Financial Timesは25日「フランスが方針を転換して防衛産業界の即応性を高める投資計画にEU加盟国以外の参加を認めた」「欧州は防衛産業の能力が軍事力と同じぐらい外交力に影響を及ぼすと気づき始めた」「ウクライナ支援を即時性ではなく持続可能な生産能力として捉えるようになった」と報じた。
参考:France drops buy-EU demand for Brussels defence fund
参考:Ukraine war pushes Europe into a race to build up its defence base
参考:US arms stockpiles strained by Ukraine, Israel support: INDOPACOM boss
参考:Pourquoi la décision des Etats-Unis d’autoriser l’Ukraine à utiliser des missiles ATACMS en Russie ne devrait pas changer le rapport de force
参考:Israël, Ukraine, Trump… les confidences exclusives de Sébastien Lecornu, ministre des Armées, au JDD
欧州市場から米企業排除しながら『欧州への軍事支援を継続して欲しい』とトランプ次期大統領を説得するのは困難
1期目のトランプ政権はNATO加盟国に対して「国防支出を増やせ」「最低でも国防費をGDP比2.0%以上(本音では4.0%以上)に引き上げろ」と要求、これに加盟国は渋々同意したものの、増額した資金が米防衛装備の調達増=米防衛産業界に流れることを嫌い、米国の手が届かないNATOとは別組織の金庫・制度に資金を投資したためトランプ政権との対立点になっていた。
欧州は防衛企業は銀行規制の影響で民間から資金を調達することが難しく、EUは域内での共同調達や共同開発に資金を供給するためEuropean Defence Fund=防衛産業向け財政支援制度を立ち上げ、この資金にアクセスできる企業を欧州企業に限定することで「ルールに基づく米防衛産業の排除」を確立、トランプ大統領は「国防費増額分の一部が米防衛産業に流れる」と期待していたため「EDFのルール」に憤慨していたものの、2020年の選挙でバイデン政権が誕生したためEDF問題も忘れ去られていたが、トランプ氏の再選と安全保障環境の変化で「フランスが方針を転換した」と報じられている。
EUは2023年に発表されたEuropean Defence Industrial Strategy=欧州防衛産業戦略に基づき、防衛産業界の即応性を高める長期的な投資計画=European Defence Investment Programmeを立ち上げる予定で、Financial Timesは25日「フランスはEDIPへのアクセスを域内企業に限定すべきという理由で米国、英国、イスラエル、トルコなどの参加に反対してきたが、方針を転換してEU加盟国=27ヶ国以外の参加を認めることを表明した」と報じ、フランスが方針転換した背景について以下のように説明した。
“スウェーデンなど英防衛産業と密接な関係あるEU加盟国は「英国製コンポーネントに依存している自国企業がEDIPから排除される可能性」を危惧し、EDIPへのアクセスを域内企業に限定すべきという考え方に反対していた。さらにトランプ氏の再選を受けて「米国の安全保障に関する関心が欧州からアジアに移るのではないか」という懸念が現実のものになり「欧州市場から米企業排除しながら『欧州への軍事支援を継続して欲しい』とトランプ次期大統領を説得するのは困難」と判断したフランスが妥協した”
今のところEUはルールの異なるEDFとEDIPを使い分けて行くのか、EDFの資金(約80億ユーロ)をEDIPに統合して運用していくのかは不明だが、Financial Timesは「防衛装備品の供給能力を強化する動きは『十分な負担なしに米軍の保護は与えない』というトランプ次期大統領の方針下で加速するだろう」と予測しており、当面はトランプ次期大統領に配慮するものの、最終的には大部分の武器システムで主権回復=ITAR Freeを達成してくるだろう。
ウクライナ支援を「即時支援能力」ではなく「持続可能な生産能力」として捉えるようになってきた
