ウクライナ戦況

1ヶ月以上に及ぶウクライナ軍の反撃、今後も攻勢を維持?それとも再編成?

8月末に開始されたウクライナ軍の反撃は大きな成功を収めたが、1ヶ月以上も激しい戦闘が続いているため攻勢限界に近づいていても不思議でなく、一部では「前進を停止して再編成に入った」との指摘もある。

ロシア軍兵士の戦死者数から「戦闘の激しさが落ち着きつつある」のが確認できるが、反撃開始前の水準までは低下していない

東部戦線ではスバトボに向けてウクライナ軍が前進しているものの、ロシア軍の防衛ラインを決定的に破るような動きは確認されておらず、南部戦線でも後退したロシア軍が防衛ラインの再構築に成功、ウクライナ軍の前進は阻まれているという印象を受ける。

7月末以降に記録されたロシア軍兵士の戦死者数と戦線での動き
07月31日~08月06日1,230人HIMARSでヘルソン州のロシア軍を攻撃
08月07日~08月13日1,500人AGM-88HARMの投入、クリミアでの爆発
08月14日~08月20日1,500人クリミアでの爆発、ケチル市で初めて防空システムが作動
08月21日~08月27日1,500人HIMARSでヘルソン州のロシア軍を攻撃
08月28日~09月03日2,550人29日に南部司令部が反撃開始を宣言
09月04日~09月10日3,200人6日頃にハルキウ州で反撃を開始、バラクレヤとクピャンスクを解放
09月11日~09月17日2,000人イジューム解放、ハルキウ州のロシア軍がオスキル川西岸まで撤退
09月18日~09月24日2,050人オスキル川を渡河してリマン方面への反撃を開始
09月25日~10月01日3,310人オスキル川沿いやリマン周辺で拠点を解放
10月02日~10月08日2,450人リマン解放、ヘルソン州で反撃、ロシア軍が撤退を発表
10月09日~10月14日2,220人クリミア大橋爆発、ロシア軍による都市攻撃

一部では「ウクライナ軍が前進を停止して再編成に入った」との指摘もあり、ロシア軍兵士の戦死者数からも「戦闘の激しさが落ち着きつつある」のが確認できるが、反撃開始前の水準までは低下しておらず、ゼレンスキー大統領も「反撃は続く」と述べているため来週あたりに戦闘が激しさを取り戻すかもしれない。

ただ南部戦線の部隊も東部戦線の部隊も1ヶ月以上激しい戦闘を続けているため「攻勢限界」に近づいていても不思議でなく、前進を止めて大規模な再編成に入ったという指摘も現実味がある。

出典:管理人作成(クリックで拡大可能)

因みにバフムートの状況は一進一退の戦いが繰り広げられていると報告されているものの視覚的な裏付けがなく、実際どのような状況なのかは推測の域を出ない。

しかしウクライナ軍がバフムート方面に増援を送る様子は見られないため、ここを死守するつもりがあるのかは不明だ。

出典:Google Map バフムートの戦況/管理人加工(クリックで拡大可能)

関連記事:ウクライナ軍はスバトボに向けて前進、ロシア軍もバフムートに向けて前進

 

※アイキャッチ画像の出典:Сили територіальної оборони ЗСУ

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コメント

    • せい
    • 2022年 10月 14日

    国力で言えばウクライナはロシアの数分の一だもんなぁ。
    いくら最新の兵器と訓練を受けても、絶対数の少なさはどうにも出来ない。
    勢いは大事だけど、いったんギアを落として丁寧に仕切り直すのも大事だと思う。

    20
      • hogehoge
      • 2022年 10月 14日

      いや、冬季に入ると強制的に仕切り直し入るんで、今は多少の犠牲を許容してもドネツク目指すべきですね。
      というか、今年中にドネツク取れるかどうかが戦術的にもですが、ウクライナの政略的な外交手札として、一つの分水嶺でしょう。

      欧米は資本主義ですので投資に見合うかというのを常にチェックされます。
      ドネツクの有無は来年以降の外交交渉に巨大な影響を齎すかと。

      14
        • NHG
        • 2022年 10月 14日

        冬季で仕切り直しになるからこそ今休む必要があるのではないでしょうか
        ウクライナにとって最悪なのは浮足立ったままドネツクに凸って跳ね返され「やっぱ無理か」となることだし、今は冬の攻勢に向けての足場固めが重要な時期に思えます

