欧州関連

トルコ、TB2に搭載可能な新型レーザー誘導爆弾Bozokの量産を開始

トルコ政府の防衛産業研究機関は4日、BAYKARのバイラクタルTB2に統合可能な新しいレーザー誘導爆弾「Bozok」の量産を開始したと明かし注目を集めている。

参考:Turkey starts mass production of laser-guided munition for its drones
参考:Turkey starts mass production of miniature drone missile

BozokがMAM-Lと同じ効果があるのかは不明だが、攻撃手段の多様化はTB2運用国や導入を検討している国にとって魅力に映るだろう

米国製UCAVは有人機が使用するヘルファイアや精密誘導爆弾を使用するため比較的機体サイズが大型だが、バイラクタルTB2を始めとするトルコ製UCAVはRoketsanが開発した小型の精密誘導兵器「MAM」を採用することで機体サイズを小型化することに成功、TB2は対人・軽装甲車輌を攻撃するためのMAM-C(重量6.5kg/最大到達範囲8km)と主力戦車を破壊可能なMAM-L(重量22kg/最大到達範囲15km)を使用だが、トルコはTB2の魅力と使い勝手を向上させるた新たな精密誘導兵器を開発したらしい。

出典:TÜBİTAK Savunma Sanayii Araştırma ve Geliştirme Enstitüsü Bozok

トルコ防衛産業研究開発研究所(SAGE)が開発した新しいレーザー誘導爆弾「Bozok(重量16kg/最大到達範囲9km/弾頭は貫通弾頭や断片化弾頭など複数用意されているらしい)」はMAM-CとMAM-Lの中間に相当し、SAGEの関係者は「MAM-LならTB2は4発しか搭載できないがBozokなら6発搭載することができ、攻撃機会が2回増えることは運用者にとって非常に魅力的だ」と述べており、量産されるBozokは最大到達範囲が15kmに拡張(今後さらに拡張予定)されている。

戦車に対してBozokがMAM-Lと同じ効果があるのかは不明だが、攻撃手段の多様化はTB2運用国や導入を検討している国にとって魅力に映るだろう。

出典:TÜBİTAK Savunma Sanayii Araştırma ve Geliştirme Enstitüsü Bozok

因みに最も興味深いのは現象はトルコ製UCAVに関するニュースをいち早く米国のディフェンスメディアが報じ始めた点で、もうトルコ製UCAVやTB2の動向を無視できなくなったのかもしれない。

追記:トルコのLENTATEK(旧Vestel Defense)は敵防空網制圧に特化した徘徊型弾薬「Kargı」を公開、これはトルコ軍がイスラエルから輸入して使用しているハーピーを置き換える存在らしい。先日記事にしたUCAV搭載可能な徘徊型弾薬と合わせるとBAYKARだけでなくLENTATEKも絶好調のようだ。

関連記事:実用化に成功?トルコ製UCAVに搭載可能な未発表の徘徊型弾薬が登場

 

※アイキャッチ画像の出典:TÜBİTAK Savunma Sanayii Araştırma ve Geliştirme Enstitüsü Bozok

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コメント

    • や、やめろー
    • 2022年 6月 08日

    トルコの無人機開発はすげぇなぁ。日本もトルコと共同開発したいな

    20
      • 名無し
      • 2022年 6月 08日

      想定される南西諸島の戦闘地域だとバイラクタルTB2じゃあんま当てにならないとは思いますけども。
      共同開発で沿岸だけじゃない対艦相手もできる無人機開発できるなら日本もトルコに金だして開発すべきではありますね。

      2
        • きっど
        • 2022年 6月 08日

        南西諸島戦域ならば、最低限でリーパー級は必要なんじゃないでしょうか?
        海保も、リーパーの民間版であるシーガーディアンを導入しますし
        とはいえ、南西諸島戦域だとS-400/S-500からの超水平線射撃が届く可能性が高いのですが

