欧州関連

トルコ、主翼とカナード翼を取り付けたバイラクタルKızılelmaを公開

バイラクタルTB2の開発・製造で有名なトルコのBaykar社は28日、主翼とカナード翼が取り付けられたジェット無人戦闘機「バイラクタルKızılelma/クズルエルマ」を公開した。

参考:Baykar

機首のレドーム以外に継ぎ目が全く見当たらないため一見するとモックアップのように見えてしまう

トルコのBaykar社は製造途中のジェット無人戦闘機「バイラクタルKızılelma/クズルエルマ」を今月12日に公開していたが、今度は主翼とカナード翼が取り付けられた状態のKızılelmaを28日に公開した。

出典:Baykar

公開されたKızılelmaは無人機なのでコックピットがなくのっぺりした印象で、機首のレドーム以外に継ぎ目が全く見当たらないため一見するとモックアップのように見えてしまう。

因みにBaykarはKızılelmaの大まかなスペックを公開しており、それによると同機の滞空時間は最大5時間、最大速度マッハ0.64、最大飛行高度は10,600m、作戦半径は800km、最大離陸重量6,000kg、ペイロード1,500kg、衛星通信対応、AESAレーダー搭載、高いステルス性、短距離離着陸(強襲揚陸艦アナドルでの運用可)に対応しており、近接航空支援、ミサイル攻撃、敵防空網制圧、敵防空網破壊などのミッションを実行可能らしい。

出典:Baykar

以前、Baykarは「プロトタイプ1号機はイーフチェンコ設計局が開発したターボファンエンジンAI-25(16.9kN)を搭載するため最高速度は亜音速だが、2号機にはイーフチェンコ設計局のターボファンエンジンAI-322F(42kN)を搭載して超音速飛行が可能になる、AI-25を搭載するモデルは「MIUS/A」としてAI-322Fを搭載するモデルを「MIUS/B」として両方を量産する」と述べていたが、本当に2モデル用意するのか本当に超音速飛行が可能なのかよく分からなくなってきた。

Kızılelmaは建国100周年にあたる2023年に初飛行を行うと発表されており、恐らく今年の建国記念日(10月29日)に初号機のロールアウトを行い地上試験に着手、来年の10月29日に初飛行を行うのではないだろうか?

関連記事:トルコ、2023年初飛行予定の無人戦闘機「バイラクタルKızılelma」を公開

 

