欧州関連

ウクライナ、ベルギーが民間企業に払い下げたM109A4の入手に成功

ベルギーのデドンダー国防相は2日、出席した下院の委員会で「ウクライナは我々が民間企業に払い下げたM109を手に入れた」と明かした。

参考:La Défense n’a pu récupérer ses anciens obusiers, qui semblent bien partis vers l’Ukraine
参考:Ukraine has bought Belgian M109 howitzers from a private company

ウクライナが保管されていたM109A4を全て入手していればノルウェー提供分と合わせてM109は84輌になる

ベルギー国防省は2008年に64輌のM109A4とスペアパーツをFlanders Technical Supply(世界中から余剰装備を専門的に買取る企業)に計175万ユーロで払い下げたのだが、この装備がFTSの倉庫に眠っていることに気づいたウクライナ当局は「M109A4を譲って欲しい」とベルギー国防省に連絡をしてきたらしい。

出典:Генеральний штаб ЗСУ ノルウェーが提供したM109A3GNを実戦で使用するウクライナ軍兵士

この装備について議員から質問されたデドンダー国防相は「FTSと連絡をとって(M109A4の買い戻し)交渉を始めようとしたが、再度FTSに連絡を入れると当該装備の売買交渉が成立した後だった」と明かし、交渉の詳細については把握していないものの「M109A4がウクライナに向かっている」とだけ付け加えており、デドンダー国防相の話を額面通り受け取れば「ウクライナはFTSと直接交渉してM109A4を買い取った」という意味になる。

因みにベルギー国防省がFTSにM109A4を払い下げた際、契約にM109A4の買い戻し条項を盛り込もなかったため「FTS側はベルギー国防省に買い取り金額の10倍=1,750万ユーロを要求した」という噂があり、もしかすると金額面でベルギー国防省とFTSの交渉が長引くと判断したウクライナが「言い値でFTSからM109A4を買い取った」とも解釈できるが、現在の戦況は金よりも圧倒的に時間の方が貴重なので「FTSの言い値で買い取る」という点は些末な問題なのだろう。

出典:Генеральний штаб ЗСУ ノルウェーが提供したM109A3GNのメンテナンスを行うウクライナ軍兵士

もしウクライナが保管されていたM109A4を全て入手していればノルウェー提供分(M109A3GN×20輌)と合わせてM109は84輌となり、イタリアもPzH2000かM109A3の供与を検討(FH70を提供したので自走砲の提供は見送られた可能性もある)していると報じられているのでウクライナに集まるM109の数はもっと増えるかもしれない。

関連記事:6/3更新|各国がウクライナに提供している重装備のリスト
関連記事:ウクライナにM777、FH70、CAESAR、M109、ハープーンが到着

 

※アイキャッチ画像の出典:270862/CC BY-ND 2.0 ベルギー陸軍のM109A4

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コメント

    • おわふ
    • 2022年 6月 06日

    動くんだろうか?

    2
      • 2022年 6月 06日

      ニコイチで動かすのかな。あるいは会社も部品の需要があるから買い取っていたのでしょうから、その会社にどこに販売しようとしていたのかを聞き出して、そっちに「もう部品がないからおたくのM109は稼働できないでしょ」でM109を手に入れて、とか。

      • てつ
      • 2022年 6月 06日

      予備パーツ付きだから、動かないものはそれを使って修理するでしょうね。
      足りなければアメリカやNATO諸国が予備パーツ位送ってくれるのでは。

      7
      • ネコ歩き
      • 2022年 6月 06日

      FTSは世界中から余剰装備を専門的に買取る企業、ベルギーからはスペアパーツ込みでM109A4を丸ごと買い取っていたということですね。
      当然ながら今回はそれを丸ごと売却したんでしょうし、保守部品も世界中から買い取り売却もするんでしょう。
      整備できない動かないではただの屑鉄ですから、中長期的には分かりませんが、短期的には問題無いんじゃないでしょうか。

