ドイツ陸軍の砲兵部隊は冷戦時代、約4万人以上の人員、1,000門以上の大砲、400基のロケット砲を保有していたが、現在の規模は1/10以下まで縮小している。そのため最低でもRCH-155×300両以上、PzH2000×160両、MARS 3×200基を擁する規模まで砲兵部隊が拡張される。
NATO加盟国内で砲兵戦力を比べると米陸軍とポーランド陸軍がいい勝負になり、ここにドイツ陸軍とトルコ陸軍が続く格好になる
ブルームバーグは2025年7月4日「NATOはドイツに最大7個戦闘旅団を10年以内に提供してほしいと要請した」「これに応えるためピストリウス国防相とドイツ軍上層部が検討している装備調達にはレオパルト2×最大1,000両とボクサー×最大2,500両が含まれている」「業界関係者はKNDSとラインメタルの受注額が250億ユーロに達するかもしれないと言う」「現在も調達交渉が続いているため最終的な金額は250億ユーロよりも低くなるかもしれない」「他にもフクス装甲兵員輸送車を更新するためPatria6×6を1,000両以上調達する計画も承認しており、こちらの受注額も最大20億ユーロに達する見込みだ」と報じた。

出典:Bundeswehr/Jana Neumann
さらに2025年7月30日「ドイツのメルツ政権は今後4年間の国防予算を年1,620億ユーロ=27.7兆円に増額する中期財政計画を承認する見込みだ」「この資金を背景にした調達リストのトップにはタイフーン×20機、レオパルト2×数百両、ボクサー×最大5,000両、Patria×最低3,500両などが含まれている」と報じ、メルツ政権は欧州最強の通常軍を構築するため、2041年までに4,002億ユーロ=約73兆円を防衛装備品調達へ投じる予定で、2025年に829.8億ユーロ=15.3兆円の装備調達を承認し、2026年も議会の夏季休会前までに判明しているだけで推定130億ユーロ=約2.4兆円の装備調達が承認されている。
8×8装輪装甲車のボクサーを大規模調達する枠組みは「アルミニウス計画」と呼ばれており、産業界は確定発注1,800両に1,700両と2,000両の追加発注オプションを加えた枠組みを提案しており、早ければ2026年末にアルミニウス計画の枠組みで合意すると報じられているが、ドイツのディフェンスメディア=hartpunktは12日「冷戦時代には約4万人以上の人員、1,000門以上の大砲と400基のロケット砲を装備した大隊・連隊規模の砲兵部隊を80個も保有していたが、現在の砲兵部隊は1/10以下まで縮小されてしまった。この状況は今後大きく変化するだろう」と報じた。

出典:Rheinmetall
“ドイツ陸軍の砲兵部隊はHeer2011体制下で3,000人程度の規模しかなく、実質的に稼働しているのは約100両のPzH2000と36基のMARS 2(米国製のMLRS)しかない。現在のドイツ陸軍はManoeuvre follows Fire=射撃と機動の原則に従い、独自の火力支援能力を大規模に拡充し、敵の偵察能力および攻撃能力を制圧することで自軍の機動を確保することを目指している。ここで重要な役割を担うのが砲兵であり、今後も縦深戦闘の主軸であり続けることになる”
“この任務を遂行するためドイツ陸軍の砲兵部隊は将来の部隊編制において、追加の人員、部隊、兵器、能力を受け取る予定だ。まだ国防省が提案する新体制について承認が下りていないため、具体的な増強の全容は公表されていない。それでも陸軍が部分的に詳細を発表したり、他の関係者から情報が漏れ伝わっているため、少なくとも予定されている調達計画の大まかな概要は把握することができる”