トランプ次期大統領がウクライナ支援を停止した場合に備え「欧州は米国抜きでウクライナ支援を継続できるか検討中」と報じられているものの、ゼレンスキー大統領はFox Newsの取材に「米国が軍事支援が停止すればロシアとの戦争に負けるだろう」と述べたのは「欧州のアプローチ」が信頼できるものではないためで、仮に欧州が米国提供分の経済・軍事支援額を肩代わりしても「米国が供給していた軍事リソースを提供できない」という現実が全てを物語っている。
要するに資金供給を肩代わりしても「米防衛産業の生産力によって実現していた武器・弾薬供給の代わりが存在しない」という意味で、トランプ次期大統領はビジネスマン的思考なので「支援を止めても金さえ払えばウクライナ向けの武器や弾薬を売ってくれる」という見方もあるが、米シンクタンク=New Americaで研究員を務めるキャンディス・ロンドー氏はFinancial Timesへの寄稿の中で「防衛産業の能力は軍事力と同じぐらい外交力に影響を及ぼすとウクライナとロシアの戦争で浮き彫りになった」と指摘している。
“クルスクに投入された北朝鮮軍やロシア軍の兵站拠点に発射されるATACMSは1発130万ドルのコストがかかる上、米陸軍の調達はATACMSからPrSM=精密ストライクミサイルに移行しており、Lockheed MartinはPrSMの生産を拡張しながらレガシーシステムも維持しなければならない。このような制約は米軍の即応性と抑止力について難しい選択を迫ることになる。バイデン大統領の長きに渡る迷走には「この現実」が反映されており、国防総省関係者も「約10年に渡るNATO加盟国の緊縮財政がロシアに対する脆弱性を生み出した」と指摘した”
“ワシントンでも欧州の防衛政策について「極右勢力が台頭した状況で足並みが揃うのか」という懐疑的な意見があるが、欧州の指導者らは「防衛産業の能力が軍事力と同じぐらい外交力に影響を及ぼす」と気づき始め、ウクライナ支援を「即時支援能力」ではなく「持続可能な生産能力」として捉えるようになってきた。欧州ではトランプ氏の大統領復帰に備えて慌ただしく防衛産業界の強化に動いており、英国とドイツが新たな長距離攻撃兵器=より射程の長い巡航ミサイルの迅速な開発を約束したもの「平時の生産モデルでは大規模で長期にわたる戦争ニーズを満たすことができない」と認めたようなものだ”
“ウクライナに提供されているStorm Shadowは戦場で有効性を証明したものの、現在の生産テンポで「自国の抑止力」を維持しながら「戦場のニーズ」を満たすことは出来ない。欧州の防衛企業は冷戦終結後に見られなくなったペースで生産能力を拡張する必要がある。英国とドイツの協定範囲はミサイル分野以外もカバーしており、Rheinmetallが英国の防衛ニーズを強化すると表明したもの防衛産業構造における「より深い変革」を示唆している”
“今後半年間は欧州の産業動員がウクライナとロシアの戦いに有意義な影響を与えるかどうかが試される。プーチンと金正恩は長距離攻撃能力の制限緩和が及ぼす影響を計算しながら、戦場の軍事力よりも軍事生産力に勝敗の行方を掛けている”
要するに戦場での結果は「純粋な戦闘能力」や「指揮官の能力」に左右されるものの、大規模で継続的な戦争の勝敗を左右するのは「戦いを継続する能力=防衛産業の生産力や人的資源の供給能力」で、数字で可視化できる能力は軍事力と同じぐらい外交力に影響を及ぼすという話だが、米インド太平洋軍のサミュエル・パパロ司令官も21日「米軍が備蓄している重要な兵器システムがウクライナと中東で食いつぶされている」「もしインド太平洋地域で紛争が発生すれば米軍の即応能力に影響を及ぼす可能性がある」と警告して注目を集めている。
ロシアをウクライナで止めることが新たな紛争の抑止に繋がるため「全力で支援すべきだ」という見方もあるが、これは鶏が先か卵が先かというジレンマと同じで、ウクライナ支援で米軍備蓄が短期間に回復できないほど消耗されれば即応能力が低下し、今度はインド太平洋地域で新たな紛争が誘発する可能性を高めるだけだ。
生産力の問題について「どうせ戦争特需で儲かるだから本気でやれ」と意見もあるが、このニーズは明日無くなる可能性がある上、大半の防衛企業には他分野の企業と同じように株主が存在するため、防衛産業界は何の保証もない政府や軍関係者の調達見通しやニーズに対する要望、柔軟性と確実性がない政府予算による調達アプローチを全く信用しておらず「契約を正式に締結してから動く」というのが業界の常識で、契約分を越えるニーズへの先行投資などリスクの塊に過ぎず、もし数年ではなく10年単位の調達契約を交わしても戦争リスクが低下すれば「こんな投資は無駄だ」と誰もが手のひらを返すだろう。
