ロシアはルーブル決済に応じなかったポーランドへの天然ガス供給を中止すると通告、しかしポーランドは「こうなることを予想して6年前から準備していたので全く問題がない。二度とロシアから天然ガスを購入しない」と明かし注目を集めている。
参考:Если не будет катаклизма, поставки газа в Польшу обеспечены
ロシアによるウクライナ侵攻を予見していた訳では無いと思うが、ポーランドの事前準備は結果的に大当たりだと言えるだろう
年間90億立方メートル(年間消費量の約半分)もの天然ガスをロシアから購入していたポーランドは代金のルーブル決済を拒否、そのためロシアはポーランド向けの天然ガス供給を中止すると通告したが、ナイムスキー代表(戦略エネルギーインフラ担当)は「この事態に対する備えは出来ているので私は落ち着いていられる」と出演した番組内で明かした。

出典:Ulrichulrich / CC BY 3.0
ロシアがエネルギー資源を武器にすることを予見していたため6年前から代替エネルギーの輸送用パイプラインに投資を開始、ノルウェーとポーランドの間のパイプラインは今年10月に稼働予定で、バルト海に面したグダニスクに建設中のガスターミナルも「2025年までには完成させる=液化天然ガスへの対応」と明かしており、予測不可能な天変地異でも発生しない限り「ポーランド国民がガス不足に陥ることはない」とナイムスキー代表は述べている。
但しウクライナでの戦争の影響でエネルギー価格は上昇しており「他の国と同じように平均的な市場価格(ロシア産よりも割高)で天然ガスを購入しなければならない」とナイムスキー代表は付け加えているが、上記に上げた以外の事前準備も効果を発揮してポーランドの天然ガスタンクの76%が満杯(昨年の同時期は36%/最後までロシアからのエネルギー供給を諦められなかったドイツは33%)らしい。

出典:Robert Suchy 宣誓を行うポーランド軍の兵士
因みにポーランドはロシアの脅威に対抗するため昨年10月、共産主義時代の1967年に制定された国防法(防衛義務法)を廃止して新しい国防法(祖国の防衛に関する新法)の導入を発表、ポーランド軍を14万人→30万人へと大増強する新国防法が議会での審議や採決などを経て今月23日に発効しており、対ロシア対策でポーランドは他の欧州諸国よりも先んじている格好だ。
まぁロシアによるウクライナ侵攻を予見していた訳では無いと思うが、ポーランドの事前準備は結果的に大当たりだと言えるだろう。
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※アイキャッチ画像の出典:Leszek Chemperek/CO MON
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見事なり。これこそ、備えあれば憂いなしの良い事例。
ほんとに見事。ぜひ日本も..
危機意識が違うね。
EUの盟主としてのドイツの面子はもうボロボロ
メルケル首相の「ロシア寄り政策」が裏目に出ましたな。
やはり彼女は東ドイツ出身だからロシアに甘かった、と批判されそうですな。
その結果、トラウマの犬をけしかけられ、若い頃のトップレスで日光浴してた頃の写真までばらまかれているというw
というか、メルケルのコントロールが失くなって、暴走しているとか。
今まで、コントロールしていたメルケルに、ロシア人は感謝しないと。
メルケル、トランプ、安倍
プーチンの視点で見ると仲の良いリーダーがことごとく居なくなってるんだよな
メルケルがドイツ経済の経済安全保障の金玉をレッドチームのロシア・中国に積極的に差出していった
これまでの各種施策の実行理由が、
「ロシアに甘かった」のと、「ロシアの国益の為に働いた」のとでは全然違いますからね。
メルケルが本当は何者だったのかという身体検査はやるべき
ロシアがウクライナ侵攻という開戦前にはあり得ないとされていた選択を敢えて選択してきた理由に、
メルケルが「ロシアの為に働いていた」のであれば、相当な確度でドイツがヘタれてNATOが分裂するという確証があったからかもしれないし
欧州における再生可能エネルギーの導入が更に加速しそう
再生可能エネルギー先進国だったドイツはどうなりましたか…?
