欧州関連

トルコは防衛輸出額が年100億ドルを突破、無人戦闘機のインドネシア輸出も実現

トルコで開幕した防衛見本市=SAHA 2026で5日「無人戦闘機=バイラクタル クズルエルマのインドネシア輸出契約」が発表され、オメル・ボラット貿易相は「2025年の防衛輸出額が100億ドル=約1.5兆円の大台を突破した」と明かし、SAHA 2026では約80億ドル相当の契約締結が見込まれているらしい。

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もうトルコ防衛産業界は絶好調過ぎて「すごいですね」としか言いようがなく、武器輸出がビジネスとして確実に根付いている

トルコのエルドアン大統領が2025年2月にインドネシアを訪問した際、Baykar(バイカル)製無人機のBayraktar TB3(バイラクタル TB3)×60機とBayraktar Akinci(バイラクタル アクンジュ)×9機の購入・共同生産に関する契約を締結したが、今月5日にイスタンブールで開幕した防衛見本市=SAHA 2026でBayraktar Kızılelma(バイラクタル クズルエルマ)×12機の購入契約を締結し、インドネシアへの納入は2028年から開始されるらしい。

Baykarの世界初となる無人戦闘機=Kızılelma開発は順調に推移しており、2025年末までにKızılelma同士による自律的な編隊飛行、自律的な空中哨戒、空対空ミサイルによる目標の破壊、空対地兵器の投下に成功し、能力実証の進捗ベースで見た場合、ボーイングとオーストラリアが開発を進めているMQ-28Aとほぼ同等もしくは一部の能力実証でMQ-28Aを上回っており、バイカルは「トルコ空軍が有人戦闘機で担ってきた哨戒任務やスクランブルは今後、Kızılelmaによって自律的に遂行される予定だ」と説明している。

ただし、Kızılelmaは有人戦闘機・有人航空機との随伴飛行や協調能力を全面に打ち出しておらず、どちらかと言うとTB2、TB3、Akinciといった武装可能な無人航空機=UCAVを無人戦闘機化したようなプラットフォームで、単独もしくはKızılelma同士の協調能力を生かした運用を想定している可能性が高いが、後から随伴飛行や協調能力を付け足してくる可能性もあるため「Kızılelmaは単独運用の無人戦闘機」と断言することも出来ない。

どちらにしてもKızılelmaは「世界で初めて輸出に成功した無人戦闘機」という称号を手に入れる可能性が高く、輸出市場におけるイメージ戦略にとってプラスに作用するのは間違いないだろう。

SAHA 2026では他にも射程6,000kmの大陸間弾道ミサイル=Yildirimhan、低コストの対ドローン誘導ミサイル=Cirit、6枚ブレードを搭載したAGM-114R9Xの類似兵器=Neşter、Shahed型自爆型無人機=Kuzgun、徘徊型弾薬=SİVRİSİNEK、MIZRAK、自爆型無人水上艇=YAKTU、TUFAN、自爆型無人水中機=KILIÇ、迎撃ドローン=TUNGA-Xなど、全て把握するのが困難なほど多岐にわたる装備品が発表され、オメル・ボラット貿易相は「防衛部門の2025年輸出額が初めて100億ドル=約1.5兆円の大台を突破した(前年比約48%増)」と明かした。

さらにハルク・ゴルギュン国防産業庁長官も「今回のSAHA 2026では約80億ドル相当=約1.2兆円の契約締結が見込まれている(前回開催時は62億ドル)」と明かし、トルコのドローン企業=Pasifik Teknolojiは非公開の友好国もしくは同盟国と10万機のFPVドローン購入契約を締結、トルコの弾薬企業=ARCA Savunmaも「砲弾とロケット弾の生産能力が設立時から3倍に増加し、現在の砲弾生産能力は月10万発を超えている」と発表。

もうトルコ防衛産業界は絶好調過ぎて「すごいですね」としか言いようがない。

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※アイキャッチ画像の出典:Baykar

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コメント

  • コメント (13)

