英国とトルコは2025年10月「タイフーン20機を総額80億ポンドで売却する契約に署名した」と発表、Janesは25日「トルコが取得するタイフーンは最も先進的なTranche 4+バージョン」「これはLong Term Evolution(LTE)パッケージを除外したTranche 5に相当する」と報じている。
参考:Multi-billion-pound support deal agreed as part of major UK export win
参考:Türkiye to field Tranche 4+ Eurofighters fitted with ECRS Mk 0 radar
参考:Turkey, UK sign training and support deal for multibillion-dollar Eurofighter order
トルコがタイフーン20機と関連兵器パッケージの購入に54億ポンドを支払い、最も先進的なTranche 4+バージョン取得
英国とトルコは2025年7月にタイフーン輸出に関する暫定合意に署名、スターマー首相も「英国にとってタイフーン生産は経済成長の原動力で何千人もの生活を支えている。トルコと数十億ドル規模の輸出契約を締結することで今後数年間に渡り2万人の雇用を維持することができる。そのため政府はトルコとの契約を確保するため全力を注いでいる。この契約は我が国の防衛産業を強化し、改革計画を推進し、この不確実な時代において英国と同盟国をより安全に保つ役割を果たすだろう」と声明を発表。

出典:Keir Starmer
ヒーリー国防相も「本日の合意はトルコがタイフーンを購入する上で大きな一歩になる。これは英国人労働者の利益のため新たな取引を確保するという政府の決意の現れだ。トルコがタイフーンを取得することでNATOの集団防衛能力が強化され、英国も労働者の雇用を確保することができ両国の産業基盤も強化されるだろう」と、トルコへの輸出交渉を実質的に主導するBAEも「我々は英国政府およびトルコ政府と緊密に協力し、タイフーンと関連機器の調達契約を締結する予定だ」と述べ、両国は2025年10月「タイフーン20機を総額80億ポンド=約1.7兆円で売却する契約に署名した」と発表。
英国防省も「トルコとの契約は英国にとって8年ぶりの戦闘機取引(ウォートンでの最終組み立てを請け負えるBAE主導のタイフーン輸出という意味)となりウォートンの生産ライン救済となる。さらにエディンバラ、ウォートン、サルムズベリー、ブリストルなどの雇用2万人を維持するのにも役立つだろう。トルコにとっても高度な戦闘能力が強化され、重要な地域におけるNATOの力が強化され、英空軍とトルコ空軍の相互運用性も向上する」と述べたが、80億ポンドも支払う契約に何が含まれているのかは謎だった。
The UK-Türkiye Typhoon deal is the largest fighter jet export in nearly 20 years.
Today @johnhealey_mp met with Yaşar Güler @tcsavunma in London to sign a multi-billion-pound training and support contract, marking the next phase of the landmark Typhoon deal. pic.twitter.com/kdEUrcrKFD
— Ministry of Defence 🇬🇧 (@DefenceHQ) March 25, 2026
英国防省は25日「英国とトルコはロンドンで数億ポンド規模の合意に署名した。英国は10名のトルコ人パイロットと約100名の地上要員に対し、タイフーンの飛行・整備に関する訓練を実施する。これは2025年10月に合意した輸出契約の一部を形成し、画期的なタイフーン契約の次なる段階を画するものである。トルコのタイフーン整備を支えるため英企業(BAE Systems、Leonardo UK、MBDA、Rolls-Royce、Martin Bakerなど)と協力して航空機部品やスペアパーツの生産も確保される。これはスペアパーツおよび支援機器の納入、関連技術者やパイロットの訓練、高性能訓練シミュレーター、電子戦能力の提供が含まれる」と発表。
Janesも「トルコと英国が26億ポンド規模の訓練・支援契約を締結した」「トルコが54億ポンドで発注したタイフーンは最も先進的なTranche 4+バージョンになる」「これはLong Term Evolution(LTE)パッケージを除外したTranche 5に相当する」「トルコ向けのTranche 4+にはECRS Mk.2 AESAレーダー搭載を予定しているものの、2030年の引き渡しには間に合わない可能性があるため、最初の引き渡し分にはECRS Mk.0 AESAレーダーが搭載されるだろう」と報じた。

出典:BAE Systems
Defense Newsも「トルコと英国が締結した訓練・支援契約の正確な金額は明かされてないが、BAE Systemsはトルコがタイフーン20機と関連兵器パッケージの購入に54億ポンドを支払うと明かした。総額80億ポンドから54億ポンドを差し引けば、訓練・支援契約の総額は最大26億ポンドになる」と報じており、JanesもDefense Newsも中々興味深いことに言及している。
トルコはTranche4+(20機)と関連兵器パッケージの購入に54億ポンドを支払うため、1機あたりの取得コストは2.7億ポンド=約575億円になり、ここまで高価なのはF-4EやF-16C/Dを運用する米国製戦闘機のインフラが流用できないこと、米国製搭載兵器への依存度を引き下げるためMeteorやIRIS-TもしくはASRAAMを取得するためだろう。