出典:KNDS Deutschland
ドイツ陸軍が再構築する砲兵部隊の規模は不明だが、少なくともRCH-155×300両以上、PzH2000×50両以上(既存分を加えると150両~160両)、MARS 3(EuroPULS)×00基を調達する予定で、ドイツ陸軍はRCH-155を大量調達しても防御力、不整地における機動力、射撃力の持続性(PzH2000は車両内に携行できる弾薬数がRCH-155の2倍)においてPzH2000の必要性を感じており、旧式のPzH2000も最新バージョンのA4にアップグレードされ、さらに自動装填装置や射撃の自動化レベルも追加改良による乗員数の削減や60口径の砲身に換装する可能性もあるらしい。
MARS 2の後継として調達するMARS 3は長距離攻撃能力が大幅に強化され、射程150kmの精密誘導ロケット弾や射程300kmの徘徊型弾薬の導入が予定されており、この長距離攻撃能力を活かすためMARS 3を装備する部隊は独自の長距離偵察無人機を運用する見込みで、ここに宇宙ベースの偵察能力も統合されて縦深戦闘における主役となる。

出典:Helsing
さらに旅団レベルにはヘルシングのHX-2、スタークのVirtus、ラインメタルのFV-014といった中距離をカバーする徘徊型弾薬(ロシアのランセットクラス)が大量に配備され、砲兵部隊には大砲やロケット砲の射程を超える火力として自爆型無人機の配備が予定され、One Way Effector 500Plus(OWE 500+)という名称で開発が進められており、このOWE 500+は敵の防空網を飽和させながら500km以上離れた目標を無力化するのが目的で、hartpunktは「これを運用する専門中隊が3個編成されるだろう」と予想した。
上記の砲兵装備は部分的な情報や他の関係者から漏れ伝わってくる情報をまとめたものに過ぎず、再構築される砲兵部隊の規模を予想することは不可能だが、約100両のPzH2000と36基のMARS 2を運用する人員規模が3,000人と仮定して乱暴に計算すると、RCH-155、PzH2000、MARS 3を660両以上運用するには1.4万人程度、徘徊型弾薬や自爆型無人機を扱う人員も必要になってくるため2万人規模になっても不思議ではない。
PIERWSZE bojowe strzelania rakietowe #HOMAR 💥🇵🇱!
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☑️W ramach rozwoju zdolności artyleryjskich #WojskoPolskie 🇵🇱, przeprowadzono pierwsze strzelanie systemu HOMAR-K na Centralnym Poligonie Sił Powietrznych w #Ustka.☑️W ćwiczeniach uczestniczyli żołnierze z 1 Brygady Rakiet, 3… pic.twitter.com/ZnUZLEGEui
— Ministerstwo Obrony Narodowej 🇵🇱 (@MON_GOV_PL) December 6, 2024
これでもポーランド陸軍の砲兵部隊(M120 Rak×180両、Krab1/Krab2×308両、K9A1/K9PL×364両、Dana/Dana-T/Dana-M×111両、2S1/2S1M/2S1T×240両、WR-40×240基、HIMARS×20基、Homar-K(Chunmoo)×290基、RM-70×29基、BM-21×27基)に比べれば可愛いサイズで、K9A1/K9PLは枠組み合意分の全てが契約締結されると672両まで増加し、交渉が行き詰まっているHomar-A(国産シャーシにHIMARSランチャーを統合したもの)が動き出せばHIMARSとHomar-Aの総数は506基に増加し、Dana/Dana-T/Dana-M、2S1/2S1M/2S1T、RM-70、BM-21は最終的に退役もしくはウクライナに移転される。
NATO加盟国内で砲兵戦力(調達予定を含む)を比べると米陸軍とポーランド陸軍がいい勝負になり、ここにドイツ陸軍とトルコ陸軍が続く格好で、NATOの東国境を守るポーランド陸軍とドイツ陸軍の砲兵戦力を合わせると155mm自走砲だけで1,440両以上、射程300kmを超える多連装ロケットシステムだけで996基以上となり、周辺の加盟国分を加えればその数はもっと膨れ上がるだろうし、将来的に米国抜きの安全保障体制を確立するにはこれぐらいの投資が必要なのだろう。
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※アイキャッチ画像の出典:Bundeswehr





















