ポーランド空軍は自国のディフェンスメディア=Defence24の取材に「調達を検討している重量タイプの輸送機はA400M」「このクラスに競合はない」と述べており、SNS上に登場した「ポーランドは空軍向けに日本のC-2を購入する可能性がある」という投稿を真に受けない方が良い。
参考:Nowe samoloty dla wojska. Gen. Nowak: Siły Powietrzne skorzystają z SAFE
この投稿者は「投稿の内容は非公式だ」と述べているので真に受けないほうがいい
ポーランド空軍の輸送機戦力はAirbus製のC-295×16機とLockheed Martin製のC-130E/H×6機で構成され、2019年に老朽化した輸送機戦力の更新計画(コードネーム:Drop)が浮上したものの、この計画への資金供給順位は相当低かったため輸送機戦力の更新に具体的な動きは全く観測されなかったが、この優先順位は2025年3月31日に変更されたことが公式に確認された。

出典:Bundeswehr/Jane Schmidt
カミシュ副首相兼国防相とギヨーム・フォーリー最高経営責任者が2025年3月31日に会談した際「輸送機と空中給油機の取得はポーランド空軍の近代化における主要な優先事項の一つである」と言及、国防省のプレスリリースの中でも「Airbusは我々にとって重要かつ信頼できるパートナーだ」「特に航空輸送および空中給油能力の構築において貴重なパートナーとなる可能性がある」と述べ、海外のディフェンスメディアも「ポーランドは株式購入によるAirbusへの資本参加と合わせてA330MRTTとA400Mを購入するかもしれない」と予想。
ポーランドはEUが開始した欧州の再軍備を加速させる融資プログラム=Security Action for Europe(SAFE)の資金でA330MRTT+を調達する可能性が高く、ポーランド空軍のノワク少将やパルフ大佐が2025年12月にポーランドのディフェンスメディア=Defence24の取材に応じた中で「空中給油機として取得を考えるのはA330MRTT+だ」と言及、パルフ大佐は輸送機についても「我々は軍用輸送機について軽量タイプにC-295、中量タイプにKC-390もしくはC-130J-30、重量タイプにA400Mを検討しており、C-17の生産ラインが2016年に閉鎖されたため重量タイプのA400Mに競合相手はいない」と説明。

出典:航空自衛隊
Defence24が「川崎重工のC-2という選択肢もあるが、ペイロードがやや小さく、やはり欧州から見てエキゾチック(防衛装備品として市場での実績が未知数)な機体だ」と指摘すると、ノワク少将も「それにC-2は日本でしか運用されていないのが問題だ。我々が装備を選定する際は常に維持・整備基盤(MRO)の確立、運用国の規模、そしてプラットフォームの将来的な近代化のポテンシャルといった要素を注視している」と指摘し、ポーランド空軍は重量タイプの検討候補にC-2が入っていないことを示唆した格好だ。
さらにノワク少将は「今のところSAFEの資金で輸送機を調達する予定はない」「C-130E/Hの後継輸送機=中量タイプについては応急措置ではなく根本的な解決策が必要で、遅くとも2030年代初頭までには新しい輸送機を導入すべきだ」「ただ重量タイプの輸送機も早急に導入したいと考えている」「なぜなら重量タイプは中量タイプの役割も果たせるため優先順位は高い」「ただし、あらゆる任務に重量タイプを投入する必要はないため、最終的な目標としては中量タイプも調達したいと考えている」と述べ、まだ輸送機更新には資金供給が確保されていないとも示唆している。
Unofficially. Poland may purchase Kawasaki C-2 transport aircraft for the Polish Air Force. As another part of its support for becoming a member of the GCAP 6th Generation Fighter Program, this would allow for the rejuvenation of the Polish military transport fleet. 1/2 #PAF pic.twitter.com/dbLTxiHap2
— ArkadiuszM Aki Tank (@ArkadiuszMolis1) April 16, 2026
それにも関わらずSNS上に「ポーランドは空軍向けに日本のC-2を購入する可能性がある」という投稿が登場して大きな注目を集めているが、この投稿者は「投稿の内容は非公式だ」と述べているので真に受けないほうがいい。
恐らくはトゥスク首相の日本訪問に合わせた投稿内容だと思うが、流石にA400Mの競合と認知されていないC-2を購入する可能性は限りなくゼロだ。
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※アイキャッチ画像の出典:航空自衛隊




















海外実績のない装備、やっぱり踏み出せないよね。
オーストリアが、もがみ型改ファーストペンギンで飛び込んできてくれたのは有難い話しです。
オーストラリアは、資源の取引〜日本企業の出資〜権益保有まで認めてくれているので、100%の還元でもお釣りがくると考えています。
しかし、ポーランドの陸軍では、韓国のK2戦車を韓国以外で最初に導入していますね。陸軍が戦車ではファーストペンギンになれたのに輸送機ではなれないんですか?
