欧州関連

ポーランド陸軍向けK2PLは2028年配備、対ドローン対策は3段構え

ポーランドは韓国とK2を1,000両購入する枠組みで合意し、2025年8月にK2調達の二次契約が締結され、ポーランド陸軍のニーズを反映させたK2PL調達が開始される予定で、現代ロテムのイ・ヨンベ社長はポーランドメディアに「K2PLの初号機は2028年に配備される」と明かした。

参考:Szef Hyundai Rotem: K2PL to czołg na miarę polskich wymagań

現代ロテムはウクライナ戦争の教訓を素早く実際の製品に反映させることで競争力を確保したいのだろう

韓国は2022年以前からポーランドにK2を売り込んでいたものの、ウクライナ侵攻が勃発してT-72M/M1/M1R、PT-91、Leopard2A4、BMP-1、KRAB、Gvozdika、BM-21を引き渡し、ロシアの脅威も前例がないほど高まったため韓国との取引規模は空前の規模となり、両国は2022年7月にK2×1,000両、K9×648両、FA-50×48機、10月にK239 Chunmoo×288両の購入に関する枠組みで合意したが、これは各武器システムの大まかな取引規模、取得スケジュール、オフセット内容で合意したという意味だ。

出典:Ministerstwo Obrony Narodowej

さらにFA-50を除く武器システムの調達は「輸入」と「現地生産」に分かれており、K2も輸入分180両の調達を一次契約として締結し、現地生産分に相当する二次契約の交渉を進めていたものの、現地生産や技術移転に伴う現代ロテムとポーランド産業界の交渉(特に技術移転に関する法的な確認作業)に時間かかり、2023年に誕生したトゥスク政権も武器調達の見直しを行い「K2契約の不備」を発見したため二次契約の締結が遅れていたが、2025年8月にK2の二次契約(推定65億ドル)が締結された。

二次契約で調達するK2は一次契約と同じ180両でも輸入分は119両(K2GF×116両+K2PL×3両)で、残りのK2PL×61両は現地生産される。トゥスク政権が「K2契約における前政権の不備」と指摘してきた「K2運用に必要な支援車両×80両の調達」も含まれているため、二次契約全体の調達規模はK2GF×116両、K2PL×64両、支援車両(恐らく回収車両のK2ARVや戦闘工兵車両のK2CEVのこと)×81両となる。

出典:gov.pl

現代ロテムのイ・ヨンベ社長はポーランドのディフェンスメディア=Defence24に「K2PLの生産準備作業に関する最後の協定が4月27日に締結される」「K2PLの初号機配備は2028年第4四半期に計画されている」「K2PLはウクライナ戦争の教訓を取り入れて設計が変更され装甲の強化、12.7mm機関銃搭載のRCWS、アクティブ防護システム、ソフトキルの対ドローンシステムが統合され、防御力と生存性が大幅に向上している」と明かした。

K2PLの対ドローン対策は「ドローンの通信とGPS信号を同時に妨害するソフトキル」と「RCWSに搭載された12.7mm機関銃によるハードキル」の2重構造で、現代ロテムは「自律走行が可能な履帯式の無人車両(UGV)を段階的に開発している」「特定用途向けに3トンの軽量プラットフォームと17トンの中量プラットフォームを開発中で、2029年までに戦場で戦車と協調可能な中型プラットフォームの開発が完了する予定だ」「その次には戦車に匹敵する重量級のUGVを開発する」と述べている。

出典:Rafael Advanced Defense Systems

現代ロテムとRafaelは東欧最大の見本市=MSPO2025で「K2及び将来プラットフォームへのトロフィーAPS統合で合意した」と発表、現代ロテムも「実戦で証明されたトロフィーAPSをポーランド向けのK2PLバージョンを含むK2に統合する」「韓国製プラットフォームにAPSを統合するのは初めてのことだ」と言及しているため、K2PLに搭載されるアクティブ防護システムはトロフィーで確定した。

Rafaelは2025年1月「トロフィーはソフトウェアのアップグレードと軽微なハードウェアの変更のみで、クアッドコプター型ドローンや固定翼型ドローンの両方を迎撃できるようになった」「これは過去1年間のテストを通じて実証されている」「ドローン迎撃への対応は既存のTrophy運用者にも適応できる可能性がある」と言及しているため、K2PLの対ドローン対策は電子妨害、RCWS、APSの3段構えとなる。

出典:16 Dywizja Zmechanizowana

ちなみに現代ロテムは「空だけでなく地上でも低コストドローンの重要性が高まっている」「そのため高度な技術で構成された戦闘車両だけでなく、低コストで使い捨ても可能なUGVにも注力して両方の需要に応える計画だ」とも述べており、現代ロテムはウクライナ戦争の教訓を素早く実際の製品に反映させることで競争力を確保したいのだろう。

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※アイキャッチ画像の出典:16 Dywizja Zmechanizowana

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コメント

  • コメント (12)

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    • AKI
    • 2026年 4月 27日

