ベルギー海軍のフリゲート艦=レオポルド1世はパレード参加のため米国に向かったものの、到着後に冷却システムと高圧空気圧縮機が故障して3週間近く立ち往生しており、同型艦のルイーズ・マリーもメンテナンス中なので運用可能なフリゲート艦が1隻もない状態だ。
参考:Belgisch fregat Leopold I gestrand in Amerikaanse haven door defect, België tijdelijk zonder werkzaam fregat
参考:Belgische fregat Leopold I ligt al twee weken met pech aan de kade
参考:Opnieuw problemen Belgisch fregat, schip keert terug naar New York
レオポルド1世が大西洋の横断に成功してベルギーに帰国できてもデン・ヘルダー海軍基地に直行することになるだろう
ベルギー海軍は1991年に運用を開始したオランダ海軍のカレル・ドールマン級フリゲート2隻を2005年に取得し、2007年に対潜フリゲートとして1番艦レオポルド1世と2番艦ルイーズ・マリーを再就役させたが、1980年代に建造された両艦の老朽化、武装の旧式化、スペアパーツの入手困難は深刻さを増しており、ルイーズ・マリーはフーシ派を封じ込める紅海作戦に参加するため2024年4月に地中海へ到着したものの、スエズ運河を通過する前の無人機の迎撃訓練でシースパローがランチャーに詰まって発射できず、他の迎撃手段(76mm砲、CIWS、機関砲、M134、SMASH搭載の小銃、ベネリM4)も標的の阻止に失敗しまった。

出典:Ministerie van Defensie
ベルギーも両艦の問題の対処に手をこまねいているわけではなく、2017年にオランダと共同で新型対潜フリゲート(ASWF)計画を立ち上げ、ダーメンとタレスが主契約者として新型対潜フリゲート(約6,000トン)の設計や建造を請け負い、オランダ海軍向けの1番艦を2024年、ベルギー海軍向けの1番艦を2027年までに引き渡す予定だったのだが、この計画は度重なる計画遅延で引き渡しが遅れ続けており、オランダ国防省が2026年5月「1番艦の引き渡しが2033年以降になる」と明かしてベルギーメディアが衝撃を受けたばかりだ。
ベルギーメディアのDe Morgenは「ベルギー海軍は深刻な問題に直面している」「新型フリゲート艦の納入が完全に滞っている」「緊急対策がなければ海軍は崩壊の危機に瀕する」と報じたものの、まだASWF計画の遅れに対する具体的な対応は検討段階なのだが、今度は大西洋におけるNATO任務と米国建国250周年を記念するニューヨークでのパレード(7月4日)に参加するため出港した1番艦レオポルド1世が米国で立ち往生していることが発覚した。
The frigate Leopold I, which is deployed as part of NATO’s Standing NATO Maritime Group 1 (SNMG1), is currently in New York due to technical issues.
During the deployment, problems were identified with the ship’s freshwater generators (watermakers). (1/3) pic.twitter.com/2gsxR6lQpB
— The Belgian Navy 🇧🇪 (@TheBelgianNavy) July 9, 2026
レオポルド1世は大規模なメンテナンスを終えて6月初旬にオランダのデン・ヘルダー海軍基地を出港、第1常設NATO海洋グループ(SNMG1)の一員として北大西洋での任務に参加した後、6月14日にバージニア州ノーフォーク海軍基地に到着したが、エンジンの冷却システムに影響を与える技術的な問題でニューヨークに移動できず、ベルギー海軍は7月10日「レオポルド1世がようやくニューヨークに到着した」「帰還準備中に高圧空気圧縮機にも問題が発生した」「予防措置として必要な整備・修理を実施するため同艦は一時的に作戦任務から外されている」と発表。
ディーゼルエンジンやガスタービンの始動装置に圧縮空気を送り込む高圧空気圧縮機に問題が発生すると、大西洋を横断して帰還する際のエンジン始動における信頼性が損なわれるため深刻なトラブルに分類され、恐らくはシステムの老朽化と適切なスペアパーツへの交換が困難なため発生したトラブルだろう。

出典:F931 Louise-Marie
ちなみにルイーズ・マリーもオランダのデン・ヘルダー海軍基地でメンテナンスを受けているため、現在のベルギー海軍には運用可能なフリゲート艦が1隻もなく、レオポルド1世が大西洋の横断に成功してベルギーに帰国できてもデン・ヘルダー海軍基地に直行することになるだろうし、メンテナンスを行うドックが運良く空いているとは限らない。
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※アイキャッチ画像の出典:The Belgian Navy





















NATOって便利ですね。
依存できるもん。
ワイと同じかな♪
典型的な少数運用による効率の悪さと高コスト化ですよね。NATO加盟国で比較的小規模の海軍は利害関係の調整が出来るなら共同購入・共同運用考えるべきなのではと思います。(それが出来るなら苦労しないって話ですが)
欧州の異常な艦艇価格の一因は少数発注にあるんじゃないですかね。
こういうのがあると、艦船は近場の国から買う方がいいのかもな
仮に日本から輸出できたとして、壊れて購入国内で整備できないと日本まで曳航するか、購入国で修理施設整備したところに日本から人員送るかになるし
これってそんな話に繋がるような内容なのか?そもそもが今年で就役35年の設備が破損しましただから、台湾やカナダやオーストラリアの古い潜水艦と同じような物でしょう。無理して運用しているのはその國の責任であって、お金を掛けて適切な対応がされていたかも分からない。
近隣メーカーだろうがまだ35年でメーカーが責任持って面倒見ろと言えるのか、運用国がメーカーの言いなりで無理矢理にでも修理するのかは
艦の修理や整備に関しては最初からそんな話になってないと拗れるだろうし、普通は運用国が責任持って何とかする案件。どんなメーカーだろうが余力が無ければ曳航されようがどこかにドック入しようが対応なんて出来ないし、何かあれば他国よりはメーカーがある当事国が優先される。
近場だからと言って都合良く真っ当な対応して貰える保証は無いし、遠方でも都合が付けば曳航してもトータルで費用も期間も抑えられる可能性だってある訳でしょう。イギリス海軍の哨戒艦がJMUとか三菱重工のドック入とかして対応してるんだし、艦の機密とか国同士の繋がりの問題等、様々な問題をクリア出来るなら建造に関係無い国でも対応は可能です。
次期フリゲートのASWFがベルギーに引き渡されんのって早くて7年以上先だからなあ。早よオランダが決断してやらんと。
ワールドカップ終わったらなぜか自然復旧したりして
またダーメンかドイツ依頼の艦も揉めに揉めたしこうもトラブル続くんなら軍用艦建造辞めたら良いのに。
これはオランダも悪いけど、できないことを「できらあ」とするベルギー自身も問題だよな。
ベルギー海軍はそんなに貧乏なのか