        12
        • ななし
        • 2022年 10月 14日

        今は秋の長雨の泥寧シーズンだし。ヘルソンや東部は畑ばかりの地形でスピード勝負の旋回包囲戦をしようにも動きにくいと思う。11月になれば冬将軍が起きだして土も絞まるだろうし、ここで厚着できる差が顕著に表れる筈。
        今のロシア軍はデカい蛇みたいな物で、変温動物は冬に狩るのがよろしいかと。

        19
      • bbcorn22
      • 2022年 10月 14日

      もうその絶対数は 普通にウクライナの方が上だよ。
      侵略開始時でも兵の数はロシアが少し多いぐらいのレベル。
      ウクライナ側は最初から総動員だから訓練済みの兵士から次々追加で
      ロシア兵を超えている。
      圧倒的だった兵器も在庫限りの兵器がずっと削られつつけて
      西側から実質無限補給のウクライナと部分的には逆転してる。
      ロシアが絶対数で優っているなら 動員する必要もなかったわけでね。
      ロシアは経済は元々韓国以下の小国、もう軍事的にも大国でも何でもない。

      50
    • きっど
    • 2022年 10月 14日

    バフムート方面のロシア軍は前時代的な人海戦術による無謀な突撃しかしていない、との事ですので、ウクライナ軍は適当に後退して距離を取りながら一方的にロシア軍を擦り潰しているとか
    増援が送られないのは、そもそも増援が不要だからではないですかね?

    62
    • けい2020
    • 2022年 10月 14日

    ロシア軍の防衛線構築が旧時代+基礎すらって有様なので、突破だけなら行けそうですが
    突破したら後始末やらが必要ですから、そこがネックでしょうね
    降伏したロシア兵も膨大な人数になってそうですから、それの対処も必要ですし

    16
    • RED
    • 2022年 10月 14日

    どうも、東部戦線ではスバトボ-クレミンナラインに防御陣地を構築しているそうで、その時間稼ぎのためかクレミンナ付近でロシア軍が特攻しているそうです。
    明らかに泥縄ですね……オスキル川で防御してる間に準備を始めておくものですよこういうのは……。

    13
    • 無無
    • 2022年 10月 14日

    先の長い闘いですから休息、整備、交代、見直し
    みんな大切です
    今勝っていても、これからも勝ち続けねば国土は取り返せないんだから

    31
      • まつ
      • 2022年 10月 15日

      その提言聞いていたかのように初戦から戦闘に従事していた4個旅団後方に下げ休養 入れ替えしている。

      1
    • 戦略眼
    • 2022年 10月 14日

    地図を見る限り、ドネツクの鉄道施設を抑えたいね。
    南部地域への補給路線を抑えられる。

    10
      • まつ
      • 2022年 10月 15日

      早くATAKUMUSU提供すべきである。

    • あばばばば
    • 2022年 10月 14日

    ウクライナの泥濘期に加えて、スターリンクの問題(通信障害、スペースXの予算限界、社長がアレ、通信装置に猫が温まりに来る)、供給する弾薬の品薄もあるし、しばらくは停滞気味になるのは間違いない。
    一方で、戦争初期に国外に訓練に行った兵士がウクライナに戻り始めたりしているし、来年の2月24日は開戦当初の戦力と比べて、露ウで入れ替わっているのではないだろうか

    13
    • mun
    • 2022年 10月 14日

    ロシア軍支配領域を制圧し奪還するには攻めねばなりません
    原則として攻める側のほうが大変です
    十分な機甲戦力、砲兵部隊、航空支援を揃えねばなりません
    ウクライナ軍は拠点を多数奪還した直後ですから
    奪還した領域の安定化もはからねばならず
    同じ勢いで攻め続けられるわけではありません

    東部の大攻勢により多くの戦車等が鹵獲されましたし
    海外で訓練を受けた兵士達が帰国してきています
    次の攻勢に向けて戦力が増強されていっている事でしょう
    疲れて立ち止まっている、という感じでは無いと思います