「現地産業への還元」という面でC-2/日本がK-2/韓国と同等の貢献をできると思います?
まさに正論です…。
それは、論点が違いますよ。
オフセットの話と、海外輸出実績が無い話は、ちょっと違いますね。管理人さんの記事では、以下のように指摘しており、オフセットの有無を問題にしていませんよ。
・Defence24が「川崎重工のC-2という選択肢もあるが、ペイロードがやや小さく、やはり欧州から見てエキゾチック(防衛装備品として市場での実績が未知数)な機体だ」と指摘している。
・ポーランド空軍のノワク少将が「C-2は日本でしか運用されていないのが問題だ。我々が装備を選定する際は常に維持・整備基盤(MRO)の確立、運用国の規模、そしてプラットフォームの将来的な近代化のポテンシャルといった要素を注視している」と指摘している。
K2が売れたのは、性能面と維持・整備基盤が及第点であったうえにオフセットの利点があったのです。C-2は、性能面すら信頼されていませんよ。
なら尚更ファーストペンギンにはなれないでしょう。
トータルで何を言いたいのか理解できません。
韓国はK2以前にK9の取引実績がありますしそのK9も世界的に認められてますからね
日本はC-2のスペック以前に国としての(軍事関連での)信頼がないから残念ながら比較するレベルですらないと思います…
仰る通りです。
似た気候の×〇国・違う気候の〇〇国・同盟国友好国の△△国が導入している。
導入国を現地視察したら、あの見返りで発展してる(!)こういう相手と丸腰で競争は厳しいですからね…。
『その前提を噛みこめば』オーストラリア安全保障の総合的な判断もありますが、もがみ型改の大型契約が本当に有難いなと噛み締めてしまいます。
C-2とP-1はこの手の話が出る度にヤリ玉に上げられてちょっと可哀想になりますね。
設計の段階で自衛隊に最適化された機体(兵器の設計としては正しい)なのと、以前までの日本の防衛装備移転の姿勢を考えれば売れないのも当然なんですけどね。
5類型撤廃、欧州との防衛産業対話など風向きも変わってきていますのでこれからに期待です。
※会計検査院から指摘のあったP-1の稼働率低下ですが、防衛予算上がった事で交換部品の一括購入やメンテナンスの効率化によって稼働率上がってるようです。
会計検査院からの指摘は、2025年6月だよね。ということは、購入予算が増えるのは2026年度分からではないでしょうか? なので、交換部品の購入が増えるのは今月発注分からなので、今の時点ですでに稼働率が上がってはいないのでは?
防衛予算は会計検査院の指摘関係なくその前から増えていますので。
それでは、なぜ会計検査院が2025年6月に指摘したのですか? その時点で部品が満足に調達できておらず共食いが発生してたことを指摘していますよね(だから稼働率が低いわけで)。
対策が即時反映される物ではない、という主旨の発言はご自身でもされてるでしょう。
そして会計実地検査が行われたのは2024年度です。防衛予算増(2023年度以降)の影響が反映される時間はなかったでしょう。
その報告書に
近年の防衛予算の増額に伴い、部品を調達するために必要な予算を確保することが容易になったことにより、部品不足が解消された機体用交換部品も見受けられた
という一文もあるので報告書以前からの取り組みの効果で出ているということでは?
