欧州関連

東地中海問題に新たな動き、トルコが米国にF-16×40機と近代改修キット80機分の売却を要請

トルコは新規機のF-16×40機さらに既存のF-16×80機をアップグレードするための近代改修キットを対外有償軍事援助(FMS)経由で売却してくるよう米国に要請していると報じられている。

参考:Turkey asks U.S. to buy 40 F-16 jets to upgrade Air Force -sources

管理人は恐らく数量を調整した上でトルコの要請に応じる可能性が高いのではないかと思っている

トルコはロシア製防空システム「S-400」を購入した影響で空軍近代化の中心に据えていたF-35Aの導入が出来なくなり、国産の第5世代戦闘機TF-X(初飛行は2023年予定)の実用化まで保有しているF-16C/Dを独自にアップグレードすることで対応しようとしていたが、東地中海問題で対立するギリシャが保有するF-16C/Dのブロック70/72(V仕様)へアップグレードに加えラファールを18機(最近6機の追加調達が決定したので計24機)調達することを決めたため新たな対応が求められていた。

出典:GEN Konstantinos Floros

そこでトルコは対外有償軍事援助(FMS)経由で米国に新規機のF-16×40機+既存のF-16×80機をアップグレードするための近代改修キット売却を要請しているのだ。

米国は現在トルコに対してF-35プログラムからの追放という制裁と対ロシア制裁(敵対者に対する制裁措置法/CAATSA)の2つを課しており、後者の制裁には取引額2,500万ドル(約26億円)以上のFMSを制限する内容が含まれているためトルコの要請が実現するは米議会の判断に委ねられているのだが、管理人は恐らく数量を調整した上でトルコの要請に応じる可能性が高いのではないかと思っている。

エルドアン大統領は今回の要請を行う前にプーチン大統領と会談を行い戦闘機、戦闘機用エンジン、潜水艦などの防衛産業分野で協力を行うことを検討することで合意したと報じられており、つまりエルドアン大統領は米国に「F-16の売却話を断ればロシアから購入するぞ」と迫っているに等しい。

出典:スホーイ設計局

米国は肩入れするギリシャの手前トルコへのF-16売却に難色を示すという見方も一理あるが、東地中海の軍事バランスが一方的にギリシャへ傾いたままでは余計な衝突を生む要因になるという懸念とロシア製戦闘機を導入されると米国のコントロールから外れるため「F-16をトルコに売った方がマシ」だと考えるのではないかと管理人は思っている。

恐らくトルコのブラフ(?)に付き合ったプーチン大統領の狙いはCAATSAの制裁を課しているトルコにF-16を売却するという事実を引き出すためで、制裁基準を骨抜きにすることでS-400が間もなく到着するインドへの制裁が如何に不当であるかを知らしめ、CAATSA制裁を懸念してロシア製兵器購入を躊躇している国に「米国の制裁は問題ない」とアピールすることが狙いだ。

つまりF-16の売却話を断ればトルコのロシア製戦闘機調達を容認することになる上、クワッドを構成するインドに対しても特例の制裁免除を与えるのが難しくなってCAATSAに基づく制裁を課さなければならず、逆にF-16の売却話を容認すればロシアの防衛産業弱体化を狙ったCAATSAの制裁基準が曖昧になり制裁を懸念していた国が一斉にロシア製兵器購入に動く可能性もあるという意味で、どちらを選択しても米国は詰んでいるのかもしれない。

出典:Vitaly V. Kuzmin / CC BY-SA 4.0

まぁダブルスタンダードを発動してしまえばそれまでだが、米国でもCAATSAについては「政府の外交交渉から柔軟性を奪う」と指摘されており、最も問題なのは制裁をテコに米国の友好国や友好関係を築いていきたい国にロシア製兵器の購入断念を例外なしに強要する点で「このようなやり方は対米関係の悪化を招くだけでロシアではなく米国の影響力を自ら弱めるだけだ」と批判されている。

