スペイン陸軍の砲兵戦力近代化計画が正式に承認され、M109の後継システムとしてK9が有力視されていたが、スペインのディフェンスメディア=Infodefensaは20日「IndraとHanwhaが数日以内にK9供給に関する協定を締結する」「スペイン化されたK9の海外輸出権利も獲得する」と報じた。
IndraはK9がもつ巨大なエコシステムの中で独自バージョンを開発し、海外輸出も視野に入れてビジネスを展開する
スペイン陸軍の砲兵戦力は半世紀以上前に米国から導入したM109A5(96輌)、Santa Bárbara Sistemasが製造した155mm榴弾砲(84門)、英国から導入したL118(56門)で構成されており、これを近代化するため陸軍は装輪式自走砲×86輌、弾薬補給車輌×86輌、回収車輌×14輌、専用のメンテナンス車輌×14輌、装軌式自走砲×128輌、弾薬補給車輌×128輌、回収車輌×21輌、指揮統制車輌×59輌の調達を予定し、経済的観点からも国内雇用の創出を期待されているため、自走砲の製造とライフサイクル全体のメンテンスをスペイン国内で実施しなければならない。

出典:Rheinmetall
スペイン政府は砲兵戦力の近代化計画を承認し、スペインのディフェンスメディア=Infodefensaも昨年12月「国防省は計画を主導する企業との間で正式な交渉を開始し、年末まで発注書への署名を行うことを目指している」と報じていたが、国防省はIndraとEM&Eが設立した2つの合弁会社に装輪式自走砲と装軌式自走砲の調達契約(72.4億ユーロ)を授与、Indraが設立したATP Cadenasはプラットフォームの開発・設計を、EM&Eが設立したATP Ruedasは砲塔モジュールの開発・設計を担当する。
まだ何を調達するのか正式発表されていないものの、26.8億ユーロが投資される装輪式自走砲は「IndraとRheinmetall MAN Military Vehiclesの提携をベースに国内開発される」「HX3とAGMモジュールを組み合わせたものになる」と、45.5億ユーロが投資される装軌式自走砲は「韓国製のK9が有力候補だ」と予想されており、Infodefensaは20日「IndraとHanwhaがスペイン陸軍への自走砲供給の合意に近づく」と報じた。

出典:Hanwha Aerospace
IndraはK9スペインバージョン開発と国内製造を行うためHanwhaと交渉を進めており、Infodefensaは「両社は最終調整を進めており数日以内に技術・産業協力協定を締結する」「これはスペイン軍向けプロジェクトだけでなく、国際プログラムも含む革新的な砲兵システムの開発を対象している」「世界規模の防衛大手2社の協力はスペインの技術主権と戦略的自立を強化するとともに、両社のイノベーションと商業ポテンシャルを後押しするものとなる」と報じ、これは単なるライセンス生産ではないと強調しているのが興味深い。
この件に詳しい関係者は「IndraはK9の知的財産権を取得してK9スペインバージョンの設計を担当する」「これは既存のK9をベースにしたIndraエンジニアリング部門による新規開発だ」「ベースはK9だが単なるコピーではない」と明かし、IndraはスペインバージョンされたK9、弾薬補給車、回収車、指揮統制車の海外輸出権利もHanwhaから獲得する。
要するにIndraはK9がもつ巨大なエコシステムの中で独自バージョンを開発し、スペイン陸軍だけではなく海外輸出(恐らく南米)も視野に入れてビジネスを展開するという意味だ。
因みにエジプトは韓国と約17億ドルのK9導入契約(約200輌+支援車両)を締結し、アルアハラム紙の取材に応じたエジプトのモルシー軍需生産相は2022年6月「韓国と締結した契約に基づき国内でK9を製造するため工場建設や製造に関与する労働者の訓練が行われている」「K9の初期ロットは韓国で製造されたものを2024年に受け取るものの、2023年にK9の国内製造が開始される予定だ」「段階的に国産化比率を引き上げて最終的に67%がエジプト国内で製造される」と明かした。
🇪🇬🤝🇰🇷 Egypt has begun co-producing the K9A1 Thunder 155 mm self-propelled howitzer (SPH) in partnership with Hanwha Defense of South Korea. Production is being carried out at Military Factory 200, the same facility originally established for the co-production of M1A1 Abrams main… pic.twitter.com/MwYKmc2e5z
— Egypt’s Intel Observer (@EGYOSINT) March 16, 2026
エジプトと韓国が締結した16.5億ドルの契約にはK9のエジプト陸軍仕様K9A1EGY、弾薬補給車輌K10、エジプト陸軍の要望で開発されるK10ベースの射撃統制車輌K11の現地製造が含まれており、モルシー軍需生産相は「段階的に国産化比率を引き上げて最終的に67%がエジプト国内で製造される」「エジプトが導入するK9は世界で最も新しい自走砲システムで、これを入手したいと考えている中東諸国やアフリカ諸国と既に2ヶ国間交渉を始めている」と説明したことがある。
エジプトはM1A1エイブラムスをライセンス生産したMilitary Factory 200でK9A1EGYを生産を開始しており、その様子も公開された。
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※アイキャッチ画像の出典:Hanwha Aerospace





