        4
      • 無無
      • 2022年 6月 08日

      共同開発でトルコ側にメリットがあるのだろうか、
      まんま輸入したら?とか言われそうで痛い

      12
        • G
        • 2022年 6月 09日

        TB3とその運用艦に関してなら離島監視・防衛を日々こなしている日本のほうが運用データが早くたまりますし、また日本自体も船の建造能力があり随時データを反映させて研究・改良案提起といったことができるので少なからずメリットはあるかと

        なんでしたらTB3用運用艦を実際に作る前にいずも型である程度運用データを集めてからTB3用運用艦の設計案を検証し、問題の洗い出しができれば大きな時間と資金の節約にもなりえますし

        3
          • 無無
          • 2022年 6月 09日

          日本の技術貰っても、それをトルコがどうビジネスにできるものか。ほぼ節操無くどこの国でも兵器取引やれるトルコにとって、やれ紛争当事国はいかんだの技術移転はダメとか言い出す平和国家とかパートナーにする意味があるのか

          9
            • 名無し
            • 2022年 6月 09日

            今までのトルコの言動からすると無人機開発に協力するから
            XF9-1を知財も含めて全部よこせぐらい言っても驚かないw

            4
      • だいだーら
      • 2022年 6月 09日

      日土と言えば10式戦車のエンジン機構の話がご破算になった過去があるし日本側がどれだけ譲歩妥協できるか、かねぇ
      テンペストの経緯考えてもやっぱ米以外とで共同開発は難しいのかなぁ

      8
        • 匿名
        • 2022年 6月 09日

        アレは条件がふざけすぎてて他のとこも全部降りただろう韓国以外

        4
      • おわふ
      • 2022年 6月 09日

      バイラクタルTB3では、あると思います。
      機体そのものより、武装やセンサー類を日本仕様にすりという方向で。
      あくまで日本仕様の開発ですね。

      トルコの方がアメリカ兵器よりも柔軟性が高いと思いますし。

      1
      • ネコ歩き
      • 2022年 6月 09日

      共同開発には両国間で防衛装備品・技術移転協定を締約することが前提条件になります。(=日本側の都合)
      協定締約を目指すような二国間協議の動きは現在ありません。クルド人問題等が関係するかもですが、トルコ側が輸出に当たっての自由裁量権を譲らないのが最大の理由でしょう。
      従って防衛装備品の日土共同開発は現状不可になってます。

      ただし同協定によらない海外製防衛装備品の輸入やライセンス生産、及び自衛隊装備化の道は有り得ます。
      昨年12月に海自が「滞空型UAVの試験的運用」に係り情報提供企業募集を行っていますが、もしかしたらバイカル社も応募してるかもしれませんね。

      3
    • きっど
    • 2022年 6月 08日

    >MAM-LならTB2は4発しか搭載できないがBozokなら6発搭載することができ
    TB2のハードポイントは4カ所しかなかったと思うが、どうやって6発搭載するのだろう?
    最大搭載量は150kg有るとのことだから、ハードポイント1カ所当たりの容量・空間に余裕が有れば、2連爆弾架を開発・搭載すれば可能なのだろうけども

    • 名無しさんのヘラクレス
    • 2022年 6月 08日

    バイラクタルのアキンチなら安くて洋上哨戒に向いていると思うんだが

    3
      • 匿名
      • 2022年 6月 09日

      翼幅20mのリーパーやAkinciクラスになると、自分の様な一般人からはレジャーやウクライナでよく見かける小型の物と一緒に「ドローン」と呼ぶのは違和感すら覚えますねぇ…

      むしろ「無人機」と呼ぶ方が相応しい感が

      1
        • バーナーキング
        • 2022年 6月 09日

        むしろそこら辺の方が本来の「ドローン(自律制御可能な軍用無人機)」なのでは。
        「ちっこいからドローンじゃない」「自律制御できないラジコンだからドローンじゃない」なら分かるけど
        「でっかいからドローンじゃない」はピンと来ない。

        5
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