だからそこ「ウクライナ支援を持続可能な生産能力として捉えるようになってきた」という話で、欧米が民需や株主の都合を無視してロシアのような戦時体制への移行を容認できるのは「戦争当事国」になった場合であり、誰も他人(他国)を助けるために「財布の中身」を全て差し出さないと同じだ。
因みにATACMSの年間生産量は500発しかなく、米陸軍の調達はATACMSからPrSMに移行しているため全て輸出向けだ。米陸軍はPrSMを2023年に120発、2024年に110発、2025年に190発に調達=発注する予定なので、仮に「PrSM調達分だけATACMSをウクライナに提供しても即応性が低下しない」と過程するなら、備蓄分からウクライナに提供できるATACMSの数は年100発前後となるが、長距離攻撃手段に対するニーズが高まっているため「ATACMSの備蓄を保持したままPrSMの調達分で即応性を上積みしていきたい」というのが本音だろう。
MBDAによるStorm Shadow/SCALPの年間生産数は不明だが、マクロン大統領が今年2月に約束した長距離攻撃ミサイルの提供数は40発で、フランスのルコルニュ国防相は今月9日「我々はゼレンスキー大統領に約束した通りSCALP×10発(40発の一部)の移転を最近承認した」と表明、Le Mondeは今月19日「フランスが保有するSCALP(空中発射式モデルの保有数は推定500発)には限りがあるためウクライナへの供給量は限定的になる」と報じている。
英国がStorm Shadow(保有数は推定700発~1,000発)を何発提供しているのか情報がなく、イタリア(保有数は推定200発)もSCALPを提供しているらしいが、戦場で使用された報告や戦果の数が限られているため3ヶ国による供給数は3ヶ桁に届いていなだろう。
ATACMSとStorm Shadow/SCALPによるロシア領内の攻撃効果や戦場への影響について様々な意見があるものの、オースティン国防長官は「この戦争において長距離攻撃兵器だけが唯一の決定的な手段ではない」と述べ「長距離攻撃兵器の制限が解除されれば戦争に勝てる」という考えを窘めており、生産力や提供数の観点から見ても「ロシア軍と北朝鮮軍に混乱をもたらしてクルスク方面の状況改善に役立つ」「交渉開始までクルスクの占領保持に貢献するかもしれない」という程度で、長距離攻撃兵器が単体で「劣勢を挽回するトリガー=ゲームチェンジャーになる」と期待するのは失望するだけなので止めた方がいい。
管理人もミリオタなので兵器のスペックや能力の比較や妄想は大好きだが、今回の戦争を通じて「兵器の尖った能力が戦いに及ぼす影響は限定的」「戦場の優位性は量と供給能力に大きく左右される」「優れた兵器がどれだけあっても戦場の結果は人的資源の供給量で決まる」と学び、逆に人的資源や武器のボリュームが対等なら兵器の性能や指揮官の能力が戦場の結果を左右するのだろう。
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※アイキャッチ画像の出典:Mil.gov.ua/CC BY 4.0 DEED
結局防衛産業というものは国家にとって必要不可欠な存在だと分かっていても民間企業からすれば戦争という需要が無ければ企業財務や利益を圧迫する負担にしかならないからね。
難しいよね、実際。
中国やロシアみたいな独裁国家なら政府支援とお上の鶴の一声で余裕でクリアするんだろうけど。
古今東西、軍隊そのものが平時は大飯喰らいの穀潰しですからね。
日本も例外ではないので災害救助をさせたり、昔は鉄道建設に動員したりしてました。
せめて、戦略備蓄の拡充、防災施設(兼核シェルター)建設、非常事態対応教育など、平時でも民生とリンクして有効活用可能な部分はケチらないで欲しいものです。
それはそれとして、北朝鮮はなんであれ程の砲弾生産能力があるのか不思議に思っています。備蓄は休戦期間が長いのでありえそうですけど…
ソ連崩壊に加え、イラクとアフガニスタンで起きたことで、北朝鮮は自身の安全を非常に懸念している
そこで、「米軍が本土に大規模に侵攻すれば」という懸念に対応するため、軍事費を超大幅に増やした。核とICBMという究極の手札が完成してから、過剰な軍事費は削減されつつあるが、増大した生産能力や在庫はすぐには消えない
そして戦争が始まるにつれ、砲弾は重要な輸出品とされ、北朝鮮に不足している食糧や燃料の交換に使われるようになったのだろう。すると、生産能力が削減されないだけでなく、さらに向上する可能性があります
いくら軍事費を伸ばし戦時体制を延々と続けた国家だとしても、散々制裁を受け続けた北朝鮮の経済規模で露に次ぐ砲弾生産が出来ているとしたらさすがに驚きではないでしょうか?
