ウクライナ戦況

トルコ、HIMARSのGMLRS弾に相当するロケット弾をウクライナに供給???

英国のMiddle East Eyeは23日「トルコがウクライナにHIMARSのGMLRS弾に相当するレーザー誘導ロケット弾『TRLG-230』を供給していた」と報じているが、視覚的な証拠がないので事実がどうかは謎だ。

参考:Turkey supplied laser-guided missiles to Ukraine

SNS上に登場した動画もウクライナ軍のものなのか確認出来ないため、本当にトルコがTRLG-230弾を供給したのか確証がない

軍事アナリストが運営する「Oryx」は今月21日「トルコがウクライナにレーザー誘導ロケット弾『TRLG-230』を供給している」と報告したが、オフィシャルな発表や視覚的な証拠がないので事実かどうか怪しんでいたが、英国のMiddle East Eye(MEE)が同問題に詳しいという関係者の話を引用して「トルコがTRLG-230をウクライナに50発~200発供給している」と報じたため、この話は急速に拡散している。

トルコのRoketsanが開発したレーザー誘導ロケット弾「TRLG-230」は最大70km先の目標をGPS誘導で精密攻撃することができ、TB2に内蔵されたレーザー照準器などと組み合わせるとTRLG-230弾(≦2m)はGMLRS弾(≦5m)を上回る命中精度を誇り、Roketsan製の多連装ロケットシステム「MBRL」を使用して運用される。

要するに米国製のHIMARSとGMLRS弾に相当するシステムと弾薬をトルコがウクライナへ提供していたという話なのだが、同タイミングでSNS上に登場した動画もウクライナ軍のものなのか確認出来ないため、この話が真実かどうかは本当に謎だ。

まぁ「○○が○○を提供していた」という確認されていない話(否定しているのではなく検証不可能という意味)は幾つもあるので、暫く様子を見た方がいいだろう。

関連記事:インドネシア、トルコから多連装ロケットシステムで使用する弾道ミサイルを導入

 

※アイキャッチ画像の出典:Roketsan

米海軍、対潜魚雷を40マイル先に運搬するHAAWCの初期作戦能力を宣言前のページ

英海軍もハープーンの後継にNaval Strike Missile導入を決定次のページ

関連記事

  1. ウクライナ戦況

    バフムートを巡る戦い、ロシア軍は包囲網を閉じるのではなく市街戦で攻勢に出る

    バフムート包囲に向けたロシア軍(ワグナー)の前進は鈍っているように見え…

  2. ウクライナ戦況

    ポーランド領に着弾したのはウクライナ軍が発射したS-300の迎撃弾か

    AP通信は米国当局者の話を引用して「ポーランド領プシェボドゥフに着弾し…

  3. ウクライナ戦況

    ゼレンスキー大統領がイジュームに到着、ロシア軍に勝てると世界にアピール

    ゼレンスキー大統領が解放されたばかりのイジュームに入ったと報じられてお…

  4. ウクライナ戦況

    ウクライナがロシア軍パイロットの取り込み成功、Mi-8を操縦してハルキウに到着

    ウクライナでは「ロシア軍所属のMi-8がポルタヴァ州上空を飛行していた…

  5. ウクライナ戦況

    真偽は不明、マリウポリでウクライナ軍の兵士267名がロシア軍に降伏?

    露国営メディアのRIAノーボスチは5日、マリウポリでウクライナ軍(第5…

  6. ウクライナ戦況

    低空を活用した戦い、暗闇でロシア軍を襲うウクライナ軍のドローン部隊

    ロシア軍部隊を夜間に襲撃するウクライナ軍のドローン専門部隊について英国…

コメント

    • せい
    • 2022年 11月 25日

    TB2の価値は鰻登りだなぁ。
    まあこういう観測機器的な使い方の方が本来のドローンの運用方ぽいけど。
    衛星に頼らず精密射撃できるのは強い。

    31
    • 2022年 11月 25日

    弾頭重量が半分で弾体の直系が少し大きくて70キロの射程は、おかしいだろう?

    150キロの新型を引き渡しているのではないのか?

    1
      • 名無しさん
      • 2022年 11月 26日

      TRLG-230の重量は210kgと、GMLRSの296kgより80kg以上軽量で、
      弾頭重量差(48kg)を踏まえても搭載ロケット燃料に結構な差があると思われるので、
      70kmと言うのは妥当かと。

      トルコとしては、GMLRSは射程はちょうどいいけど、
      命中精度に対して威力がありすぎるという認識なのかもしれない。

      1
    • kitty
    • 2022年 11月 25日

    ソースのTwitterタイムライン見てたら、こんなネタがw。
    リンク
    ちょっとウクライナさんそれ拾って使うんですか…。

    1
      • きっど
      • 2022年 11月 25日

      そりゃT-62は纏まった数が鹵獲されていますし、ウクライナ軍は人は居ても装備の方は不足しているのですから、使える物は全部使うでしょうね
      T-90Mも戦列に加えていますし

      1
  1. この記事へのトラックバックはありません。

ポチって応援してくれると頑張れます!

にほんブログ村 その他趣味ブログ ミリタリーへ

最近の記事

関連コンテンツ

  1. 米国関連

    米空軍の2023年調達コスト、F-35Aは1.06億ドル、F-15EXは1.01…
  2. 欧州関連

    オーストリア空軍、お荷物状態だったタイフーンへのアップグレードを検討
  3. 軍事的雑学

    4/28更新|西側諸国がウクライナに提供を約束した重装備のリスト
  4. 中国関連

    中国、量産中の052DL型駆逐艦が進水間近、055型駆逐艦7番艦が初期作戦能力を…
  5. 欧州関連

    BAYKAR、TB2に搭載可能なジェットエンジン駆動の徘徊型弾薬を発表
PAGE TOP