リトアニアでは陸軍再編に伴う「戦車大隊の創設」が提案され、リトアニア国防省は今年10月「Leopard2とCV90の調達を決定した」と発表していたが、サカリーニ国防相は16日にドイツを訪問してLeopard2A8購入契約に署名し「リトアニアとって史上最大の契約だ」と述べた。
参考:Minister of National Defence D. Šakalienė reached Lithuania’s largest deal to date, acquisition of Leopard tanks, in Berlin
参考:Lithuania pushes Leopard 2A8 tank acquisition under new government
サカリーニ国防相はリトアニアにとってLeopard2A8の導入がどれだけ重要かを強調した
リトアニア陸軍は機械化歩兵旅団と志願兵や予備役に訓練を提供する国防義勇軍(予備旅団)の4個旅団で構成されており、バルデマラス・ルプシス中将は昨年3月「陸軍の編成を旅団から師団に再編する一貫として機械化歩兵大隊の1つを戦車大隊に変更することを政府に提案している」と、当時のアヌシャウスカス国防相も「Leopard2調達に関する意向表明書(LOI)をドイツ国防省に送付する提案を国防評議会に提出した」と明かしていたが、2024年に入ると防空システムのニーズが浮上。
エストニア国営放送は4月「リトアニアのアヌシャウスカス国防相は予定されている戦車大隊を中隊規模で創設し、浮いた資金でNASAMS(2基)を追加導入したいと提案した。現行の計画でNASAMSを追加導入できるのは10年後になるため、リトアニア国防省は戦車よりも先に防空を強化したい考えだ」と報じ、この案に賛同したランズベルギス外相も「NATO諸国で最も不足しているのは防空装備なので国防省の提案は妥当なものだ。防空への投資は我々とNATOのニーズに合致し、今最も必要とされている。戦車は後回しでいいが防空は今直ぐ必要だ」と主張。
ナウセダ大統領は「旅団から師団への再編(2030年までに完成)を計画変更で遅らせるべきではない」と反対していたものの、リトアニア国防省は今年10月「師団への再編に向けてLeopard2とCV90の調達を決定した」「リトアニアはLeopard2の調達を段階的に進め、防空システムの早期取得も行う予定だ」と発表、今月12日に誕生したパルツカス政権もLeopard2調達を支持し、サカリーニ国防相は16日にドイツを訪問して44輌のLeopard2A8購入契約に署名した。
Bei ihrem Antrittsbesuch im BMVg hat die neue 🇱🇹 Verteidigungsministerin @DSakaliene betont, wie wichtig die Stationierung der #BrigadeLTU für ihr Land & die 🇩🇪-🇱🇹 Kooperation ist. Außerdem wird Litauen #Leopard2 A8 kaufen & das 🇩🇪 Engagement bei KFOR mit Infanterie unterstützen. pic.twitter.com/8ltxgUIzya
— Verteidigungsministerium (@BMVg_Bundeswehr) December 16, 2024
サカリーニ国防相は契約金額を明かさなかったものの「Leopard2A8購入はリトアニアとって史上最大の契約だ」「今回の契約締結は軍の近代化と地域の安全保障強化において重要な役割を果たす」「この戦車はリトアニア軍とドイツ軍の一体性と相互運用性を強化するものだ」と述べ、リトアニアにとってLeopard2A8の導入がどれだけ重要かを強調している。
因みにサカリーニ国防相はBAE Systems HägglundsとCV90導入について協議を行い「フィンランド、スウェーデン、ノルウェーとの共同調達にリトアニアも加わる」「現在の安全保障状況では調達の遅延は許されない」「CV90の迅速かつ効果的な導入とタイムリーな引き渡しが重要だ」「我々の目標は2030年までに完全運用能力を獲得することだ」「リトアニアをCV90プログラムのサプライチェーンに組み込んで効果的なメンテナンスと整備環境を確保する」と述べた。
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※アイキャッチ画像の出典:Ministry of National Defence of the Republic of Lithuania/ Federal Ministry of Defence
リトアニアのような小さな国にとって、重要なのは戦車の数と質よりも、危険な隣国を敵に回さない外交力だと思うですが。ドイツ製の戦車はリトアニアの主権を守ることに払った額に見合う貢献をしてくれるかどうか、
それはソ連崩壊という自由と平和の到来に緩む事なく100点満点の外交力を発揮してNATO入りしたリトアニアへの侮辱だと思うね
『危険な隣国』を外交力で無害化するのに必要な額は果たして戦車よりも安くつくのかね?