そしてICBM&核という質の切り札も手に入れて、更には自国が戦場になっていないという点も重要ですね。また、軍用装備が重要な輸出品となって燃料や食糧の輸入が可能になっているのですから、軍需産業は国家の負担になっているどころか稼ぎ頭です。
つくづく、“平時なら御荷物”、つまり平時では無くなったことを実感します。
国が経済的に豊かになるにつれて、様々なコストや賃金自体が大幅に上昇する
爆薬に関わる危険な仕事は、知識や技能が足りない労働者に任せてはいけない。しかし、脱工業化の欧米では、優秀な学生は基本的に医学、経済、法学に集中している、工場労働には全く興味がなく、深刻な人手不足を招いている
また、民間軍需企業も全くやる気がない。国が安定して長期的に拠出できなければ、増えた生産ラインや雇用者は停戦後、企業の負債になるだけだ。冷戦終結後に米国が軍事費を削減し、多くの民間軍需企業が倒産した教訓は深い
ロシアや北朝鮮では、砲弾のコストがはるかに低く、労働者になりたい人が多く、命令を下して金を出せばすぐに国営軍需企業の拡張を開始することができる。実はかつての欧米にもこれらの条件があった。今の北朝鮮が異常というより、今の欧米の問題が大きすぎる
結果的に”防衛産業の能力が軍事力と同じぐらい外交力に影響を及ぼす”というこの記事の内容で大きな外交力を既に手にしていたのが北朝鮮か。
制裁を受けつつも核の保持に成功して大国ですら安易に手が出せない状況に持ち込んだ。
今回の戦争でも正義の名でウクライナに供給した資源は全て浪費されたうえで見返りなんて期待できないのに対して、自国兵器の実戦データを集めた上で戦争後も大きな影響力を残しそうなロシアとの外交に成功している北朝鮮は国力や面積が小さいにもかかわらず本当に上手い立ち回りだと思う。
今でもアメリカ合衆国陸軍工兵部隊は、ダム作ったりアラスカの奥地で国道建設とかやってますね。
ハリケーン被害の復旧作業やってるのも工兵です。
平時に武器生産能力への投資を行わないことに憤る者は、何年にも渡る投資回収が必要な設備投資を行ったであろう、シャープの1箱3000円のマスクを、今も欠かさず毎月購入して、応援しているのかという話だな。
布マスクを繰り返し洗って使っている。
専用設備ではなく、民生品の活用を平時から考えるべきだろう。
確かに難しい問題です。
抑止力の一環として防衛産業が存在することが必要です。
がしかし、抑止力で戦争が防がれ、結局抑止力が不要になり。
不要になった抑止力を削減すると、削減しすぎて結局戦争が起こってしまうという。
抑止力しか戦争を防げないとしたら,シンガポールはとっくに消滅してますね。
軍事力は数多なパラメータの一つに過ぎず。
そして時には相手国から敵視されるパラメータでもありますから、日本のように単に抑止力だと思い込んで諸外国に危険視されるのでは、安全と真逆の方向にしか進みませんよ。
世界有数の陸軍国であったウクライナですら、自国にNATOの中距離ミサイルを配備してロシアの国防に致命的な危険をもたらそうとして戦争を引き起こしています。
日本も本来は共存共栄出来る中国に対し、海洋軍拡による中国シーレーンの封鎖を試みているため、無駄な戦争を引き起こすリスクは非常に高いと言えるでしょう。
シンガポール、あの国家規模にしてはやたらと重武装だよ
少なくとも周辺諸国が単独での進行をためらう程度には
中国の場合は、中国が出てくると確実に米印が動くから動けないわけだけど
日本が中国のシーレーン封鎖を試みてるなんて初耳です。
是非、ソースを教えてください。
どうどうと日本の皆さんが叫んでいらっしゃるじゃないですか。
「中国の第一及び第二列島線進出を阻止すべし!!」と。
中国は日本以上に中東の原油にエネルギーを頼り切っている上に、日本と違って航路の選択肢がありません。中国にとっては、シーレーンはまさに国家の生命線なんですね。
すなわち、日本が「シーレーンの安全を確保する=中国海軍を排除する」 と主張することは、中国側から見れば「日本が中国の生命線を軍事的支配下に置き、生殺与奪の権を握る」ということを意味します。
ですので、日本が中国海軍の脅威に備えて海軍力を整備するのと全く同じ理由で、中国は日本海軍の脅威に備えて海軍力を増強するという構図です。日本に自衛のためのシーレーン防衛の権利があるなら、当然ながら中国にもシーレーンを守る権利があると言えますね。
そもそも最初に共存共栄投げ捨てておいて、軍事力で威嚇し合うしかない状況に持ってったのは誰なのよって話で終わりです。
あんまり言う人いないと思うんですけど、仮に中国が台湾を接収して、西太平洋の覇権を握ってシナ海や日本海を自国のサンクチュアリにしたとして、欧州中東~日本のシーレーンを妨害するんだろうかという疑問が。民間船の航行を閉め出すなんて輸入・輸出が生命線の自分の首を絞めるようなものです。
自国の近くにウザイ外国の軍隊が無ければ、その維持に必要そうな小規模の領土獲得で満足しそうな気がする。
どうかなー
一帯一路構想に含まれてない太平洋側はともかく、インド洋側が含まれてる以上はそこを維持するブルーウォーターネイビー、引いてはその拠点の領土は持ちたいと思うのでは。
太平洋側の領土、という点ではまあそうなのかもだけど。
仰る旨は分からなくもないですが、問題は「すぐさまやるかどうか」ではなく、「やろうと思えばできるようになる」点にあるのです。
中国が台湾を手中に収めれば、何らかの衝突や摩擦によって日中関係が悪化する度に、海軍や海警局の艦艇を使って日本のシーレーンに示威行為を仕掛けることができます。
その度に日本国内ではエネルギー価格が高騰し、スーパーからは石油製品が消え、株価は暴落する。実際にシーレーンを妨害まではせずとも、間接的にこれだけの影響を及ぼすことができるようになるわけですね。
その前に日中航路の維持も考えてもらいたいものだ。
>「シーレーンの安全を確保する=中国海軍を排除する」
それはいったい、どこから出た話ですか?
ひょっとして、習近平の脳内の世界線ですか?
