟国との関係を重視するから大丈夫だよ!
だいたいS-400買ってどこの国からミサイル飛んでくるって想定してるわけ?
八方美人的な武器商人をしてきた米国のツケじゃねえかって気がしてきた
あと頭と手足が分離したEUも(小声)
だいたいS-400買ってどこの国からミサイル飛んでくるって想定してるわけ?
八方美人的な武器商人をしてきた米国のツケじゃねえかって気がしてきた
あと頭と手足が分離したEUも(小声)
迷いが出ていますね、超大国消滅の影響ですね。
IAMDの動画ではイラン辺りから飛んでくる弾道ミサイルを迎撃システムで迎撃してましたよ、F-35やパトリオットも出てきたし、イランとロシアと中国は準同盟国状態ですので、トルコ的にはイランとロシアが結託してトルコに侵攻される想定しているのでは?
そしてロシアは基本的に防衛戦闘しかしない方針なので仲の悪いトルコに武器を提供して関係を改善しようとしている状態ですし、イランはイスラム教が絶対の国でコーラン(聖書)には防衛戦闘以外認めていない記述(交戦規定も記述有り)が有るので??
これでは戦闘など無いと一般的には考えますよね、第1次世界大戦後のフランスも同じ考えで戦争の準備を怠り、それに目を付けたヒトラーみたいな奴(世界恐慌のどさくさに紛れてドイツ帝国の復活を試みる)が現れてもいいように動いている(第2次世界大戦)と考えれば良いのでは?
トルコはギリシャと国境問題を抱えているのとドイツ帝国と仲の良かったオスマン帝国時代(第1次世界大戦後滅亡)にギリシア人とアルメニア人を虐殺したと言われており、EUからは余りよく思われていない様です、それを危険に思ったイタリアが戦車のエンジンでトルコに協力したりしています。フランスとイタリアは軍事バランスの調整(1方のみが強くなると戦争発生率が高くなる)によって戦争を回避する方向にしたがるのと、ロシアは兵器のメンテナンス費用を爆上げ(部品寿命が短い)して戦争したら凄い事になるよ状態にして、アメリカとEUは直ぐに輸出禁止にしてしまうので、トルコは何があろうと兵器の国産化に異様に執着して動いているのです。
でこれは個人の意見ですけれど・・
そこで、日本の出番なのかもしれないです、世界的に評価されず隣の国から変な電波が飛んでくる日本の防衛産業にとっては良いパートナー国になってくれるかもしれません、著作権料位しか貰えなそうですけど戦争になった時に中国と仲のいい国の戦力を引き受けてくれるだけでも日本にとっては良くないですか?あちらでは戦争が起こらなくても中国は実質単独で戦う事になるのです、これは意外と重要です。
日本にとっては海洋資源を中国に取られない様にするのが普通と考えます、なので中国を多方面作戦するしか無い状況にして動けなくしてしまうだけでも日本にとっては勝利となります、資源国デビューの準備がお勧めです。
核兵器は両方の陣営に有る場合は使用されない場合が多いと思います、使うとお互いに終了して力がない国が勝者になってしまう為です。
結論としては超大国の消滅によって軍事バランスに変化が起こり、リーダー不在状態で皆が好き放題出来ない様に対策を考えましょう、日本の利益になるように、再び世界大戦が起こる可能性(世界恐慌が起きたら確定)が上がっているので今のうちに。
どちらに正義がある、のではなくどちらの言い分を押し通すかだけの言語ゲーム
どっちに転ぶかは知らんけど、今後もトルコは列強の一角を目指して米国からの距離を計るだろうと予測
これで前に管理人さんが記事に載せてた「ギリシャにF-35配備したけどTF-Xまでどうしよう問題」が解決しそうという
ここでCAATSA名目でトルコを切ればインド(と潜在的に協力してくれたかもしれない国)を切る事になるので米国全体の影響力が低下して相対的に中東の親米国が弱体化
トルコと手を結べばインドを引き止められるけどイスラエル=サウジ連合が激おこで同盟決裂の可能性&サウジが露に接近してトルコに優位になりパトリオットの技術まで貰えるかもしれない
相変わらずエルドアンの外交手腕やべえな…
むしろ瀬戸際コース歩んでないか?
つか、トルコはパキスタンを支持・支援してインドにも喧嘩売ってる
なお、舎弟のアゼルバイジャンぐらいしか味方がいない孤立無援状態
トルコはウクライナやパキスタンと軍事協定を結んでるし、イスラム協力機構の新興勢力グループと結束しているから孤立無援というのは無知の証拠
アメリカ&EU&ロシア「貧乏国侍らせてイキっていた中国は今はどうなってる?(ニヤニヤ)」
>イスラム協力機構の新興勢力グループ
それってNATOのメンバーと手を切ってまで付き合うべき仲間なんでしょうか?
過去に苦い経験を持つ日本としては、助言して上げられる事もあるような…
CIA&モサド「またトルコでクーデター起きたりして。エルドアンが不慮の暗殺されたりして」
アメリカ「じゃ、ギリシャとキプロスに軍事支援強化するわ」
S-400を使ってF-35のレーダー特性とか根掘り葉掘り調べられるってのが深層でしょ。
運用が、とかは建前。
地球の反対側の話だからエルドアン持ち上げていられるが、やっている事自体は中国の恫喝外交や北朝鮮の瀬戸際外交とそう大差無い。
トルコのやり方を恫喝と見るかの独立国として当然の選択をしているのかは置かれた立場によって異なるよ。
日本みたいに米国との関係を重視して技術も自国で開発する国から見ればトルコのやり方はセコく見えて、これが罷り通るなら自主開発するのがアホらしくなるので容認できないだろうね。
でも政治や外交で取引するのは間違いじゃないし、一つの手段としては完全合法だから恫喝とレッテルを貼ってこき下ろすのは浅はかでは?
親日国()だから贔屓目で見てる奴がまだまだ大勢いるけど、寧ろ、だからこそここ数年の狂犬ぶりにドン引きしてる奴も多い思うのw.