そもそも外交力で云々は相手も規則に則り約束を守る前提での話だが、その『危険な隣国』が条約や国際法を守る保証がどこにあるのかね?
故に小国だからこそ軍事組織の一員となり集団安全保障の恩恵を享受する、となるのが必然だよ。
俺がその『危険な隣国』の側にいたら善隣外交とやらをとことん利用して国富を貢がせ最終的に主権も頂きだね。
危険な隣国は約束も人権も通用しない、力が全ての畜生なのですが…
レオパルドかぁ・・・
いっその事日本も90式やら10式を退役させてレオパルド2A8導入は・・・やっぱり無理かなぁ?
なんでそう思うんです?
国富の海外流出と引き換えに何が得られるんだろう(純粋な疑問です)
レオパルド2は要らねーけど、CV90はライセンス生産とかで入れて欲しい
ほ、本邦に於いては共通戦術装輪車の配備が近いから。。。(89式IFVから目を背けつつ
レオポは大きくて重いですからね
10式は日本の交通事情考慮して運用できるように設計された規格ですから多分、レオポ入れてもあまり役にたたないとおもわれまんだら
なんで重たいシャーシと装甲の世代遅れの車両入れないといけないので?
レオパルドⅡの主砲Rhー120L55A1を10式の車体に直付けした無人突撃砲戦車作って普通科で運用すればイイじゃない?
そういえば、155mm榴弾砲で対空迎撃出来るようにする話があったハズなので、ついでに対戦車戦闘も可能なように誘導砲弾とかも搭載して10式の車体を前後逆にして砲塔を搭載する方がより低価格でイケそう。
10式の120mm砲は、L55と同等の火力があるよ。
L55A1はDM73からの高圧砲で、チャレンジャ゙ー3以降の最新砲でして、それが搭載されているレオパルト2A8は人気を集めているのですよ。
最大腔圧なら10式戦車砲と同レベルの735MPaじゃないの?
他の人も書いているけど、10式戦車砲も44口径から55口径に換装できるのにわざわざ変な自走砲を造る意味が分からない。
10式戦車の砲にも55口径程度まで延長できる余地があるので、わざわざラインメタル製にする必要はないですね
じゃあ10式採用時になぜ55口径にしなかったかといえば、森林や市街地での取り回しが悪くなるからで、突撃砲化したら、なおさらどうしようもなくなりますね
それに16式機動戦闘車すら機甲科などで、無人戦闘車両化したとしても普通科運用はないですね
10式派生自走砲のバリエーションの1つとして155mmの代わりに120mm積めば、取り廻しはそんなに悪くはならないと思いますが、車体の向き逆にして、元々の前側に砲塔付ける型になるので、外見は…とかなら55口径でもイケそうですね。
トランプ大統領が、NATO離脱も示唆してますからね。
ドイツに託しても、ソ連崩壊後に独露協商みたいになってましたから、これまた大きな賭けになります。
ショルツ首相、再来月に後退しそうですが、ドイツの後任どうなるか分からないですからね(ノルドストリームに相互出資=ガスプロムに独元首相が役員など密接だった)。
領土の狭い小国に、国境線に要塞を築いたりするとなれば膨大な費用がかかりますし、スヴァウキ回廊の問題もあります。
リトアニア国民の負担が、あまりにも大きくなれば、EU圏ですから引っ越すでしょうし難しい舵取りが求められますね。
トランプ氏はNATO離脱はしないと思います。あれは多分に、トランプ氏の先制口撃、脅しの類かなと。カナダのトルドー首相にかましたのと似たようなやつですね。
トランプ氏は単にアメリカが支出するのが嫌いなので(ナンセンスな関税の武器としての振り回しを見てわかるように国家経済はほぼ分かっていません)離脱をちらつかせて、アメリカの支出をむしろ同盟国に『買わせ』よう(もっと安全保障の対価としてカネを払え)としてるのでしょう。実際に離脱してしまうとそれ以降カネが入ってこなくなってしまうので、本気で離脱するつもりはないと思われます(まぁそんなことになっても議会が文字通り体を張ってでも止めるでしょうが)。
外交も交渉ゲームなのですが、0か100に賭けておくわけにはいかないなと。
トランプ大統領がNATO離脱を匂わせている限り、特にフィンランド・バルト三国などは、アメリカ離脱の可能性も一定程度考えて備える必要があります。
今まで通りの着地に仰る通りなるかもしれませんが、そうならない可能性に備えなければならないということですね。