出典:BAE Systems
トルコメディアは「トルコ空軍のタイフーン調達は44機」「英国から新造機を20機、オマーンから中古のTranche 3を12機、カタールから中古のTranche 3Aを12機調達予定」「トルコ空軍のタイフーンにはトルコ製弾薬が統合される」「カタールから取得するTranche 3Aは英国でTranche 4にアップグレードされる」などと報じており、英国に支払う総額80億ポンドには「トルコ製弾薬の統合費用とTranche 3AからTranche 4へのアップグレード費用が含まれている」と考える方が辻褄が合いそうだが、これはトルコメディアの情報だけなので推測の域を出ない。
ちなみにタイフーン向けのAESAレーダーは「Leonardoが開発したECRS MK.0」「Leonardoから技術移転を受けてHensoldtがECRS MK.0を改良したECRS MK.1」「BAE SystemsとLeonardo UKが極秘プログラム=Bright Adder Projectとして開発したECRS MK.2」の3種類があり、ECRS MK.0は輸出向けとイタリア空軍向けのTranche 4、ECRS MK.1はドイツ空軍向けとスペイン空軍向けのTranche 4、ECRS MK.2は英空軍のTranche 3Aアップグレード向けに採用されている。

出典:BAE Systems
ECRS MK.2の開発目的は「次世代戦闘機(テンペスト)向けレーダー技術のテストベッド」や「レーダー分野の技術者を次世代戦闘機開発まで維持する目的」と言われており、ECRS MK.2はF-35と同じようにレーダー追跡と電子戦の効率的なマルチタスクを同時に駆使でき安全なデータリンクモードも備えている。
そのためECRS MK.0やECRS MK.1よりも能力が優れている可能性が高く、トルコ空軍がECRS MK.2搭載のTranche4+を入手できれば「タイフーンの中で最もレーダー能力が優れた機体」になるかもしれない。
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※アイキャッチ画像の出典:BAE Systems





















今の中東情勢を鑑みると…イラン空軍が壊滅状態とはいえ、戦後のイラン空軍の戦力再建には中露が手を貸す可能性が高いので、ドローン及びミサイル対策やイランへの抑止に於いてタイフーン保有の諸国が手放せるとは思えないので…中古機の転売計画は頓挫もしくは相当先へ延期されるのではないでしょうか?
最終的にTACO発動するかも分からないので、現状の国体維持が出来るならその心配は現実の物となります。少なくとも外部からの国内に対する直接的な加害がなければはイランから攻撃を仕掛けるメリットが無い。どちらのユーロファイターに関しても保有機全てであるので運用上何かあっての話ではないかと思う。
カタールに関しては国土面積の割に航空戦力は充実しており現状においてもユーロファイターが抜ける穴は何とかなるのではないかと思う。発射された巡航ミサイルの数と自爆型無人機がどれ位かにもよるがF-15QAなら対空ミサイル12発、APKWSなら現状でも42発は行けるのでそこまで困る事があるのかとは思う。後はSAMなり機関砲の増加で対応すれば良い。
オマーンに関しては国土面積に対して23機のF-16しななくなるから怪しいが、もとよりSAMの数も無いようもかなり劣る状態でしなく予算的に余裕があるのかはあるし、安価な地上配備型の迎撃手段の拡充でもするんじゃないかな。今回のイランの攻撃にしても数えるほどの内用でしかないので底まで重層的な対応が必要なのかはある。
タイフーンの輸出が英国の航空産業の未来を考えて、GCAP に本腰入れる契機になってほしい
トルコの存在感は、すごいですからね。
ウクライナ戦争・イラン戦争、どちらでも非常に重要なポジションですし。
エネルギー資源の輸送ルートとしては、黒海サウスストリームがよく言われますが。
トルコルート、カスピ海・アゼルバイジャン周辺のパイプライン、イラク・クルド人自治区のルートなどもあります。
東地中海の安全保障(ガス田あり)を考えても、ヨーロッパにとっての生命線ですから、関係強化は合理的と思います。
やっぱり商売なくしては語れないよなあ。
GCAPも金の話をないがしろにしては成功出来ない。
日本は、こういうところが慣れない。
タイフーン20機を総額80億ポンド=約1.7兆円
いろいろサポート金額が入ってるとはいえ金額に唖然・・・・
なんか今日の兵器の価格、昔より二桁三桁大きくなった気がしますね。
主にコンピュータの高度化でしょうね。🤔
トルコはここ最近地域大国から大国の地位を狙ってるのよく分かるけど、その軍事につぎ込んでる大金をもう少しグラついてる金融とか政治制度に向けた方がいいんじゃないか?
地盤固めずに軍事先行の大国化は諸刃の剣だぞ
GCAPが間違いなく遅延するか、最悪完成しないので、Tranche 6, 7も考えておくべきなのでしょうね。