あとまぁ稼働率という数字自体がタイミングによって結構バラツキがあるから予算配分と一致するとは限らない。
会計監査院報告は日本語なんだから、自分で読めばいいのにねえ。
今年の3月3日の斎藤海上幕僚長の会見で、会計検査院からのP-1稼働率低下について問われた時に
「防衛予算を多く確保していただいたことにより、部品の確保が徐々に改善されている」
「そうした影響もあり、稼働率は少しずつ向上してきている。今後もその傾向が続くと認識している」
と発言してますので、少なくとも会計検査院の指摘した時期よりは稼働率が上がっているは事実だと思います。
これって要するに維持費も高い機体ってことで明るいニュースではないよね…
何か必要な予算が確保されてないのが悪いみたいな風になってますけど、稼働率の低下で会計検査院の報告書が真っ先に指摘していたのは塩害でエンジンの一部部品がすぐ駄目になってしまうことだったと思います。
そりゃ規定の交換時期が来る前にどんどん部品交換する羽目になったら予算も足りなくなります。
海上で使うの前提なのに
なんで塩害に弱いんですかね…
その件はエンジンの耐久性云々というより防衛省やIHIの見通しの甘さが本質なような。
耐腐食試験で腐食が発生したのに製品を改良するのではなく試験条件を緩め、新条件下で同じ問題が起こると今度は合格基準を緩めて合格。エンジンの純水洗浄が塩害に効果的なのは認識しつつ整備工程の簡略化のために実施しなかった。
配備後に問題が顕になってからエンジンの改修と純水洗浄を始めるが時すでに遅し。そして、この純水洗浄は他の哨戒機では整備の一環として行われている模様。(というか輸送機のC-1ですらエンジンの洗浄やってたのになぜ哨戒機のP-1ではいらないと判断したんだ?)
飛ばしだろうなとは思ってたのでまぁそうだろうなとしか
残念だけど欧州でA400Mと競うのには10年以上遅いと思う
会計検査院からの指摘は、2025年6月だよね。ということは、購入予算が増えるのは2026年度分からではないでしょうか? なので、交換部品の購入が増えるのは今月(4月)発注分からなので、今の時点ですでに稼働率が上がってはいないのでは?
C-2の機体に自信?が持てるならば。
国外販売より先に、国内販売ができないかな、と思います。
エンジンに問題があるような話も時々読みますが、国内運用から始めれば、
問題発生時にも迅速に対処できるのでは?。
当然、しばらくの間は専門の修理チームが必須と思いますが。
民間機販売を断念しているようですが、そこから始めては?、と勝手に思います。
あと、NATOとの交流が広がるようなら、定期的に欧州に飛ばして見せては?。
実績が必要でしょうし、などと思います。
耐空証明を取れるような設計さえされていない純軍用機をどうやって国内の民間市場に売れと言うのです?
補足です。
民間に売るためには実質FAAの耐空証明が必要です。
日本の国土交通省航空局(JCAB)が独自に耐空証明を出せる能力がないことは、MSJで明らかになってますから、FAAの適用外となる軍用機として売るしかないと思います。
FAAとJCABは2009/4/27に旅客機の認証にあたるPart25に関するBASAを締結しています。
BASAとは「お互いの国の検査基準は信頼できるから、片方の国で合格したなら、もう片方の国でもパスしたことにしよう」という協定で、FAAがJCABの審査能力を正式に承認しているということになるのですが、JCABが独自に認証を出せないというのは事実と少し異なるのでは?
MRJを審査をするJCABの横にFAAが居て、FAAがJCABを審査していました。
私は、MRJという余りに高い失敗を経て得た数少ないものの一つがBASAと考えています。
なるほどです。探して見てみました。
なんだか、自ら諦めているような形なのですね。
残念ですが。
先日のここでも記事があった通り駐日本ポーランド大使が
>「日本とポーランドは対ドローンシステムや電子戦システムなどの分野で協力することで互いに克服できるボトルネックがいくつかある」
と言ってるので、いっそEC-2(のガワ)を出せたら面白いけどね。
A-400Mは電子戦機への派生も可能、とは言ってるけど実際に改修や飛行試験はしてないはず。
ポーランドの航空機メーカーと保守メンテを含めた代理店契約を結んで、一定期間内での部品供給を法的契約と。
それに必要諸経費を日本側持ちで1機を一定期間ポーランド軍で運用させて性能を証明する位の事をしないと、実績のない高額な機体の売り込みは難しいかなと想像してしまいます。