欧州は、対ロシアの軍事力を100年以上の単位で見た時に、1990年代~ウクライナ戦争まで異常に融和的だったのかなと。
PzH2000の弱点は、ウクライナ戦争の戦訓として厳しく指摘されていますが、改修したりしながら大量調達を続けるということでしょうかね?
こんなに火を付けちゃって、ロシアはどうする気なんだろう。
プーチンは、日本にも喧嘩売ってるし。
日本から売った喧嘩を買われたというのが正確なところかと。
日本がロシアにしたのは資産凍結、最恵国待遇の撤回、先端技術や自動車の輸出禁止など色々あるので。
それをケンカを売ったと評するのはどうなんだろ
そもそもを言ったら戦争状態になかったソ連が日本(当時は大日本帝国)に攻め込んでかすめ取った領土なわけで、それを返しもせず同盟扱いしてもらおうとするほうが間違いでは
北方領土訪問の件でしょうかね?
トランプ政権(アメリカ)の対ロ外交いまいちよく分からず、2年くらい難しい局面が続きそうですし、ウクライナ戦争も継戦してるのかなあと…。
ただ日本目線のみで見れば、自衛隊の南西シフト(対中国)いっぱいいっぱいで余力ゼロですから、対ロシア外交それなりに上手にやるしかないのかなと感じています。
砲弾は足りそうですか…?
ドイツの砲弾生産はもう戦前と比べたら桁一つくらい違ってたような?
少なくともあからさまに不足する程ではないかと
大砲は神。大砲を信じよ、大砲を讃えよ。大砲は偉大なり
オーメン
155mmが6門中隊で75個位≒25個大隊。教育用を抜いて8個師団分位ですかね。現役部隊は兎も角として予備役部隊分を考えると多いとは言えないような。
そう言えば陸上戦力の増強は話題になるけどドイツ空軍の増強はあんまり話聞かないな
たぶんユーロファイターT5増やすんだろうけど、ちょっと力不足じゃないか
>>少なくともRCH-155×300両以上、PzH2000×50両以上(既存分を加えると150両~160両)、MARS 3(EuroPULS)×00基を調達する予定
RCH155とHX2の写真の間の段落
EuroPULSの発注数は最大500基でしたっけ?
偵察衛星やドローンがある現代で電撃戦って出来るのかね
従来型の沢山戦車を用意してヨーイドンでの電撃戦は無理だけど、分散した戦力が情報共有→必要な時に集結して敵の指揮・補給・予備を混乱→突破はいけますね
というか米軍のMDOはまさにそれ
ロシア軍の侵攻は電撃的だったと思います。
まあ最初だけですけど、領土は一部取られちゃいました。
クルスク戦でも不意を点かれたロシア軍はだいぶ崩れました。
つまり軍が集結していることが事前に分かっったからといって、対応可能とは限らないということです。
間違っているかもしれないけど、今の通常榴弾を52口径でモジュラー式装薬6つ使用の負荷が高いフルチャージしたとして射程が30km、砲身命数は一部想像が入るけどモジュラー装薬5つで毎分3発射撃で5000発。一番コスパ良く射撃をする条件は通常榴弾射程25kmで分間3発で射撃をする事だが果して現実的な数値なのかなんだよね。
最悪のケースを想定するなら射程延伸機能+誘導弾+装薬フルチャージ+高レート射撃した場合、砲弾価格+装薬消費+砲身寿命2000発でかなり費用が飛ぶ計算になる。発射プラットフォームを増やすのは良いが高価格帯の砲弾と予備砲身、発射によるダメージを受けた車両整備をどこまで考えているんだろうかが気になる所。
車両単独で考えるならRCH155は砲弾30発モジュラー装薬144個搭載するらしいが低価格でとバランス良く綺麗に消費するならばモジュラー装薬4~5つの使い分けで通常榴弾を発射して射程は20~25km程になりどこまで実戦的なのかなんだよね。
装薬フルチャージで射撃するなら射撃出来るのは24発、モジュラー装薬を可能な限り綺麗に使用して遠距離射撃するなら射程延伸弾の使用は避けられない。これは2倍の搭載量を持つPzH2000も同じ。
榴弾砲を最大限活用するなら高コスト砲弾と予備砲身は絶対に必要で車両や人員増だけにお金を掛けて済む話では無い、そこら辺の話が見えてこないけどどうするつもりなんだろうか。
日本は榴弾砲300門で、大丈夫なんかな
25式SSM、25式高速滑空弾、極超音速ミサイル、これから配備するんだろう長距離シャヘド型ドローンやらで、日本版A2/AD作って、「絶対揚げない」ってやるんだろうけど、「絶対」って無いし