スイス国内では「F-35A調達計画の見直しを求める声」が高まり、スイス政府は13日「米国が立場の変更に応じないことが明らかになり、11月末までに様々な選択肢を検討するよう国防省に指示した」と発表、フィスター国防相も「F-35Aの調達数を削減するかもしれない」と述べた。
参考:Federal Council determines next steps regarding procurement of fighter aircraft
参考:Switzerland weighs cuts to F-35 order amid cost dispute, tariff pressure
F-35Aの取得価格は米国とロッキード・マーティンが生産バッチ毎に交渉する結果に左右され、スイスはF-35Aを固定価格で調達すると主張できなくなった
この問題を簡単に説明すると、2022年当時のスイス政府は国民に「F-35Aを固定価格で調達するため、F-35A導入に関するプログラムコストは2020年に可決された予算上限=60億フランを越えることはない」と説明していたものの、会計検査院は「固定価格という認識は契約条項4.4.1(実際の価格が本契約の記載された見積もり額を越える場合でも支払いに応じることに同意する)を軽視している」と警告、フィスター国防相と国防省装備局は今年6月「米国が固定価格について誤解があると主張し、スイスに6.5億フラン~13億フランの追加費用を要求している」と明かして問題が表面化。

出典:Lockheed Martin
要するにスイスは「契約書に記載された見積もり価格を固定価格」と認識していたが、実際には「米国がロッキード・マーティンに支払う価格と『同じ価格』でF-35Aを取得できる」という意味で、F-35Aの取得価格は契約を締結した2022年当時よりも原材料やエネルギー価格の高騰を受けて上昇し、米国がロッキード・マーティンに支払う価格も上昇したため「契約時に見積もられた取得価格との差額分をスイスに請求する」という話なのだが、トランプ政権がスイスに対する39%の関税を発表したため「国内の対米感情」も急速に悪化。
スイス社会民主党や緑の党は「我々との貿易に石を投げつける国へ贈り物をすべきではない」「国民がF-35Aの調達を阻止できるよう国民投票を実施すべきだ」と要求、自由民主党も「国民が関税ショックの中で『当初予定よりも高価になったF-35Aの調達』を受け入れるかどうか分からない」「政府は契約の全面的もしくは部分的な停止を検討して潜在的な損失を受け入れるべきだ」と述べ、スイス公共放送=SWIも「F-35A購入見直しの声が高まっている」「議会での議論はさけられそうもない」と報じていた。

出典:Swiss government
スイス政府は13日のプレスリリースの中で「米国は固定価格に関する交渉の中で自らの立場を変更しないと明らかになった。そのためF-35Aの取得価格は米国とロッキード・マーティンが生産バッチ毎に交渉する結果に左右され、スイスはF-35Aを固定価格で調達すると主張できなくなった」「これはF-35A導入に関するプログラムコストを正確に計算するのが不可能になったことを意味する」「スイスは引き続きF-35Aの調達にコミットするが、同時に他の様々な選択肢を11月末までに検討するよう国防省に指示した」と発表。
Breaking Defenseは国防省への指示内容について「F-35Aの調達を継続する根拠=現在の防空要件にF-35Aが合致していると確認し、今後の対応に対する選択肢を11月末までに提出すること」と報じ、フィスター国防相は会見で「スイスは最終的にF-35Aの調達数を削減するかもしれない」「それでも他の選択肢と比較してF-35Aは優れた能力を備えている」と述べている。

出典:U.S. Air Force photo by Airman 1st Class Samantha White
因みに自由民主党は今回の発表が出てくる前から損失覚悟でF-35Aの購入契約を打ち切るか、既に支払った分だけF-35Aを購入し、不足分を欧州からの調達でカバーするかのどちらかだ」と主張しており、前回の入札で競合したラファール、タイフーン、グリペンに再びスポットライトがあたるかもしれない。
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※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air Force photo by Staff Sgt. Zachary Rufus





