      10
      • WSO
      • 2022年 6月 06日

      常識的に、動かないブツを売った買ったするわけねーと思うがね。それと、旧来の曲射自走砲なんてのは
      まさしく武人の蛮用の耐える造りをしている典型的原始的頑丈兵器でそ

      2
    • や、やめろー
    • 2022年 6月 06日

    こういう時に武器だけではなくお金も必要なんだなってわかった。10倍でも各国からの資金があれば買えるもんなぁ

    18
      • ネコ歩き
      • 2022年 6月 06日

      というか、64両+スペアパーツを1,750万ユーロ(140ユーロ/円として24.5億)でウクライナに売ったとすれば、1両当たり3,800万円余り。動いて撃てるなら安いでしょ。
      ベルギー国防省はその10分の1でFTS売ったわけですね。

      1
    • NATTO
    • 2022年 6月 06日

    上野の無稼働銃屋さんの商品の仕入れ先の一つかな?

    • ななし
    • 2022年 6月 06日

    安く買って高く売る。商売の基本だけど足元見てるなぁ
    マッコイ爺さんの親戚か知り合いが経営してるに違いない

    14
      • 名無し三等兵
      • 2022年 6月 06日

      ウクライナ政府が欧米諸国からかき集めた兵器を動かす傭兵部隊を
      組織したら陸戦版エリア88が出来そうだ。

      12
      • スマック
      • 2022年 6月 06日

      アベノマスクじゃないけど保管費用にも金がかかるから軍も手放すんだろうし。
      買い取った企業も14年も保管してたのなら高く売らないと割に合わないしな。
      最後まで売れずにスクラップになる物も沢山あるだろうし。

      11
    • 58式素人
    • 2022年 6月 06日

    第三次中東戦争前のイスラエルを思い出しました。
    世界中の屑鉄業者を回って使えそうなM4を集めて再生し、
    さらに懸架装置を全てHVSSに統一して、必要なら主機を交換、
    一部はパンター戦車の主砲を基にした仏製の
    75mm砲に換装までしていた。T34対策には十分な性能でした。
    ウクライナも自分で出来ることはするということかな。

    13
    • 無能
    • 2022年 6月 06日

    皆大好き3店方式なら日本も行けるんじゃ?
    分解してパーツ単位で売却すれば武器として機能しないとか抜け道もありそうな。

    8
    • 月虹
    • 2022年 6月 06日

    欧州は1992年にNATO(16か国・アメリカ含め)と旧ワルシャワ条約機構(14か国・ロシア含め)で核兵器以外の通常戦力の削減について締結した「ヨーロッパ通常戦力条約(CFE条約)」によって段階的に戦車や火砲などの通常戦力を段階的に削減してきました(ロシアは2015年に条約から離脱)。削減の対象となった兵器はヨーロッパ以外の第三国に売却されるか解体されるかの2択になったのでFlanders Technical Supplyの様な兵器の買い取りや解体を専門にする業者がヨーロッパにはいくつかあります(ヨーロッパ最大の兵器解体専門業者はドイツのテューリンゲン州にある)。

    ドイツも解体業者に送ったマルダー歩兵戦闘車を買い戻してウクライナに送るという選択肢を検討したようですが、やはり解体業者から買い戻す必要があり、断念したと聞きます。

    5
      • NATTO
      • 2022年 6月 06日

      ディスカバリーに出て来る払い下げ業者もその一つ?
      あそこは民間にも販売して問題が無い物の許可なんだろうけど。

    • 四凶
    • 2022年 6月 06日

     A4レベルでも牽引砲より装甲もあって自走出来て、全周射撃出来てFH70よりは人数が少なくて済むから多く使われている自走砲は何としても欲しい感じかな。

     やっぱ正規軍同士戦う平原多いとまだまだ必須装備なんだろうか。

    4
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