日米共に中国の船舶を攻撃したとこは無いでしょう。公海上を中国軍の軍艦が通るのも妨害たことも無いでしょう。
>シーレーンの安全を確保する=中国海軍を排除する
どういう理屈でこうなるのかよく分かりませんし、
軍が出てくるのが前提なのでしょうか?
>日本に自衛のためのシーレーン防衛の権利があるなら、
当然ながら中国にもシーレーンを守る権利があると言えますね。
それは当然で、お互い譲れない一線がある事を認識しながらも
交渉するということでは?
俺はEasyさんをリスペクトしてますが、これはちょっと違うと
軍事力はパラメータの一つというのは同意しますが、例えに出してる中国はもろに軍事力が主要パラメータになってる例ど真ん中なので論建てを誤っているように思えます。
そもそもシーレーン云々に軍事力を主要パラメータとして持ち出してきたのは当の中国なので、言う先が間違ってますね。中国に対して無駄な海洋軍拡はやめろと言うのが正しいでしょう。
中国の軍事費はgdpの2%を切っているから。経済成長と科学技術向上で予算と軍事力が向上している。ロシアとの緊張緩和で、また予算の振り方を変えている。 対アメリカ、対台湾を考えれば善悪ではなく、予算がそっちに流れるのは当然。流さなければバカだろう。
中国の工業力を考えると、海軍力と量もあまり多くない。中国は経済力と技術力を上げれば軍事力も無理なく上がるという発想。ソ連の軍事費中心とは違う。
日本はGDP比を上げようとしている。が、そのために教育費とか科学技術振興費が犠牲になりかねない。かなりキツイ。
アメリカもGDP3%ごえで大赤字なのでキツイ。
GDP対比でこうだという話は御説ごもっともですが論点がずれてます。
わかりづらくて失礼でした。主要パラメータのど真ん中じゃないという話。
GDP比固定で、経済力や科学技術が上がれば、軍事力が上がるなので、
中国はど真ん中は経済と科学技術。 アメリカの方が、中国よりも軍事中心。
こちらこそ元々の投稿端折り過ぎてました、失礼しました。
元レスの海洋軍拡の例は参照されるパラメータなんて軍事力以外ないじゃないか、という主張でした。
我が国が積極的に中国シーレーンを封鎖しようとしている
とのご意見はさすがに違うのでは
アメリカが中国の内政問題である台湾問題に無用な介入を
して、我が国がそれに引きずられているのは事実ですが
自衛隊を単独で考えるのか、それとも、アメリカ海軍と組みで考えるのか?
中国と自衛隊の海軍基地があるジブチをどう解釈するのか? 人により別れるよね。
仰る通りかと。
それに、もしこの中国封鎖説を前提として認めても、現状の、特に大型揚陸艦を始めとする圧倒的な建艦ペースを正当化することは不可能ですよね。
中国の生命線であるシーレーンを防衛する、という名目なら、最大でも台湾海軍+海上自衛隊+米第7艦隊に対抗できる戦力さえあれば良いのですから。
独裁国家は鶴の一声で国民に負担を強いれますが、民主主義国家は安全圏から戦争煽って消費先を作るとか、仮想敵国の脅威や嫌悪を煽って国民のコンセンサスを得るとかが必要になって来ますからね。
ただ、独裁国家でも理屈としては不要な内外向け軍事力誇示を行ってますし、内実は単純ではなさそうですね。
この問題は民間に補助金出して押しつけるのはなくて、軍直営の兵器廠を復活させるしか
手は無いと思いますが、ただ時間はかなりかかりますよ
で、間に合わないまま有事になって、それが過ぎたら今度は喉元過ぎれば熱さを忘れるで
もし官営の兵器廠を作ったとしても今度はこう言われるんですよ
「官営の手法は非効率で税金の無駄遣い、民間手法を導入して効率を上げコストを下げよ」
とね、で閉鎖です、戦争に限った事じゃありませんが、こんな繰り返しです
この手の問題って戦争に限りませんが、大抵は危機に直面してから当事者達が気づくので
往々にして手遅れなんですよね、そうなる前に周囲の雑音を排して「必要なものは必要」で
先見の明で押し通せる人や組織を日頃から育てるしか無いんですが「言うは易く行うは難し」
って奴ですね
単純な言い方をすると。
それならば、”小国は大国(米/露/中/EU?/印?)に逆らえない”
事になりそうなので、それはそれで問題の有るような。
それぞれの国の事情に応じた対応になるのでは?。
小国は「単独」では大国に逆らえない。それが現実。
だから、小国同士で手を組むか、大国と手を組むか、大国間の対立を利用するか。などの選択になる。
小国にとって、西側と対抗能力がある中国・ロシアが居なくなる世界のほうが恐ろしい側面もある。
どうでしょうね。
昔で言う”合従連衡”の状態になるのは、もう少し先かな。
因みに連衡策を取った場合、最終的に、強国を除く国々は、
個別に征服され、なかなか悲惨な最後だった様です。
ですから、連衡策を取る場合、組む強国は中/露、は嫌ですね。
合従策をとった場合の結果はまだ歴史上に無いと思います。
NATOがそれに近い様な気もしますが。こちらかな。
ロシアみたいな『帝国』型の国だと株主やステークホルダーの利益なんかガン無視して、長期的な戦争遂行計画や兵器供給計画建てられるけど、西側は一々その度に金出す連中にお伺いを立てないと、車両一台購入するのも出来ないという現実がある
しかもこの金を出す人間がコロコロ変わったり沢山居たりするから、民主主義と金融資本主義は長期的な戦争には向いてないんだなぁと感じる
ぶっちゃけた話をすれば長期に渡る戦争なんてこんな時代には異常なだけで、それに対して平時の状態で臨む事が適切なのかですけどね。
少なくともイギリスとアメリカは民主主義の国だと思っていますが二次大戦時に長期の戦争してませんでしたっけ?当然戦争を勝ち抜く為に権力の集中とかしてるんですよ、でもそれを独裁と大っぴらに言う人いるでしょうか
トランプには「金さえ出すならクレムリン宮殿だって引っ張ってきてやる」くらいの「信頼性」はあるけど、金がなければけんもほろろでもあるわけで。
お金の面から見た、ウクライナ戦争の分析でなにかいいのはないですかね?