    13
    • NNC
    • 2022年 10月 14日

    管理人さま
    日々の更新、お疲れさまです。

    55
    • TKT
    • 2022年 10月 14日

    ロシア軍が、イジュ―ム、リマンからすぐに否定される退却して、スバトボ、クレミナの防御を固めたのは、元からこうなることを狙っての作戦かもしれません。

    バフムトの方面でも、いよいよロシア軍が中心市街へ突入を始めているともいわれます。

    ヘルソン州の方面へは、戦略予備であったロシア空挺軍の第76親衛空挺師団の部隊が移動し、ウクライナ海軍の第35海軍歩兵旅団や、第128山岳強襲旅団の攻撃を阻止したといわれます。ドニエプル川西岸への補給は、渡し船や、橋の応急修理で維持されているようです。

    クリミア大橋の一部は破壊されましたが、クレーン船などを使った応急修理ですぐに通行が再開したようです。もちろんカーフェリーを使ったトラックの輸送も行われています。

    一方で限界が近づいているのは、ウクライナ軍というよりも、アメリカイギリスを中心とする西側諸国による武器の支援、生産の方かもしれません。

    もちろんロシア軍の方も、北朝鮮から大量の砲弾を輸入したり、大量に保管されていたT-62戦車の近代化改修を始めたり、予備役を動員して部隊を新編成したりしています。これは冬季に大規模な攻勢を行う準備かもしれません。

    バフムトが制圧できれば、ロシア軍はそこからさらに幹線道路を北上して、工業都市であるクラマトルスクや、スラビヤンスクを攻撃することができます。

    5
      • らら
      • 2022年 10月 14日

      >アメリカイギリスを中心とする西側諸国による武器の支援、生産
      イギリスは分からないが、アメリカはまだまだ余裕ですよ 余剰の弾薬が無くなった?無くなりそうと言うだけ。

      >朝鮮から大量の砲弾を輸入
      って 動きがあるというだけで、実際に弾薬が運搬されたわけではないような?

      一時的には攻勢に出れたとしても、全体としてボロボロのロシアに継続的に攻勢に出れる物資は無いと思いますが。

      33
      • nojigoo
      • 2022年 10月 14日

      >一方で限界が近づいているのは、ウクライナ軍というよりも、アメリカイギリスを中心とする西側諸国による武器の支援、生産の方かもしれません。

      >もちろんロシア軍の方も、北朝鮮から大量の砲弾を輸入したり、大量に保管されていたT-62戦車の近代化改修を始めたり、予備役を動員して部隊を新編成したりしています。これは冬季に大規模な攻勢を行う準備かもしれません。

      上記を拝見すると、アメリカイギリス西側諸国の武器の生産より北朝鮮からの輸入や在庫戦車改修の方が優位にあるように感じますが、そんなことが実際にあり得るものなのでしょうか?

      36
      • xyz
      • 2022年 10月 14日

      >ロシア軍が、イジュ―ム、リマンからすぐに否定される退却して、スバトボ、クレミナの防御を固めたのは、元からこうなることを狙っての作戦かもしれません。

      なんか不自由な日本語だな・・・。
      ってか中身が事実と反する事を自信たっぷりに語っているのが笑える。

      9
      • bbcorn22
      • 2022年 10月 14日

      スバトボはもう時間の問題。
      バフムートは無理押しで損害を増やしているだけ。
      ヘルソンは 市民に避難勧告まで出てる状態。
      橋がおちて さらに干し上がる。
      ほとんどやめてたフェリーが大混乱で1000台以上渡れないまま。
      鉄道は危険すぎるので軍事物資の補給には使わないとロシアが発表。
      南部の鉄道もHIMARSでぽこぽこ。南部全体の補給が危ない。
      ロシアの戦車工場は戦車を作れず T-62のオーバーホールしかしてない。
      お古のポンコツどこまで使えるのかね。
      戦車なさ過ぎてベラルーシから戦車を強奪。
      ベラルーシはポーランドと緊張状態にあって大迷惑。
      ルカシェンコは木製戦車を配備。