    既に搭載というなら、素早さに舌をまく。
    日本は10式のアップデートも、まだまだ先。
    99式は放置ですよ。

    RWCSがどうなるかも分からない。

    12
      • 軍事費半減論
      • 2026年 4月 27日

      日本は今まで輸出出来ませんでしたし、兵器の価格は海外勢よりも安く無ければならず…その為、アップグレード等も最低限で税金の無駄遣いと思われないように、サイレントアップグレードが基本で一部の人だけ知っている状態が普通でしたし。これからはデュアルユース技術を使ったドローンアメリカとの共同開発及び共同生産に進んでいくみたいですし、SM-3の輸出規制を軽減してくれとアメリカサイドからは言われ続けていたようですし、第三国への共同開発品の輸出を普通の国並みにしないと、落ちぶれていくだけという良い例なのでは?これからアメリカのしくじりフリゲート艦の後釜に、国防総省が海軍に日本か韓国の船そのまま採用?を検討するよう指示したそうなので、陸戦兵器もこれから共同開発&デュアルライセンス生産が普通になって行くのでは?と思っています。

      8
        • 無印
        • 2026年 4月 27日

        >しくじりフリゲート
        FFXのお値段がXで話題になってましたね
        あのスペックで新型FFM3隻分(約3,000億)とか

        コンステレーション級が地獄で手招きしてるよ…

        6
    • せい
    • 2026年 4月 27日

    順調に進んでるようで何より
    どれだけドイツが頑張っても、NATOから米国が抜けたらその穴を塞ぐのは至難の業だからね
    ポーランドの正面装備がどんどん整うのは良いことだ
    韓国も対中でもっとコミットしてくれたらなぁ

    6
    • たむごん
    • 2026年 4月 27日

    アプデが、本当に早いですね。

    ナゴルノカラバフ戦争~ウクライナ戦争~ガザ戦争~イラン戦争など…気付けばいくつもの戦争紛争がありました。
    『ドローン無人機のインパクト』戦訓ドンドン取り入れている背景には、それだけ大きなインパクトを与えたのを感じますね。

    独仏が欧州の陸軍大国という時代もありましたが、『ドイツとポーランドが欧州陸軍を支えていく』こうなっていくのか見守りたいと思います。

    2
    • u
    • 2026年 4月 27日

    韓国軍のK2にもAPSを搭載しようとする動きがありイスラエル製か国産かで意見が割れているそうです
    2028年から始まるK2のオーバーホールにやって欲しいという実戦部隊の要望があって
    それに間に合わすにはトロフィーを採用するしかなく、国産APSにするなら2030年以降になるという
    時間と実績を取るか、エコシステムを盤石にして輸出の制約を無くすかの選択らしいです
    どっちが良いか中々難しい問題ですね

    7
    • 2026年 4月 27日

    FPVドローンをAPSの迎撃対象に加えると、鳥を迎撃するする誤作動が発生しそう

    1
    • nachteule
    • 2026年 4月 27日

     体当たりや近接投下してくるドローンの攻撃が着弾した場合を想定してないのに違和感を感じる。ウクライナを見習うなら見た目が悪いケージ装甲かERA搭載する物かと思ったら意外と外観を大幅に変えない方向にしているのが興味深い。

     ロテムの対策は搭載した設備の電源が確保されてほぼ無傷の状態で稼働状態にある時にしか効果が発揮出来ないアクティブ防御だけ。設置だけすれば物理的に破壊されなければカバー範囲は効果を発揮出来るようなパッシブ防御じゃ無いが今後の展開に期待なんだろうかそれとも重量的な問題か。

     日本でもHR-Sherpa UGVクラスのは欲しい装輪車両の先頭を走るとかそれらが使いづらい狭い場所で防御と火力提供出来、歩兵に可能な限り寄り添えるヤツは導入しても損は無いと思う。

    2
    • 特盛
    • 2026年 4月 27日

    [注意喚起]

    現在、秋草次郎という荒らしアカウントがX(元Twitter)上でこのブログに関するデマと悪口をあちこちに書き込みまくっています。
    当人はこのブログをコピペと言いながら、自分こそこのブログ含む複数サイトのコピペらしきブログをやっています。

    5
    • YF
    • 2026年 4月 27日

    >K2PLの対ドローン対策は電子妨害、RCWS、APSの3段構
    これが今後のMBTの標準装備になるんでしょうね。K2は元々ERA装着出来る仕様なので、状況に合わせてケージと一緒に後付けするんですかね。この辺ポーランド軍がどう考えてるかわかりませんが。

    10式戦車も能力向上について動き出していますので、この手の装備が検討されてると思います。10式戦車も仕様でERA装着出来るんですね自衛隊がERAについて評価してたのはちょっと意外でした。

    3
      • アルマジロ
      • 2026年 4月 28日

      >10式戦車も仕様でERA装着出来るんですね自衛隊がERAについて評価してたのはちょっと意外でした。
      74式の頃から研究してるし、世界的に見ても西側含め色々な国で採用されてるよ。

      日本だと歩兵を巻き込んで使い物にならない、とか言う戦訓ガン無視の珍説が幅を利かせてるけど、20年前ぐらいからメタルジェットで相手の弾を切断するような構造になってるから、普通に戦車に直撃するより遥かに破片が少ないんだよね。

      7
    • 速すぎィ
    • 2026年 4月 27日

    そういえば2022年にポーランドがK9を新たに契約した当初は、K9A2もしくはK9A3が59口径化して-PL.Verするといった予想もありましたよね

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