大きな注目を集めたILA Berlin 2026の防衛部門における主役は無人プラットホームで、ボーイングはMQ-28 Block3を、エアバスはレイブンストームを、ヘルシングがCA-1 Europaの電子攻撃バージョン=CA-1EAを発表、GA-ASIもドイツ空軍へのCCA調達にGambit CCAで参戦した。
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CCAは1機種に有人戦闘機の能力を拡張する全要素を詰め込むのではなく分散させるため、様々なクラスと能力を持つCCAが今後次々と登場してくるはずだ
米空軍のNGAD、米海軍のF/A-XX、仏独西のFCAS、英伊日のGCAPには有人戦闘機に随伴可能なウイングマン(自律的飛行が可能な無人戦闘機)が設定され、有人戦闘機の代わりにリスクの高い任務の一部を肩代わりしたり、有人戦闘機の認識力や戦場に運搬するペイロードを拡張したり、価格高騰で減少傾向が続く航空戦力の量を補完できると期待されているが、ウイングマンとの協調能力は次世代戦闘機のみが利用できる固有要件ではなく、既存の第5世代機や第4世代機向けに実用化が相当前倒しされている。

出典:U.S. Air Force
米空軍は有人戦闘機に随伴可能な協調戦闘機=Collaborative Combat Aircraft(CCA)を1,000機調達する予定で、CCA第1弾調達=Increment1としてYFQ-42AとYFQ-44Aの生産を2026年度に決定する見込みで、米海軍も独自のCCA選定を進めているものの具体的な情報はなく、米海兵隊はXQ-58AとYFQ-42Aを採用する見込みだが本格採用かどうかはなんとも言えない。
フランスもラファールF5と協調可能なステルス無人戦闘機を2033年までに実戦配備すると発表、さらにフランス装備庁(DGA)はCCA調達に関する情報提供依頼書(RFI)を6月4日に発行し、このCCAは空母から運用可能なものを想定している。英国も空軍と海軍が別々に無人戦闘機構想を進めているものの大きな進展はなく、海軍が進めていたProject Vixen(空母運用が可能な無人航空機開発)とProject Ark Royal(クイーン・エリザベス級空母へのカタパルトやアレスティング・ワイヤーの搭載)は既に廃止され、発着艦支援装置が不要な短距離離着陸型無人機の取り組み=Project VANQUISHに移行している。

出典:General Atomics
オランダは米空軍のCCAプログラムに正式参加し、当時のトゥインマン国防相は「あらゆるレベルの完全なアクセス権を獲得した」と言及したが、オランダのCCAプログラム参加はYFQ-42AやYFQ-44Aの調達を意図したものではなく「CCAに対する知見の獲得」が目的らしい。
恐らく西側諸国の中でCCAを最初に実用化・配備するのは米空軍とオーストラリア空軍だが、欧州諸国の中でCCAを最初に実用化・配備するのはドイツ空軍で、2029年までに敵地深部で危険な任務を遂行可能なCCAベースの無人戦闘爆撃機の初期作戦能力(IOC)獲得を計画しており、この計画が他と異なるのは「能力獲得の焦点が空対空能力ではなく空対地能力に置かれている」「有人戦闘機との協調任務だけでなく単独任務への対応」を要求している点で、さらにゼロからの開発には時間がかかるため「市場で入手可能なプラットホーム」と「主権が確保できる欧州製ミッションシステム」の組み合わせになる。
✅ >25% larger wing
✅ Increased fuel and payload capacity
✅ Beyond Line of Sight capability
✅ Internal weapons stations for greater mission configurabilityMQ-28 Ghost Bat enhancements deliver flexibility, range and capacity advancements.
More: https://t.co/IPZLUy5Qub pic.twitter.com/7EK5fUD11h
— Boeing Australia (@BoeingAustralia) June 10, 2026
ドイツ空軍のCCA候補は「ボーイングと提携したラインメタル提案のMQ-28A」「クラトスと提携したエアバス提案のXQ-58A」「ヘルシング提案のCA-1 Europa」で、ボーイングはILA Berlin 2026で大型化された主翼と2つのウェポンベイを備え、エンジン推力も10,000ポンドから12,000ポンドに強化されたMQ-28 Block3を公開し、Block3は各ウェポンベイにAIM-120×1発もしくはGBU-53/B StormBreaker×2発を携行(必要に応じて外部兵器ステーション3基を追加可能)することができ、ラインメタル主導のMQ-28A提案にローデ・シュワルツとディール・ディフェンスが参加した。
ローデ・シュワルツはMQ-28A制御向けに隠密性と妨害耐性に優れたマイクロ波無線通信ソリューション=Nemacsを提供する予定で、F-35に使用されているMADL相当もしくはMADLよりも強力な指向性通信能力だと評価されており、ディール・ディフェンスはIRIS-Tを含むミサイルなど兵器統合能力をMQ-28Aに提供するらしい。