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    • MK
    • 2026年 5月 07日

    トルコは大戦後もクルド含めずーっと地域紛争してますから国民の軍需産業に対する気構えが全然違うのでしょうね。F35で米国とトラブったのも国内開発に弾みをつけましたね。

    29
      • たむごん
      • 2026年 5月 07日

      トロ対策(PKK)、派兵(キプロス・シリア・イラク)、同盟国との協調(湾岸戦争・ナゴルノカラバフ)、ミサイル防衛(イラン戦争)ほんと身近ですよね…。

      6
        • たむごん
        • 2026年 5月 07日

        テロ対策でした…
        >トロ対策

        1
          • 名無し
          • 2026年 5月 09日

          トロ対策の方が良いな。
          ひとの奢りだとなお良し。

          4
    • 無印
    • 2026年 5月 07日

    世の無人戦闘機が、主翼とV字尾翼の似たようなシルエットをしてるのに、クズルエルマのカナード主翼尾翼のスタイルが個性を主張してて結構好き

    アナドルへの着艦や双発型の開発とか、まだまだポテンシャル持ってるのもポイント高し
    自衛隊も、TB2Sだけじゃなく、もっとトルコの無人機に注目してもいいんやで、これからならイタリア経由でも導入できるし

    15
      • 戦車
      • 2026年 5月 07日

      他国に頼るのは良いのですけど、米国の納入遅延のリスクと言う前例がありますからね。自衛隊の開発計画や調達計画見てるとなんだかんだで自国生産を見据えた開発をしていたり、調達計画をしている物が結構有るんですよね(無人随伴機は3種開発中、UUV、USVは昔から、徘徊兵器と大型UAV、迎撃ドローンは実績が無いので調達計画を練ってる感じなので。

      21
        • ドゥ素人
        • 2026年 5月 07日

        景気が良いところには人が集まりますので、トルコの場合は防衛産業に人が集まっているのであれば、ITや金融に集まりすぎている米国よりは納入遅延リスクは少ないかもしれません。
        おっしゃる通り日本も自国生産を見据えて計画立てられているのも多いですが、トルコのようによいスパイラルに到れるかは、五類撤廃後の十年以内が勝負時かと思います。
        頑張って欲しいですね

        17
      • nachteule
      • 2026年 5月 08日

       日本が導入するにしても主にスクランブル用途で運用するなら現行のKızılelma Aでは能力不足でしょう。空自の基地配置を見る限り最低でも航続距離が現行の2倍位は欲しい。仮に導入するなら双発で大型化するであろうC型で内部燃料で航続距離が最低2000km位行けて出来れば国産エンジンやAIとか日本仕様で作らせてくれとかの交渉含めての話になるでしょうね。ただそれが何時作られるかだけはネック。

       自衛隊が試験導入したのがTB2Sなら、実際の性能は不明だけどTB2で3500km位の航続距離はあるはずなので多少割り引いたとして3000km以上は狙えると重う。速度はともかく航続距離に関しては問題無いからこその導入でしょう。

    • 足柄
    • 2026年 5月 07日

    企業としてならトルコに限らず利益率と純利益を出さない話しは参考程度ですね
    もがみ型の件にしてもオフセットまで考慮してどうなのか

    9
      • のー
      • 2026年 5月 07日

      オフセットは事実上の値引きですから。
      もがみ型は実質的にはあまり利益は出てないかもしれませんね。
      ただ国益という視点では、利益は大きそうです。
      武器のサプライチェーンに食い込めば、安全保障上不可欠な存在になれます故

      20
    • たむごん
    • 2026年 5月 07日

    淡々と輸出拡大していて、すごいですね。

    トルコ外交は、ウクライナ戦争・イラン戦争・シリア内戦(派兵あり)~政権交代などでも存在感を見せてるなと。

    トルコの安全保障を、外交+武器取引というくくりで見れば、とんでもなく存在感が上がっているなと感じています。

    6
    • せい
    • 2026年 5月 07日

    ナゴルノカラバフからこっち、常に戦場のドローン市場でトップだったもんなぁ
    トルコの収集した運用データはウクライナ並みにあるかもしれない
    正式にGCAP に誘っても良いんじゃ無いかと思う

    7

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