ルーマニア陸軍は韓国製のK2、K9、Redback、Chunmooに関心を示していたが、両国のメディアは「チョラク首相がK9導入(54輌)を最終決定したと韓国側に伝えた」と報じており、入札で競合していたPZH2000やT-155を破った格好だ。
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入札で競合していたドイツのPZH2000やトルコのT-155を破った格好だ
ルーマニア国防省は2022年末に韓国との防衛協力に関する基本合意書に署名、これに基づいてルーマニアのディフェンスメディアは「TR-85を更新するためのK2、牽引式の旧式榴弾砲を更新するためK9、MLI-84を更新するためのRedback、火薬工場の建設が含まれている(4つの分野で交渉を開始するという意味)」と報じ、チウカ首相率いる交渉団が韓国を訪問、ルーマニア軍関係者もHyundai RotemとHanwhaを訪問してK2、K9、Redbackの試乗を行っていた。

出典:Romanian Ministry of Defense
ルーマニア国営企業=RomarmもHanwhaとの防衛産業協力に関するMOUに署名していたが、ルーマニアのディフェンスメディアや韓国メディアは「チョラク首相がK9導入を最終決定したとルーマニアを訪問したシン国防部長官に伝えた」「導入規模はK9×54輌+K10×36輌(一定数の155mm砲弾も含む)で契約総額は推定9.2億ドルだ」と報じており、入札で競合していたドイツのPZH2000やトルコのT-155を破った格好だ。
因みにルーマニア陸軍はM1A2/SEPv3=M1A2R(54輌)の調達が決定しているが、ルーマニアの戦車調達は2段階に分かれており、インチカシュ軍備局長は昨年7月「我々は新たに300輌の戦車を購入したと考えている」と述べ、ルーマニアのディフェンスメディアも「エイブラムスを調達したからといって新しい戦車にエイブラムスが選ばれるという意味ではない」「既に合意済みのエイブラムス調達は産業協力を必要としない政府間交渉で進められている」「我々が積極的な産業協力を求めてK2を選択すればルーマニア軍の戦車はエイブラムスとK2の混成になり、ポーランドの戦車導入に近いものになるだろう」と報じていた。

出典:16 Dywizja Zmechanizowana
韓国経済新聞も4月「ルーマニアでの射撃テストが確定したと軍関係者が明かした」「5月10日~16日の間に行われるK2の射撃テストには両国の政府関係者とHyundai Rotemの実務者が参加する」「現地での射撃テストは契約締結前に行われる性能評価の最終段階で、このテストをクリアすれば具体的な契約内容(金額、調達数、納期など)が出てくるだろう」と報じ、防衛産業界の関係者も「ルーマニアでの受注目標は約500輌(恐らく各種支援車輌を含めた数量)=約10兆ウォン規模だ」と指摘。
Defense Newsも14日「東欧で戦車の需要が急増しており、スロバキアは最大105輌の戦車調達(具体的な候補は不明)を検討中、チェコは最大77輌のLeopard2A8調達が確定的、ルーマニアはK2を調達する可能性が非常に高い」と報じている。
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※アイキャッチ画像の出典:Hanwha Defense
K9はスケールメリットからして妥当ですな
ポーランドと共同で整備工場とかも作るんですかね
K9本当にベストセラーになりそうですね
韓国の軍需産業が世界を席巻するとは
30年前には思いもしませんでした
本当に凄い
それと引き換え30年間衰退を続けたどこかの島国は…
普通にフリゲート造船できるだけでアメリカを驚かせているどこかの国…
韓国のように、陸戦兵器で驚かせてほしいものです。
別にそんな所張り合わなくて良いから・・・。昔と比べたら意識改革が進んでいるとは言え企業の防需部門の扱いって今どうなんだろうね。ミリオタなら知っている某大手なんて企業紹介すら防需部門が割食ってんなと思った事があるわ。後は防需部門が左遷部屋みたいな扱いとか。
性能が微妙な64式や87式の使用とか、まともにアップデートもされない射撃に全振りの99式とか、コストと空輸に拘って重量・防御性能・射撃性能も半端になっている19式とかを見るに企業側の積極性と用兵側の考え方が変らない限りはそんな物は夢のまた夢。
韓国兵器のスペックではなく、大量の発注を取ることができる営業力と遅滞なく納品できる生産調整能力が素晴らしいのでは
韓国の陸戦兵器は、日本のネットでは随分と馬鹿にされてきたようですが、世界での評価は高いようですね。
他所の国を馬鹿にして追い抜かれるスタイルは恥だし見苦しいので勘弁願いたいところです。
ちょくちょく現れる少量だけM1戦車を導入する国はどういう理由で導入を決めたんだろう?
やっぱりアメリカとの関係強化かな?
それとも今すぐに手に入る戦車が欲しかったとか?