出典:Airbus
エアバスもILA Berlin 2026で独自のCCA=U760レイブンストームを発表したものの今のところ実機は存在せず、実用化予定も2030年代を見込んでいるため、2029年までにIOCを獲得しなければならないCCA調達候補には食い込んでこないが、ヘルシングもILA Berlin 2026でCA-1 Europaの電子攻撃バージョン=CA-1EAを発表し、従来の無人戦闘爆撃機バージョンはCA-1KAと命名された。
ジェネラル・アトミックス・エアロノーティカル・システムズ(GA-ASI)は以前から「欧州製ミッションシステムを搭載したYFQ-42Aをドイツで生産する」と公言していたが、ILA Berlin 2026で「ドイツ空軍にGambit CCA(恐らくYFQ-42A)を提案するためインテックと提携した」と発表、ドイツのディフェンスメディア=hartpunktも「Gambit CCAは米空軍のCCAプログラムに参加しているため詳細情報が機密扱いとなっていた。そのため詳細情報を提供できないGambit CCAは検討から除外されていたが、米国側が機密保持規制を緩和したためGA-ASIはGambit CCAを提案できるようになった」と述べている。
INTEC to provide integration and support services for the GA-ASI #GambitUAS Series of Collaborative Combat Aircraft, under an agreement signed at #ILA26.
Read the news: https://t.co/0VgIcpu0vx#ILABerlin pic.twitter.com/nuMXm0FSM0
— General Atomics Aeronautical Systems, Inc (GA-ASI) (@GenAtomics_ASI) June 11, 2026
これでドイツ空軍のCCA候補はMQ-28A、XQ-58A、CA-1KA、Gambit CCAとなり、これは有人戦闘機に取って代わるプラットホームではなく「有人戦闘機が行使できる能力、状況認識力、ペイロードを間接的に拡張し、有人戦闘機1機あたりの効果を大幅に向上させる存在」「有人戦闘機の複雑化やコスト高騰で減少が続く航空戦力全体の量を補完する存在」「有人戦闘機とは競合関係ではなく補完関係」で、そしてCCAは1機種に有人戦闘機の能力を拡張する全要素を詰め込むのではなく分散させるため、様々なクラスと能力を持つCCAが今後次々と登場してくるはずだ。
恐らく2030年までには複数の西側諸国でCCAが運用され始めるだろうし、この能力は第4世代機、第5世代機、第6世代機のすべてに恩恵をもたらして「戦場における有人戦闘機の役割」をいい意味で再発明することになるだろう。
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※アイキャッチ画像の出典:Boeing





















私にはCCAという概念自体が無人戦闘機を受け入れさせる為の方便にしか思えません。海兵隊や海軍が本音でどう考えているかは実に興味深いとおもいます。
順番としては無人戦闘機のハードルが高すぎるからの妥協案ってだけかと
イギリスも当初は無人戦闘機というビジョンを示してたけど、それをキャンセルしてCCA的コンセプトなものに切り替えた経緯がある
完全自立戦闘機が完成するまで無人機導入を保留みたいにするってこと?
現行機体の底上げが出来、自立戦闘機開発までのギャップを埋めるための機体としてはそんなに悪いプランではないでしょ
イギリスの「Project VANQUISH」ってのが気になる
VTOLじゃないんだ