K9もそろそろ新型を望むくらいの時期なのかもな
設計は20年前の物だし、何より戦場が変わりすぎた
それでも強力な砲兵力が求められることは変わってないから、ドローン戦場に上手く対応できれば、向こう20年も西側の標準自走砲は韓国製になれると思う
韓国はまだK9を弄りまわして、ようやくK9A2が生産始まったか始まるかの頃、展示会ではK9A3のコンセプト展示があったらしいので、新型は当分先。
あっ韓国で装輪型自走砲の試作車両の目撃例があるらしいので、そっちを新型と捉えるか(ただしベースはK9A2らしい)
エジプト陸軍の要望で開発される射撃統制車両K11
というのが具体的にどんな車両か気になります。
最近のドローン戦の戦訓で射撃指揮所も装甲車にして
撃ち逃げ対応が必須であるということなのでしょうか?
韓国製装備は、ほんと色んな国に食い込んでますね。
日本は、エジプトODAに1兆円前後を使ってきた歴史があるので、(諸条件が整ってて)もしも食い込めてたらなあと…。
日本の防衛産業は、輸出を視野に入れる事に失敗したため、サプライチェーンが歯抜けになった(下請けの撤退)装備も問題視されたものがあります。
防衛予算の増額ならびに5類型見直しが視野に入ったうえに、もがみ型改の輸出など成功事例もでてきましたので、これからの進展に期待したいですね。
追記です。
エジプトの隣国、リビア内戦ずっと続いてるんですよね。
東部支持エジプトなど、西部支持トルコなど、この図式に今なってるはずだなと。
エジプトは、軍事介入まで視野に入れていたはずですから、K9の信頼性の高さを感じています。
まさに傑作装備、NATO,というより今後は「欧州軍」ですかね、のスタンダードになりそうですね。韓国の輸出産業は本当にすごい。成長期からコツコツ積み上げたものが、気を逃さず大爆発している形で、純粋に尊敬できます。
思えば、20年前、韓国がまだ日本を追い抜く前、はるか後方を走っていた時、こう言っていました。
「日本は韓国に対して経済的、技術的には優れているが、韓国には道徳的優位がある」
本邦の一部論客はこのセリフを嘲笑していましたが、今や経済的にも技術的にも日本を追い越し、そして「独特的優位」をうまく利用して軍需産業でも日本をはるかに凌駕する大国となった・・・
いやはや。感無量です
何をもって経済的に抜かれたことになっているのだろう?
一人あたりGDP?
名目GDPでは韓国は日本の半分以下なんだけど。
技術的というのもどの分野?
純粋に疑問に思ったので書きました。
韓国経済はお先真っ暗の地獄ですが?
大して利益が見込めない軍事産業の輸出しか頼るものがなくなった、の間違いでしょう
>今や経済的にも技術的にも日本を追い越し
いやどこが?それはない。GDPは日本の方が遥かに上だし、1人当たりで見ても抜かれたというのは購買力平価を使った数字のトリック。
技術にしても日本の方が上。重工業は言わずもがな。韓国はただ兵器輸出に関する縛りがなかったから実績を積めただけ。
名目1人当たりGDPでも抜かれてますが…
>海外輸出(恐らく南米)
南米某国の自走砲コンペでオリジナルK9と、スペイン版K9が並ぶことにならないか?
「これが純正K9の最新パッケージ」
「これはポーランド製」
「これはスペイン製」
「これは(ry」
「全部同じじゃないですか!?」
ぱっと見だとミリオタでさえわからない日がくるかもしれないw
記事内容と少し違うのですが。
他所の記事で、ウクライナ陸軍は、砲兵員が装填作業をするのに、
身体に機械的な補助具を用いる実験をしているらしいです。
介助作業に使うパワーアシストスーツみたいなものらしいです。
機械装填とどちらがよいのかな?、と思ったり。