欧州関連

トルコ、レオパルト2とアルタイを合体させたハイブリッド戦車を披露

トルコは新しい155mm自走榴弾砲「T155フィルティナNG」の初納入を祝う式典に国産主力戦車「アルタイ」の砲塔を備えたレオパルト2A4を参加させて注目を集めている。

参考:Millî Savunma Bakanı Hulusi Akar ve Komutanlar, Yeni Nesil Üç Fırtına Obüsünün TSK’ya Teslim Törenine Katıldı

紆余曲折の産物とも言えるレオパルト2A4にアルタイの砲塔を移植したハイブリッド戦車

トルコはのフルシ・アカル国防相が出席して新型155mm自走榴弾砲「T155フィルティナNG」の初納入を祝う式典が21日に実施されたのだが、この式典に国産主力戦車「アルタイ」の砲塔を備えたレオパルト2A4のアップグレードバージョンを参加させて披露したため大きな注目を集めている。

補足:T155フィルティナは韓国製の自走砲「K9」に独自の射撃統制システムやサブシステムを追加したトルコ製の155mm自走榴弾砲で約300輌ほど保有しているが、新たに12.7mm機関銃や40mmグレネードランチャーを備えたRCWS(リモートウェポンステーション)や新型射撃統制システムと連携して作動する自動弾薬装填システム(砲弾のみなのか砲弾と装薬の両方に対応しているのかは不明)を採用した「T155フィルティナNG」を開発、これを量産してトルコ陸軍の旧式化した自走砲戦力を更新する予定だ。

今回登場したレオパルト2A4のアップグレードバージョンは国産主力戦車「アルタイ」とのハイブリッドタイプで爆発反応装甲(参加車輌には未搭載)、複合装甲、ケージ装甲、車輌内壁の飛散を防止する内張り等を追加することで防御力を強化したレオパルト2A4の車体にアルタイの砲塔や火器管制システムを移植したものなのだが、特にシリア内戦で多くのレオパルト2A4が対戦車ミサイルの餌食になった教訓から国産のアクティブ防護システム(APS)が統合されているのが特徴と言える。

ただトルコ陸軍はアルタイの砲塔移植を除くアップグレードを施した84輌のレオパルト2A4の調達を約3億ドル(1輌あたりのアップグレードコストは約3.7億円)で発注済みでなので、今回披露したハイブリッド戦車を直ぐに調達(そもそもトルコ陸軍がハイブリッド戦車の調達に何も言及していない)するのは難しいだろう。

しかしトルコは国産主力戦車「アルタイ」に搭載するパワーパックを韓国から調達する計画が失敗しため国産化することを決定したが、短期間で実用化するのは難しい状況なのでレオパルト2A4とアルタイのハイブリッド戦車を繋ぎとして調達しても不思議ではない。

果たしてトルコは紆余曲折の産物とも言えるハイブリッド戦車を調達するだろうか?

恐らくパワーパックの国産化に時間がかかればかかるほどレオパルト2A4とアルタイのハイブリッド戦車の必要性が高まるはずだ。

関連記事:海外調達に失敗したトルコ、主力戦車「アルタイ」に国産パワーパック搭載を決断

 

※アイキャッチ画像の出典:トルコ国防省

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コメント

    • 匿名
    • 2021年 1月 24日

    実戦経験を反映させながら最終的には自主開発に至るだろう、実に軍事の正道な王道をゆくトルコ
    問題は、その先に何があるのか、オリエント世界の覇者になれるのかね

    13
    • 匿名
    • 2021年 1月 24日

    A4アップデートビジネスの海外展開ができるのかに注目かな?
    NATO諸国へは無理でしょうけど。

    3
    • 匿名
    • 2021年 1月 24日

    レオ2の車体に別の砲塔を搭載したハイブリッドって発想は独仏のMGCSと同じやね
    それだけ優秀な車体なんだな

    10
    • 匿名
    • 2021年 1月 24日

    車高がやたら高く見えたので、wikiでみたらレオパルトって車高3mもあるのね。10式が2.3なので高く見えるわけだ。

    14
      • 匿名
      • 2021年 1月 24日

      ソ連戦車並みに小さい10式とは異なり、結構車体が分厚いね。
      M1と比べてもかなり分厚い

      2
        • 匿名
        • 2021年 1月 24日

        戦術思想の違いだと思う
        陸自戦車は上陸軍への待ち伏せ攻撃を想定してるから低姿勢を優先してきたが、
        トルコはあれでも大陸国家ですから、進撃しながら索敵するには必ずしも大型が不利ではない。
        我が国がガラパゴスなのは山勝ち島国の国情なんですよ、

        13
    • 匿名
    • 2021年 1月 24日

    疑いだしたらきりがないけど10式のモジュラー装甲は本当に機能するのか不安を覚える

    3
      • 匿名
      • 2021年 1月 24日

      装甲強度に不安が出るか新しく強度のある装甲が出来たら換装すればいいんだからモジュラー装甲機能しないってことはないでしょう
      どうしても気になるのなら順調に研究開発が進んでるAPSに期待すればいいと思うし

      7
      • 匿名
      • 2021年 1月 25日

      心配しているはこういう状況?無敵戦車はありませんよ。
      リンク
      T-14アルマータの主砲2A82と徹甲弾3BM69の組み合わせで2Km先の装甲貫通力1000mm(何故か2005年のデータ)と公表されていて更にロシアの特許でAPFSDS+HEAT弾(貫通力3割増)というのが公開されています。ということは一般的に考えて・・ですけどね、取り敢えずAPSは後付けして欲しいです。

    • A
    • 2021年 1月 24日

    あーやっぱりって感じ。
    単体ではどこまでやれるか疑問に感じていたから。
    こうなると技術的問題とか輸出許可とかで揉めまくるのでは?

