Reutersは16日「米国当局はイランとの戦争が武器備蓄を消費し続けているため、一部の欧州当局にFMS契約の武器納入が遅れる可能性が高いと伝えた」と報じ、エストニアのハンノ・ペヴクル国防相は18日「現時点で判明しているのは米国製弾薬の納入が保留状態にあることだ」と明かした。
参考:Baltic nations brace for impact of Iran war delaying US weapons shipments
参考:Estonia, Lithuania informed of US weapons delivery delays
欧州に使用弾薬の生産拠点ができるChunmooの優位性は益々高まるだろう
Reutersは16日「米国当局はイランとの戦争が武器備蓄を消費し続けているため、一部の欧州当局に対して契約した武器納入が遅れる可能性が高いと伝えた」「今回の決定によりバルト海地域やスカンジナビア諸国を含む複数の欧州諸国が影響を受ける」「Reutersの取材にエストニアとリトアニアは『イラン戦争の影響で米国製装備品の納入に遅れが生じる可能性がある』と通知されたと回答した」「今回の影響を受ける国の中にはロシアと国境を接している国もあり、攻撃と防御の両方に使用できる弾薬を含む様々な種類の弾薬が納入遅延の影響を受ける」と報じた。

出典:Lockheed Martin
今回の決定の影響を受ける国や装備について正確な情報はないが、タリンで行われたエストニアとリトアニアの共同記者会見で、エストニアのクリステン・ミハル首相は「我々は米国から現状について通知を受けており、その理由と背景事情については理解している。現在、この供給問題にいかに対処すべきか米国と緊密に協議を重ねているところだ。米国が我々の最大の同盟国であることに変わりはない。米軍部隊も駐留しており、両国の結びつきは強固だ」と言及。
リトアニアのインガ・ルギニエネ首相は米製装備品の調達計画について「現時点では深刻な問題はない」と前置きした上で「納入スケジュールの変更について通知を受けている」「一部の納入期限に変更が生じていることは承知している」と認めた。

出典:U.S. Marine Corps photo by Lance Cpl. William Chockey
さらにラトビアのエヴィカ・シリニャ首相は「今のところ正式な通知を受けていない」「しかしながら各種の報道は把握しており事態の推移を注視している」と警戒感を示し、エストニアのハンノ・ペヴクル国防相は18日「我が国が最も懸念しているのはHIMARS用弾薬の調達遅延だ」「現時点で判明しているのは米国製弾薬の納入が保留状態にあるという事実だ」「我々は可能な限り情報収集に努め、この措置がすべての同盟国に例外なく適用され続けるのか、あるいは何らかの特例措置が設けられる余地があるのかを見極める方針だ」と言及。
ペヴクル国防相は「この納入遅延が長期化した場合、どのような代替案やバックアッププランが存在するかが課題で、HIMARSに関して言えば理論上は他社製弾薬を運用することも可能だが、そのためには Lockheed Martinおよび米国政府から他社製弾薬の統合と使用に関する承認を別途得る必要がある」と指摘し、イラン戦争で大して消耗していないHIMARS用弾薬(GMLRS及びATACMS)が納入遅延になるのは固体燃料ロケットモーターや誘導装置の電子部品(GPS/INS)がPAC-3 MSE、トマホーク、JASSM-ERの大量生産と奪い合いになっているからだろう。

出典:Ministerstwo Obrony Narodowej
エストニア、リトアニア、ラトビアは地上ベースの長距離攻撃能力を獲得するためHIMARSの導入を進めているものの、HIMARSで使用する弾薬がなく、ポーランドはHIMARSとChunmooを並行導入し、エストニアも「HIMARS自体の長い納期」を理由にChunmoo導入(2027年までに到着予定)に踏み切ったためHIMARS用弾薬の納入遅延リスクを軽減できる可能性がある。
ノルウェーもHIMARSではなくChunmooを選択し、ポーランドのWBとHanwha Aerospaceが設立した合弁会社はHIMARSのGMLRSに匹敵するCGR-080(GPS/INS誘導)を2028年までに出荷する予定で、欧州に使用弾薬の生産拠点ができるChunmooの優位性は益々高まるだろう。

出典:Ministerstwo Obrony Narodowej
ちなみにポーランドとLockheed Martinは2023年9月「HIMARS×486両(Homar-A)調達に関する枠組み協定」を締結したが、米政府がGMLRS国産化に必要な技術移転に同意しないため、Homar-A調達計画自体が危機に瀕している。
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※アイキャッチ画像の出典:U.S. Army photo by Sgt. Asher Atkinson





