(日本で言えば)キッシンジャー外交で、米中が頭越しで決めた事が馴染み深いですが、米ロが似たような事をやる可能性もあるため慌てているのでしょう。
外相も似たようなこと言ってるけど別に戦車いらないと思うんだがな。
今の戦車は航空機が登場したあたりの戦艦に似てる。
戦艦が航空攻撃から生き延びるために対空砲を増設してた流れは戦車のAPS開発と一緒。
戦艦の対策は結局通用しなかったけど戦車の対策が実戦で通用するかはまだわからない。
でも一つだけ間違いないのは1930年代だって弱小海軍が無理して戦艦を整備するのはあんまりいい選択肢じゃなかった。
リトアニアも戦車より他のもの買ったほうがいいと思う。
戦車と戦艦のアナロジーは私もよく考えていました。
その例えで行くと陸上空母みたいなドローン管制車両ができるんだろうか。
大規模なエンジン出力で大電力を供給。大きなアンテナとコンピュータを積んで高価になるから対ドローン防衛用の対空車両に輪形陣組ませてってとか妄想。
これだけウクライナとロシアの戦いを見ていると、高価で数を揃えられない戦車や戦闘機の必要性については考えさせられますね。
ただ自国で用意できない武器は近隣の同盟国産を導入は悪くない選択なのだと思います。少数の高性能で高価な武器は飾りというか象徴のような扱いな気もしますが、ひれだけウクライナとロシアの戦いを見ていると、高価で数を揃えられない戦車や戦闘機の必要性については考えさせられますね。
ただ自国で用意できない武器は近隣の同盟国産を導入は悪くない選択なのだと思います。少数の高性能で高価な武器は飾りというか象徴のような扱いな気もしますが、軍隊をもって戦う意思を示すには必要なのでしょう。
高価な戦車というコンセプトが既に時代遅れな感ある
15式軽戦車のような自走榴弾砲としても機能するような安価な戦車の方が使いやすいのではないか
ウでも機甲部隊同士の決戦なんて起きてないし対戦車攻撃キツすぎて間接射撃多めらしいから安価で自走砲的な戦車が理想だとは思う。
でも実際安価にできるかは結構疑問だと思うんだよね。
15式軽戦車は自走砲的な装備もかなりキッチリしてるみたいだけど、それ高くねえの?って思ってしまう。
シンプルに考えて自走砲の間接射撃能力を戦車に移植したらその分高価になるはず。
「装薬量の調節が出来ない」という戦車で間接射撃する時のデメリットもあるし。
>>自走榴弾砲としても機能するような安価な戦車
自走榴弾砲としても機能するような火器管制装置を積むとクッソ高価になってしまうんです。
もちろんロシアのT-72みたいに乗員が頑張って間接射撃する方法もありますが、あれはロシア軍が定期的に高練度の戦車兵を供給できるシステムを血のにじむような思いで築き上げたからなせる技なんです。あんなの出来る国、あとはアメリカと中国くらいでしょう。実際、既存戦車兵の練度頼みで後任の育成がろくに出来てないウクライナ軍をどうなってるか見てもらえれば、小国にとって金で練度を買うのはしかたのない事なのです。
練度もまああるかもしれないけどハッキリ言って平坦な土地柄ありきじゃないかな。
そもそも戦車は仰角もあまりとれないし装薬も調節できない。
だから間接射撃した砲弾は直上からじゃなくて斜めに侵入させるしかないことが多い。
それで破壊の効率は落ちる、破片のほとんどは地面にめり込んか空中に逃げて終わりだから。
戦車の間接射撃は東側が比較的熱心だし確かに間接射撃は重要だけど、これ自体はあんまり効率的とは思えんのよね。
YouTubeのロシアのタンク大運動会の動画見てすげーなと思いました。
西側でも戦技競技会はやっているのでしょうけど、あんなに楽しんでいるのかどうか。
言いたい事は分るし、もっともなことだと思う
ただ、ウクライナでわかったことは人命を軽視していると、すぐに人が全く足りなくなるという事でもあったから
その辺りの塩梅は難しい問題になりそう
人間を乗せている限りは「安値で数合わせ」という前提が成り立たないので(WW2の軽戦車も、装甲の要求のインフレで空挺、水陸両用戦車などのニッチを除いて消滅)、無人化するしか無いのでは。
航空万能論ならぬドローン万能論的な流れでの戦車不要論