果たして米国のバイデン政権や議会はトルコへのF-16売却(恐らくF-16V)にどのような判断を下すのか注目される。

関連記事:ロシアがバイデン政権に突きつける究極の2択、S-400導入開始が迫るインドへの制裁問題

 

※アイキャッチ画像の出典:Public domain

F-35のエンジンで問題が発生する理由、デポが整う前にオーバーホール需要が発生したため前のページ

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コメント

    • 匿名
    • 2021年 10月 09日

    S-400に匹敵するSAMがアメリカにあればよかったのになぁ

    28
      • 匿名
      • 2021年 10月 09日

      パトリオット系列で充分と、胡坐を掻いていたツケが出たのが今の米国でしょうな

      22
      • 匿名
      • 2021年 10月 09日

      最速だと、SM-6を陸棲化させるくらいしか手段は無さそう

      7
    • 匿名
    • 2021年 10月 09日

    トルコも米露の大国相手に頑張るね。F16の整備は必要不可欠だから、取り敢えず希望枠アメリカに伝えて、全量対応して貰えるとは思ってない。6割ぐらいの最終契約でも御の字!トルコの本音はEU加盟問題や西欧方式の軍事、経済に同化しない、出来ないと微妙な立ち位置、ロシアとは手前、新型兵器で話が盛り上がった程度で歴史的、地理的にもお互いに気が許せる相手じゃない。
    ギリシャは地中海辺りでは米英の要所の国だから、アメリカもお世話して軍事玩具与えるでしょ。
    米露もトルコも短期的には距離間変わるだろうけど、長期的では極端な変化を求めていない。
    トルコも地域の大国、自主国防大変だと思うけど頑張ってほしいね、極東の小さな天ボケ島の国も見習わないといけない。

    20
    • 匿名
    • 2021年 10月 09日

    s400導入で米国を怒らせたからF-16の売却なんて無理だと思ったけど、こなん裏事情があるんですね。

    大変勉強になりました。

    23
    • 匿名
    • 2021年 10月 09日

    なかなかに面の皮が厚いことで
    昔のトルコだったらともかくイスラム化し更には明確にロシアに寄ってる今となっては
    アメリカ的にはそろそろ損切りの段階じゃないかな
    シェールガス以降、中東そのものの価値も下がってるし

    インドは書いてあるように必要なら別扱いすれば良いだけだろう
    トルコとインドは異なる物であり等価では無いのだから
    扱いが異なるのをダブルスタンダードと見なす方がおかしい
    大国と小国、先進国と後進国、高価な商品と安い商品、生物と無機物、金持ちと貧乏人、強者と弱者…etc
    外交に限らず価値が違えば扱いが違うのは当然だし平等・公平

    11
      • 匿名
      • 2021年 10月 09日

      そもそも対ロシア制裁法案なんて米国の国内法だから、これで他国の主権を罰するというのが無茶なんだよ。

      貴方は結構上から目線でトルコとインドは異なる物なんだからと言ってるけど、CAATSAだけに関しては完全に米国の横暴だ。米国はCAATSAの制裁をチラつかせてパトリオットを買えといってんだよ?

      世界には日本みたいに米国にオールインするのが最も正しいと考える国ばかりじゃないことを理解しないと

      30
      • 匿名
      • 2021年 10月 09日

      トルコを損切り(?)なんかしたら東地中海はロシアの内海になってしまう。
      現状のギリシャvsトルコがギリシャ+イタリア+フランスvsトルコ+ロシアに成りかねない。
      こんな局面をNATOが望むわけもなく、米国は詰んでいるのだが。

      14
    • 匿名
    • 2021年 10月 09日

    複雑そうに思えるが、結局、死の商人に道徳は不用って話かw

    5
      • 匿名
      • 2021年 10月 09日

      国際的な力学のバランスの話なのに理解出来なくなったら死の商人に道徳は不要って、、、雑過ぎない?