売る側の都合はもちろんあると思いますが、追加調達時ならともかく契約して納品前に青天井で価格が変わってしまうというのは、受け入れるのは厳しいものがあります。
その上、追加関税は課して喧嘩を売ってくるような国からの調達となると、反対意見が出ても仕方ないでしょう。
正直グリペンの中古でいいと思う。
部品取りの部品も大量にありそうだしね。
今でも絶対性能では米国製航空機は他より優越してますけど、価格とかいろいろ制限や制約があり過ぎ、納期遅すぎで何が何でも性能が必要な前線国家意外は米国製航空機の魅力は薄いですよね。
特にスイスとか前線になりようがなく、絶対性能が必要というわけではないのでからタイフーンなりグリペンを買うのが最適な気がしますね。
そもそもスイスは2020年まで空軍の戦闘機は24時間体制ではなかったぐらいだし、その程度の緊張感なんですから。
世界が不安定化して、より米国の庇護、後ろ盾の価値が鰻登りというのも現実だと思います。
病人や事故が増えて保険料が上がったようなもの。
日本も対岸の火事ではなく、自国防衛や核保有が現実的にできない以上、言いなりにならないにしてもこれまで以上に要求には応えざるを得ないでしょうね。
現実的に侵攻される可能性は低い、地政学的には恵まれたスイスですらこの状態ですから・・・。
?????
ロシアイスラエルのダブスタ、都合の悪いときの手のひら返しでアメリカの価値が暴落してるのがまさに今の国際情勢なんだが
だからこそスイスどころかカナダもアメリカ兵器離れしてるのに…君、ずっと冬眠してた?
そもそもLMとスイスの固定価格に関する認識の食い違いはなぜ生じたのかね?
仮にスイスの錯誤を招くような説明があったのなら契約は無効だろう
それどころか時間を空費させスイスの国防を危うくしたのだから、LMは制裁の対象だ
>これは当時のスイス政府が会計検査院の警告=契約条項4.4.1(実際の価格が本契約の記載された見積もり額を越える場合でも支払いに応じることに同意する)を軽視し、定義が曖昧なまま「固定価格」という語句を使用したことに原因がある。
過去記事によるとこれだから契約無効は主張できないのでは
スイス空軍に複数機種の整備能力のバックボーンあるのかしら?
基本2機種までで古いのから退役させてきたわけですが。
違約金を払ってでも調達計画を見直したほうがよいと判断したんですか
F-34Aはもうぐだぐだすぎるから仕方ない
魔改造F-35(イスラエル製)だったらまだいいんですが、F-35は制約多く・不具合多く・納期分からず、なんだか大変だなと…
スイスは代替機を検討してるようですが、代替機調達納期・代替機調達機数・代替機整備ノウハウなど、どれだけ現実的なのかなと。
F18・F5保有と見かけますが、代替機の一斉納入というわけでもないでしょうし、F-35以外に乗り換えるとしてもそれはそれで大変かもしれませんね。
アメリカは過去に、スイスの銀行に莫大な金融制裁を行ったりもしていますから、F-35キャンセルによる関係悪化がそういった経済分野に影響するのかも気になっています。
ロシアの脅威が現実味を帯びている今こそアメリカはビジネスチャンスだったのにねえ
(ロシアの)驚異を演出して戦争ケインジアンで儲ける、それがアメリカのシナリオじゃん
もはや伝統芸能と言っても良い
ロシアはEUとは対照的に核戦力(抑止力)に多く投資してる
本質的に敵意と侵略のベクトルはアメリカ→ロシアなのであって、ロシア→アメリカではないね
てか最近になってアメリカは日本の資産を財源にしてアメリカの製造業を復活させるとか言いだしてるw
EUから搾取するのにロシアの驚異というタームを便利に使ってるのと同じく、アジアでは中国の驚異を使ってる説あるな
トランプは真面目に自国産業の保護をするかと思ったけど化けの皮が剥がれたのかもしれん
結局のところバイデンからトランプで変わったのは搾取の対象なんだな
プーチンを倒してソ連崩壊後の収奪を再びという野望が断たれたから別のところから搾ることにした
もしかしたらトランプ個人の人格は平和主義かもしれないが、アメリカというスーパーパワーの指向するところはこれよ
支払い済みの機体は米国を通じて売却して、購入計画をキャンセルして欧州諸国製の5世4・5世代機を最低限数だけ買って、新世代機が必要ならばGCAPかFCASでも後に買った方がいいんじゃないかな?
トランプ関税で経済的損失をこうむりF-35でも国庫の損失を出すのもね、直接民主主義のお国ですし民意は大切です。
ロシア軍がスイス国境にまで近づいてきた戦況からだとF-35があろうがなかろうが沖縄戦みたく地上戦で玉砕か早期降伏の二択しかないだけに、平時のスクランブル用4.5世代機で良さげな気がします。
数年前の軍事記事でスイス軍パイロットの人員不足が問題化されているだけに、複雑な高コスト機の導入はねえ・・・と外野の1ミリオタは考察してしまいます。
同じLMから別機種買うことでどうにかするかグリペン買うかぐらいよな>スイス
「ロシア軍がスイス国境にまで近づいてきた戦況」さすがにその状況で中立を保っていられるか、ですね。
現時点で既にNATOへの接近は報じられていますから、「ロシア軍がスイス国境にまで近づく」前に
NATO加盟国への侵攻がある訳で、その過程で何かしらのアクションを取るとしたら、
F-35のあるなしは大きいでしょう。
あとはラファールを買ってフランス陣営になるか
タイフーンを買ってイギリス、ドイツ陣営になるかぐらい?>ヨーロッパ内NATOにこび売り
あまり予算がある訳でも無いようなのでグリペンでいいのでは
似合い、ではあるのだろうけど1度ブッチしてるんですよね?サーブはブチ切れないんでしょうかね…
見積額と実際の購入額が違うのは問題ですが、それはアメリカだけに限った事ではありませんよね?
オーストラリア向けの潜水艦でフランスがやらかしていましたよね?