当初はM1だけ導入するつもりが、国際情勢の変化で大量に導入する必要になって納期や色々な条件でK2になったんじゃないかと。
韓国の防衛産業、本当に競争力が高いですね。
ポーランドも導入しており、東欧の安全保障環境が緊張しているを考えれば、かなり高い評価だなと。
日本も、早く武器輸出に積極的であればなと思うのですが、今後に期待したいと思います。
朝露の防共協定をうけて韓国がウクライナへの軍事支援を再度検討するという速報が出ていましたが、先に出ていたウクライナでの自走砲の戦訓を考慮するとK9はまさにうってつけの装備でしょうね(現地砲兵はカエサルやAHSクラブよりも上面が装甲化されたPzH2000を高く評価している。K9も対155mm破片対応レベルの装甲を持つ)。東欧地域で装備が共通化できるということは、相互に融通する事や共通の整備基盤を利用できることに繋がります。
クラブはウクライナに全てがお粗末なんて評価されてたけど、送られたのは何車体の個体なんだろうか
今知ったけどT-155ってK9ベースのトルコ製自走砲なのね
本国モデルと競う関係になってるのちょっと面白い
輸出が全く成功しない、どっかの国とは全く違うね
PzH2000は優秀だけど価格が折り合わないんですかね
安くて十分な性能を安定的に供給できるK9は確かに魅力的なんでしょう
あと、PzH2000は繊細すぎるって記事もありましたね。K9の方が武人の蛮用に耐えるって事かな。
記事によってまちまちですけど去年のお値段でPzH2000が約10億円、K9が約4億円?で性能ほぼ同じ、K9のほうが20%ほど軽い、客側の要望に応じてOSレベルでカスタムしてくれるらしいと
まあこれなら射撃速度半分でもおつりが出るし、砲兵こそ数が物言うジャンルですから選ぶならこっちかなと
韓国兵器が売れてるのって性能も良いけど
注文があれば売ってくれるっていう信頼感があるよね
ウクライナ侵攻時、まさかドイツがあそこまで兵器供出を渋るとは思わなかったよ
この辺の問題を解決しないと日本の兵器も売れない
注文があって売るのと寄越せと言われて渡すのは違うと思うんですけどー…
韓国だってウクライナへの武器供与は慎重派です
ロシア寄りの兵器を使ってたところは
ドイツ系の兵器規格にあわせるしがらみがないんだろう
ドイツのは生産設備削減で入手に時間がかかるとかもありそう
韓国のは政府支援が手厚そう
韓国が羨ましいです
ルーマニア軍は大重量の装軌式自走砲にしたのですね。
装軌式はともかく、重いのはどうなのでしょう。
装輪式/装輪化が昨今の流れだと思っていました。
ウクライナ軍のPzh2000の乗員は「カエサルは装甲でカバーされていないので対砲兵戦で死傷者が出る」、「乗員は装甲でカバーされているべき」とインタビューで述べていますね。
装輪式自走砲は牽引式大砲の後継にはなりますが、装軌式自走砲の代替にはならないと思います。
装甲もあれば良いのでしょうが。
それよりも、作戦行動の所要時間の方が大事なような。
Pzh2000は、その点でとても優れています。
仮にM109を運用する乗員に聞いたら、結果は違うかも、と思います。
M109の場合は、装甲があるのですが、損害が多いようです。
M109の重量はPzh2000の約半分(約27トン)なので、Pzh2000より軽装甲だから損害が多くなっていると思います。
K9とPzh2000は14.5mm弾や152mm榴弾の破片に耐えれますが、K9の装甲の重量は20トンあります。
M109の装甲はアルミ製だそうですが。
厚みは約30mmだそうです。
これはRHAの10mm相当と思います。
これは小銃弾を防ぐ程度なので、
Pzh2000と比べて、確かに防御力は弱いですね。
トルコはK9派生型だから将来的なアップデートに関しても全く恩恵を得られない訳じゃ無い筈なんだけどな。58口径搭載のK9A3とか控えているし本国仕様だと普通に将来性がよりあると踏んだか。ドイツのPzH2000も再生産始まったし射程に関してはトップクラスで60口径も視野に入っているから値段を除いて悪い選択肢ではないんだけど。
確かに韓国にはパワーパックや精度問題などの宿題があるにはあります。ただ、韓国は同時に各国バージョンには大きな自由度を与えてもいる様で…つまり、そこらへんは他の軍事企業が絡む事で改修型を作れる可能性もあるって事なんですよね。
韓国がある程度有利に交渉を進められているのは自らの問題を理解した上である程度の自由度をオプションとして付けているからというのもあるのかも?
他の大手だと色々と問題ありますからね過度に弄られるのを嫌うとこもありますからね。ライセンス条件もかなり緩いという話も聞きますし。