    2
    • 匿名
    • 2021年 1月 24日

    ハイブリッド戦車を披露とか言うからポルシェ博士の夢が実現したかと思ったわ

    3
    • 匿名
    • 2021年 1月 24日

    トルコはいろいろと兵器開発については頑張っている、かってのオスマン帝国を復活させることが望みなんだろう、それに向けて国内での兵器技術を着々と整えている。
    これまで先進国でしか作れなかった戦車の国産化を行い最終的にはジェット戦闘機の自国開発を狙っている、自分たちの出来る範囲で一歩ずつ進んでいる。
    主要兵器の国産化は戦争に備えるだけでなく周辺国への影響力を大きくし輸出により経済的な効果も期待できる、気が付けばいつの間にか地域覇権国になっているかもしれない(その場合は小さな中国のようになり、周辺国に迷惑かけ放題な国になる気がする)。
    さて周辺国はどういう風に動くのだろう。
    伸びる会社、破綻する会社、社長の指導力と先見の明によって社会は変化していくが、それが国単位で急激に動いているのが今の世界情勢で日本もお花畑を排除して本気で対応していく必要がある。

    2
      • 匿名
      • 2021年 1月 26日

      トルコはこれを突き付けられてレオパルド2の近代化改修してるのでは?世界全体の課題の様な気がします。
      Islamic State video reveals Turkish defeat in Syria
      リンク

        • 匿名
        • 2021年 1月 26日

        レオ2も結構首ちょんぱしてますね、ロシア製の対戦車ミサイルおそるべしってとこですな。              多くの洗車兵が気が付くこともなく死んでると思うと恐ろしいし画像です。
        しかしアルタイ(K2)の車体ってレオ2よりかなり劣るような気がするんですけど。
        でも無理をすることなきできるとこからやって言う姿勢はなかなかのものだと思います。

          • 匿名
          • 2021年 1月 26日

          どうしても装甲での完全防御は出来ない為、電子戦装置とか迎撃システムとか組み合わせて最終的に生き残れる様に開発するしか無いと思いますよ。ドイツのラインメタルはAPS開発に躍起になっているみたいです。それと戦車だけであらゆる脅威に対抗しきれないと思われるので、ドローン対策とかに船のシステムを取り敢えずトラックに搭載して短距離防空システム兼電子戦システム兼煙幕展開システムを試すとか大忙しかもしれませんね。

    • にわかミリオタ
    • 2021年 1月 24日

    新しい顔よ

    20
    • 匿名
    • 2021年 1月 24日

    アルタイは

    ドイツの砲(ラインメタルのライセンス生産)+ドイツのエンジン(MTU製パワーパック)+韓国の車体(K2の技術移転)

    というのが最初の構想だったのに、韓国のエンジン(パワーパック)にするどころか車体ごと丸ごとドイツ(レオ2)になったのなら、計画を迷走させただけのK2はもう要らん子状態ですね

    8
      • 匿名
      • 2021年 1月 24日

      装甲周りの技術は残っているのでは?

      • 匿名
      • 2021年 1月 30日

      トルコはフランスに妨害される前提でアルタイ計画進めていて結局は国産化が目的では?つまりは中国の戦車開発がウクライナの協力あってこそなのと同じ考え方でエンジンもイタリアとウクライナが提供の意思を示しており、装甲は韓国がフランスから提供された資料をそのままトルコに提供しているみたいで、トルコもそこから独自開発している可能性が大です。車体も大きくなっていてレオパルド2の国産化計画と推察します。

    • 匿名
    • 2021年 1月 24日

    M48/60系列の車体にも載せよう。

    1
    • 匿名
    • 2021年 1月 24日

    トルコ共和国の経済が耐えられるのかねえ。
    2018年6月、エルドアン大統領による大統領制に移行
    ほぼイスラム、親族による独裁政権?

    (エルドアン政権下の決定では無いけど)トルコ共和国は2023年の建国100周年事業としして、経済規模:世界10位以内、輸出:5,000億ドル以上って目標を立てて、国内インフラの整備に大金をつぎ込んだ 200億ドル以上、勿論、ほぼ全てが外国、外資からの借款。(日本からの借款だけでも7,000億円=70億ドル)
    だけど、為替レートは0.65トルコ・リラ/ドル(2010年頃)から、0.15と77%も下落してる、(つまり、23%の価値になった)

    GDP:約8,000億ドル、国防費:約80億ドル(公表されてる数字では)、輸出:約1,700億ドル、輸入:約2,000億ドル
    外務省 トルコ基礎データ
    リンク

    投資したインフラはボスポラス海峡の橋梁(2)、トンネル(2)、西側のイズミット湾の橋梁(1)、西側の高速鉄道網など (うち、日本はボスポラス海峡の橋梁(1)、トンネル(1)、西側のイズミット湾の橋梁(1)など)

    4
    • 匿名
    • 2021年 1月 24日

    ここ最近のトルコの兵器関連のニュースは兵器販売のプロモーションと、制裁なんて無駄だからなという牽制が入り乱れてますね。この辺りにトルコの現状が顕著に出ていると思います。

    もっと強くなるには売らなければならない、しかし売るにも大口顧客(先進国)には門前払い。チマチマ稼いでいる間にヌルリと包囲され根枯らしにされる。取れる手は資源の確保、強奪しかないでしょう。

    2
    • 匿名
    • 2021年 1月 25日

    アルパルドなのかレオタイなのか…後者だとちょっとエッチですな(小並

    4
      • 匿名
      • 2021年 1月 25日

      座布団とるぞ
      戦車というのは性的にはどうみても男性のほうだろが

      3
      • 匿名
      • 2021年 1月 25日

      K2パルドとかで如何か。K2を縮めてはいけない。

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