流石に不要というのは言い過ぎだとは思いますが、戦車そのものの存在価値が相対的に下がったのは間違いないですね
今後は無人化がトレンドになるのか、はたまた想像の斜め上の進化・発展を遂げるのか
ウクライナ戦争の教訓からの理想はドローンの管制も出来て安全な装甲車なのでしょうが、占領時に人の手が必要なうちは装甲増設した機動力として亀戦車が普及するように思いますね。
まあもちろんお互い異常なほどの兵器を集められた上に双方対空過剰な総力戦だからこそのウクライナの戦場なので、中東・アフリカなどを見るに戦車は小国間であればまだ戦場の花形になりうるでしょう。
突破力が問題ですかね。バイク凸を西側が選択できるようになるまでは戦車で確保するしか無いのでは。クルスクのように条件さえあれば使えるようですし。
リトアニアの戦略はロシアが侵攻してきた際はnato軍到着まで守るなので、スロビキンラインレベルの前線要塞に各都市に防空壕に非常発電の完備、武器や食料物資等の備蓄と対空兵器にドローンそして非常時に即動員かけれる体制の構築かなと思うが外交でどうにか出来るならそれが一番良いとは思うので、ロシア系を迫害等はもっての他。
戦車も守るにしてもあった方が良いでしょうけど、優先順位は低いのかなと思う。
なんかロシアが特に何もしなくても周辺国が軍事費に潰されるんじゃないかと思うのは考えすぎかな?
自分も仰るご意見に同意です。
既得権益がなければ、EU圏内の兵役がなくて税金が安い国に、引っ越そうという動きがでるでしょうね。
リトアニア(バルト三国)はロシアに無害という外交戦略でEUさらにNATO加盟
まで実現したがウクライナ戦争で反ロシアの急先鋒に転換しロシアの脅威になった
自業自得で軍拡するしかない
これはいいことです。これまで欧州はアメリカに軍事関係を頼りすぎた。結果、トランプ大統領が誕生してウクライナが見捨てられかかってるときに、ウクライナが負けたらいちばん困る欧州諸国は何も出来ていない。支援しようにも振れる袖がないからだ。
自国の独立は、まずは自国の金と血でもって守る。いざと言う時に振れる袖はきっちり用意するスタンスを基本としないと、彼らはソ連に飲み込まれた100年前のように地獄を見ることになるでしょう。ポーランドやバルト諸国だけでなく、ドイツやフランスにも同じくらい頑張ってもらいたいものです。
ドイツさんはソ連と一緒になってリトアニア分割した方の国だから複雑な気持ち
ドイツは一個旅団のリトアニア恒久配備の計画を推進中です。
その旅団へ配備させる戦車はレオパルト2A8になります。
現在配備されているNATO強化前方プレゼンス リトアニア多国籍戦闘グループはドイツ軍旅団に組み込まれる予定です。
リトアニアはドイツ軍受け入れのための駐屯地、演習場、住宅などの整備を進めています。
素晴らしい計画です!いい加減米国頼みから脱却して、欧州は欧州の力で守れるようになるべき。超大国中国を相手にする我が国と違って、ヨーロッパの相手のロシアは国力的に欧州単独でも抗することが出来るんですから。
ドローンや無人兵器、電子戦なんかでの防衛強化していったほうが時間稼ぎできるような気がするが
EU内でお金回した方がのちのちの投資ということでしょうか?
まさかとは思いますけど、ロシア系を「ノリノリで」迫害するための戦車ではないですよね…?
ただこれは半分冗談半分本気であり、小国の対ロシア戦車とは相手の正面戦力との時間稼ぎ戦闘用でもありつつも、ロシア系の蜂起の際の鎮圧用という面が大きいのでしょう。
…まあ、蜂起にまで至るならばナニをしてたんですかねぇ…ってことですけど。
機甲部隊をマトモに運用出来る頃にはまた事情変わってる気がするんだよな……
これは兵器購入・開発の常だけれども
レオ2A8はやっぱり大きすぎる(A7で重量約67t)のでは?。
歩兵支援用にもっと小さい物が必要な気がします。
米陸軍は、M1の他にM10を調達したし。
M10でも大き過ぎ(105mm砲、重量約42t)な気もしますが。
昔、ノルウェーで運用していたNM-116の現代版みたいな物はないかな?。
ドイツは何か良いものを作ってみたら?、などと思います。
レオパルド2戦車の新車発注が膨大になってきていますが納期の方はどうなんでしょうね?
ラインメタルがチェコに工場を増設とか以前海外サイトで見かけましたがその辺りが気になりますね。