指摘そのものは全くもっともで、大国同士の総力戦は、短期の戦闘能力以上に継戦能力が重要ではあるのですが、継戦能力を高めるということは、生産リソースを民生から軍事に振り向けることと同義であり、ただでさえ芳しくない欧州経済・財政の足を大いに引っ張ることが素人でも容易に予測できます
これは当然、一時的でなく持続的なものですし、経済の悪化は極右勢力の台頭をますます招いて、政権基盤を脆弱にしますから、欧州の先行きは控えめに言っても暗いと言わざるを得ませんね
「金持ち喧嘩せず」という格言の偉大さばかりを思います
車を運転していて、人身事故は滅多に起こらないけど、起こしてしまった時に保険に入っていないと破産する。
保険は、掛け金をかけ続けなくてはならないし、当然事故した後からは入れない。
滅多にないけど、起こると破滅する事に金を払うのは当然では?
ただ、戦争は人身事故ほど頻繁に起こらないので、なかなかピンとこない人も多いのかも。
人身事故は偶発的かつ予測不可能(ルール整備と教育で減少は可能)なものですが、戦争は予測可能かつ回避可能ですから、事故とはまた違った性質を帯びるかと思います
戦争に突入するとすれば、それは各国政府のインテリジェンスの読み違い、外交能力の欠如、首脳の決断力の問題であって、政治的責任がすべてであると思います
プロパガンダが流布するような、対話不能の宇宙人が一方的に侵略してくる構図など、近代では見たことがありません
バランスですね。保険は重要だけど、無尽蔵に増やせば良いわけじゃない。多すぎると生活を圧迫する。コスパ重要。
西側の軍事費自体は世界の6割なので、軍事費足りないというよりも、コスパが悪すぎる。
日本では、GDPだけを比較して外交について議論される事がありますが、時間の無駄で何の意味もなかったわけです。
日独の外交力について、よく言われてきましたが、ドイツ防衛産業の影響力はウクライナ戦争でも分かりやすいですね。
プーチンすら、方針としては最新装備へ更新して量から質へシフトしようとしてました。
しかしロシアは過去の人材やノウハウの蓄積があったため、すぐ元のレベル、それ以上に回復することができました。
一方で外国に頼り、かつ資源も乏しい国は一度それらと距離をとってしまうと苦しいですね。
フィリピンなどはもう手遅れに見えますし・・・。
絶対的な同盟国あるいは庇護してくれる国がない限り、自国単独で守り切れる力がないといけない。
EUは単独では守りきれないから連帯、日本や台湾、オーストラリアなどは米国の庇護下(義務ではないにしても)。
ウクライナやフィリピンは庇護や連帯に入る前に回遊魚していたら鮫に追いかけられている状況。
ウクライナを見ると、小国は「軍事的手段を使わなければならないと思われないように」の方針を直接切り替えたほうもいい
最も善戦的な大国であっても、戦争には多大な費用がかかり、様々なリスクを負うことになる。ほとんどの場合、関係をある程度悪化させない限り、相手は戦争を選ぶことはありません
他の大国に頼って自分を守ろうとするのは必ずしも間違いではないが、油断すると大国に利用されて鉄砲玉になったり、調子に乗って挑発し始めたりする……身の安全を守ろうとしたのに、逆に相手から特に邪魔な脅威と認定され、本気で潰そうとしている状況は最悪だ
兵器や兵隊の質よりも物量と生産力が物を言うのは第二次世界大戦の結果で分かりきつた事なのに何で忘れてしまつたんだか。兵器と兵隊の質だけで勝てるなら日独が圧勝していたよ。ロシアが戦争初期の失敗後も一貫して強硬的だつたのは此の事を確りと覚えていて対策済だつたからなのだろう。
フセインのおかげだろう
湾岸戦争の時、連合軍の人数はイラク軍よりも30万人多かった。そしてその後のイラクは、03年にはすでに末期状態だった。経済が破綻し、総人口の6割のシーア派が不満を抱き、高官が買収され、数万の兵士が交戦前に勝手に逃亡した
しかし、この2つの戦争は、「強大なイラクの百万大軍が、寡兵の米軍にハイテクと先進的な戦術を使って簡単に潰された」とよく解釈されている……多くの国は、米国自身も含めて、この盛りすぎた神話に何年もだまされてきた
当時の戦史を見るとイラク軍は一時帰休を利用した脱走や逃亡とかやる気の無さが目立つ(宗教的対立や国内の不満とか色々あったのかもしれない)