エストニア目線、かなり心配になるだろうなと。
ウクライナ戦争でロシアに余裕がないわけですが、隣国の大国に隙を見せるのは嫌でしょうね。
少なくとも今回の話は米国産兵器だけの影響に留まらず、ミサイル等の部品に米国製を使用している物全てに適用される。
品目 ASM-3(改)用GPS 数量 6 個 契約日 2021/09/14 契約相手方 米空軍省
ここ何年かで米国製GPSの契約を見た事はないと思うので試験評価だった可能性はあるけど、国産兵器だろうがどうでも良い部分なら外国製部品はアリかもしれないが無ければ装備として成り立たない部品なら、そこがチョークポイントになるリスクがある事は認識すべきだよね。平時基準で物事考えたら有事の際に終わってしまう良い例だと思う。
Chunmooが欧州スタンダードになったりして
最初、トランプさんはさすがビジネスマンで注文どんどん取ってくるなぁ、でも供給力の補強が間に合うのかなぁと思っていました。
まさか自国の消費がとんでもなくなって、商機を全てドブに捨てることになるなんて…
第五類の撤廃と販売可能国の拡充、日本の供給体制拡大が間に合っていれば、ワンちゃんあったんでしょうか…
韓国兵器はは一気に覇権とりそうですね
日本の場合、わざわざ兵器を売らなくても、他で稼げていたのですが、兵器輸出しないと自国の防衛産業基盤が守れないという視点が長い間無視され続けてきました。
今、気付いたようですが、もう遅めの印象で、例えばミサイルやMLRSの弾薬製造あたりから始めた方が無難なんですけどね。
弾薬類の備蓄も心許ないので、貯めるにせよ売るにせよ、おっしゃる通りそこからやりたいですね。
国営工廠欲しいですね。
同感ですが、大型の工廠は地元の反発や地方労働力の確保等に問題が出そうなので、
多少効率は悪くなるでしょうが分散が現実的な着地になるかと。
VWの様に民間の製造ラインを一部転用出来る様になればコストも抑制出来て良さそうですが・・・
あとはイランから学んで地下製造施設を作るとか?
シャープの液晶の件を思い出したよ。
十数年前、亀山モデルという名称で液晶テレビを売っていた時代、他メーカーにも液晶パネルを売っていたのに、自社分を優先的に確保して、他メーカーから総スカン食らったという話。
その後、中韓で製造される液晶パネルの質が上がってきて、まったく売れなくなり、凋落していった。
アメリカも同じ轍を踏むのだろうか?
日本にとって今回の件は蚊帳の外でしょう。そもそもこの手のロケット弾に関して全く手を出していない。今現在も将来に渡っても日本が生産基盤を持っているのはより大型で長射程かGMLRSより小型で短射程のミサイルだけ。
個人の考えとしては今から本気で何とかすると言うなら、別アプローチで高性能な物を作るべきでしょうね。日本仕様なら装甲キャブを装備した3 1/2tトラック改に拡張性を与える為に現行のMLRS Luncher Podより全長1mプラスし幅を40cm高さ26cmを大きい物を作りより数を増やすか高威力で射程の長いロケットやミサイルを運用するようにする。出来れば既存のMLRSのポッドも兼用出来るようにする。
C-130でも空輸出来る強化された装輪ロケットシステムで将来的に無人車両での運用も視野に入れて小型なのをメリットとして分散配置して運用とか。まぁ無理なんですけどね。
韓国やトルコは最初から国際市場での販売、売れる物を作るスタイルです。日本は最近まで日本市場のみ、注文された物を作るスタイルでしたからこだわりの注文住宅を少数作る業者とコスパの良い建売住宅を大量に作る業者くらいには違うので供給体制の拡大より先に経営方針の転換をしていかないとなぁと思いました。
中々買えない、たとえ買えても必要な時までに届かない、下手すりゃ都合で勝手にキャンセルされかねない
米国が失ったのは弾薬より信用の方がデカそう
ロケット砲は砲身命数も持続発射率も気にする必要が無いので、撃とうと思えばいくらでも撃てます。
486基が10分で陣地変換して一日2時間撃つと仮定
して各72発。34992発と言う計算に成ります。ロッキード・マーティンの年間生産数って何発でしたっけ。
ウクライナに供与してる数十基のHIMARSが毎日一斉射したら絶対に間に合わない数しか生産してないって記憶してるんですが?
そりゃHIMARSの再装填時間は5分とは言われてるけど、弾薬車がえっちらおっちら弾薬運ばなきゃ行けないんだからそんな独ソ戦のカチューシャみたいなハイスペースで撃てる訳ないでしょ…
誘導ロケットは、無誘導の多連装ロケットみたいに使う物じゃ有りませんので流石にそれは。
発射数だけの目標選定が必要ですよ。
能力向上型生産目処が付いたら、すぐに25式高速滑空弾を売り始めねば。
そういうことをするなら、弾薬のライセンス生産を認めるくらいはしないとなおさらコンペの減点ポイントになるな
大阪砲兵工廠の復活だな、硫黄鉱山も復活させよう
閉鎖予定の日産追浜工場がまるまる工廠に転用できませんかね
どうなのでしょうね。
日本の場合、MLRSを現用中なわけですから、必要な型式の同等品
を開発しておいて、MLRS/HIMARSとの統合を目指すこと、かな?。
そして、日本必要分を自国生産できることを目指すこと、かな?。
想像できる範囲では。ロッキード/マーティンがどう思うか判りませんが。
米国での増産が間に合えば良いのですが、ダメな場合は。
などと想像します。
>ポーランドのWBとHanwha Aerospaceが設立した合弁会社はHIMARSのGMLRSに匹敵するCGR-080(GPS/INS誘導)を2028年までに出荷する予定
さらにポーランドはHomar-K(Chunmooのランチャーをポーランド製8×8シャーシに載せ替えたポーランド版Chunmoo)に搭載するミサイルとして射程180kmの戦術弾道ミサイル型のCTM-290・ブロック1(ミサイルが大型化した影響でChunmooのランチャーでは2発搭載)を選定し、ポーランド国内でポーランドの国防副大臣パヴェウ・ベイダと各国政府関係者の下でHomar-Kによる試験発射を実施し、成功している。
また韓国では韓国防衛事業庁(DAPA)がCTM-290・ブロック1の射程をATACMS相当の射程290kmまで延長したCTM-290・ブロック2を開発中であり、ブロック2の開発が成功すればChunmooはHIMARSと遜色ない攻撃能力を持つことになり、導入国は更に増えるだろう。