むしろ一時、石炭火力復旧の方向へ進むしかないような気がします……
戦争終わった後も結局ドイツや一部の国なんかはロシアから買い続けるんだろうな
ただ自然エネルギーに関してはスピード上がるだろうけど
国防が軍備増強のみならない好例、安易に2%2%と騒いでる国防族は心してくれよ
ポーランドは軽く2%超えてるんだけどね
だからこそこういった判断ができるんだろう
金額の高の話のみならず、国家としての取り組みを語ってるんだが
ポーランドのごとき国民含めての危機感の共有が国防族の意識にあるとは思えないけど
同意、NATO基準の2%じゃまったくたりない
危機感しっかりと把握し共有がなされていれば、そんな低い基準はでてこない
NATOのような大同盟に加盟しているわけでもなく
単独で中国に相対する可能性もあのだから4%は必要だろう
横槍になりますが、最近の日本は海空重視と言いつつ災害が多い事もあり地上兵の大幅削減はできずにいました。そのおかげでしわ寄せがあちこちに出ています
このしわを解消しつつ、自衛隊の有事を見据えた編成への移行を始める事も考えるとGDP比2%はとりあえずは妥当な所だと思います
軍事面除いても課題が多すぎるのは全く同意ですね
NATO加盟国は、2%以上を要求されます。
世界の水準では2%以上あるのが、当たり前で普通。
だから、ドイツはたった1.5%しか出さないと、国内外から批判殺到で、2%に方針転換。
日本の1%、世界でも飛び抜けて少ない数字ですよ?
さすが対露ガンギマリ勢力の筆頭。伊達に500年もロシアと戦っているだけのことはある
ポーランさんかっこいいー!宇宙にいけちゃうのでは?
ロシア帝国の分割統治、ソ連時代の侵攻、その他諸々でロシアには煮え湯を飲まされ続けてきましたもんね。
反共産主義、反露の一貫したイデオロギー、政策がが功を奏したという所でしょうか。
日本も軍事はアメリカ、経済は中国ってのは宜しく無いですね。ASEANやインドで代替しようとはしていますが、数字上は中国依存はいまだ変わらずですもんね。
ポーランドのロシア嫌いは筋金入りです。いま現在、ポーランドとリトアニアがロシア領カリーニングラードを封鎖していますが、先週、そのカリーニングラードが『ロシアからの分離独立』を目指す住民投票を準備しているというニュースがありました。
リンク
目指すはひとつの欧州国家とのことですが、この話が進むと、もうひとつの地域紛争に発展するかもしれません。フィンランドとスウェーデンのNATO加盟にとどまらず、ロシアは予想外のしっぺ返しを受けつつありますね。
ドイツとポーランドどこで差がついたのか。慢心、環境の近い
環境の違いはあるでしょう。ポーランドはカリーニングラードでロシアと接してるし、隣国はベラルーシでロシア軍が国境からなだれ込んでくる可能性が常にある。
しかしドイツは主に慢心でしょうね。ロシアがヨーロッパ相手に戦争なんてできるわけないという。なぜそう思ってしまったのか。プーチンはあれだけ論文や演説で自らの野心を大公開していたのに。
まさにこんなこともあろうかと!
の展開
ポーランド以外の国もルーブル決済拒否してなかった?
ルーブル決済は関係なくポーランドが対露最強硬派だから狙い撃ちなのかね
止める国と止めない国で差をつけてウクライナ支援国を離間させる謀略か
代金振込先の銀行が、サービスで自動的にルーブルに替えてガス会社に払っていたので、セーフ。
日本には停止してる原発がある
再稼働して余る化石燃料は外交の武器としてもいいし援助してもいい
どんな状況をも利用して自らの栄達につなげる者が生き残る
福島第一の5,6号機もね。
福島第一は311の時点でメーカー保証はおろか、保険会社に保険加入拒否されるぐらい老朽化していましたから、たとえ改修しても再稼働できるレベルではないような
三次に渡る「ポーランド分割」で常に主導的役割を果たし、ポーランドを滅亡させた「エカチェリーナ2世」を尊敬する人物の一人に挙げるプーチン氏が支配するロシアが隣国…警戒しない方が無理という話ですね(-_-;)
よく分からんな
価値の下がっていない外貨での支払いはロシアにとって得なのでは?
ルーブルの対外貨為替レートは暴落の一途ですよ。ルーブル安を解決するにはルーブルを買ってもらわなけりゃならない。ガス代金のためにルーブルを買えばかなりの巨額になる。ついでにルーブル決済が終われば、ルーブル顕在のメッセージにもなる。
ポーランドは6年前からロシアと戦争になるのを知っていて準備していたんだね
西側の計画通りに進行中なんだ
ルーブル払いということはその国の通貨を売ってルーブルを買う必要があるからルーブルの価値を支えることができるんだよ