      39
      • 匿名
      • 2021年 10月 09日

      道徳なんて語ってて死の商人はやれないよ、アメリカは暗黒面大きいくせに偽善者の建前を語るから自滅に追い込まれてるだけ
      アメリカの正義というままごとを信じてる国がいればヤバいだろ

      11
      • 匿名
      • 2021年 10月 09日

      ちょっと複雑な話になると理解できないから、死の商人なんて安直なワードに逃げちゃうんだ?
      恥ずかしくない?

      27
      • 匿名
      • 2021年 10月 09日

      全てを支配しようとする組織を無条件で受け入れるなら死の商人は要らないけどね。
      敵対者への道徳を重んじるなら自分達が犠牲にならないといけない、悲しいけど。

      2
    • 匿名
    • 2021年 10月 09日

    俺なら要求の半分だけ売る
    満額回答はまた揉めそう

    1
      • 匿名
      • 2021年 10月 09日

      俺なら要求を全部飲む代わりに、トルコ国外の工場でアップグレードするとしてトルコのF-16とお金を回収し、それをギリシャに流したうえで、ロシア製戦闘機を購入した場合は武力制裁を行うと脅しをかける。

      1
        • 匿名
        • 2021年 10月 09日

        まあそんな馬鹿な考えをしている人が大統領になれるわけありませんね(笑)

        7
          • 匿名
          • 2021年 10月 09日

          商売人あがりのトランプ元大統領ならともかく、今の大統領だと下手すりゃもっと馬鹿なことをやらかす可能性が……
          同盟関係重視を国内外に大々的に宣伝した直後に、いきなり同盟国への通達なしにアフガン撤退やらかして同盟国間の不調和を招いたりしていたし

          6
            • 匿名
            • 2021年 10月 09日

            まあアメリカが戦闘機を取り上げて軍事的恫喝をしてきたら、トルコはロシアと軍事同盟を結んでトルコ国内の軍事基地にロシア軍の派遣を要請するのが、アメリカに対する武力制裁を抑止する上では一番かもしれません。
            流石にアメリカもロシア軍を巻き込むような攻撃はしないと信じたいですし。

            7
    • 匿名
    • 2021年 10月 09日

    そういえば米国の同盟国であるにもかかわらず、T-80U(本国仕様)と堂々と運用し、国産ミサイルにロシアの技術をふんだんに使っている某国に、アメリカは制裁を加えないのか?
    某国の国産VLSとイージスシステムの統合を拒否しているという噂話以外、特に聞いた事がない。

    4
      • 匿名
      • 2021年 10月 09日

      KF-21の武装はアメリカ製がつかえないし、最近は半導体関連でもハブられてるしで、制裁と言う名目こそ使われてないけど、徐々にパージされつつある、という一面があるのも確か

      12
        • 匿名
        • 2021年 10月 09日

        KF-21がアメリカ製の武器が使えないって言う情報はどこからですか?

          • 匿名
          • 2021年 10月 09日

          統合拒否されてるって話はいっぱいあるね
          寧ろアメリカ製武装が使えるってこそ、どこにあるんだ?
          教えてくれ

          16
            • 匿名
            • 2021年 10月 09日

            少なくともエンジンは、アメリカ製。

              • 匿名
              • 2021年 10月 09日

              武装、という言葉を理解できない日本語が苦手な方なのかな。

              11
              • 匿名
              • 2021年 10月 09日

              エンジンだけしか統合許可降りてません。空対空系や空対地系の武装は現時点で米国製は統合されてないです。

              2
                • 匿名
                • 2021年 10月 09日

                JDAMは統合されるよ

                1
        • 匿名
        • 2021年 10月 09日

        そもそもKF21のエンジンは米国製のGE414だが?