たしかにF-117によるステルス爆撃やF-111によるレーザー誘導爆弾を使ったタンク狩りは効果を発揮したが、空軍のやる気の無さはちょっと異常で空爆開始から3日目には空対空戦闘を事実上辞めてる
700機作戦機があって100ソーティしかない
イラクは独裁国家なので各兵やる気なかったのかもね
ウクライナとは全然違う
独裁かどうかは関係ないだろう
ソ連、第三帝国、今のロシアなど、独裁と言われているが、勇敢な兵士が多いのは確かだ
民主国の政治と経済が末期状態になれば、イラクと同じようにやる気がなくなるかもしれない。むしろウクライナの方が異常
2014年から分離独立派との小規模な戦争が続いているため、人々の考え方は平和に酔いしれる国とは全く違うのだろうか
そりゃ最初の三日間でほぼすべての滑走路が穴だらけにされたからでしょ
やる気だけで穴が埋まるなら苦労はしない
プーチンは、キエフ周囲から去らせた時点でこれは生産能力・回復能力の勝負になるととっくに理解していたでしょう。
ウクライナと米欧がロシアの上記能力を舐めまくって注ぎ込んでくるうちは押し込まれるのもやむなし。実際にヘルソン対岸やハリコフからの撤退が必要となりました。
それから月日は流れ…
もっとも、これはトランプとプーチンによって、欧州があるべき姿へと矯められていく過程になる…はずのものです。
その意味で、米露は大国の役割を立派に果たすと言えるのです。
ただし、実現成否は欧州が目醒められるか次第ですが。
もちろん、矯められねばならぬは日本も同じです。
「次の(最長)4年間」を「更生期間」にすることのできなかった者が敗者となります。猶予はたったそれだけです。
キエフ強襲からの降伏勧告・停戦交渉がロシアのプラン1でした
これが失敗に終わり、プーチンは直ちに2022年5月に長期戦に
移行するプラン2に戦略を変更し、各部署に指示を出しています
(ソースは書きませんが、我が国のメディアも報じていました)
確かパトルシェフだったか、2022年夏には「我々は短期的決着
を想定していない、我々は最低5年の継戦能力を持っている」
と発言していましたね。現在折り返し地点という所でしょうか
ロシアサイドの態勢を見るに、2014年のマイダンクーデターから
既に紛争を想定し、準備していた事が伺えます。おそロシアです
それを言い出したら、西側はプーチンロシア潰しを、マイダン革命前から狙っている。
中東民主化構想とか、西側の政府転覆計画は、常に動いている。
ウクライナの反抗作戦とか圧勝するつもりだったのに単純に分析ミス。現状の砲弾量で勝てる。砲弾が重要になると思わなかった。
欧米が敵対国政府に転覆謀略を無数に仕掛けてきた事は
当然知っていますよ。
自分らが「善」だと思い上がる傲慢と利権の為という事も
ただ俺は捻くれ者なので仕掛けられた方が「善」ではない
とも考えてます。ウクライナ紛争はおっしゃる通り、完全に
目論みが外れ欧米もどうしていいか分からないのでしょうね
私見ではありますが、
東西冷戦終結後、欧米諸国の対ロシア政策は、経済的相互依存関係を深化させ、交流が拡大することでロシアの民主化がより進展し、将来に渡り友好関係を構築する・・・という、今から見れば「幻想とも言える楽観主義」だったように思います。プーチン政権を潰そうというより、懐柔できると考えていたのでは。(特にドイツが)
ウクライナの反攻作戦失敗は、諸兵科連合による作戦計画と遂行能力が不十分という西側軍事筋のアドバイスを無視して強行した結果だったかと。分析を誤ったのはウクライナ軍指導部だと思っていましたが。
西側軍事筋はウクライナよりも支援する西側各国政府に
今まで提供してきた武器弾薬だけでは反攻作戦の成功やロシアの意図を砕くには不十分 と
もっと声高にアドバイスをしておくべきだったのでは、と思います。
いまさら言っても仕方ないですし、それをすればその軍事筋が干されたと思いますが・・・
民主や独裁にこだわらなければ、欧州とロシアの友好関係は本来維持できる
しかし、欧州が幻想的な簡単な思考を始め、米国に合わせて民主的な強制布教を行ったため、すべてが取り返しのつかないことになったのだ
プーチン氏「利益がある限りずっと友好的に協力しましょう」