      実際の様子は こんな感じ。

      21
        • 2022年 10月 14日

        インドからは戦車の取り込み詐欺してるし、頃合いを見て夜逃げでもするのかと。
        典型的な自転車操業だね。

        6
      • xyz
      • 2022年 10月 14日

      >ロシア軍が、イジュ―ム、リマンからすぐに否定される退却して

      いつの間にすぐに退却した事になったんだ?
      こうやって事実が捏造されていくのか・・・。

      15
      • けい2020
      • 2022年 10月 15日

      T-62は近代化改修の前に、最低限動くようにレストアが必要で
      必要な部品を開発生産するところからで、しかも近代化改修の装備を手に入れる見込みも薄いかと
      まともなレストアなら最短半年、密輸とかして少数近代化改修で最短1年は必要でしょう

      それは、T-80,T-90、T-72なんかも同じだから、バラバラのアップグレードのまま投入されてる
      そしてバラバでに投入されてるから、補給整備が追いつかなくなって放棄されるケースも多いのが観測されてるので

      元から健全じゃない補給整備なのに負担だけ増えて、クリミア大橋のでも補給の余裕がさらに減ってます

      16
    • 2022年 10月 14日

    この記事の週間ロ軍死者数を1日平均で見るとこうなる

    9/11週:286人(イジューム解放)
    9/18週:293人(リマン方面への反撃を開始)
    9/25週:473人(リマン周辺で拠点を解放)
    10/2週:350人(リマン解放)
    10/9週:370人

    ウクライナが実は頓挫を隠してるとかはあるかもしれんが、いずれにせよロシア軍の1日死者数は、ピークは去れどもウクライナの攻勢前より高い数字で推移しているので、現状の戦況は9/25週のよう勢いはないものの、依然ウクライナ優位なんじゃないかな。知らんけど。

    6
    • 匿名
    • 2022年 10月 14日

    ニュースになってないだけで淡々と戦闘は行われているという証明
    リマンであれだけの戦死者を出したのに平均したら100人程度の差しか無いって

    9
      • ミリオタの猫
      • 2022年 10月 14日

      そう考えると、現在の戦況はもしかすると「ロシア軍が動員兵を遮二無二にウクライナ軍の前線へ突撃させ続ける事で辛うじて戦線を維持している」のかも知れません
      そう考えないと、ロシア軍が10月に入って以降も週2千人以上の戦死者を出し続けている理由が分かりません
      ひょっとしたら、プーチンが「攻撃しろ!失地は必ず奪回しろ!」と喚き散らして前線部隊へ突撃を強要しているのかも知れませんね

      13
        • 匿名
        • 2022年 10月 14日

        一方でルカシェンコ大統領が停戦交渉のテーブルに着く様、言及し始めてますね。
        当然クレムリンからの要請でしょうが、冬営および再編を狙ってますね。
        間違いなくこれから戦闘での戦死者よりも、冬将軍による凍死者が上回るでしょうから。

        7
          • ミリオタの猫
          • 2022年 10月 14日

          そのベラルーシも、極秘に動員を開始すると言う情報が流れて来ています
          もう、プーチンからの参戦強要に抗し切れなくなっているのかも?
          【ベラルーシが「極秘動員」 ウクライナ念頭、対テロ態勢に移行 報道】
          リンク

    • 名無し2
    • 2022年 10月 14日

    冬に入れば靴下もまともに支給できず防寒具の発注も断られるロシアはさらに不利になるのに対してウクライナ側は世界中から補給がくる上に冬季の備えもできているので、冬を理由にウクライナが攻勢を緩める可能性は少ないと言えるのでは。戦争が始まった2月の終わりから立場が逆転したと言えよう。

    9
    • 鳥刺
    • 2022年 10月 15日

    基本、バフムート戦線はT1302号線を北に大突破されなければ大過はありません。問題になるのはドネツ南岸におけるスラビャンスク~シヴェルシク間の後方連絡線なので(地図的にはソレダル~パラスコヴィーフカ)。

    ロシア軍の逼迫した兵力不足、伝えられるロシア軍内部の各セクター間の功名争い等を加味すれば、防勢に構えてわざわざ原野に出て来てくれる敵を火力で削り続けるのも有効な選択です。ウクライナも、意味のある成果を目指す攻勢を全戦線で実施できるわけではありませんから。