          • 匿名
          • 2021年 10月 09日

          エンジンじゃなくて、武装
          ミサイルとか
          現状はドイツ製のとミーティアとかしかないらしい
          ああ、ただ落すだけの通常爆弾は流石に使えるらしいけど

          11
            • 匿名
            • 2021年 10月 09日

            武器以前にエンジンがなければ飛行機は飛ぶ事は出来ない。
            開発の妨害をするのであれば、武器統合拒否よりも、エンジンを供給しないほうが強い。

            武器に関しては韓国の事だから、米国製の武器を統合”できない”ではなく”しない”という選択をした可能性もある。

            3
              • 匿名
              • 2021年 10月 09日

              以前ここの記事に上がっていたけど、既存の統合された武器と違う兵装を搭載する場合は別途自国で統合システム組んで実施テストする必要があって大金がかかるから、受けられるならわざわざそれを拒否する理由はないと思うよ

              それにドイツ製ミーティア使用前提にするなど複数国のパーツやライセンスを使っている兵器は輸出が難しくなるだけだしメリットがない

              4
              • 匿名
              • 2021年 10月 09日

              いや、韓国がお願いしたけど、アメリカに断られたんだよ
              だから”しない”選択肢とか、そんなものはない

              3
              • 匿名
              • 2021年 10月 09日

              別に開発の謝名をすること自体は考えていないと思うよ
              武装を売らず、KF-21にエンジンの紐づけで他国に売ることも自由に制限できる状況なら問題となることはないしな
              現状では自国生産や他国から買ってきた兵装付けて韓国内で対北運用ぐらいしかできない機体の開発を邪魔する理由がない

              それを踏まえて多少カスタマイズしたとはいえ一世代前のF414系エンジンが高く売れて自国企業が潤うなら儲けもんだわ
              しかもKF-21一機につきエンジン二機セットだし

              2
                • 匿名
                • 2021年 10月 10日

                誤字訂正
                謝名→邪魔

                • 匿名
                • 2021年 10月 10日

                飛行機の開発は止めないけど、武装までは使わせないってだけだしな

                4
      • 匿名
      • 2021年 10月 09日

      その某国を貶めたいなら敵対者に対する制裁措置法の内容を読むぐらいの努力をすべきでは?

      なぜ某国のT-80Uがや国産ミサイルにロシアの技術を使用してもCAATSAに抵触しないのかきっと理解できるでしょう。

      表面的な部分だけを都合良く持ってきて「某国にアメリカは制裁を加えないのか?」なんて言ってもヤフコメならまだしも、ここでは滑稽にしか見えないよ。

      18
        • 匿名
        • 2021年 10月 09日

        T-80Uを運用するために保守部品を購入したり、ロシアの防衛産業と取引がある時点でCAATSAに抵触しているだろ。
        技術や兵器が借金の代わりに贈られたものだとしても、その保守にはロシアにお金を支払っているのだし。
        90年代から続く取引だとしても、17年以降の取引に関しては抵触するだろう。
        米国の気分次第で制裁はできるだろう。

        2
          • 匿名
          • 2021年 10月 09日

          だから敵対者に対する制裁措置法の内容を読んでないだろw

          仮に今でもT-80Uを運用するために保守部品を購入していたとしても1回の取引額が1,500万ドル以下の場合はCAATSAの制裁対象外なんだよ。

          いい加減思い込みで適当に書き込むのをヤメレ、恥かくだけだぞ

          15
            • 匿名
            • 2021年 10月 09日

            外野からだけど、韓国をとにかく叩ければ何でもいい人って事実すら捻じ曲げちゃうのね。

            百害あって一利もないとはここう言うのを言うんだろうな。

            7
              • 匿名
              • 2021年 10月 09日

              逆に韓国誉めて何が利になるんだ?
              それこそ一利も無いだろうに

              2
                • 匿名
                • 2021年 10月 09日

                誉めてないけど?

                でっち上げでも韓国を叩ければ本望なの?