2014の欧洲政治家「独裁者(ヤヌコーヴィチは合法的な選挙で生まれた大統領なのに)からウクライナを救え!」
「なに?プーチンが抗議?ふん、独裁者が反対するなら、私たちが正しいことを証明します!」
「旧政府に反対するのは正義の民主戦士だ!新政府に反対するのはプーチンに利用された反逆者だ!」
2022の欧洲政治家「経済的つながりは多く、制裁すれば反作用も大きい?馬鹿なことを言うな、独裁国の経済が民主国より強靭であるはずがない!しかも民主と独裁の聖戦は自国の経済よりずっと重要だ!」
自国民とプーチン「マジかよこいつら……」
カナダやオーストラリアの潜水艦戦力、ニュージーランドの航空戦力のように
失いかけをぎりぎり維持している先進国がこれからどのように取り戻す予定なのか不安ですね。
航空機ならまだ民間の訓練学校とかの利用は考えられますが
艦船になるとチーム訓練が主なので、陸でできることも限られているかと
実戦的なダメージコントロールについては、実はものすごく優秀なのかもしれませんが
>防衛産業の能力が軍事力と同じぐらい外交力に影響を及ぼすと気づき始めた
今更気付いたのかって感じだけどこれじゃ今の世界で最強の経済は中国の経済だと認めたようなものだな
中国の経済は常に平時と戦時のハイブリッドだからね
毛沢東は政権は銃口から生まれると言ったけど中国人は銃が鉄鋼と工作機械から生まれるのを知ってたからね
けど西側資本主義国はそれに気付けなかったんだな
まあ、アダム・スミスやデビッド・リカードを有り難がってるんだから当然だけど
スミスやリカードとかの古典派経済学者やその流れを汲んでる新古典派経済学者は常に市場での交換価値だけを問題にしてたからね
なぜなら空想の市場においては服や鞄と銃や大砲は交換価値さえ同じなら等価とみなされてしかも財の生産能力は資本さえあれば瞬時に得られると仮定されてたから
けど現実の世界では服や鞄と銃や大砲はたとえ市場での交換価値が同じでも等価ではないし財の生産能力も財の生産自体を通じた学習という時間のかかるプロセスを経なければ決して獲得できない
まあ、気付けなかっただけならまだいいけど
それに気付いてスミスやリカードを批判して「財の生産能力は財そのものより無限に重要である」と喝破したフリードリッヒ・リストを経済学界はずっと似非経済学者扱いしてたしね
実際リストなんて僕みたいな経済史の学徒以外は誰も知らないんじゃないかな
伊藤博文「鉄は国家なりって言ったの俺!」
ビスマルク「パクって起源主張するなよ…」
まさしく「戦いは数だよ、兄貴」を改めて認識させられた状況ですね。
「ビグ・ザム量産の暁には(実際無理だった)」という質を追い求める(=調達性の悪さ)ことの難しさも判明した状況ですし、米中戦争のシミュレーションでも亜音速巡航ミサイルの数がカギとなったり、「量産性の高さ」が現在の注目になっている認識です。
コロナ時の国産マスクみたいにウクライナ戦も突如の休戦が起こり得ないと言い切れない。ならば自軍の消耗分の内需にバックオーダーが山積みのロシアとウクライナ以外は戦時体制とまでは行けませんよね。
ポーランドの予備込の正面装備の発注数にしろ政権交代で後に過剰として削減される可能性は絶対ある。また実は国産化で失敗してても無理して機能不全のままの納入もありえる。輸入でなく現地移転生産は不確定要素が多すぎる。
そんな中でむしろ明確になったのは米国武器との互換性の真の価値です。米国はその地理的に世界の武器工場として最も安全でもある。米軍は大量の備蓄を必ず備える。米軍に同じ装備を導入し、その生産に参入し自国生産をする。
西側ならそれが戦時を見据えると最善に思える。ただし、政治的に絶対に米国から敵視されない前提条件は必須です。またそうなると今度は米国には足元を見られる。
わーくにも国産装備はバーゲニング・パワーのデモンストレーターとして機能してます。お陰で米国に足元みられず米国装備を導入出来てます。しかし台湾有事には不介入と、もし政治が決めると途端にぼったくりが始まります。それどころか取引停止が乱発でしょう。
外交における軍備の影響力と防衛産業の影響力を国内政治の影響力に比較すると実はザコです。投票権を持つ国民の力はそれだけ絶大です。しかし恐ろしく優柔不断でかつ虚像まみれの流行にすぐ流される。なんとも不条理な事です。