    ロシア軍の潰走・戦線縮小の結果、ウクライナ軍も、旧国境等配兵しなければならない戦線の延長、秋の泥濘期で軍の機動力が制約される等、攻撃の進行テンポを攻勢初動の装甲突進と同じように維持するのは,兵力的にも能力的にもさすがに難しいでしょうが、ゼレベツ川を越えてスバトボに向けた着実な進出が見られますし、ヘルソン州北部ではロシア軍の撤退により敵の防御密度は増加しましたが、クリミア大橋の損傷に伴うクリミア経由の南部戦域への兵站の停頓・滞留も顕在化してきました。

    まぁ、戦争では息を吸う時と吐く時がありますから。
    次は、ロシア予備役動員軍が、実際にどのような装備と訓練と統率で戦場に現れるかですね。

    9
      • TKT
      • 2022年 10月 15日

      そのT1302号線を北に大突破すれば、ドネツク州のウクライナ軍にとって致命的な結果になるかもしれない、というのは容易に予想できることです。

      予備役動員軍の任務は、基本的には後方の兵站警備、またたとえ前線勤務でも前哨での監視などが主で、問題はそれによって浮いた現役兵、現役部隊の兵力を、機動打撃用、機動反撃用の戦略予備部隊に回せる、増やせることです。

      そうやって増やした、再編成、新編成した機動打撃用の機械化部隊を投入するのに、どこが一番向いているかといえば、それはやはりT1302号線の大突破作戦でしょう。

      なければ大過ないが、あれば致命的な結果となりうる作戦です。

        • 匿名11号
        • 2022年 10月 15日

        動員兵よりはましとはいえ、職種も元の部隊もバラバラの寄せ集めの部隊を訓練期間もなしに投入したところで、「北に大突破」などという芸当はできないでしょうね。

        4
      • りにあ
      • 2022年 10月 15日

      クレミンナ方面の宇軍が足踏状態なので、クレミンアナ方面の宇軍がバフムト北側の露軍にとって脅威となっていないのは痛いかもしれません。

      1
    • show the flag
    • 2022年 10月 15日

    ハリコフ州での多数の鹵獲、ヘルソン州ではロシア側が喧伝する映像の少なさからすると、ここ一か月のハリコフ・ヘルソン両州でのウクライナの進展は戦闘による領土奪還というよりロシアの戦線維持の破綻に見えます。
    具体的にはハリコフ州は南部への戦力抽出で手薄になり、ヘルソン州では睨み合うだけの兵站を支えきれなくなったということで、東部バフムートが比較的活発なのはPMCワグナーとL/DPRが担うこの戦線がロシア正規軍のドタバタの影響を受けていないためでしょう。
    動員兵の受け入れの混乱やヘルソンからの避難などロシアの窮状も漏れ聞こえるなか、物資集積拠点や後方の交通の攻撃で兵站に負荷を強いてきたウクライナは次なるロシアの自壊を待っているのではないでしょうか。

    8
      • まつ
      • 2022年 10月 15日

      ハリコフ進軍は宇クラーケン隊長がハリコフ市出身だからできたこと。

    • モンパ
    • 2022年 10月 15日

    数日前に英国で訓練していた兵士の第二波1万人が帰国したらしいから
    近々、新たな再攻勢がありそう。

    1
      • タイヤキ
      • 2022年 10月 15日

      へルソンなどでは、第二次世界大戦の以来のコンクリートの戦車止めに三重の塹壕が広範囲に3つの防衛陣地全部で映像で確認出来るため、制空権とれないとなかなか迅速な突破は難しいでしょうね。
      防衛陣地突破しても数日は対戦車地雷にコンクリートの撤去をしないといけないですからね。
      アメリカ軍がしたように埋め立てるのでも一週間はかかりそう。

    • ユタカ
    • 2022年 10月 15日

    最近スバトボ方面がぜんぜん記事になっていませんが、ウクライナ側から公式にKyslivka奪還が発表されててクピャンスクからスバトボまでのP07ラインまでは完全にウクライナ側が制してます。
    あとは満を持してスバトボ市街に攻め込むだけです。スバトボ戦線に関してはまったく停滞なんかしていません。

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