欧州関連

東地中海に墜落したF-35Bは英空軍機、ロシアに奪取されないよう英米のダイバーチームが警備中

17日に東地中海で墜落したF-35Bは英国人パイロットが操縦する英空軍の機体で、海中に沈んだ機体はロシアの手に渡らないよう英米のダイバーチームによって保護されているらしい。

参考:F-35 From The Carrier HMS Queen Elizabeth Has Crashed Into The Sea

F-35Bの残骸がロシアの手に渡らないように警戒中の英軍と米軍のダイバーチーム

英国防省は17日(現地時間)、極東派遣を終えて母港ポーツマスに帰投中の英空母クイーン・エリザベスから発艦したF-35Bが地中海に墜落したと発表したが、同艦には英空軍第617中隊(通称ダム・バスターズ)所属のF-35Bと米海兵隊から派遣された第3海兵航空団所属の戦闘/攻撃中隊「VMFA-211」に所属しているF-35Bの両方が乗船しており、どちらのF-35Bが墜落したのか明かされていなかった。

しかし米海兵隊は「失われたF-35Bは我々のものではない」と声明を発表、英国政府の関係者も「墜落したのは英国人パイロットが操縦する英空軍の機体だ」と言っているため東地中海に墜落したのは英国機なのだろう。

さらにF-35Bが墜落した海域はトルコ、イスラエル、エジプトに囲まれた東地中海の何処かだと報じられているが、既に墜落した機体は発見済みで「海中から回収されるまで英米のダイバーチームによって保護されている=F-35Bの残骸がロシアの手に渡らないように警戒しているという意味」と英メディアが報じている。

因みに墜落した機体を操縦していた英国人パイロットは救助されクイーン・エリザベスに収容されているらしい。

関連記事:同盟国運用のF-35墜落事故としては2例目、英空母クイーン・エリザベスのF-35Bが地中海に墜落

 

※アイキャッチ画像の出典:Public Domain

豪陸軍に提案されているリンクス、レッドバックと同じゴム製履帯を使用できると発表前のページ

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コメント

    • 匿名
    • 2021年 11月 18日

    潜水艇なしで、ダイバーが警備できる範囲の水深なら、自衛隊のA型の時と違って、結構浅瀬に沈んでいるのかな?

    14
    • 匿名
    • 2021年 11月 18日

    事故が起こったのは離陸直後だったらしいです。
    リンク

    あと、脱線しますが英空軍を退役したセンチネルR1を米軍が取得するようです。E-8の後継だとか。
    リンク

    7
      • 匿名
      • 2021年 11月 21日

      離艦直後だと、パイロットの操縦ミスよりは機体側、特にエンジン関連ですかね。
      F-35Bの発着艦は機体の姿勢安定も殆どコンピューター任せですから、パイロットが出来る事は少ないので。
      引き揚げてフライトレコーダの解析は急務でしょうが、ダイバーが潜って残骸を監視出来るって事は
      ブラックボックスだけは先に外して回収してそうですがね。

    • 匿名
    • 2021年 11月 18日

    落ちたのは仕方ないけど大変なところに落ちたんだな、アメリカは気が気じゃないだろうね

    5
      • 匿名
      • 2021年 11月 19日

      確かに安心はしていないだろうが、気が気じゃないはちと言い過ぎじゃないか?
      面倒な事態に変わりはないが。

    • 匿名
    • 2021年 11月 18日

    落ちたのは公海なのかな?

    1
      • 匿名
      • 2021年 11月 18日

      コメ欄のリンク先のBBC NEWSで
      「The incident occurred at 10:00 GMT over international waters and no other aircraft were involved.」
      とあるので、公海に墜落したと思われます。

      4
        • 匿名
        • 2021年 11月 18日

        厳密に細かい事を言うと、地中海に公海は無いです。
        地中海は全て領海と排他的経済水域で覆われます。

        5
          • 匿名
          • 2021年 11月 19日

          公海について「いずれの国の排他的経済水域、領海若しくは内水又はいずれの群島国の群島水域にも含まれない海洋のすべての部分」

          国際水域

          4
          • 匿名
          • 2021年 11月 19日

          ↑途中で送信してしまった…

          公海の定義について調べたら「いずれの国の排他的経済水域、領海若しくは内水又はいずれの群島国の群島水域にも含まれない海洋のすべての部分」とあったので、たしかに地中海に公海は無いですね。
          なのでBBC NEWSにあった
          international waters=国際水域
          となり厳密には公海とは異なります。
          ちなみに国際水域の定義は
          「大洋、大規模な海洋生態系、閉鎖海あるいは半閉鎖海、三角江、河川、湖沼、地下水系(帯水層)、湿原で、国境を超越している水系やその周辺地域をさす用語」だそうです。

          勉強になりました。

          3
            • 匿名
            • 2021年 11月 19日

            経済活動=資源保護なので、それ以外の権限的はほぼ公海と同じですね。
            この辺りは、ごっちゃになっているメディアも多いので(意図的?)

            国際海峡と特定海域の違いも重要です。
            領海広げれば良いもんじゃ無い…

            1
    • 匿名
    • 2021年 11月 18日

    そう言えば日本で墜落したF35は機体の回収が出来てなかった気がするけど
    どうなったんだろうか?

    1
      • 匿名
      • 2021年 11月 18日

      音速近くで垂直に海面へ衝突してバラバラになり深海に沈んだろうから、どうにもならないだろうな。
      何世紀かして資源探査の無人海底探査機が見つけるまで海老の住処にでもなってるかと。

      13
      • 匿名
      • 2021年 11月 18日

      機体の一部は回収できたみたいだけど、結局全部は無理で打ち切ったようです。
      リンク

      2
      • 匿名
      • 2021年 11月 18日

       H-2は引き上げたのにね。

       パイロットの慰留品だけでも回収してあげたかった。

       

      1
        • 匿名
        • 2021年 11月 19日

        一応、パイロットの遺体の一部は回収していたと記憶しているが……

          • 匿名
          • 2021年 11月 20日

           知らなかった。

           ありがとう。

    • 匿名
    • 2021年 11月 18日

    ロシアだけでなくトルコも狙いそうな位置だ

    1
      • 匿名
      • 2021年 11月 18日

      トルコはJSFプロジェクト参加国だから「技術流出」の心配はなさそうだが、落ちるたびにこう警備しないといけないのは扱いがデリケートすぎるな
      こういうフォローが望めない有事の時はどうすんのっていう

      8
        • 匿名
        • 2021年 11月 19日

        これ南シナ海で落ちたら面倒だよね

        1
    • 匿名
    • 2021年 11月 18日

    B-52は飛ばさなくても大丈夫なのかな。
    海域が狭い、場所の微妙さ、場所がほぼ特定できてる等々で、太平洋の時と対応は変わるんでしょうな。

    1
    • 匿名
    • 2021年 11月 19日

    アメリカはK219の事故の時に弾道ミサイルを回収したって説があるからなあ

    3
    • 匿名
    • 2021年 11月 19日

    中国やロシアと仲がいいブラックボックス開けちゃう国に売った時点で
    神経尖らせても無駄な気がしますが。

    1
    • 匿名
    • 2021年 11月 19日

    韓国は中国の領海に意図的に墜落させそう

    1
    • 匿名
    • 2021年 11月 19日

    ダイバーチームってやっぱりSBSとシールズなのかな?

    1
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