                一度病院で診てもらった方がいいよ。

                10
                  • 匿名
                  • 2021年 10月 10日

                  横からだが「逆に」と言ってるだろ?
                  お前が韓国を誉めてる、と言ってるんじゃなくて
                  「無闇に韓国を叩くのは百害あって一利なし」に対して「なら逆に韓国を誉める事に利があるのか?」という論法。
                  最近は「逆に」がほぼ意味なく使われる事が多いが、ここでは本当に「逆の話」をしてるんだろう。

                  個人的にはどっちにしても事実と乖離した評価に利があるとは思わんけどね。

                • 匿名
                • 2021年 10月 09日

                デマで韓国を貶めない=韓国を褒める?

                4
    • 匿名
    • 2021年 10月 09日

    真面目にS400以上の物の開発と米国は柔軟性に欠くCAATSAの改正に動くべきでは

    7
    • 匿名
    • 2021年 10月 09日

    アメリカさんがS400同等品を頑張って出しても結局はお高いんでしょ?
    各種統合費用とかアップグレード費用とか後付けでいっぱいカモられそうやし…

    これに文句も言わずニコニコしながら満額回答するのって国防で金玉握られて
    にっちもさっちもいかない日本ぐらいじゃないの?

    2
      • 匿名
      • 2021年 10月 09日

      ロシアは、鴨って無いの?

      3
        • 匿名
        • 2021年 10月 10日

        カモらないけど商品の方がカタログ詐欺だったりしてね。

        1
    • 匿名
    • 2021年 10月 09日

    ギリシャ(とフランス)の反応が気になるな

    • 匿名
    • 2021年 10月 09日

    トルコでのクーデター騒ぎ以降、トルコは国家主義に傾斜し、米国とEUに敵対的になった。
    米国がCAATSAを振りかざしても、トルコはロシアをダシに、米国を揺さぶり続けるだろう。
    結局、もはや米国はトルコをコントロール出来ないということに。

    7
    • 匿名
    • 2021年 10月 09日

    ところで、改修キットって内容は何かな?
    V相当に改修するキットかな?
    取り敢えず、キットだけ認めて、新造機はお待ちにすればいいかな。
    出来れば、F-4の更なる魔改造を希望。

    1
    • 匿名
    • 2021年 10月 09日

    トルコ金持ってるなと思ったら全然ショボくて草
    その割にはきな臭いとこ顔出してるな

    • 匿名
    • 2021年 10月 09日

    昨年12月の日本貿易振興機構(JETRO)ビジネス短信によれば、トルコのS-400導入に対し米政府がトルコ大統領府国防産業庁(SSB)の武器調達部門に科した制裁は、CAATSA12項目のうち以下の5項目とされる。
    1. SSBに譲渡された商品または技術に対して特定の米国の輸出許可および許可を付与することの禁止
    2. 米国の金融機関によるSSBへの12カ月間で合計1,000万ドル以上の融資の禁止
    3. SSB向けの輸出に対する米国輸出入銀行の支援の停止
    4. 国際金融機関に対するSSBに利益をもたらす融資停止の要求
    5. SSBのデミル長官、イート副長官ら幹部4人に対する資産凍結とビザ制限

    今回のF-16に関するトルコ側要請が抵触する可能性があるのは項目 1 てことかと思うが、トルコへのF-16V及びアップグレード改修キット輸出が「譲渡された商品または技術」に相当しなければ問題ないことになる。
    トルコ側は制裁項目に適合しないと踏んで要請したのかもしれない。その解釈に米側も同意するなら拒否する根拠をCAATSAに求めることはできない。
    米政府はトルコとの友好関係を切りたいわけじゃないので、その場合はギリシャとの関係を考慮してどう対応するかになると思われる。管理人さんの意見のように縮小して認可するかもしれない。

    2
      • 匿名
      • 2021年 10月 11日

      それか提供時期を大幅に遅延させるかですね。トルコが求める時期に提供されないのは間違いないでしょう。

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