※アイキャッチ画像の出典:Baykar

お知らせ:記事化に追いつかない話題のTwitter(@grandfleet_info)発信を再開しました。

ロシアのウクライナ侵攻を予測できなかったフランス、諜報機関のトップを解任前のページ

ウクライナ軍の反攻、ヘルソン州北部の集落3つをロシア軍から奪還次のページ

関連記事

  1. 欧州関連

    レーダー照射問題で揉めるトルコとギリシャ、歩み寄りなく関係は悪化の一途

    レーダー照射問題で再燃したトルコとギリシャの対立はエスカレートしており…

  2. 欧州関連

    ウクライナ軍の自爆型USVはユーリー・イワノフに到達、ロシア側の主張を否定

    ウクライナメディアの編集長は25日「黒海艦隊のユーリー・イワノフに自爆…

  3. 欧州関連

    ポーランド政府高官、穀物輸出問題がウクライナ支援削減に繋がると警告

    ポーランド国営放送の番組に出演したシンコフスキEU問題担当相は「ウクラ…

  4. 欧州関連

    ロシア軍が攻勢をかけるバフムート周辺の戦い、状況的には非常に際どい

    ウクライナ軍東部司令部はロシア軍の攻勢を認めつつ「依然としてソレダルを…

  5. 欧州関連

    米戦争研究所、ロシア軍はソレダル西郊外からウクライナ軍を追い出した

    米国の戦争研究所は「入手可能な全ての証拠はソレダルでの組織的な防衛が維…

  6. 欧州関連

    不正が相次ぐウクライナの軍事委員会、今度はドニプロの軍事委員長を拘束

    ウクライナ軍を人的面で支えるのが動員対象者を軍に送り込む軍事委員会で、…

コメント

    • 2022年 3月 31日

    図のエアインテークはステルスっぽいのにモックだとなんか直角だな

    2
      • くらうん
      • 2022年 3月 31日

      写真の角度の問題だと思う。
      あと記事の書き方からしてモックじゃなく実機のようだね。

      15
    • スポンサー・ドリンク
    • 2022年 3月 31日

    トルコリラ安とか経済が大変そうなのに、開発していたのは不思議

    • 名無し
    • 2022年 3月 31日

    模型作るときに塗装簡単でいいな、とかいうアホみたいな感想が浮かんだ。

    17
      • tarota
      • 2022年 3月 31日

      無駄にウェザリングしそうw

      2
    • A
    • 2022年 3月 31日

    トルコ凄いな。
    このスピード感にはついていけない。

    23
      • HAi
      • 2022年 3月 31日

      無人機開発自体は10年前から莫大な投資してたから、下手な先進国よりも制御系は上かもしれないです
      スピード感というよりも、投資すべき新技術を見分ける嗅覚がすごい感じですね

      18
    • kankan
    • 2022年 3月 31日

    イーフチェンコ設計局ってウクライナの設計局なんだけど
    供給に不安は無いのだろうか?
    生産型はエンジンをライセンス生産するか、別の西側製ターボファンに換装するかを考えてるのかな

    13
      • ブルーピーコック
      • 2022年 4月 01日

      ロールスロイスがトルコの戦闘機計画に復帰した理由の一つかもしれませんね。ランカが駄目でも、エンジンなどで英国にワークシェアできるクズルエルマがある、みたいな

      1
    • 無無
    • 2022年 3月 31日

    アメリカやソ連がドイツのロケットチームを丸ごと引き継いだように、
    いざとなれば設計局ごとトルコが引き取る可能性も

    5
    • kin
    • 2022年 3月 31日

    ナゴルノ・カラバフ紛争でドローン戦争が衝撃的だったし
    いろんな国から注文引っ切り無しだったろうな

    5
    • 無印
    • 2022年 3月 31日

    エースコンバット3に出てきそうな戦闘機
    無人機だからもっと奇抜な形してもいいのに

    • うし
    • 2022年 3月 31日

    推力差を考えると標準の16.9KNと強化版42KNの速力差はマッハ0.64→1.009でかろうじてマッハ1を超える程度。

      • 匿名
      • 2022年 4月 01日

      二乗比で計算している様だけど、音速前後は音の壁な影響で抵抗係数が跳ね上がる事を加味し忘れているかと。

      1
    • ブルーピーコック
    • 2022年 4月 01日

    TB3とこれを買って、知見を深めるのはどうだろう。どのみち国産無人機は順調に行っても10年先だろうし。

    アナドルの艦載機の構成がどうなるかは知らないが、ほぼ無人機の空母が出てくる日も近いな。

    • 四凶
    • 2022年 4月 01日

    CG見る限りだとF/A-XX見ているみたいだな。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. 北米/南米関連

    カナダ海軍は最大12隻の新型潜水艦を調達したい、乗組員はどうするの?
  2. インド太平洋関連

    米英豪が豪州の原潜取得に関する合意を発表、米戦闘システムを採用するAUKUS級を…
  3. 中東アフリカ関連

    アラブ首長国連邦のEDGE、IDEX2023で無人戦闘機「Jeniah」を披露
  4. 米国関連

    米海軍の2023年調達コスト、MQ-25Aは1.7億ドル、アーレイ・バーク級は1…
  5. 軍事的雑学

    サプライズ過ぎた? 仏戦闘機ラファールが民間人を空中に射出した事故の真相
PAGE TOP