欧州関連

強襲揚陸艦からの運用も可能、トルコがエア・チーミング対応の無人戦闘機「MIUS」を発表

バイラクタルTB2の開発・製造で有名なトルコのBaykar社はAI制御の無人戦闘機「MIUS」に関する情報を公開して世界中から注目を集めている。

参考:Turkey’s Baykar reveals its future unmanned combat aircraft
参考:Turkey’s Baykar Unveils Concept of New Unmanned Fighter

Baykarが公開したカナード+デルタ翼の無人戦闘機は強襲揚陸艦「アナドル」からの運用も想定か

バイラクタルTB2の開発・製造で有名なトルコのBaykar社は今年3月「トルコ初のAIを搭載した無人機の概念設計を建国100周年にあたる2023年までに完了させる予定だ」と明かしていたが、この無人機について詳しい情報を今月20日に公開して世界中から注目を集めている。

出典:Baykar

Baykar社の説明によると謎の無人機は「戦闘無人航空機システム/Combat Unmanned Aerial System(MIUS)」という名称で呼ばれており、最高速度マッハ1.4、最大運用高度1万2,000m、兵器搭載量約1.5トン(空対空ミサイル、巡航ミサイル、精密誘導爆弾などを搭載可能)で作動、AI制御による単独任務やF-16C/Dや第5世代戦闘機TF-Xとのエア・チーミングにも対応する無人戦闘機でトルコ海軍の強襲揚陸艦「アナドル」からの運用にも対応してくるらしい。

さらにMIUSの搭載エンジンはウクライナのイーフチェンコ設計局が開発したターボファンエンジン「AI-25(16.9kN)」を搭載する明かしており、現在は概念設計の段階で2023年に初飛行を行うという噂(以前の情報では概念設計を建国100周年にあたる2023年までに完了させると言っていたので誤情報だと思われる)まである。

出典:Baykar

出典:Baykar

公開されたイメージの中には強襲揚陸艦「アナドル」の後部エレベーター(オリジナルのフアン・カルロス1世と同じサイズなら13.3m×11.2m)にMIUSが載せられているものあるので、同機のサイズは主翼の折りたたみ無しで後部エレベーターに収まるサイズ(全幅12m×全長10mくらい?)なのだろう。

関連記事:トルコ、主翼が折り畳めるバイラクタルTB3で強襲揚陸艦を空母に変身させる
関連記事:トルコ、スキージャンプと射出装置の組合せで強襲揚陸艦から「バイラクタルTB3」を運用か

 

※アイキャッチ画像の出典:Baykar

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コメント

    • 匿名
    • 2021年 7月 21日

    ロイヤルウィングマンのトルコ版ですかな?
    良いじゃない、イメージ画像もコンセプトも機体のデザインも
    日本やアメリカが作ってもここまでカッコいいのは出せないかもね。

    3
      • 匿名
      • 2021年 7月 21日

      日本には、TACOMがあるじゃないか!

      昭和のSFマンガに出てきそうでレトロ感溢れるデザイン。

      カッコいいだろ?

      8
        • 匿名
        • 2021年 7月 21日

        初代ウルトラマンか、サンダーバードで事故を起こす側の見た目ですなあ
        どうしてああなった?

    • 匿名
    • 2021年 7月 21日

    トルコも経済というか景気は良くないのによく予算が捻出できるなぁ

      • 匿名
      • 2021年 7月 21日

      トルコの目指してる方向の先に何があるのかなって勘ぐってしまうよ、
      単なる武器商人として名乗り上げたいのか、それとも現在の世界秩序をひっくり返したいのか
      すでに防衛の域を越えた軍備にしか見えない

      8
        • 匿名
        • 2021年 7月 21日

        そりゃあ、オスマントルコの再興でしょ.

        20
      • 匿名
      • 2021年 7月 21日

      まさに富国強兵策ですよ

      ただ「富んだ国は強い兵を養える」・・ではなくて「強い兵を持つと富んだ国を作れる」って方ですが・・

      12
      • 匿名
      • 2021年 7月 21日

      自分は第5世代機含めて、本当に作れるのか疑ってます。何とか海外から投資を呼び込むために、吹かしてる部分があると思いますので。

      2
      • 匿名
      • 2021年 7月 21日

      拡大主義じゃなければ政権が維持できないんでしょう
      身の丈に合わない投資をして未来の侵略した地域からの上がりを当てにする第三帝国方式や

      5
      • 匿名
      • 2021年 7月 21日

      経済自体はコロナ渦でも前年同期比比較して成長してるから景気悪くないですね
      ただしインフレ&通貨安が前年比で10%近く進んでるからそれを吸収出来てるなら問題ないとは思う
      それ含めて国内製造頑張ってるんだなと思います

      1
    • 匿名
    • 2021年 7月 21日

    このタイプの無人機日本こそ欲しいよなあ

    7
      • 匿名
      • 2021年 7月 22日

      F-Xの開発完了時期に技術実証機(実用型プロトタイプ)が完成する計画だから暫し待て。
      CG公表は早くても7~8年後てところだろうけど。
      構想されている自律性と連携性を実現するAIの完成には現状10年以上はかかる見込み。
      現在各国で開発中のエアチーミング型無人機は恐らくそこまでの自律性は要求されていない。

      1
    • 匿名
    • 2021年 7月 21日

    強襲揚陸艦からこの手の無人機を飛ばしてセンサー活用&囮にし、中・大型空母が有人機を飛ばして後方から攻撃するやり方が良さそうに思える。一隻に無人機と有人機詰め込むより運用効率も上がりそう

    2
    • 匿名
    • 2021年 7月 21日

    量子コンピューターで広範囲のプルートアタック

    1
    • 匿名
    • 2021年 7月 21日

    日本が空母発進のUAVを持つ場合、航続距離が課題
    そうすると機体規模もコストも高額になるから、バランスが難しい
    このUAVも航続距離はあまり重視してなさそうだね

    • 匿名
    • 2021年 7月 21日

    実際どうなんだろウインチ式カタパルト。
    軽いドローンならなくても飛べそうだけど、ないよりましなのかな。

      • 匿名
      • 2021年 7月 21日

      グライダーではウィンチ曳行での離陸は普通。
      蒸気式みたいな瞬間的な大出力が必要ないなら
      実現は容易だし足離れてからも加速出来るし、
      十分実用的だと思うけど。

      4
    • 匿名
    • 2021年 7月 21日

    兵器搭載量約1.5トンで推力1.7tで
    超音速かつ揚陸艦で運用可(≒STO(V)L)?
    ちょっと想像が湧かんな…

    2
      • 匿名
      • 2021年 7月 21日

      眉唾(笑)

      1
      • 匿名
      • 2021年 7月 21日

      出撃だけならば兎も角、着艦は無理そうだが
      使い捨て出来るだけ安くもならんだろうし

      6
        • 匿名
        • 2021年 7月 21日

        そうなんですよね。
        この推力で超音速って事は抗力を相当小さくしなきゃいけないと思うんだけど、そうすると当然揚力も小さくなって失速速度≒着艦速度が上昇する訳で。
        ステルス機っぽいから着艦ネットで定置網漁、で表面傷つくのもマズいだろうし。
        ドラッグシュートでも使う?

        9
    • 匿名
    • 2021年 7月 21日

    モノになるかどうかはさておき、軽空母未満の短い甲板から無人機を飛ばして航空戦力にするってコンセプト自体は間違いなく世界の先駆けだよな(中国の075型強襲揚陸艦も将来想定では無人機空母化するとされる)。ぜひ期日通りに完成させてほしい

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